ジェノブレイカー(ゾイド)

登録日:2010/02/18 Thu 20:22:55
更新日:2025/01/15 Wed 00:42:04
所要時間:約 7 分で読めます






その破壊力は、ブレードライガーを倒すために…



ジェノブレイカーとは、タカラトミーが展開する『ZOIDS-ゾイド-シリーズ』に登場する金属生命体・ゾイドの一種。


【目次】




【機体データ】


番号:EZ-034
所属:ガイロス帝国
分類:ティラノサウルス
全長:23m
全高:13.7m
重量:137.5t
最高速度:345km/h

武装:
集束荷電粒子砲
レーザーチャージングブレード
NZR複合センサー
ハイパーキラーファング
エクスブレイカー×2
荷電粒子コンバーター
フリーラウンドシールド×2
ウィングスラスター×2
ウエポンバインダー
(AZ140mmショックガン/AZ80mmビームガン/マイクロポイズンミサイルポッド)×2
アンカー×2
ハイパーキラークロー×2(有線式)
ハイパーストライククロー×2
Eシールドジェネレータ(アニメ)


【機体解説】


ガイロス帝国軍が開発した大型ゾイドであり、オーガノイドシステム(OS)搭載型ゾイドの1機。
先行開発されたジェノザウラーの強化発展機であり、非常に豊富な武装を持ち、圧倒的な戦闘力を発揮可能。
その性能は巨大ゾイドにも匹敵する。

機体のコンセプトは「対ブレードライガーで、新たに追加された武装は全て「対ブレードライガー戦」を想定して物となっている。
ジェノザウラーの主武装の一つだった背面のロングレンジパルスレーザーライフルは撤廃され、新規に大型のバックパックを装備。
バックパック基部に内蔵された荷電粒子コンバーターにより、集束荷電粒子砲の威力が30%増加。更に連射も可能となり、ブレードライガーのEシールドを突破可能な破壊力を獲得した。
更にバックパック左右に装備している可動アーム*1にはEシールド以上の硬度を誇る特殊チタン合金製の「フリーラウンドシールド」とレーザーブレード以上の破壊力を持つ鋏「エクスブレイカー」を備え、格闘戦能力が向上。
背面のロングレンジパルスレーザーライフルの廃止で減少した射撃能力も両脚部に増設されたウェポンバインダーで補われ、むしろ多角的な攻撃が可能となった。

これらの追加装備により重量も20t以上増加しているが、大型のバックパックに併設された可動式のウイングスラスターにより、短時間の低空飛行と荷電粒子砲の空中発射をも可能とする。
……等々。
徹底した強化改造によりジェノザウラーのあらゆる面を高め、ブレードライガーを上回る戦闘能力を誇る強力な機体に仕上がった。

反面、機体バランスの著しい劣化を招き、ジェノザウラー以上に操作性が悪化。
只でさえ限られた乗り手が更に少なくなってしまうという問題を招いた。


装甲は真紅に塗装されており、その禍々しい姿と驚異的な性能から、『魔装竜』の異名を持つ。



【バトルストーリー】


ジェノブレイカー開発のきっかけは、ガリル遺跡における試作ジェノザウラーとブレードライガーの戦闘であった。
OSを搭載していたジェノザウラーは、従来のヘリック共和国軍のゾイドを凌駕するハイスペックさを持っていたが、同じくOSを搭載したブレードライガーには劣勢を強いられ、戦略目的こそ達成出来たが事実上の敗北を喫してしまう。

これは「総合的な戦闘力はジェノザウラーが上だが、格闘戦においてはブレードライガーの方が勝っている」という、機体性能上の相性によるものが原因だった。
そこで帝国開発部は、試作機を対ブレードライガー用に強化することを決定。
こうして様々な改造を経て誕生したのがジェノブレイカーである。

完成したジェノブレイカーの性能は開発者たちの目論見通りとなり、初出撃において量産型ブレードライガー相手に完勝してのけた。
しかし、扱えるパイロットはガイロス帝国軍にリッツ・ルンシュテッド中尉しか居ないため、最後まで量産はされなかった。 

