H&K XM8

登録日:2011/10/27(木) 15:49:56
更新日:2025/08/26 Tue 21:12:54
所要時間:約 4 分で読めます




▽目次


性能(基本型)

全長:840mm
銃身長:318mm
重量:2.8kg
使用弾:5.56mmNATO弾
装弾数:30+1
発射速度:750発/分
動作方式:ショートストロークガスピストン ターンロックボルト


概要

XM8は2002年頃よりH&K社が開発していた突撃銃
XM29 OICW(Objective Individual Combat Weapon/個人主体戦闘武器)から派生した米軍次期正式小銃プロジェクトとして生み出された。


前史

前身となるOICW計画は1980年代より開始された。歩兵銃に高度なグレネードランチャーを追加し戦闘能力を高めるというもので、60年代開始のSPIW(Special Purpose Individual Weapon/特殊用途向け個人武器)であるH&K CAWSやACR(先進戦闘用ライフル。G11などのほう)に影響を受けていた。

CAWS、ACR*1らSPIW計画はすべて「M16でよくね?」が勝ち頓挫してきた。

XM29も例にもれず、詰め込みすぎて重すぎたので開発中止。その代わりとしてXM25*2とXM8に分割されることとなった。


特徴

XM29時代は小改造したG36が使用されていたが、XM8ではG36をもとにさらに改修を行っている。
 このPCAPは取り外しても元のゼロインを維持できる程の精度を達成している。のちのKeyModやHKeyにつながる思想である。
  • スコープorドットサイトとレーザーサイトが統合された高度な照準器モジュール

このほかにもM320アンダーバレルグレネードランチャーの装着能力や弾数カウンターなどを盛り込んでいる。
初期ではかなり軽量で、カービンタイプで2.8kg(目標2.6kg)であった。



結果

2003年のテストでは以下の点が指摘された。
  • 照準器などの電池寿命が短すぎる
  • 人間工学上の問題がある
  • ハンドガードが発射熱に耐えられず溶ける
2004年には上記問題の対処が完了していたものの、重量が3.4kgまでかさんでしまいその点の解決がいまだ図れない状態であった。
そして同年に米議会が大規模試験の予算計上を却下。そのままXM8プロジェクトは中断されてしまった。
中断理由の詳細は明かされていないが、技術的、資金的な面が大きいと思われる*3
後年のG36の耐熱問題を見るに、制式採用されても何かしら問題が出ていた可能性はあり得ただろうがそれはifのお話。


2007年にはSCARら*4の競合にて比較に出され、粉塵の舞う環境で最優の成績を残すなどした。
しかし最終的に「買い替えるよりM4の改修で対応した方が色々な面でコストパフォーマンスがいい*5」という結論に落ち着いたというのが実情である。

その後H&K社はPMCに売り込むなどの営業をしており、マレーシアの海軍特殊部隊PASKALなどで採用されることがあった。しかし大々的な採用は見込めず、現在H&K社のサイト上からはカタログ落ちしている。




フィクション

Act3のムービーを見る限り、米軍正式アサルトライフルになっていると思われる。

『バッドカンパニー』『バッドカンパニー2』ではシングル、マルチで使用可能。
GLが唯一横開き装填のM320の為、リロードが他銃より早い。
2のシングルでは各ステージを新規で始めた場合、AOCGスコープ付きのこれが必ず初期装備になる。

キャンペーン、マルチの双方に登場。劇中世界では制式採用されたらしい。謎の4点バースト仕様。




追記・修正は米軍次期正式アサルトライフルに選ばれてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年08月26日 21:12

*1 他にもSALVO、NIBLICK

*2 半自動エアバーストグレネードランチャー、2018年に計画中止

*3 特定の小火器プログラムにコルト社を関与させる義務があり、その点でコルト社がごねたという話もある

*4 他にM4、HK416

*5 兵士が新しい銃に順応するための再訓練、整備用具など周辺機器や補修部品の確保、廃棄される旧式銃の処分費用等々…