登録日:2012/02/18(土) 22:54:48
更新日:2025/04/25 Fri 01:25:58NEW!
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それは死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され、「業」となる。
その呪いに触れたモノは命を失い、新たな呪いが生まれる。
2000年代に入って台頭した
『リング』に続く作品としてブームとなった
日本製ホラー映画のシリーズ。
清水崇監督の出世作であり、代表作。
パイロット版の2本がTVで公開された後、Vシネマの2本が製作され口コミで評判となり、2003年に映画化され映画が2本作られた。
さらにハリウッドでもリメイクされ3作目が登場。
その人気にあやかって直接シリーズには関係ないが『呪怨』の名を冠したホラー映画が2本製作されている。
この映画の特徴としては、『リング』とは対照的に
幽霊の姿を直接的に映すことである。
その代わり登場の仕方が非常に奇抜で、その
お化け屋敷的な脅かしでビビらせる演出が抜きん出ている。
また、幽霊の造形も独特なもので、貞子に影響を受けているものの一度見ると忘れられないインパクトを与え、それもまた人気の一端となっている。
さらにこの映画で人気がある点はその幽霊の呪いが限りなく理不尽であることにも起因する。
登場人物が呪い殺される原因は大抵「その家に一歩足を踏み入れたため」。
そのために登場人物たちは散々驚かされた挙句、死ぬなり行方不明になる。
この不条理性ゆえに新たなホラーの流れを作ったともいえる。
○
あらすじ
東京のとある一軒家、三人家族が住んでいた家で父が
母を惨殺した。
母は佐伯伽椰子、父は佐伯剛雄。遺体は屋根裏で
バラバラに切り刻まれゴミ袋に押し込まれていた。
息子の俊雄はいまだ行方不明のままだ。
数日後、俊雄の担任の小林が家庭訪問に訪れると、その日小林は佐伯邸で謎の
死を遂げ、小林の妻は剛雄に殺され剛雄も変死した。
それからというもの、かつて佐伯邸だった家には何回か住人が移った。
しかしその住人や家を訪れた人間は次々と謎の死、行方不明を遂げていく。
そう、その家にはおぞましい怨念が満ち溢れていたのだ…
○主要人物
演:藤貴子(短編「片隅」、ビデオ版、劇場版、ハリウッド版1~3作目(3作目は写真のみ))
鎌田悠(劇場版2作目 少女姿)、鎌田咲良(劇場版2作目、少女姿 目のアップ)、
瀧澤京香(ハリウッド版2作目、幼少期)、堀内愛子(ハリウッド版3作目)、
最所美咲(リブート版)、遠藤留奈(
貞子VS伽椰子)、ジュンコ・ベイリー(ハリウッド版4作目)
この映画を代表する幽霊その1
数あるホラー映画の中でもトップクラスに理不尽かつ悪質な事で有名。
元々は佐伯家の単なる主婦だったが、夫の勘違いによる逆恨みでカッターでメッタ斬りにされるなど凄惨なリンチを受けた上に惨殺され、死体もゴミ袋に詰め込まれて捨てられた。
謂れのない罪でさんざん苦しめられたことでこの世に激しい恨みを残して死んだのが要因となり、佐伯家に足を踏み入れた人間を片っ端から呪い殺す凶悪な地縛霊と化した。
さらに自分が殺した人まで悪霊化させて自らの手先とし、「布団の中」「仏壇のそば」といった安全地帯を軽々と踏み越えて被害者を追い詰める姿は
トラウマ物。
原因は彼女が大学生時代に綴っていた
ストーカー日記で、そこには小林への異常なまでの執着が記してあった。つまり生前から偏執的かつ妄想癖の強い人格であり、ある意味地縛霊になる素質は強かったものと思われる。
全身がかくかくした動きで潰された喉を「あ”あ”あ”あ”…」と鳴らすのが特徴。ちなみにこの声は劇場版の監督の清水崇が担当。
演:澤田大城(短編「4444444444」、小山僚太(ビデオ版)、尾関優哉(劇場版、
ハリウッド版1~3作目(2~3作目は写真のみ))、田中碧海(ハリウッド版2作目)、
土屋神葉(ハリウッド版3作目)、宇都秀星(白い老女、黒い少女)、小林颯(リブート版)、芝本麟太郎(
貞子VS伽椰子)
幽霊その2
佐伯家の一人息子で、当時小学1年生。
黒猫の「マー」を飼っている。
母を殺し自分を殺そうとする父に怯え押し入れに隠れるも、そこで母に「連れて行かれて」行方不明となる。
