登録日:2012/01/01 Sun 22:16:11
更新日:2024/12/30 Mon 19:29:17
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●目次
概要
作中でも屈指の巨体の持ち主で「山のフドウ」と名乗る大男。
性格は心優しく孤児の子供達を引き取り、自らの子供として育てる作中随一の人格者。
しかし、昔は人間の事をゴミのように扱い虐殺を繰り返す荒くれ者だった過去を持つ。
来歴
過去
当時のフドウは「鬼のフドウ」と呼ばれ、
リュウケンの門下生を相手に金と食料を賭けた試合を行い、圧倒的な力で勝利するも戦意喪失した相手をカスと呼びながら踏み殺す等、様々な残虐な行為を平然と行う冷酷な男だった。
リュウケンに「人の命」について聞かれた時も
「命……考えた事もないわ。父も知らぬ、母も知らぬ、故に命も知らぬ!」
と言い放ち、人の命など蛆虫の如く沸く出るモノと評していた。
その迫力は当時の若きラオウが恐怖に震えて動けない程であった。
だがユリアとの出会いが彼の変わるキッカケを作り出す。
ある日、金目のモノを奪う為に襲撃を行うフドウ。
しかし扉の前に立ちふさがり、脅しにも屈しないユリアが守ろうとしたモノが
子犬だった事に驚愕する。
そして読者はその子犬がフドウの手の平にちんまりと乗っていることに驚愕する。
そして産まれたばかりの子犬を渡され、その余りのか弱さにたじろぎ、「命」について教えられ、ユリアの中に自分が知る筈のない母を見た事により改心を決意する。
以来、南斗五車星の一人、山のフドウと生きていき、人々から「善のフドウ」と慕われる善良の人物に変貌した。
物語登場時
ただの男を装い、
ケンシロウと接触するも悪漢達の行いに怒りを爆発させ、殺してしまう。
自身の正体を明かし、主である南斗最後の将の元への案内を務めようとするも負傷や子供たちの事もあり、自身の村に留まる事になる。
そしてケンシロウに将の正体がユリアだと告げ、その経緯を教える。
その後、ユリアがラオウに連れ去られた事を知り、救援に向かう事を決意するもラオウが襲来。
ラオウとの対決
ラオウは、
北斗神拳究極奥義・無想転生を身に付け自身を遥かに上回る実力を持つようになったケンシロウに恐怖を抱いていた。
故にその恐怖をぬぐい去る為にかつて恐怖の対象だったフドウと闘う事で、内に潜む恐怖を無くそうとしていた。
ラオウは地面にラインを刻みつけ、「自身が怯えてこの線より退くようなら部下に自らを矢で打つように」指示し、勝負に望む。
フドウは
一騎打ちを受け入れ、封印していた装備を身に纏い応戦する(因みにこの装備は
ジャギ外伝では
ジャギの鎧はこの装備をイメージして作ったという事になっている)
しかし、当時のラオウを怯えさせたとはいえ今のラオウの実力は当時とは桁違いであり、既にフドウの実力を遥かに上回るもので全く歯が立たず一方的にやられる事になる。
だが実力では劣っていても精神面ではラオウを完全に圧倒。
死に体の身体を子供達への想いで立ち上がらせ、ラオウはフドウのその眼光にケンシロウを重ね合わせて再び恐怖を抱いてしまう。その結果、ラオウは無意識に線より退いていく。
だが、フドウは無防備のラオウに渾身の一撃を加えようとするも、ラオウを助ける為に部下が命令を無視してフドウに矢を放ち全身を貫かれてしまう。
「な……なんとまさか!?こ……この拳王が退いていた!」
最後の攻撃が決まったところでラオウを倒せていたかは分からないが、最後にラオウに再び恐怖が刻まれた以上、最早ケンシロウには勝つ事は出来ないと言い放ち、
「勝ったのは自身とケンシロウ」と叫び、とうとう倒れた。
その後、やってきたケンシロウに子供たちの事を託し力尽きた。
アニメではED曲「ユリア…永久に」と共に彼の回想が流れるなどより印象的な場面になっている。
余談
ラオウが自分の「この線より自分が後ろに下がったら自分を撃ち殺せ」という命令を無視し、逆に自分の命を助けた部下を殴り殺した事はよくネタとなっている。
