登録日:2010/07/17 Sat 02:42:43
更新日:2025/04/01 Tue 05:59:07
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唐突だが、
Wiki篭り諸君は「地上最強の男」といわれて誰を思い浮かべるだろうか?
総合格闘技のヘビー級チャンピオン?
願いをかなえる七つの玉の主人公?
某格闘漫画の主人公の親父?
なるほど、確かに彼らは「地上最強の男」を名乗るのにふさわしいだろう。
しかし、ここにも紛れも無い「地上最強の男」が存在する。
それが著:風忍による1977年
週刊少年マガジンで連載された
「地上最強の男 竜」
である。
- ある種かなり病的なストーリー
- 現在でも類を見ない斬新なコマ割り
- 衝撃のラスト
という三つのハーモニーが生み出す超宇宙的な作品、それが「地上最強の男 竜」である。
そのあまりにアレな内容により、ネット界隈ではカルト的人気を誇っているので、名前くらいは聞いた事があると言う人も多いのではないだろうか。
「あまりにアレ」な内容のストーリーを分かりやすく説明するとこうなる。
◆ストーリー
主人公の「雷音 竜(らいおん りゅう)」は地上最強、なのでいろんな奴らが竜を狙っている。
以上。
細かく説明するとそれなりに文字を割かなければならないので割愛。詳しく知りたい人は地上最強の男 竜で検索だ。
読者が解ってればいい事はただ一つ、竜は地上最強の男。
竜のデザイン、頭のマスクは竜の力を封印しているらしいが、それでも地上最強。
何度も言うが、竜は地上最強の男。それはセリフでも明らか
「おれは地上最強だ!どんな奴がきても0.2秒であの世へおくることができるんだ!」
連載第1回で断言してしまう。
もうこの時点で最強は揺るぎない物になっている。
そして現に作中では
- 蹴った相手の体が一瞬にして爆裂
- 相手をキック一撃で細胞レベルまで分解
- 宇宙空間に打ち上げられても問題なし
- 世界に貯蓄されている原爆・水爆数百万発全てを体に受けても無傷
- そしてその数百万発の原爆・水爆を操っていたこれまた数百万の悪魔達をかなりの短時間(多分30秒もかかってない)で全て殺害
- 全世界の大人達(数十億人)を全て殺害
などを成し遂げており、もはやなにかの冗談としか思えない力を見せている
ファイトスタイルは徒手空拳。
「武器はもたないカラテだ!」
そんな地上最強の男の敵だけあって、敵方のメンツが凄い。
まず…
地面からにょきにょき生えてきた塔を中心に
全国から飛来した仏像が渦を巻く!!
さすがは
虚無戦記のダイナミックプロ、
世界一仏像の使い方を間違っている。
そして仏像たちの中から…
既にドワォ的なナニカに脳をやられた人のために解説しておくと、
仏像は仏の像であってキリスト教とは何の関係もないものである。
仏像の中からキリストが出てくる漫画は後にも先にも「地上最強の男 竜」を置いて他に存在しないであろう。
そんな漫画2つも存在しなくていい。
さてこのイエス、道中で聖書同様の奇跡を起こしつつ、
「わたしは必ず竜を殺す」とか聖人にあるまじき事を平然と口走る。
そして…
「イエスが復活して最初の奇跡を起こした!
世界で一番強い男を蘇らせた!」
まるで男子小学生にアンケートを取ったかのような地上最強候補2人が復活する
「一番強い男」なのに二人いる事に疑問を挟んでは負けだ
だが、竜は地上最強の男、この(選定基準は不明だが)世界一強い男二人を同時に瞬殺、
キック一発で細胞レベルまで分解する!!
だが、竜の快進撃は止まらない。
物語の
打ち切りクライマックス、竜はついに自らの真の力に目覚める!
「なにかがおころうとしていた‥‥鳥はさえずりをやめ、土も、空気も、水もうごこうとはしなかった」
「そのときがついにきたのだ!!」
「そのときが!!」
もう何が起こっているのかさっぱりわからんが、とにかく仮面を脱ぎ捨て覚醒した竜!
「俺は地上最強の男だ――っ!!」
↓
「ズガッ!!」
↓
「悪 は さ っ た ! !」
悪どころか色んな物が去っているような気がするが、気にしては負け。だって地上最強の男だもん。
つまるところ、竜は
最強でも
無敵でも
不死身でも
チートでも無く
地上最強の男と言う特別枠に存在していると言う事がお分かり頂けただろうか?