後に、因縁の相手である試作ジェノザウラーを倒したブレードライガーを共和国が対ジェノブレイカー用に強化し、完成したブレードライガーABと戦闘を繰り広げる。

しかし、2人の戦いに暴走したデススティンガーが突如 乱入。
紆余曲折を経てジェノブレイカーとブレードライガーはデススティンガー撃破するために共闘する。

ブレードライガーとパイロットを犠牲にしつつ、ジェノブレイカーは見事にデススティンガーを破壊する。

これ以降、ジェノブレイカーのパイロットであるリッツ中尉は機体と共に行方をくらまし登場しなくなる。


そして第2期の25周年に発売された『機獣新世紀ZOIDS CORE BOX』収録のバトスト完結編となる「ファンブック第5巻」にて再登場することが告知された。

デススティンガーとの戦いで失われた左のフリーラウンドシールドは再生しており、なんとそこにはエクスブレイカーに代わり好敵手の形見であるレーザーブレードが装着されていた。

【アニメシリーズ】


◇『ゾイド -ZOIDS-

第2部(ガーディアンフォース編)


ヒルツより与えられたレイヴン赤いジェノザウラーが、オーガノイド・シャドーのエヴォリューションコクーンにより進化した機体。
その特殊な出自故、作中では同型機は登場せず事実上レイヴンの専用機

カラーリングはバトストなどと同じだが、シャドーと合体すると赤い目の光が青く変化し、戦闘に使用しない時でも頭部のブレードが展開されたままになる。

また物語の途中から頭部のカラーリングが若干 変更され、側頭部ダクト周囲が白く塗り替えられた。レイヴンの趣味だろうか?

只でさえ驚異的だったジェノザウラーから更に性能は上昇。荷電粒子砲の連射及び空中からの発射に加え、威力もジェノザウラーより上昇。
特徴的な武器にエクスブレイカーがあるが、これでアーバインコマンドウルフを鋏み潰し、ゾイドコアに致命傷を与えた。
また、左右のエクスブレイカーの先端を合わせる事でEシールドを展開できる。*2
その戦闘能力は、ゾイド10個師団にも劣らないという凄まじい物となった。

しかしパワーアップの代償として、合体するシャドーの負担がジェノザウラー時の比ではなく、約180秒(3分)と言う合体の制限時間が出来た。
とはいえ、作中ではレイヴンの高い操縦技術とシャドーとの合体で作中最強クラスの機体として活躍。
レイヴンがジェノザウラーからジェノブレイカーに乗り換えてからはバンも勝つ事が出来なかった上、バン&アーバイン&トーマによる3機の包囲網も破ってみせた。
その時の作戦と対戦結果は、だいたいこんな感じ

作戦:3人でジェノブレイカーが荷電粒子砲を撃つときに展開する両足に付いてる姿勢安定アンカーを破壊、その後3人+ヘリック共和国軍のゾイド部隊でフルボッコ!

結果:作戦の目的であるアンカーの破壊に成功し、あとは荷電粒子砲が撃てないジェノブレイカーをフルボッコ!


……の筈だったのだが、地上で打てないからと空中でスラスターを使い、無理矢理 姿勢を安定させて荷電粒子砲をぶっ放し、3人+ヘリック共和国軍のゾイド多数を返り討ちにしたのであった。


物語の最終話 直前には、「古代都市 イヴポリス」で3体の赤いジェノザウラーと交戦。

3体のジェノザウラーによる連携攻撃にレイヴンは苦戦するものの、1体はエクスブレイカーで首を切断、続いて2体はレーザーチャージングブレードを口の中に突き刺し、最後の3体は首を噛み切る、といった怒涛の反撃で3体のジェノザウラーを全て撃破する。

最終話では連戦でボロボロになりながらバンのブレードライガーと共闘する。

ジェノブレイカーより遥かに強い破滅の魔獣・デスザウラーに最大出力の集束荷電粒子砲を発射し続け、最後は力尽きたのか足場のビルから落下してしまったものの、ギリギリでデスザウラーが全身に展開したEシールドを破壊し、デスザウラー撃破のきっかけを作った。

最終回とラストではレイヴン、シャドー共々無事な姿が確認できる。


上記の通り圧倒的な性能と戦績を残しており、デスザウラーやウルトラザウルス等の超大型ゾイドを除けば、間違いなく作中では最強のゾイド。

また、リーゼが『元々 黒かったジェノザウラーが何故 赤いジェノブレイカーに進化したのか。気付くのに時間が掛かった』と、ヒルツが何時かレイヴンからジェノブレイカーを奪って乗る様な発言をしたが、別にそんな事は無かったぜ!

