登録日:2010/03/05 Fri 13:59:23
更新日:2026/03/12 Thu 21:22:09
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少林寺拳法とは、
武道の一つ。
シンボルマークは卍(まんじ)→ソーエン(オリンピックのわっかが2個みたいな感じ。世界進出と共にナチスを懸念して変更された)
【概要】
まず勘違いされる話として、中国武術の少林拳とは別物。戦後の日本生まれである。
(トリビアで紹介されたので今では無駄知識として知ってる人も多いのでは?)
とはいえこの武術は中国で学んだものを開祖が纏め直したものかつ、かつ開祖は義和拳の継承者であるので中国武術にルーツがあること自体は間違ってはいない。
(ちなみにこの義和拳とは歴史の授業でも出てくる義和団の乱の義和団の者が使用していた拳法であるとのこと。ただし明らかになったらいろいろと歴史的に厄介な話も出てくる可能性が高いレベルであるためどこまで完全な事実かは不明でもある。なにせその辺りの正式な資料が殆ど残っていないので……)
ただ、創始者である宗道臣は元々は日本の古流柔術家でもあるためにベースは柔術の要素が色濃く、特に関節技はほぼほぼ古流柔術であり、合気道にも似ている。
本山は
香川県仲多度郡多度津町に存在。筆者が昇段合宿に訪れた際、駅には観光地として看板に表示されていた。
創始者は
宗道臣で「開祖」と呼ばれる。
漢字三文字の名前なので中国人と思われることもあるがれっきとした日本人であり、本名は
中野理男。
このような変わった名前なのは本人が改名しているからという事情もある。
この人をモデルとした『
バキ』登場人物の
寂海王がいるが、本人はもう少しまともな人だと思う。
二代目は宗由紀と、
女性で二代目にして既に象徴的存在。
現在のトップは開祖の孫で三代目の宗昂馬。
戦後生まれであるものの日本九大
武道の一つに名を連ねており、中高はともかく大抵の大学には部活にあるはず。
世界各地にも広まってる。
また、
京都府には柔道の代わりに少林寺拳法を授業に取り入れている学校がある。
本山のあるUDON大好き香川県は全然そんなことなかったぜ!
公式大会では『聖句』『聖願』『信条』なる呪文を暗唱させられる。
但し心酔してるのは入門したての真面目な中学生ぐらいなので、変な目で見ないよう。
【他の武道との違い】
武道の一つではあるが新興宗教の一つでもある(まあ「武道」=「武術」+「教え」なので当たり前といえば当たり前)。
そもそも開祖は戦後間もない頃、腑抜けた若者をみかねて儒教、仏教的な指導をしたがなかなかついてこないので、
自身が会得した拳法をエサにしてみたら手応えがあったという。
肝心の武術の内容としては、『剛法』と呼ぶ打撃と『柔法』と呼ぶ柔術に大別される。まぁ柔法の方が剛法より遥かに痛くて実用的。
アニヲタ的に有名な「
経絡秘孔」の語も柔法に由来する。
簡単に言うと
空手と合気道を足して2で割ったようなもの。
ちなみに段位習得以前に習得する柔法の抜き技は殆どが有段後に投げ技や固める技に変化するので基礎をきっちり習得しておかないとかなりキツイことになる。
打ち合いの中に柔術を混ぜこむのは武術としては珍しい。
護身術として体系化されたため非力な女子供老人やアニヲタでも十分強くなれる。
種類としては(イメージ)
一人で行う単独演武(フィギュアスケート)
二人で行う組演武(ペアフィギュアスケート)
6~8人でやる団体演武がある(シンクロナイズスイミング)
仲間にありつけない場合単独演武となる。
【創始の由来と歴史】
開祖である宗道臣は幼少期に満州鉄道調査部に身を置く高名な武道家であった祖父から武道の指導を受け、17歳で再び満州に渡ると特殊工作員としての教育を受けるため、北少林白蓮拳の師父陳良老師に身柄を預けられた。