はっきり言ってこの漫画はあまりにもツッコミ所が多すぎるのだが、気にしては負け。だって地上最強の男だもん。
上述の通り、間違いなく画期的な作品なのだがいかんせん
時代どころか人類には早すぎた作品なので、わずか2巻で
打ち切りの憂き目にあった悲劇の作品である。
なお、同時期の
週刊少年マガジンには
『聖マッスル』が掲載されていたなど、恐ろしく濃厚な連載陣である。
単行本は過去3度リリースされており、2001年の双葉社版以降は長らく絶版状態が続き物理書籍はプレミアがついていたが、2021年に復刊ドットコムより連載当時の紙面やカットを初収録した「初出完全版」がリリースされた。
2002年には富士見書房の雑誌『ドラゴンHG』にて、前日談『地上最強の男 竜 episode 0』、並びに旧作と繋がりのない完全新作『新・地上最強の男 竜 R-01』が掲載された。
長らく単行本には収録されなかったが、2015年より電子書籍としての販売が開始されている。
ぜひ実際に購入して、雷音竜の地上最強っぷりをこの目で見て欲しいと願ってやまない。
【余談】
世界で一番強いWiki篭もりを蘇らせたのだ!
追記と…修正を!!
- この作者ゴジラに骨法で挑んで相打ちまで持ち込んだ格闘家と怨霊としてゴジラがそいつの息子になる漫画描いてるし… -- 名無しさん (2013-08-24 22:54:37)
- カラテだ、カラテあるのみ。 -- 名無しさん (2013-12-28 23:07:50)
- これは元々長編ギャグ漫画だったからな -- 名無しさん (2014-01-18 11:41:42)
- 初期は割と普通にトンデモ格闘技漫画だったんだが、後半で突然宗教画と化した。あと氷室の天地でもネタにされてる。 -- 名無しさん (2014-06-06 01:38:46)
- 真性のバカでなければ描けない漫画、これはその頂点に位置する。 -- 名無しさん (2014-08-13 00:20:16)
- ああ、タイガーコロシアムのワカメ編ってそういうこと・・・ -- 名無しさん (2014-08-13 00:23:53)
- さすおにを究極まで突き詰めたような作品が1977年とは・・・しかし秀逸な項目だな -- 名無しさん (2014-12-06 23:45:16)
- カラテって万能なんだ…。 -- 名無しさん (2015-01-21 11:09:52)
- 竜の思考がポル・ポトのそれに近いのが気になる… 汚れた大人を抹殺し無垢な子供だけの新たな世界を作るって思考がまんまそれだ -- 名無しさん (2015-01-22 00:50:56)
- 知らんがなそんなもん -- 名無しさん (2015-01-22 01:01:44)
- ↑アニヲタwikiにもポルポトの項目はあるから見比べてることはできるよ 思想がけっこう近いのがわかる -- 名無しさん (2015-05-22 10:05:56)
- 電子書籍が発売されたんで『episode0』を読んでみたが、道教が妙に良い人っぽく描かれてるのに妙な違和感が……w -- 名無しさん (2015-06-19 23:59:20)
- 一応仮面を付けてる間は強化アーマーを付けたボスボロット(人間サイズ)と同じ位の強さ ボスボロット自身が言ってたから間違いない -- 名無しさん (2015-06-20 01:00:26)
- ↑x3~5ポル・ポトがカラテをやってなかったことは不幸中の幸いだった、というのが本作でいいたかったことなのか(錯乱) -- 名無しさん (2015-06-20 01:05:19)
- ↑×2 『おなり〜っ ボロッ殿だい』のネタだったら、あれは強化空手着を着用した悪役が「地上最強の男竜にも負けない」と豪語してたネタだったはず -- 名無しさん (2015-06-21 00:01:06)
- 内容はトンデモなのに敵がキリスト、武蔵、ブルース・リーと、とりあえず有名人集めました的な俗っぽい選定がなんとも言えないw -- 名無しさん (2015-07-17 17:24:32)
- 調べたら北斗や男塾どころか男坂まで先取ってた…おそろしや -- 名無しさん (2017-02-05 21:42:12)
- ストーリーばかりフィーチャーされてるけど、そもそも風忍作品は独創的なコマ割りと緻密かつ迫力のある画風を楽しむ物だから… -- 名無しさん (2018-06-06 23:18:49)
