王(仮面ライダーオーズ)

登録日:2013/05/10(日) 17:59:50
更新日:2020/03/13 Fri 11:47:54
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「ハッピーバースディ! アンク君」



【基本】
講談社キャラクター文庫刊、著:毛利恒宏による『仮面ライダーOOO』のノベライズ、
小説 仮面ライダーオーズ』のアンクの章に登場する主要人物。

ある小国の王にして、火野映司にとっては先代のオーズの資格者である男性。存在自体は本編でも語られている。

作中、本名を名乗る事も明かされる事もなく、地の文でもアンク達からも専ら「王」としか呼ばれない。
小国ながら多数の錬金術師達による薬品を使った巧みな外交を行い、大国と対等以上に渡り合う手腕の持ち主。

しばらくの間、それにより国力を高めていったが、錬金術師達がオーズドライバーと生命の力を凝縮したコアメダルを製作したのを切欠に他国への侵攻を開始した。
また錬金術師の筆頭格であるガラが、コアメダルを使って強大な力を誇る生命体「グリード」を創造した際には、それらを己の計画に利用する算段を立てる等、
先見の明に優れた部分も見せる。

項目冒頭の言葉や配下の錬金術師ガラの存在から何となく分かるように、鴻上光生会長のご先祖様である。
基本的な言動や性格もほぼ会長のソレと同じ。

ただし会長の場合、欲望を暴走させてもなんだかんだで人間味ある憎めない行動をするのに対して、
王の場合は騙し討ちや裏切り、殺戮上等という本編では随一の策謀家のカザリが可愛く見える程の腹黒い行動が目立つ。

性格は基本的に会長同様、物腰穏やかな紳士で、一人称は『私』。
自身が決めたルールを絶対とし、それを変えたければ「私が得と思う事を提案する事」と言ってのける程。

感情を荒げる事なく、泰然自若としているが、一方で自分に逆らう者は容赦なく叩きのめし、屈服させるなり、命を奪うなりしている。
グリード達に対してもそれは同様で、彼らの場合は力の源であるコアメダルを少しずつ奪うという方針を取っている。
またアンクが自分の殺害を目論んでいる事を知った時には、ワザワザ本人の前で暴露して彼の狼狽する様を愉しんだり、
自身が造り出した人造生命体の心臓を戯れに抉り出す等、歪んだ嗜虐心を持つ歪な面も持つ。



【能力】
前述のようにオーズとしての力を振るうが、王本人のセンスと容赦のなさもあり、映司のソレと比較して桁違いの力を誇る。
下記のように凄まじい力を持ち、完全体のグリード5体でさえ『神に等しい存在』と称する程。
TV本編での回想でも完全体のアンク以外の4体を叩きのめす圧倒的な強さを見せていたが、本作ではそれとは比べ物にならない凶悪さを見せる。


ご存知、基本形態にして王が初めて変身した姿。
本編では(劇場版除き)やられ役な印象が強いコンボだが、王のは生まれたてとはいえ、完全体のアンクを一蹴する力を誇る。
作中、グリードからコアメダルをぶっこ抜く姿が印象的。トラさん、大活躍!!
本編最終回において、映司が彼の使ったメダルでタトバコンボに変身した際は、大量のセルメダルを取り込んだこともあって、ウヴァをまるで寄せ付けない凄まじい強さを発揮した。

タジャドルコンボ
赤のコンボ。
鳥と炎の力を宿した形態。
基本的な能力は映司の物と同様。
王の場合、攻撃が届かない上空から人間を焼き尽くしたり、村を焼き滅ぼしたりと容赦ない使い方をした。
また完全体グリード4体の同時攻撃を相性上では最悪のメズールがいたにも関わらず、
コンボチェンジ時の炎だけで掻き消し、ギガスキャンでグリード4体とヤミー3体をぶっ飛ばす等、出力も桁違いな部分も見せた。
王によると「自分にフィットするコンボ」らしい。

ガタキリバコンボ
緑のコンボ。
虫と雷の力を宿した形態。
基本的な能力は(ry。
作中、分身能力を生かして1万の大軍を壊滅に追い込んだ。
また完全体グリード4体とそれと同等のヤミー3体をも数の暴力でフルボッコする等、まさに最強コンボの称号に相応しい戦果を挙げた。

ラトラーターコンボ
黄のコンボ。
猫科動物と灼熱の力を宿した形態。
基本的な(ry。
消音スキルが効果的に使われており、圧倒的なスピードで敵国に侵入したにも関わらず、誰にも気づかれずに国王を暗殺するというアサシン的な使われ方もした。
またライオディアスで湖を蒸発させ、進軍スピードを上げるというぶっ飛んだ使われ方もした。

サゴーゾコンボ
銀のコンボ。
重量級動物と重力の力を宿した形態。
基本(ry。
映司のソレ以上にパワフルな力を行使しており、作中巨大な地割れを起こし、無数の兵士を奈落の底に叩き落とすという豪快な力を見せた。

シャウタコンボ
青のコンボ。
水棲生物と水の力を宿した形態。
き(ry。
作中、無敵と言われた艦隊を海中から一方的に攻撃し、壊滅するというスケールの大きい事をやってのけた。

残念ながら、無敵のコンボのプトティラコンボブラカワニコンボは登場せず。
ただし紫のメダル自体は開発途中だった事が王の口から明かされている。
ちなみに紫のメダルのグリードも誕生予定だったとか。ただし本編でも言及されているように、このメダルには欲望が無い為、グリードが生まれるはずがないのだが詳細は不明。



