マグプル MASADA

登録日:2011/12/24(土) 11:40:46
更新日:2021/03/05 Fri 19:32:11
所要時間:約 4 分で読めます




諸元
全長・重量:色々
口径:
5.56mm×45
7.62mm×39
6.8mmレミントンSPC、等
装弾数:20/30
発射形式:S or S/F
製造:マグプル社⇒ブッシュマスター社・レミントン社(アメリカ)

マグプル社は元々、「MAGPUL(マグプル、下図)」という弾倉に付けるゴム製ストラップを作っていた会社で主力商品はマグプルのような小火器用のアクセサリーであった。
ポーチから抜きやすい。
そんな銃器製作のノウハウもない会社が「理想のライフルを作ろうと思ったから」という理由で製作した銃がマグプル MASADAである。



○特徴

「軍に頼まれたわけでもなく、ただ理想のライフルを造ろうと思い造っただけ」が開発の理由らしく、プロトタイプは完成までわずか4ヶ月と超スピード。
基本的な設計が既存の銃器の「いいトコどり」なのがその理由だろうか。

機関部はAR18のガスオペレーションシステム、ボルト部はM16、セレクター操作はH&K G3系だが、トリガーユニットはM16と継ぎ接ぎだらけである。
金属製のアッパーレシーバーとポリマー製ロアーレシーバーの組み合わせはFN SCARを真似ている。
これらの構成パーツをモジュール化することにより様々な用途・口径に対応でき、銃身の交換に至ってはワンタッチと言えるほどである。



○特徴2

近年、歩兵銃のトレンドである「Adaptive combat weapon system」をコンセプトとしており、SCARやXM8のように変貌できる戦闘銃である。
上記の諸元で重量や全長が「色々」となっていたのはその為。

バレルはCQBモデルの10.5インチから狙撃手向けの20インチまで用意されており*1、ハンドガードも長さやレールの有無、アルミ製かポリマー製かといった違いがある*2
ロアーレシーバーの交換でAK系の7.62mm×39も使用可能。物によってはM16AK-47の弾倉がそのまま使える。
ストックも固定式、折り畳み式、伸縮式と三種類用意されている。銃本体にもレールがあり拡張可能である。


【画像】右からCQB仕様、狙撃手仕様
【画像】色々+
元はこれ。
【画像】ブッシュマスター版(ロング)
【画像】マグプル版



○完成後

MASADAは2007年に発表されたが、マグプル社から販売されることはなかった。
有名メーカーからSCARやXM8などの同じような商品が既にあり、そこに割り込むことが出来なかったから、と言われているが、
大量生産で可能なラインが確保できなかったというのが大きかったようだ。
その為、ブッシュマスター社とレミントン社に販売権を売り、前者が民生用のセミオートモデルを、後者がフルオート可の軍用モデルを販売することになる。

既存製品のプラスを効果的に積み上げ、マイナスを排除する旧世代的思想と、
パーツをモジュール化して、用途に合わせた組み換えを容易にした新しい運用思想の両方を併せ持つハイブリッドな逸品となっている。



○登場作品・エアガン




○余談

◆「マサダ」はかつてイスラエルにあった難攻不落の要塞に由来する。

◆マグプル社は最近、iPhone用のケースを発売したが、日本での発売は不明。「マグプル」と検索すると一番上に出てくる。




追記・修正よろしくお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 兵器
  • 軍事
  • マグプル
  • マサダ
  • MAGPUL
  • MASADA
  • 突撃銃
  • アメリカ
  • 5.56mm
  • 7.62mm
  • ACR
  • アサルトライフル
最終更新:2021年03月05日 19:32

*1 バレルは10.5/11.5/14.5/16/18.5/20インチの全6種類

*2 ポリマー製はロングとショート、アルミ製はレールハンドガードと計3種類