登録日:2010/02/17 Wed 06:10:47
更新日:2025/02/03 Mon 18:17:53
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形式番号
EPZ-002(ゼネバス帝国)
EZ-015(ガイロス帝国)
所属 ゼネバス帝国・ガイロス帝国
分類
ゴリラ型
全長 11.5m
全高 17.7m
全幅 13.1m
重量 187.0t
最高速度 150km/h
武装(旧)
6連装大型
ミサイルランチャー
ミサイルポッド
長射程対地
ミサイル×2
補助エネルギータンク
大型レーザー・サーチライト
武装(新)
TVM地対地2連装戦術
ミサイル
10連発自己誘導ロケット弾ランチャー
対ゾイド6連装ミサイルランチャー
アイアンハンマーナックル×2
複合センサーユニット
【開発経緯】
かつてデルポイ大陸西部に割拠したゼネバス帝国が開発した、ゴリラ型ベースの大型ゾイド。
ゼネバス帝国は長らく
レッドホーンを最大のゾイドとしていた。
しかしいくら重装甲・重武装のレッドホーンとは言え、
ゴルドスやマンモスはともかく、
ゴジュラスの圧倒的なパワーとタフネスにはまるで歯が立たず、戦力比にして3:1と劣勢を強いられていた。
そこで、ゴジュラスの猛威を抑え込むために開発されたのが
アイアンコングである。
その本懐は格闘戦能力にあるが、ゴリラ型ゆえの地形適応能力によって戦場を選ばない運用性能を誇る。
防御面では、全身を外装式の軽量かつ頑強なプロテクターで覆うことで、堅牢性を獲得。
また、
ミサイルを三種類用意しており、これを連射する事でゴジュラスを撃破可能な砲撃能力を獲得した。
その特性から万能ゾイドとも称されており、ゴジュラスとは格闘戦能力で劣りつつも砲撃能力で勝り、戦力比にして1:1の互角となっている。
もう一つの特徴として、コックピットが複座式であることも挙げられる。
コックピット内部は広く設計されているうえに、パイロット二人が横並びで座る。
操縦士と砲撃手に分担するのが基本なのだが、戦闘員と司令官に分担して指揮管制能力を高めるなどの方法もあった。
ちなみに、切り替えで単座にもできる。
加えて、大パワーの大型ゾイドでありながら、野生体の気性が穏やかなほうであったため、素直な操縦ができた。
パワーでこそゴジュラスには一歩を譲るものの、防御力や操縦性では大きく上回り、そのほかのスペックも高水準にまとまっている。
完成度の高さにおいては全ゾイド中でもトップクラスであり、のちのガイロス帝国では「最高傑作」とまで評せられた。
【活躍】
完成したアイアンコングは、ゼネバス帝国にとって機体の新星であり、なんと
150機が勢ぞろいするのを待ってから悠々と進攻を開始。
その威容を目撃したヘリック共和国の兵士は
「山が動いた!?」と驚愕したと伝わる。
進撃を妨害しようとする共和国の群小ゾイドを片っ端から撃破したが、
この過程で共和国の誇る最大最強の空戦ゾイド・
サラマンダーを撃墜したり、同じく共和国の誇る電子戦ゾイド・
ゴルドスを奇襲攻撃で撃破するなど、極端なまでの汎用性を存分に見せつける。
これらの事態に、共和国も対抗できるのはゴジュラスだけと早々に判断。
総勢200機ものゴジュラスを大陸全土からかき集め、一丸になって突撃させた。
ところがアイアンコングは、ミサイルの一斉射撃で迎撃。雨のようなミサイルの猛攻で、
数多くのゴジュラスを粉砕した。
しかしゴジュラスもさるもので、その爆発をタフネスだけで突破。
ミサイルを撃ち尽くしたコングたちに襲い掛かった。
当然コングも迎え撃ったのだが、ゴジュラスのパワーは消耗してなおコングを上回るもので、
ゴジュラスに腕を食いちぎられるなどして苦戦。
ついにはコング部隊は敗退し、帝国領に引き上げることとなった。
もっとも、アイアンコングにとってはやはりゴジュラスは容易ならぬ敵であることを再確認することにもなった。
そして、ある意味で当然の帰結ではあるが、共和国はアイアンコングを打ち負かすべくゴジュラスの再強化に着手。
長射程・大口径のバスターキャノンを搭載した
ゴジュラスMk-Ⅱを開発し、同じ土俵に立ってしまった。
コングの
ミサイルとほぼ同等の射程と、コングの装甲を粉砕する威力を確保したゴジュラスは、かつての劣勢を覆して再びコングの強敵として復帰した。