確かに命令違反は命令違反だし、本人曰わく
「負けておいて、生を拾う気などないわ!」と主張しているのだが、
だからといってボスの不利を見て思わず助けてしまった部下に当たるなよ。などの意見が読者から出ることも無理もない。
更に言えばこんなことを言っておきながらこの後ラオウは自分を罰することはしなかった。
後退する前の命令違反ならばともかく、後退した後なので
言い訳もできないのに。
結局言葉だけであり、負けたら死ぬというほどの覚悟は持っていなかった様に思える。
ラオウらしいというか北斗らしいというか。
ちなみにこのときの部下も部下で「まるで木偶の坊のように突っ立って一体どうなさったのですか」「拳王様がご乱心だ!」等、とても恐怖で支配されているとは思えない程失礼な物言いもツッコミ所満載。
なお、新劇場版の「真救世主伝説 北斗の拳」の「ラオウ伝 激闘の章」では、原作通りに部下を殺そうとするラオウをバルガが「拳王様の身と覇業の実現のためにやったこと」と助命したことで、部下たちは辛うじて命を取り留めている。
名台詞
「見るがいい。この歩を進ませるのはこの子供たちの心……お前に見えるか! この哀しき瞳に宿る力が!!」
「貴様は俺の拳にケンシロウの姿をみた! その肉体に再び恐怖が蘇ったのだ、ラオウ」
「恐怖に硬直したその肉体は退かねば砕け散っていた! 勝ったのは俺とケンシロウだ!!」
「ラオウ、哀しみを知らぬ男に勝利はないのだ!!」
ジャギ外伝
「
極悪ノ華 北斗の拳ジャギ外伝」にも登場。
なんと
鬼のフドウとして北斗の道場に攻め込んだ際の姿で。
この時フドウを迎撃に向かったのが少年時代の
ジャギで、フドウは彼を「カス」呼ばわりして一蹴。あまりの強さにラオウは立ち上がることさえできず俯くしかなかった。
この、ラオウも腰を抜かした暴力の体現といわんばかりのフドウの姿は彼の脳裏に残り続け、ついにはジャギ自身の装飾を、鬼のフドウを模倣したものとして作り上げる。
実際、原作で見比べてもジャギとフドウの鎧は似ているところが多い。肩の棘やそれを縛るベルト、前腕部や股間部のプロテクター、ズボンの造形など。
原作で全く言及されていなかった、しかしよく考えてみれば接点があり得た両者のまさかの共通項は多くの読者を驚かせた。
追記・修正は哀しみを知ってからお願いします。
- ジャギ外伝の「ジャギの棘付き肩当てはラオウすら震わせた鬼のフドウの鎧を模した物」っていうネタが結構好き。確かに似てるし良くこんなニッチな所を繋ぐネタを思いつくなぁと素直に感心した -- 名無しさん (2014-04-12 10:39:44)
- ケンシロウをして「この傷の痛みは一瞬・・・だがあんたの死の痛みは一生残る」「おまえは死んではならぬ男よ」とまで言わしめるほどの男 レイやトキと並んで死なすのはもったいないキャラだと思う -- 名無しさん (2014-11-17 21:15:06)
- ↑シュウ「...」 まあフドウもかなりケンシロウの記憶には残ってるだろうね アニメでは最期のシーンではユリア永遠にが流れるというかなりの好待遇 -- 名無しさん (2014-11-17 21:31:37)
- イチゴ味でハイパーダッシュモーター二重巻きやってたのにはワロタ -- 名無しさん (2014-11-17 21:41:35)
- ↑リス! -- 名無しさん (2014-11-17 22:42:06)
- デビルリバースやハート様とどちらが強いのだろうか。 -- 名無しさん (2014-11-17 23:22:38)
- ↑どう考えてもその二人にはラオウを馬から下ろすほどの強さはない -- 名無しさん (2014-11-17 23:42:38)
- ジュウザと比べるならまだしもw -- 名無しさん (2014-11-17 23:52:31)