その後は母と共に地縛霊化し、何故か白塗りにブリーフ一丁で出没し、
猫の鳴き声を上げる。小説版によると一緒に連れて行かれたのか殺されたのか、『マー』の霊魂と一体化しているらしい。
Jホラーシアターの「感染」「予言」の劇場挨拶にも貞子と共にゲストとして登場したことがある。
ハリウッド版では(海外の観客に俊雄の呪怨化を納得してもらえるためか)剛雄に風呂に沈められて溺死した設定になっている。3作目では
大人の事情で下に履いてるのがブリーフではなく半ズボンになってる他、演者の土屋神葉の体型が大きかったのもあって誰だこいつ感満載になっていた。
リブート版では設定が変更され8歳に年齢が上がっており意図してか否かオリジナルシリーズに比べると睨みつけるような表情になっている。
実はかつてあの家で生前虐待死した子供「山賀俊雄」でその後に引っ越してきた佐伯家を狂わせた元凶という設定になっており、伽椰子の体内に入って佐伯俊雄として(生前の姿で)転生、人間として過ごす一方でその体から抜け出し呪怨として自分に関わってきた人間を呪い殺していた。前述の表情も相まってクソガキムーブ全開である。
「
貞子VS伽椰子」ではハリウッド版同様父に殺された設定になっている他、体は過去作に比べて大きく子供や大人相手に物理攻撃を仕掛けるなど結構アグレッシブ。
演:松山鷹志(OV、劇場版、ハリウッド版)、緋田康人(リブート版)
佐伯家の父。妻を愛していたが、子供ができにくい体質と診断されたところに、妻の息子の担任への
ストーカー日記を発見し俊雄は妻が俊介に
NTRれてできた子だと思い込み逆上して妻を散々嬲った上に惨殺。
さらに浮気相手(と思い込まれている男)の妻を殺し身ごもっていた胎児まで引きずり出して殺害するが、その直後地縛霊となった妻、伽椰子に呪い殺された。
ちなみに俊介と伽椰子に接点はほぼなく(一方的に想っていただけ)、俊雄は間違いなく剛雄の息子である。小説版では『伽椰子が肉体関係を持ったのは夫だけ』と明言されている。
死後は伽椰子の手駒として脅かしたり人を殺したりする。
俊雄の担任の先生。実は伽椰子の大学時代の同級生。
大学時代は伽椰子のことをほとんど認識していなかったが、彼女に陰ながら
ストーカーされていた。
家庭訪問に佐伯家に行った際に伽椰子の死体を発見し、彼女に呪い殺された挙句、愛する妻の真奈美とまだ彼女のお腹にいた子供まで勘違いで自分を逆恨みした剛雄に殺された。
家族揃ってとばっちりを食らった以外の何物でもない、完全なる被害者。
○シリーズ
2人兄妹のいる一家、村上家と佐伯家の事件を描く。
兄とその彼女は学校で
携帯電話を通じて俊雄により失踪、
妹はウサギ小屋で伽椰子に遭遇し顎を引きちぎられ、妹の家庭教師も屋根裏に引きずり込まれ失踪。
新婚夫婦の北崎家と家を斡旋した不動産屋の鈴木家が中心。
北崎家では妻が伽椰子に取り憑かれ夫を殺害、鈴木家では調査を進めた妹が発狂、兄は行方不明、甥は学校で大量の伽椰子に迫られ失踪。
事件を担当していた刑事たちも死亡。
介護中の祖母がいる夫婦、徳永家と事件を追っている刑事、介護士が中心。
徳永家は全員が呪い殺され、夫の妹も会社から家まで付きまとっていた呪いにより失踪。
偶然訪れた介護士とその友人の教師も徳永邸で謎の失踪。
辞職した刑事が家を燃やそうとしたが失敗し死亡、娘が高校生になると家に
肝試しで足を踏み入れ友人3人とともに失踪。
噂となった家に心霊番組の特集として家に入ったTV番組関係者が中心。
メイク係はメイク室で失踪、レポーターは天井に生えた髪の毛で恋人と共に首を吊り、ゲストのホラー女優は収録後事故に遭い流産するも、その後赤ん坊の生存を確認し、そして伽椰子を出産。
出産現場に立ち会った医師・番組プロデューサーは失踪。
数年後、少女に成長した伽椰子に女優は突き落とされ死亡。女優と共演した女子高生も謎の死。
舞台と佐伯家はオリジナル版のまま、
日本に滞在するアメリカ人が佐伯家の呪いで殺されるという展開。
あとはほとんど劇場版とストーリーは一緒。
ハリウッド版の続編。呪いがシカゴにまで及ぶ他、伽椰子の母が登場するほか伽椰子が悪霊となった理由の一端が描かれている。
ハリウッド版の完結編。清水監督が唯一監督していない。伽椰子の妹ナオコが登場。
ぶっちゃけ蛇足。
名前だけ呪怨で、後は全くの別物のホラー2編。俊雄くんもでてるよ!