また、そのゴジュラスの強化に先立ち、ヘリック共和国はコング以上のパワーと装甲を備えたウルトラザウルスを開発。
ゴジュラス打破に喜ぶ暇もなく、コング以上の尖りっぷりを見せたウルトラザウルスの出現はゼネバス皇帝を憂鬱にさせたという。
結局、アイアンコングは「ゴジュラスの無敵時代」は終わらせたものの、「コングの無敵時代」を築くことはついにできなかったのである。
その後、ゼネバス帝国はゴジュラスもウルトラザウルスも上回る
デスザウラーの開発に尽力する。
しかし
コングが依然として優秀な機体であることは変わりなく、さまざまな局面でそのパワーを存分に発揮し、ゼネバス帝国やのちのガイロス帝国の戦線を大いに支えた。
惑星大異変にも、大型ゾイドでありながら数を減らすことなく生き延び、第二次大戦期にはまとまった数が参戦。
ライバルであったゴジュラスが絶滅寸前にまで数を減らしてしまったため、数と質の差で共和国軍に大きな格差をつけることになった。
実際にコングは多くの戦場で姿を見せており、
最終局面のクーデターではコング同士の激闘も多くみられている。
【バリエーション一覧】
ただでさえ火力の高いコングを、さらにパワーアップさせた機体。
対ウルトラザウルス戦用の機体であるが、予算とスケジュールの都合から完全新規で開発できなかったことから、イエティコングやスペースコングのデータをベースに改修して作られた。
ベースがミサイル主体であったのをビーム兵器主体に改造しており、肩に搭載したビームランチャーが最大の特徴。
加えて、背面には大型スラスターを搭載することで機動力と格闘戦時における瞬発力を、左肩にはセンサーを搭載することで索敵能力を大幅に引き上げている。
全身が赤色に塗装されている。
雪の中に長時間潜伏してウルトラザウルスを奇襲するというすさまじい登場をした。
そのまま圧倒的な機動力と攻撃力でウルトラザウルスを行動不能にし、迎撃に現れたゴジュラスMk-Ⅱにも互角以上に戦ったが惜敗する。
ちなみに一人乗りらしい。
限定型からビームランチャーとAZ対空
ミサイルを排除した廉価版。
ベース機と比べるとスラスターと索敵装置を搭載したとも言える。
なお、このタイプを「Mk-Ⅱ 量産型」と称したため、元のMk-Ⅱが「限定型」と呼称された。
パワーでも武装でも上回るはずのウルトラザウルスを、接近戦に持ち込んで首を折って撃破するという戦果を上げたこともある。
一時ゼネバス帝国が占領したヘリック共和国首都。そこに設置された巨大な塔に、アイアンコングを展開していた。
塔の上という地の利を生かしたコングの迎撃能力は圧倒的で、共和国は
マッドサンダーによるゴリ押しでなければ突破できなかった。
ゼネバス皇帝の親衛隊というかなんというか、
完全自動操縦機。後のスリーパーの走りかもしれない。
普段は帝国首都の銅像に見せかけて侵入した敵をやり過ごし、後方の本隊が接近したところで動き出して本営を奇襲、一気に逆転する。
当時「暗黒軍」と呼ばれていたガイロス帝国が接収し、改造を施したアイアンコング。
黒い機体カラーに、ところどころに緑のアクセントが加わっているほか、実験機らしくチューブ類が各所に備わっている。
このカラーは
デッド・ボーダーやダークホーンなど、当時のディオハルコン搭載ゾイドにみられる特徴であり、このコングもおそらくディオハルコンを使用している。
その正体は
ビーム・スマッシャーの実験機。使用時には腕を左右に開き、掌の間から巨大な光輪を形成して発射する。
まだ試作品ではあるが
シールドライガーを一撃で真っ二つに両断し、電磁バリアを張った
ガンブラスターにもダメージを与えたが、後者に関してはバリア発生装置を破壊しただけで一刀両断とはいかず、直後に黄金砲で返り討ちにされて敗北。
だが、本機のデータがのちに
恐怖の魔獣を生み出す事となる。
海戦用に改造されたコングで、単独での潜水も可能。
雑誌連載のバトルストーリーではブラックコングの名前で登場した。
暗黒大陸にマッドサンダーを始めとしたゾイドを運ぶ輸送船を襲撃し、甲板で警備していたアロザウラーとシールドライガーを破壊。
航行能力を奪うためにスクリューの破壊を敢行し、阻止しようとしたウルトラザウルスを水中銃の一撃で撃沈する。
船内に侵入するが、棍棒を装備したゴジュラスに羽交い締めにされてマッドサンダーのマグネーザーに貫かれそうになる。
そこで最後の手段として自爆を決行、自身の命と引き換えに輸送船をゾイド諸共焼き尽くした。