- ↑5 カードダス2枚出しといい、主な読者層が昔(幼少期)に嵌っていたであろう娯楽での反則技で過去の極悪さを表現したのは見事だと思うわwただ、改造の有無を問わず、そもそもハイパーダッシュモーターは公式戦では使えなかったと思うんだが…。 -- 名無しさん (2015-07-04 17:21:17)
- ブドウが暴れてた頃って、核戦争前で警察や軍隊が機能してた頃だよな。ブドウを捕らえる事は出来なかったのだろうか? ラオウもサウザーも核戦争が無ければ大人しくしてたし。 -- 名無しさん (2015-07-04 17:59:08)
- イチゴ味のリス!は、何か元ネタあるの? -- 名無しさん (2015-07-26 14:19:50)
- イチゴ味だと作画で大きく見えるとかじゃなくて普通に巨人だよね、リハクが子どものごとく肩に乗ってたり、天井突き抜けたのには笑った -- 名無しさん (2015-07-26 14:58:19)
- イチゴ味の単行本に収録されてた過去話には泣きそうになった。あんな悲劇を味わえば鬼になるしかないよな…。 -- 名無しさん (2015-08-19 04:17:34)
- ↑あれを読んだ後だと、かつての「鬼のフドウ」の二つ名がとてつもなく重く感じるな。重いシリアスばかりだけど、イチゴ味の外伝集はほんと秀逸だわ。 -- 名無しさん (2015-10-07 23:13:39)
- あの最期は、「これからはその手で、この時代の全ての子供たちを抱き包んでくだされ」の名言と並ぶ名シーンだった。何度見ても、目がうるっとくるわ(;_; -- 名無しさん (2015-10-08 07:36:35)
- 「易々と秘孔は突かせん!」と言ってたが、押されてるとはいえ秘孔による致命的ダメージを躱す力量はあったとみていいのか。 -- 名無しさん (2015-10-08 16:32:48)
- フドウが死んでしまった後、残された多くの孤児達は大丈夫なのか心配になる。 -- 名無しさん (2016-05-29 15:06:26)
- マミヤかリハクあたりが引き取ったんじゃないか? -- 名無しさん (2016-05-29 15:59:06)
- タグに漢よりも先に淫乱テディベアがあるwww -- 名無しさん (2016-11-25 22:05:36)
- グループ内の大男となると噛ませになりがちだが見事な強さだったな、優しい大男なだけじゃなく過去が鬼畜だった所も好きだわ -- 名無しさん (2017-01-26 21:59:11)
- 恐怖してしまった体験からラオウにとって鬼のフドウとは絶対的な強さの象徴で、それが後々、愛も情もない暴君たる拳王に繋がっていったようにも見えるの、いいよね… -- 名無しさん (2019-09-10 17:58:54)
- 何回も言うけど、あの最期は本当に泣ける(つ_; -- 名無しさん (2020-11-16 15:49:59)
- 世紀末前(ラオウが少年~青年くらいの時期)にすでに世紀末ファッションだったという指摘に只者じゃなさを感じた -- 名無しさん (2021-04-12 07:22:08)
- イチゴ味のリス連呼は、イヌの誤植から来てたのか…… -- 名無しさん (2022-06-15 09:49:33)
- 過去のパチンコ北斗の拳で念願のリーチ演出になった際はVSラオウリーチの中で一番信頼度が低くて打ち手からはイントロのデデン!を聞いただけで絶望する人も多かったそうな。(ほぼ渾身の一撃がラオウにドヤ顔されて避けられる)でもリーチ中の演出は凄く良いんだよな…キリンカットインの「やはり…何もわかっておらぬ!」が出て当たった時は最高!…当たればね。 -- 名無しさん (2023-03-15 15:17:09)
- ヒルカの罠に嵌った時の「すまぬ将よ、俺はここまで しかし誰かが、誰かが愛を信じさせてやらねば!」が好き -- 名無しさん (2024-11-22 21:06:53)
最終更新:2024年12月30日 19:29