※この詳細はレイヴンの項目で



◇『ZOIDS新世紀/0


実機は登場しないが、スティーブ・トロス博士が組み立てていたゾイドプラモデルの中に混じって登場。
ブレードライガーと共にジオラマの中に置かれていたが、博士が組み立て中のジェノザウラーキットの脚部を壊してしまいショックで不貞寝し、ジオラマは完成しなかった。



【漫画】


◇『機獣新世紀ZOIDS


初登場はコミックス 第5巻。

デススティンガーを失った「プロイツェン親衛隊《プロイツェンナイツ》」のハンナ・ハンナの新たな乗機として登場。
この時、親衛隊はレイヴンの新たな乗機・バーサークフューラー(BF)の戦闘データ収集のため模擬戦に駆り出されており、ハンナのジェノブレイカーもそれに参加する。

レイヴンのBFが僚機のカスタムコングを達磨にし終え、動きが止まった隙を狙って収束荷電粒子砲を発射するが、バスタークローのEシールドであっさりと防がれた上、格闘戦で武装と手足を悉く破壊されて戦闘不能に追い込まれた。
登場から撃破まで僅か数ページ。

ちなみに、この時レイヴンは「バンとの再戦までのけじめとしてゾイドを殺さない」という約束をしており、荷電粒子砲を使わず格闘戦のみで相手を倒すなど手加減をしている。

まぁ、要するに新鋭機であるフューラーのかませ役である。
しかし、アニメ版での愛機を自ら撃破するとはレイヴンも因果なことをしている。



【ウェブコミック】


◇『妄想戦記』

「双子の魔女」


対になったコアをもつ双子のジェノブレイカーJETが登場。
パイロットは共和国へゲリラ戦を仕掛け故郷を守ろうとする双子の少女。
ゴジュラスギガと遭遇し姉は妹を逃がす為戦死、妹は帝国に保護されかかるも互いの片割れを見棄てることができずギガのいる霧の中へ消え消息を絶ち――


「天麩羅の魔装竜」


周りの機体を怯えさせるという理由で辺境に追いやられたブレイカー。
周りを怯えさせる上誰の言うことも聞かないJBは敵襲の最中食料庫に突っ込み敵の爆撃を受けてしまう。
そしてなんと食料庫の小麦粉と爆煙で表面が天麩羅になって現れた。

途端に大人しくなるJBと周りのゾイド…
実は『血のような紅い装甲』に周りのゾイドもJB自身もビビっていただけであり、基地は無事に護られた。



【主なバリエーション】


ジェノブレイカーRS


アニメに登場したレイヴン機。作中での呼び名はジェノブレイカー。
上記の通り、デザインや出自が通常のジェノブレイカーとは大きな差異がある。


ジェノシザーズ


ジェノブレイカーの格闘武器、左右のエクスブレイカーを大型化させ、機体の色を青く塗装した改造機。
背中にレブラプター用のパイルバンカーユニットを搭載し、ノーマル機に比べて格闘戦に特化。
加えてパイルバンカーのすぐ外側にはジェノザウラーのロングレンジパルスレーザーライフルも増設し、低下した火力を補強している。
またカード設定では、荷電粒子砲が「収束型」ではなく「拡散型」を採用している。これはバーサークフューラーの原型と思われる(切り替えはできない模様)。

攻撃力が強化された反面、パイルバンカー及びロングレンジパルスレーザーライフル増設のために背面部のウイングスラスターを失っており、運動性は著しく低下している。
また頭部ブレードも無くなっており、青いカラーリングを含めて本体部分はサイコジェノザウラーに近い。


◇ジェノブレイカーGS


『ZOIDS SAGA』に登場。
四天王の1人であるゲイル専用機。
全体を白く塗装し、エクスブレイカーの代わりにバスターキャノンを装備した改造機で、射撃能力に特化している。


◇ジェノブレイカーJ


以前連載されていたweb漫画に登場。
機体は黒色に塗装され、ノーマル機に比べ20%の性能アップに成功している。
ちなみに「J=ジェット」であり、ジェットは「黒玉」の意味がある。


◇ジェノブレイカーJ typeB


上の機体と同時に登場した機体。
パイロットは双子の姉妹である。
機体の最大の特徴だったフリーラウンドシールドはフリーラウンドブレードに変更され、頭部装甲も簡略化されている。
しかし、一番目を惹くのはそのつぶらなおめめであろう。




レイヴン「この項目が狙いか……。余程全消しが恐いとみえる。

だったら、お前にも追記・修正をお見舞いしてやるよ!」

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最終更新:2025年01月15日 00:42

*1 当時では初となる本体以外の本格的な可動肢パーツ

*2 その影響か、アニメでの登場 以降に発売したゲーム等では、Eシールドの展開機能が搭載されている場合がある