魁!!男塾

登録日:2014/09/02 Tue 21:20:50
更新日:2025/08/29 Fri 16:43:13
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(さきがけ)!!男塾(おとこじゅく)とは、1985年から1991年まで『週刊少年ジャンプ』で連載されていた漫画作品。
作者は宮下あきら。


目次


概要である!

当初は日本全国の高校を退学となり追い出された問題児を集め、軍国主義のスパルタ教育を行う私塾・「男塾」で巻き起こる数々の騒動を描いたギャグ漫画。

……だったが、驚邏大四凶殺から路線を変更塾生たちが超人的な武術の達人と奥義を尽くした死闘を繰り広げる格闘バトル漫画になった。
インパクトが迸るキャラクター造形や画期的ギミック・民明書房の異様な説得力が人気を呼び、脚掛け6年にも及ぶ当時としては長期連載となった。

そのストーリー構成は絵に描いたような豪放磊落・荒唐無稽。
非科学・非論理・非常識の三拍子を気合・根性・狂気の三拍子で押し通す。このことから、漫画愛好家の間では尊敬と称賛の意を込めたうえであえて『バカ漫画』と呼ばれている。

よく挙げられる特徴として「戦いに敗れて死亡したと思われたキャラが実は生きていて仲間になる」という黄金パターンの多用があるが、これは作者が「せっかく登場させたキャラを殺したくない」と考えていたためらしい。
終盤では「これは絶対に生き返らないだろう」というような最期を遂げたキャラまで大した理由もなく短時間で復帰するので、主要キャラが死亡してもまったく信用されず、「男塾ではよくあること」と流されてしまうようになった。

メディア展開も多く、テレビアニメ化ゲーム化・実写映画化・パチンコ化されている。
テレビアニメは東映動画制作・フジテレビ系列で放映されていた。
軍国ギャグのネタはいろいろと厳しいからか削減されていたものの、あまりに男臭すぎる内容とグロ・残虐描写の多さからPTAからの苦情が来たせいで三号生編で打ち切りが決まり、終盤は単なるダイジェストでラスボス戦までカットされていた。

ゲームでは単独作品が数本発表された他、『ジャンプ』黄金期を支えた傑作の貫目か『JUMP ULTIMATE STARS』のようなクロスオーバー系作品でもほぼ常連扱いとなっている。
ゲームのクオリティにムラがある?『ジャンプ』ゲーとしてはよくあることだし、その方が『男塾』らしい気がするということで。

また、原作は原作で七牙冥界闘編が途中で思いっきり打ち切りを食らった事で、トンデモ展開で無理矢理畳むという形で終了した。
その後、原点回帰のような〆の為の話を1巻ほどやって完結となっている。


作風である!

バトルの特徴としては、非常にバリエーション豊かな秘技・奥義が登場することにある。
筋骨隆々・容貌魁偉な益荒男たちが敵味方にずらりと並ぶビジュアルに反して実は真っ向勝負の豪快な肉弾戦の比率は低く、
かくし芸・一発芸めいた精緻な技巧を競い合ったり、相手の不可解な攻撃の正体を推理・看破したりするなどのトリッキーな展開が多数を占めている。
そうした意味では日本娯楽界における能力バトル分野の草分け・山田風太郎の『忍法帖シリーズ』に近いテイストも含まれているかもしれない。
ただし『ジャンプ』漫画には珍しく、超能力などの超自然的な力を使うキャラクターは少ない。いわゆる「気」を称した奥義で押し通す場面も少なくはないが、ジャンルとしては『ドラゴンボール』『聖闘士星矢』の同輩と言うよりも、『るろうに剣心』などの先行者と言えそうだ(作者達の意識は不明だが)。

奥義の中には単純に肉体や武器を使う技だけでなく、動物を操ったりスポーツ器具や日用品をモチーフにした珍妙な武具を使う技も存在し、終盤や続編では悪ノリとしか思えないふざけたネーミングや内容のものも増加。
ある意味、最初期のギャグ編に一周廻って回帰してきたような感慨もないではない。
「こんなめんどくせー手使うくらいなら全力でぶん殴った方が早いだろ」と思えるような技もちらほら……