『呪怨』のプロトタイプ版。スペシャルドラマ『学校の怪談G』の一編。
Vシネマ版の語られなかったエピソード。
それぞれ3分ほどだがかなり怖い。
ハードは
Wii。佐伯邸に越してきたとある家族の悲劇を描き、懐中電灯で電池を探しさ迷い歩く。
各ステージはしっかりとマップが作り込まれ、恐怖演出にも力が入れられているが、見ている余裕はなかったりするいろいろと残念ゲー。
その子はマー君ではありませんよ、松来さん。
『呪怨』のリメイク的な作品(厳密にはリメイクではないらしい)。
今作では呪いの元凶が新解釈で明らかにされている。
清水監督は製作から退いており、ほとんどオリジナルの設定である。
『終わりの始まり』の直接的続編。
シリーズ完結編として製作された。
「リング」との
クロスオーバー作。
貞子の呪いへの対抗策として主人公たちに伽椰子と俊雄がけしかけられることになる。
見た目が貞子と似てるためか伽椰子のフォルムは髪が短くボサボサ、服も全体的に赤みがかった
ものになっているなど独特なものになっている。ただ設定は貞子に比べると原作に忠実。
ハリウッド版のリブート作。事実上の
スピンオフでもあり
アメリカを舞台に「THE JUON」冒頭のホームヘルパーの前任者と
その家族が新たな呪怨と化してしまう。
Netflixで配信された全6話のビデオシリーズ。80~90年代を舞台に
呪怨シリーズの元になった現実の出来事として呪われた家に翻弄される人々を描く。
- コメント欄が長くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2015-06-07 09:21:31)
- ファイナルの小説読んだ。映画は違ってほしい。 -- 名無しさん (2015-06-07 10:13:16)
- 午後ローで終わりの始まりやるのか…早いな… -- 名無しさん (2015-06-07 16:13:31)
- 相棒のクロスSSは傑作 -- 名無しさん (2015-06-19 23:31:15)
- 俊雄「最終作にして彼女が出来ました///」 -- 名無しさん (2015-12-26 11:28:19)
- おのののかに乗っかった俊雄くん裏山 -- 名無しさん (2015-12-31 09:17:21)
- 死に方には同情するし、その怨みを旦那にぶつけるのも正当な復讐といえる。だがそれ以降は明らかにやり過ぎ -- 名無しさん (2016-02-24 23:16:04)
- ↑だよなぁ。ってか最初のは怖かったけど全部見ると明らかに理不尽としか思えない -- 名無しさん (2016-02-25 00:02:09)
- ⬆その結果旧シリーズは人類滅亡(設定上)だもんなあ……理不尽ってレベルじゃねーぞ -- 名無しさん (2016-04-09 10:30:36)
- これのせいで布団の中まで怖く感じるようになった。 -- 名無しさん (2016-06-26 16:55:14)
- 骨バギーや黒焦げよりも、お布団の中で引っ張りとかの方がいい -- 名無しさん (2016-06-26 17:25:13)
- 次第に怖さよりイライラが勝ってくる…俺がホラー向いてないんだろうな -- 名無しさん (2016-06-29 01:01:43)
- 貞子と伽椰子で…ベジットってとこかな -- 名無しさん (2016-09-03 22:35:54)
- サヤッコ -- 名無しさん (2016-09-03 22:44:41)
- 布団の中という逃げ場にして聖域を破った罪深い映画。 -- 名無しさん (2017-04-06 18:00:43)
- 劇中の被害者たちは皆わけの分からないまま恐怖と絶望を味わいながら死んで呪いに取り込まれたわけだけど、もし「家族を惨たらしく殺したお前を必ず地獄に引きずり込んでやるからな」みたいに伽耶子を逆に怨み、呪いながら死んだ場合はどうなるんだろう -- 名無しさん (2020-01-04 19:15:31)
- どうせ何年かしたらまta -- 名無しさん (2020-04-25 14:32:14)