- ワンパンマンとか主人公最強系漫画の先祖か… -- 名無しさん (2018-06-07 09:20:16)
- ラーメン三銃士とのコラほんとすき -- 名無しさん (2018-10-01 22:01:32)
- 作者はポル・ポト派 -- 名無しさん (2019-06-20 09:14:23)
- 苦戦描写は割と多い気がする -- 名無しさん (2020-03-02 11:00:52)
- 少年マガジン現物を確認したが、竜新連載第一話と聖マッスル最終回は同じ号であった。平行して掲載し続けるのは危険という神の啓示が編集部に下ったにちげえねえだ。 -- 名無しさん (2020-06-09 20:58:31)
- 初出完全版欲しいんだけど、価格が8000円近いのがなんとも。下手すりゃプレミアついてる過去のコミックスの方が安く購入できる。まあ、その分おまけが充実していたりするようだが。 -- 名無しさん (2021-08-22 00:04:08)
- 何でブルース・リーなんだ・・・ -- 名無しさん (2021-12-18 22:46:30)
- 宮本武蔵とブルース・リーの強さが同等でこの二人より強い奴が存在しないと思えば二人いても不思議じゃない…と思う。なんでその人選なんだ。 -- 名無しさん (2023-03-04 02:33:13)
- タグに「カオス」や「腹筋崩壊」とかつかないのか? -- 名無しさん (2023-08-04 19:52:43)
- 風忍先生が昔描いたマジンカイザーのイラストはめちゃくちゃかっこいいのだ -- 名無しさん (2024-02-09 15:41:47)
- こんな奴がプリキュアのラスボスとして登場していたら...マジで怖い。 -- 名無しさん (2024-06-03 05:55:02)
- やはり俺の前世は・・・ゴジラだ!の人か -- 名無しさん (2024-06-03 10:41:12)
- 本作以上に「突っ込んだら負け」という漫画、ないだろうな。本作は2巻しかないが。 -- 名無しさん (2024-07-04 22:50:29)
- 竜連載当時のジャンプはこち亀は連載始まったばかり、キン肉マンすらまだ登場していないという状態。そんな中でマガジンでこんな漫画が連載されるとは......。 -- 名無しさん (2024-08-10 18:02:20)
- 空想科学漫画読本で本作を知った人、かなり多いのでは? -- 名無しさん (2024-08-11 17:38:37)
- 当時のマガジンやジャンプには本作くらいに「人類には早すぎる」という作品、あまりなかったのかもしれない。 -- 名無しさん (2024-08-11 21:17:49)
- 竜が当時のジャンプで連載していたら、10週打ち切りになるばかりか、上記に出ている作品すらなかっただろう。 -- 名無しさん (2024-08-17 19:16:39)
- 竜連載当時は世界人口はまだ50億に達していなかった。こうなると......。 -- 名無しさん (2024-08-17 20:44:42)
- 次から次へと超展開が詰め込まれている漫画、他にあるのか? -- 名無しさん (2024-09-25 06:57:49)
- 仏像が飛来してきたということは、まさか奈良の大仏や鎌倉の大仏も...!? -- 名無しさん (2024-10-19 18:43:01)
- 竜は記事冒頭に出てくる奴らと戦っても、上記の2人のとおりになるのか? -- 名無しさん (2024-10-20 19:06:42)
- ↑1 修正 正しくは「記事冒頭に出てくる奴らは竜と戦っても」である。 -- 名無しさん (2024-10-20 19:10:21)
- 冒頭のセリフを見ただけで読者はもうそこで大きくツッコんだだろう。 -- 名無しさん (2024-11-28 18:13:09)
- 超宇宙的、そんな漫画、後にも先にも本作以外には数えるくらいしかないのか? -- 名無しさん (2024-12-13 17:50:29)
- ラストで「おれはようやくのぼりはじめたばかりだからな...」と類似したセリフを竜が言っていたら男坂はどうなっていたのか。 -- 名無しさん (2024-12-13 20:45:53)
- 1977年当時のこち亀と比べたらカオス度はやはりこっちが上なのか。 -- 名無しさん (2024-12-23 17:05:25)
最終更新:2025年04月01日 05:59