また当時のバトル漫画のトレンドとして、敵味方共通して中国拳法を使用するキャラが大半だが、闘いの舞台が世界規模にまで拡大された天挑五輪大武會編以降はギリシャ神話になぞらえた戦技を駆使する軍団やら、
古代エジプトの秘術を極めた戦闘集団やら、間違ったお国柄認識の元繰り広げられる万国奇人・変人ショー国際色豊かな面子が充実し、より奇想天外なバトルが展開されるようになった。

さらに、落ちたら死ぬなんて当たり前の凶悪なギミックを仕掛けられた闘技場での試合や
「カスリ傷でさえ殺す」「巨象をも倒す」といった怪しげ&恐ろしげな触れこみの毒物、更には多種多彩な危険生物を用いた怪奇千万な拳法異様な頻度で登場することでも有名で、
圧倒的に相手有利な悪条件の元で展開される緊張感溢れるバトルは、まさに男塾名物である。

前述のパターンの繰り返しにより倍々ゲーム状態で仲間が増え続け、一時は1チーム16名+αなどという大人数で行動していたこともあるが、
非常にキャラの扱いが上手く一人として空気になったキャラがいない。
また、割を食って前線で活躍する場面に恵まれないキャラでも、新たな技や敵が登場した時の実況・解説役をもらうなど、節目できちんと存在感をアピールしている。
たまに入るメタな自虐ネタがちょっと哀しいけど。
なお、その作風もあってか全編にわたって女性キャラクターがほとんど登場しないという珍しい作品となっている。

民明書房について

日本漫画史上に残るであろう『男塾』最大の発明として有名なのが、先ほども挙げた「民明書房」である。

作品中に登場する決闘法「民明書房」という架空の出版社の刊行物を引用するという形で解説するというもので、普通ならデタラメとしか思えないそれらの情報に絶妙なリアリティを与えることに成功している。

重厚な劇画調の挿絵も相まって民明書房の解説には異様な説得力があり、当時これを本当の事と信じて民明書房の本を探したり、
「内容に誤りがある」とクレームの電話をかけてきた人すらいたという。
作者によると「『こんなことあるわけねえだろう』『いや、本当かも』っていう、絶妙な境目がミソなんだよね」とのことらしい。

終盤になると、奥義の内容そのものがフォローもできないアホ丸出しなものになっていき、単なる語呂合わせのオヤジギャグメモ帳と化した。
作者の顔写真にヒゲを書き込んで架空の人物のコメントを演出するなどやりたい放題であった。
中国拳法の技なのに創始者の名前が訓読みはねーだろ……w

連載が続く中で、いちいち突っ込むのが無粋というレベルで膨大な後付け設定や矛盾が発生しているが、
これは作者の「ネームを作らずにいきなり描く」という『男塾』を地で行くクレイジーな創作法のため。
その回に登場する技ができるとそのまま一気に描き上げ「その方がアドリブ的なおもしろさがあるんだよね」と語っている。
ちなみに、原稿は2日で完成するという。


主要登場人物である!


江田島平八(えだじま へいはち)

男塾の塾長を務める人類最強・天下無双の豪傑にして本作最大のジョーカー。
「わしが男塾塾長江田島平八である!!」が存在意義のすべて。

★男塾一号生

通称『奴隷の一号』。
日夜鬼教官やスパルタ上級生の理不尽なシゴキに耐えながら男を磨く、本作の中核となる男たち。
死の危険すら伴う難局を根性と友情とギャグ補正で乗り越えるスゲエ奴らである。

連載後半で下記の一号生たちは進級して二号生に、当時の二号生は三号生になる。
新・一号生として新入生たちも入ってきたが、残念ながら上述の連載終盤の事情により元祖一号生が先輩風を吹かす余裕があるような回は非常に少なかった。

剣桃太郎(つるぎ ももたろう)

本作の主人公にして一号生筆頭。白ハチマキとダンビラがトレードマークの強く優しく頼れる漢。
文武両道の完璧超人にして数々の超絶奥義を習得しており、何気に本作随一のミステリアスパーソン。

富樫源次(とがしげんじ)虎丸龍次(とらまる りゅうじ)J(ジェイ)

男塾一号生。桃と共に数々の戦いに挑む。

松尾鯛雄(まつお たいお)田沢慎一郎(たざわ しんいちろう)極小路秀麻呂(ごくこうじ ひでまろ)椿山清美(つばきやま きよみ)