その後、軍事作戦用の地図を製作するために満州各地を周り、現地の武術家と交流する中で様々な技術を学び、1932年に満州国が独立すると道臣は北京に渡り、陳良の師である北少林義和拳の師父文太宗に師事し、1936年には当時廃寺の危機にあった嵩山少林寺を来訪し、義和門の允可を受ける。
そんな第二次世界大戦前の中国で、ある時宗道臣は友人である柔道黒帯の日本軍人とともに街を歩いていたところを地元のチンピラにカツアゲにあってしまう。
友人はとっさにチンピラを投げ飛ばそうと組み付くがチンピラが隠し持っていたナイフで刺されて死亡。
古流柔術家であった宗道臣は辛うじて柔術の当身技でナイフを叩き落として関節技でチンピラを制圧することに成功するも、チンピラは武術経験者だったようでそのナイフ捌きはすさまじく、ナイフを叩き落とすまでにかなりの怪我を負ってしまった。
その経験から「刃物を持った相手に素手で対処するには打撃技が重要。柔道や柔術には打撃の技術が足りない」と痛感し、さらに中国武術の打撃技の技術の高さに注目して少林拳系の中国武術を習得。
元々習得していた柔術に中国武術の打撃技を組み込んで体系化して1946年に日本へ帰還すると少林寺拳法を創始した。
第二次大戦後、日本の荒れている若者たちとの交流から教育の大切さを痛感して故郷である四国で若者たちの更生に乗り出し、その際に若者の教育の一環として少林寺拳法の指導を行ったことで日本各地に広まることとなった。
【特徴】
上記の通り少林寺拳法は宗門であり、単なる武道や格闘技ではないという視点に立ち、金剛禅という独自の教説に基く自己確立・自他共楽の教えを基に仁王尊のような「金剛の肉体」と達磨の「不撓不屈の精神」を目指した修行法を取り入れている。
思想面
少林寺拳法の特徴は拳禅一如・力愛不二・守主攻従・不殺活人・剛柔一体・組手主体という語句に凝縮されるよう、他にない調和の形態をとっているといえる。
肉体の修練に加えて、脚下照顧・合掌礼・作務・服装等の行為・規定があり、さらに精神修養の一環である鎮魂行にて聖句・誓願・道訓・信条などを唱和することで自己研鑽を行う。
これらの修練を通して社会を動かしていくのは人であり、その人の「質」が問題であるとの認識に立ち、社会に役立つ「真のリーダー」を目指す「人づくり」の教えであるとされている。
金剛禅では「自己確立」「自他共楽」「理想境建設」をその目的としてあげている。リーダー育成により日本の社会に影響ある若者を育てることを目指す。
武術面
少林寺拳法と空手や柔道などの他の現代武道との大きな違いの一つは急所攻撃(目、金的)が基本のコンビネーションに組み込まれていることだろう。
様々な状況から的確に相手の目や金的を攻撃できるように洗練された急所攻撃技術が充実している。
これは少林寺拳法が護身術であり、体格差のある相手に襲われても制圧できるようにというコンセプトからである。
ただし、眼球や睾丸を破壊して相手に重傷を負わせるような技法はなく、急所攻撃による痛みで相手を怯ませてから柔法(関節技や投げ技)で動けなくするのが基本。
いくら護身のためとはいえ相手に重傷を負わせてしまうと自分が過剰防衛で逮捕されてしまうし逆恨みされて復讐される恐れもある。
なので不必要に相手を傷つけないのが少林寺拳法の基本コンセプトである。
「剛柔一体」と称されるように打撃技から関節技や投げ技に移行する、関節技を極めながら打撃を打ち込むなど、打撃と組み技が有機的に結びついているのが特色。
少林寺拳法が柔術と中国拳法の融合した武道であるためだろう。
とはいえ、元々日本古流武術では打撃と組み技が両立しているものも多く、日本
古武術から発展した日本拳法なども打撃と組み技のコンビネーションは豊富である。
空手やボクシングなどでは打撃は体を安定させて打つことが多い。これは打撃に体重を乗せて破壊力を高めるためだが、少林寺拳法の打撃は攻撃の際に体を横や斜め前に大きめにスライドさせてから打つのが基本。
これは相手の攻撃をかわしながら打撃を打つという想定のため。
なので少林寺拳法の打撃は基本的には自分からは打たず、相手の攻撃に対するカウンターで使うことを想定している。