- ホラー映画の項目で物理攻撃特化とか書いてあるの、なんかおかしくない?w -- 名無しさん (2020-07-03 09:20:11)
- ↑3 結果悪霊化したとして、格下になれば旦那のように手駒にされるし、同格でもビデオのあの人のように合体してもっと凶悪なのになるだけかな。もっともビデオのあの人は稀代の超能力者だったわけで、それで同格なんだから普通の人間が伽耶子に匹敵する悪霊になるのは無理そう -- 名無しさん (2020-08-10 16:28:46)
- まだだ -- 名無しさん (2020-08-10 20:15:12)
- 伽椰子にいきなり呪い殺されていった人たちも可哀想だけど、一番可哀想なのは小林俊介だよな。落ち度らしい落ち度ないのに、知らん間にストーカーされてたは、身に覚えのないことで妻子を殺されるは、伽椰子にお持ち帰りされるはで踏んだり蹴ったり。剛雄を殺したのは実は小林一家の幽霊でしたってオチがあっても納得できるレベル。 -- 名無しさん (2020-09-24 07:21:12)
- 小林俊介のエピソードで俊雄が不登校なのはわかるんだ、まだ存命だから。でも仁科理佳のエピソードでの俊雄不登校はわからん。死んでるのに学校行ってたのかこいつ? -- 名無しさん (2021-02-25 18:42:00)
- それは友達が伽椰子の力で「そう思い込まされてた」ってだけだと思う。主人公が家に入った時点で友達も伽椰子の影響をもろに受けてた事だろうし。 -- 名無しさん (2021-04-20 05:58:03)
- 仏壇の中に引きずり込まれて殺される下りは、もう下手な神仏でも手が付けられない存在になってるって事なのかね -- 名無しさん (2022-10-15 02:34:51)
- コープスパーティーでも大勢の人を異界に引きずり込んで殺した元凶の少女の霊が、最後の最後で逆にその被害者の霊達に地獄へ引きずり込まれる展開あったし、伽耶子も何かのきっかけで同じ目に遭いそう -- 名無しさん (2023-01-26 12:25:56)
- 然るべき組織が管理すれば収容が容易というSafeクラスオブジェクトのお手本みたいな奴 -- 名無しさん (2023-01-28 20:50:27)
- 貞子vs伽椰子の小説版だと双眼鏡で家覗いただけで殺されるんだよな -- 名無しさん (2023-02-22 17:16:57)
- 正直人類滅亡までスケールが大きくなるとやりすぎで白けるな -- 名無しさん (2023-02-22 17:26:15)
- SCP風にすると「SCP-〇〇〇の実地調査・実験は、内部の霊的実体の影響拡大を懸念し無期限凍結されます」「対象施設は財団フロント企業の不動産会社(編集済)の管理下に置かれます。近隣住民にはカバーストーリー『解体予定』を発布し、部外者の侵入及び入居を防いで下さい」「家屋内に侵入した人間はその時点で死亡した者として扱い、遺体及び遺品の回収は行いません。例外はありません」みたいな感じかな -- 名無しさん (2023-02-23 16:09:08)
- 単なる主婦に過ぎなかった伽耶子、ただの子供のはずの俊雄が超常の存在になりすぎていることには海外でも突っ込みがあった。このため、監督としては苦い後付け設定を余儀なくされたが、これがなければ「なろう系」ホラーとなってしまう。呪怨をかわいいタイトルにすると「息子と猫と一緒に悪霊になって無差別に呪う事にしました」といったところか。 -- 名無しさん (2024-05-13 18:12:17)
- 漫画版の猫に下顎もぎ取られて、さらに発狂した母親にぶつ切りにされる女の子がエグかったな -- 名無しさん (2024-05-13 19:02:21)
- 無印映画版の主題歌は推定少女の「鍵が開かない」。歌詞の内容は悲しく、邪悪の存在である伽耶子のもうひとつの本音ともとれるところが好き。 -- 名無しさん (2024-08-31 17:07:21)
最終更新:2025年04月25日 01:25