男塾一号生。バトルに参加することはないが、機転とガッツで仲間を支える。

伊達臣人(だて おみと)

元男塾一号生筆頭。過去に男塾二・一五事件を起こし男塾から逐電し、その後己が軍団「関東豪学連」を引き連れて桃たちに挑んだが、敗北。
その後塾長により同士の三面拳共々男塾に復学し、圧倒的実力者ポジションとして大暴れした。
覇極流槍術を極め頭抜けた強さを誇り、その人気から後年スピンオフ作品まで作られた。

雷電飛燕月光

「三面拳」と呼ばれる実力者トリオ。伊達の下に付き男塾に牙を剥いたが、死闘の果てに友情を結び心強い味方になった。
歩く拳法大辞典の雷電、爽やかイケメンの飛燕、盲目のスポーツマン月光とキャラの濃さは主役級。

★男塾二号生

通称『鬼の二号』。
下級生をイビる嫌味な先輩ポジション。劇中では世代を問わず上下関係を盾にした後輩いじめを行う描写が多く、男らしさからは程遠い人物が多い。
ただし、筆頭の赤石だけは別格の強さと男気を誇る。

赤石剛次(あかしごうじ)

二号生筆頭。「この世に斬れぬ物はなし」と謳われる一文字流斬岩剣を極めしの達人。
無茶がデフォルトの本作においても屈指のキレた主張を飛ばす烈士。

★男塾三号生

通称『閻魔の三号』。
なんかダークで重厚なアトモスフィアを醸し出しているおっかない人たち。
全員おっさんだがそれもそのはず、10年に渡って男塾の真の支配者として君臨しているらしい。
登場初期は出る漫画を間違えているとしか思えない面子だったが、むしろこいつらの存在が男塾という作品のカラーを塗り替えてしまった感もある。

大豪院邪鬼(だいごういん じゃき)

三号生筆頭にして男塾総代。「男塾の帝王」と呼ばれる男。
モビルスーツみたいな超巨体で、大砲並みのサイズのビールから手下に酌をさせるという規格外のモンスター先輩。
当初は冷酷な支配者だったが、仲間入りを境に良くも悪くもどんどん等身大に矮小化していった。

男塾死天王(おとこじゅくしてんのう)

邪鬼の側近的存在で、三号生の中でも最強の実力を誇る4名。
  • モヒカン頭にブーメランを仕込み5人に分身する「卍丸(まんじまる)
  • 目に見えないワイヤーで相手を切り刻む殺人術の使い手「センクウ」
  • レレレの構えで放つ貫手であらゆる物質をブチ抜く「羅刹(らせつ)
  • カスリ傷ひとつで相手を絶命させる毒手使い「影慶(えいけい)
……と、敵になっても味方になっても禍々しすぎる存在感を放つ恐るべき男たち。

男塾鎮守直廊三人衆(おとこじゅくちんしゅちょくろうさんにんしゅう)

三号生の棲まう天動宮への唯一の道・「鎮守直廊」を守る3人の門番。
  • ドSなパワーファイター「独眼鉄(どくがんてつ)
  • 勝つためには手段を選ばぬコウモリ男「蝙翔鬼(へんしょうき)
  • シルクハットを被った西洋かぶれなエセ紳士「男爵ディーノ」
から成り、悪役としての三号生の役割を担うために当初は残酷で卑劣な側面が強調されていた。
しかし仲間入りしてからは味のある活躍を見せ、特にディーノはカルト的な人気を誇る。

☆その他

藤堂兵衛(とうどう ひょうえ)

男塾・ひいては江田島塾長の宿敵である、日本を影から支配する政財界の巨魁。
人の道に外れた桁外れの欲望を原動力に権力・財力・暴力を欲しいままにする怪物であり、自身も武術の達人である。

王大人(ワン・ターレン)

大威震八連制覇司祭を務める怪しすぎる中国人。彼に「死亡確認」された者は必ずどこかで生きている。
実は塾長の古くからの親友であり、自身も中国拳法の総本山「神拳寺」で修行を積んだ凄腕の戦士である。
塾長が有事で不在の際には塾長代行を務める。


アニヲタWikiの生き様は
色無し 恋無し 追記あり
籠りの道をひたすらに 歩みて明日を魁る

嗚呼Wiki籠り 籠り意気
追記・修正 魁よ

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最終更新:2025年08月29日 16:43