また、そのために一撃の威力はあまり高くないために素早い連続打撃で相手を倒すことを想定した型となっている。
熟練者の素早い連続攻撃はちょっとカンフー映画っぽい。
空手やボクシングなどは防御するときは相手の攻撃を受け止めてブロックするのがメインなのに対して少林寺拳法では相手の手足を横や斜めに払って受け流すように防ぐのが基本。
元々宗道臣がナイフで襲われた経験から構築された武術だけあって、刃物による攻撃を防ぐことを想定しているためである。
【修行体系・評価法】
護身術という立場を強調してか、公式大会は試合ではなく『演武』というプログラムを披露する採点方式である。
少林寺拳法の修行体系は三鼎、三法、二十五系そして六百数十の技に分類され、これらの拳系を合わせると大きく分けて仁王拳、三合拳、天王拳、白蓮拳、地王拳、鶴立拳、龍王拳、龍華拳、五花拳、金剛拳、羅漢拳の11技法がある。
演武
「剛法」と「柔法」の技を組み合わせて演じるものを「演武」と呼ばれる。
2人で組むものを「組演武」といい、「組手主体」の教えの基、二人の攻防を演じるのに対して1人で行う「単独演武」もあり、突き、蹴り、受けという基本の動きを確認するために用いる。
ちなみに少林寺拳法の大会ではこの演武しか行われない。
大会では各資格別に分かれたコートで演武を行い、それを5名(3名の場合もある)の審判員が審査する。
立合評価法
技法をより深める修練法として、攻守を決めて行う「運用法」がある。
以前は大学の部活同士で「乱捕り競技会」と称して大学内の優劣を決める対戦競技が行われ、死傷者を出す惨事を多く起こし問題となったことて現在は防具の改良と充分な安全管理の下、正式に資格を有するものが審判を行うことが徹底されている。
評価方法としては、攻撃や反撃をとにかく極めるといったポイント制を見るのではなく、双方の攻防の動き、技の修得度、防御から反撃への足捌き、体捌きや技を体系的に練り上げているか(戦術の修練度)が重視される。
またマナー・礼儀作法も重視され、拳(技術)と禅(精神面)の両面で審査する。
【資格】
有段者資格は拳の修行の進捗の度合いを示す武階と、これに精神面での成長度を加えた拳禅一如の修養の段階を示す法階の2種類がある。
また、財団法人のみに加入の中学・高校・大学等(袖章が青)の拳士は本山講習会受講もしくは武専入学するまでは法階を与えられない。
有段者は一般的に下記のように呼称される。
下記の例では「准拳士」が法階で、「初段」が武階を指している。
〜一例:准拳士初段〜
法階・武階は下記のように昇格していく。
准拳士初段→少拳士二段→中拳士三段→正拳士四段→正拳士五段→大拳士五段→大拳士六段→准範士六段→准範士七段→正範士七段→正範士八段→大範士八段→大範士九段→師家
道院・支部の役職は道院長・支部長の組織長とこれらを補助する副道院(支部)長・道場長・助教・助士がある。
五段以上の武階となることで支部長、大拳士五段以上の武階および法階の資格と宗教法人金剛禅総本山少林寺の僧階である大導師以上の資格を得ることで道院長となることができる。
助士は准拳士以上、副道院長・道場長・助教は中拳士三段以上で、その他の条件を満たす者の中から指導者としてふさわしい者が任命される。
また「僧階」と呼ばれる金剛禅総本山少林寺のいわゆる僧侶としての資格も存在する。
これは自分自身の修行に精進することに加えて、この道の布教者になることを志して金剛禅総本山少林寺の僧籍に編入された者に対して与えられる。
少導師→権中導師→中導師→権大導師→大導師→権少法師→少法師→権中法師→中法師→権大法師→大法師
【少林寺拳法は弱い?】
実のところ、少林寺拳法は弱いというイメージを持っている人もけっこう多い。
実際少林寺拳法をやっている人は空手や柔道、ボクシングなどをやっている人に比べてあまり体を鍛えておらず、実際に試合をすると弱いことが多い。
しかし元々の少林寺拳法は非常に実戦的で強力な武道だった。
なのになぜ現代では少林寺拳法は弱いというイメージになってしまったのか?