生身の戦闘力も極めて高く、生まれたばかりとはいえ完全体のアンクに対してセルメダルを与え続けながら、
彼の攻撃を全て嘲笑いつつ避けるといった舐めプをしたり、オーズドライバーで彼の攻撃を軽く受け止めて見せた。

更には完全体グリード5体の攻撃を避け切ったり、アンクの火炎弾がクリーンヒットしてもよろめいた程度で、
ライオンヤミーの体内に取り込まれた時も容易く自力で脱出する程の力を見せた。何なんだこの人……。

またアンクを除いたグリードと完全体に匹敵するヤミー3体との戦いではタトバコンボで追い詰められるも、
実際は彼らとの別れを惜しみ手を抜いていた事と逆転される事によって彼らの絶望と生きる執念を極限まで高めて、
コアメダルの力を底上げする為の芝居であった事が明かされている。

マジで何なんだこの人……。

また作中、明言こそされていないが、本編でも言われているように王もまた終盤の映司と同様に真のオーズとなっており、セルメダルを吸収する事も可能である。
要するにセルメダルがあればあるほど無制限に強くなっていくという事。

マジチートである。
現時点以上に強くなられても困るが。




以下、ネタバレ注意
































「たとえばこの世界や人間を作った神がいるとするならば……」


「それを倒す力が欲しい」


王の目的はグリードを倒し、全てのコアメダルを手中に収めて、今以上の存在、すなわち『神』になり、自分だけの新世界を創造する事であった。

グリードなんて誕生させなきゃ良かったんじゃね?と思うだろうが(実際アンクから指摘されている)、
本人的には「グリードの誕生を祝福できたし、グリード観察して欲望に関する知識深めれたからOK」らしい。

ただしグリードを逃しては本末転倒なので、アンクに協力を持ちかける。
交換条件として、事が済めば赤のメダルを返す事を約束して……。

そんな事情があったとは露知らず、ウヴァさん達は意気揚々と完全体となり、
更には王の強大な欲望により完全体に匹敵するヤミー3体を生み出し、8(実質7)VS1の状況下に持ち込む。

流石の王もバランスタイプのタトバコンボでは分が悪く、次第に追い詰められていく。
その状況下で勝利を確信するグリード勢だが、未だ余裕を失わない王に次第に恐怖を覚えていく。
それを打ち消すかのように一斉に攻撃を仕掛けるが、

「アンク君、メダルを」

その刹那、アンクから赤のメダルを投げ渡された王はタジャドルコンボにチェンジ。あっと言う間に形勢逆転してしまう。
前述のようにアンクの見立てでは手加減した状態だったらしく、その後の言動を見るに、タトバでもやろうと思えば勝利できた様子。まさに怪物である。
タジャドルになった後は、ウヴァさんから容易く緑のメダルをぶっこ抜き、ガタキリバコンボにチェンジ。
怒涛の分身殺法でヤミー3体を瞬殺し、グリード達もフルボッコし、戦闘不能に追い込む。
何故こんな回りくどい事をしたかというと、

「君たちは私に敗れ、今まさにコアメダルを奪われる恐怖と戦っている。欲望の力が最大限に膨らんでいるはずだ」

「私はそんな状態のコアメダルを手に入れたかったのだよ」

こうして首尾よくグリードの意識を内包したコアメダル以外を手中に収めた王は、
前述の約束なぞ忘れたとでも言わんばかりにアンクからもメダルをぶっこ抜いた。
こうして全コアメダルの力をオースキャナーを通して体内に収めようとしたのだが……。


「うああああああ! 私にこの力を制御できないはずがない! 私は、新世界の王になるハズなんだ!!」

コアメダルの力が暴走し、彼の体は徐々に石化し、ついに砕け散ってしまった。
世界を統べる力を持っていた男の、あまりにも呆気ない最期であった。


【まとめ】
本編での回想から既にとんでもない力の持ち主である事が明かされていたが、小説版ではそれすらぶっちぎる化け物ぶりを発揮。
事実上、最後の大ポカを除けば全て彼の思惑通りに事が運んだ事からも彼の能力の異常性が伺える。

また常人にとっての仮面ライダーという力の脅威を分かりやすく教えてくれた人物でもあり、
同作の映司の章での映司オーズの戦い方と相まって、オーズのテーマでもある「欲望」の方向性によって、その力を良き事にも悪しき事にも使えるという事を示している。

ちなみに、彼から生まれたヤミーはゴキブリ(昆虫系)、ライオン(猫科系)、クジラ(水棲系)である。カザリも評していたが、実に「らしい」動物ばかりと言える。


【オマケ】
この人、死後は魂だけのまま異世界に転移しており、そこでリ・イマジの恐竜グリードとして復活したことがFINAL STAGEで判明。
スーツの都合なのか映司グリードに極めて近い姿となっているが、なんと同作にて真のラスボスとして登場。
ご丁寧に中の人も子孫役の人が担当していた。

活躍した年代(西暦1210年前後)から、そのモデルは神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世*1ではないかと考察されている。
イスラム文化とキリスト教文化、自由都市文化が入り混じるシチリア島で生まれ育ったため、キリスト教的な価値観に凝り固まらず、様々な文化に理解を示す先進的な知識人であった。
鷹狩を趣味とし、異国の動物を集めて宮廷に動物園を作っていたエピソードは、鳥(アンク)を従え、様々な動物の力を持つグリードを作り出したことのモチーフなのかもしれない。



「項目作成というのは実に難しいものだ。もし秀逸な項目を作りたいのならば、閲覧者が面白いと思うような情報をもたらさなければならない。
 彼らが必要と思う程のね。それが項目を作るという事だ」

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