これには歴史的な理由がある。
開祖である宗道臣が存命のころは日本は高度経済成長期前で治安が悪い時代だったために荒んだ若者が多く、少林寺拳法はそういう力を持て余した若者たちを更生するためにかなり厳しいトレーニングを行い、時には
ヤクザと激しい抗争を行っていた時もあったほどである。
上記の演武についても少林寺拳法創成期には現在のように完全に構成を決めたものではなく、多くの実践要素を盛り込んだ自由攻防も行われていた。
そのため演武が最後まで演じきれずに終わるということも散見され、その緊張感と迫力は武の修練としても大きく効果を発揮した。
しかし日本が高度経済成長期を迎えて豊かになり治安が向上してくると少林寺拳法はその荒々しさからヤクザやチンピラがやる武道というイメージを持たれて入門者がどんどん減っていってしまった。
そのために少林寺拳法の経営陣はイメージ改善のために
「上品で清く正しい精神修養を主眼とした武道」「女子供でもできる護身術」というイメージを打ち出し、
辛い基礎鍛錬や怪我の恐れのある組手を無くして型練習主体の練習方法に変えてしまったのである。
結果、イメージ改善には成功して日本全体に普及したものの組手を重視する空手や柔道に比べて実戦性が低下して弱いというイメージになってしまったのである。
とはいえ、技法自体は実戦的であることは確かであり、現在でも厳しいトレーニングや組手をやっているガチ勢向けの道場やクラブもあり、そういうところの選手はかなり強い。
アニヲタ的に有名どころでは
バキシリーズの作者である
板垣啓介氏は少林寺拳法の有段者かつ陸上自衛隊であり、少林寺拳法の経験を活かして自衛隊内のボクシング部で大暴れしていたりする。
また、リアルな喧嘩と格闘技描写でマニアックな人気を博した喧嘩漫画
ホーリーランドの作者である森垣二氏は身長180cm以上の大柄な体格かつ空手の有段者であり空手の試合でも活躍していた猛者だったが、通っていた大学の少林寺拳法部の部員に勝負を挑んだどころ
攻撃を全て捌かれて負けてしまったことをインタビューで語っている。また、そのことからホーリーランドでは少林寺拳法の使い手を作中最強クラスとして描いている。
【主な少林寺拳法経験者】
- 若本規夫:声優・元機動隊
- 朴璐美:声優・特技に少林寺拳法を挙げている
- 杉田智和:声優・高校時代に少林寺拳法部に所属していた(初段)
- 角田信朗:空手家(中学時代に少林寺拳法を学んだ)
- 筧利夫:俳優(三段)
- 吉川晃司:歌手
- 坂口拓:アクション俳優
- 佐藤健:俳優(5歳の時に6年間少林寺拳法を学んだ)
- 谷垣健治:映画監督(前述の佐藤氏が主演を務めた実写映画『るろうに剣心』シリーズでアクション監督を担当)
- 千葉真一:俳優(二段)
- 戸田恵梨香:女優(初段・父親も少林寺拳法を学んでいた)
- 真夏竜:俳優(初段)
- 青島心:女優(黒帯所有者・ツムリ役で出演した『仮面ライダーギーツ』でもその片鱗を見せた)
- 出雲銀河:電童操縦者
- GACKT:シンガーソングライターにして一流芸能人
- hyde:L'Arc~en~Cielのボーカル(何気に五段の有力者)
- 板垣啓介:漫画家、元陸上自衛隊第一空挺団所属。
- 池沢佳主馬:キングカズマ※映画『サマーウォーズ』の登場人物
- 宗龍神:漫画原作者・サンドロビッチ・ヤバ子氏がWEB連載していた『求道の拳』の登場人物。厳密には少林寺拳法と宗道臣をモデルとした「砲林寺拳法」の使い手。
追記こそ己の依るべ、追記をおきて誰に依るべぞ
よく整えし修正こそまこと得がたき依るべなり
- 刃牙では安定のかませ -- 名無しさん (2014-02-11 01:26:43)
- ちなみに中国にも少林拳なんて存在しない、正しくは少林武術 -- 名無しさん (2014-05-31 20:43:12)
- ジェットリーが『少林寺』の撮影で少林拳学ぼうとしたら、伝承者が軒並み文革でピーされていて誰も居なかったので、やむなく日本の少林寺拳法学びに行ったのは有名な話。 -- 名無しさん (2016-03-20 13:26:53)
- 開祖の人は中国で義和団事件の生き残りの人から学んだと聞いた>中国武術少林拳とは別物 -- 名無しさん (2016-03-20 14:54:23)
- 紛らわしい名前つけるなって前から思ってた。 -- セイ (2020-05-05 07:51:57)
- 開祖の宗道臣は漢字三文字なので中国人っぽいけど実際は日本人の古流柔術家だったりする。 -- 名無しさん (2023-08-22 21:22:38)
- ↑確か開祖って元々別の名前だったのを改名したんだっけ?そもそも学んだうえでは特攻隊あたりに病気で入れずスパイとして中国に渡ったのは学んだんだけどそこら辺うろ覚えで -- 名無しさん (2023-08-22 21:44:18)
- ↑中野 理男(なかの みちお)→中野 道臣(なかの みちおみ)→宗 道臣(そう どうしん)という変遷 -- 名無しさん (2023-08-22 21:59:25)
- 割と最近まで中国拳法だと思ってた… -- 名無しさん (2026-02-08 07:58:49)
最終更新:2026年03月12日 21:22