パワーは5倍、防御力は3倍に強化されたコング。
工場の警備をしており、侵入したゴッドカイザーとオルディオスと交戦。
オルディオスの攻撃すら跳ね除けたが、TFゾイドと合体した両機の集中砲火を受けて撃破された。
ノーマル機の3倍の性能に強化されたコング。
ガイロス帝国の首都を防衛していたが、乗り込んできた
相手が悪すぎたために一瞬で蹴散らされた。
通称アイアンコングPK、PKコング。赤いカラーリングから「ブラッディコング」とも呼ばれる。
ガイロス帝国摂政
ギュンター・プロイツェンが管理する、皇帝親衛隊所属の機体。
正確には「皇帝ルドルフの親衛隊」なのだが、プロイツェンが摂政として宮廷も掌握しているため、実質はプロイツェンの私兵となっている。
政治工作により逮捕特権も有していたため、帝国の高級閣僚・高級官僚にとっては敵よりも恐れられたとのこと。「ブラッディコング」の名は、色もそうだがそうした政治的な血なまぐささを反映したものでもある。
武装や基本カラーはMk-Ⅱ限定型と同じだが、蜂のパーソナルマークが施されている。
エンジン部も強化が施され、ビーム兵器の出力向上、スピードのさらなるアップを達成した。
かつてのMk-Ⅱ限定型以上のパワーアップを果たしたのだが、
ライバルであったゴジュラスMk-Ⅱは
それ以上のパワーアップを果たしており、その
真の力の前にゴミのように引き裂かれてしまった。
その後、プロイツェンのクーデターにも参戦。
お飾り兵士の乗るアイアンコングを瞬殺したり、逆襲に転じたアイアンコングイエティと激しく殴り合ったりと奮戦したのち、全機が凄絶な最期を遂げる。
「ミサイルがなくなっても、こっちはアイアンコングだあッ!!!」
アニメ二期の『
ZOIDS新世紀/0』では「ピーケー型」と呼称されていた。
おそらくプロイツェンの直属の部隊だった頃の呼び方がそのまま使われているものと思われる。
これに乗ったハリー・チャンプはビット・クラウドのライガーゼロと互角に渡り合った。
ガイロス帝国軍の将校、
カール・リヒテン・シュバルツ中佐の
専用機。「SS」は「シュバルツスペシャル」の略。
肩のミサイルランチャーをダークホーンなどに搭載されている
ガトリング砲に、背中のミサイルをレッドホーン系のリニアキャノンに変更した。
また、胸や肩の一部パーツが赤い強化装甲に換装されており、防御力も引き上げられている。
なお、バトストではシュバルツ専用機
ではなく、シュバルツ機とまったく同じ武装・カラーの機体が、少なくとも二体確認されている。
一体はウルトラザウルスの1200mm砲弾により消滅。一体はレニー・K・シルヴェスター大尉の乗機で、
バーサークフューラーに破壊された。
アニメでは第二期から武装が変更。Mk-Ⅱ限定型の物になった。実際にトーマから「
アイアンコングMk-Ⅱ」と呼ばれている。
ただし装甲のカラーリングは元のまま。
また、装甲とカラーはノーマル機のままだが、武装だけがシュバルツ機と同じ
ガトリング砲を搭載したタイプも存在する。
寒冷地仕様の白いコング。
武装は基本的にMk-Ⅱ量産型に準じるが、初登場の『妄想戦記』では右肩の6連装ミサイルランチャーをビームガトリングガンに換装している。
PK師団反乱時の帝都ヴァルハラは極寒の時期だったため、ヘリック&ガイロス連合軍はおろかネオゼネバス軍も含めたほとんどのゾイドが寒さに苦戦する中、イエティは万全の状態で行動できた数少ないゾイドであり、本来なら格上であるはずのアイアンコングPKを殴り飛ばすなどして奮戦した。
『
ZOIDS2 〜ヘリック共和国VSガイロス帝国〜』のオリジナルアイアンコング。
背中の
ミサイルをゾイド捕獲用ユニットに変更した。これにより、敵の大型ゾイドも捕獲できるようになった(捕獲出来るのは捕獲用ゾイドと同サイズ以下の機体のみ。ただし、ゲームシステムの関係上、隊長機のみ捕獲不可)。
通称「小型コング」。
詳細は当該項目に譲るが、本機のコアはアイアンコングのコアの幼体をクローニングしたものである。
ゴリラ型の
24ゾイド。
キットはアイアンコングと同じサイズであるが、こちらは1/24サイズであるため、設定ではハンマーロックよりも小さい。
見た目がスコープドッグっぽい。
前述の通りの小ささでありながら、単独でウルトラザウルスを撃破したり、囮としてわざと鹵獲された機体の中に潜んで共和国軍の基地に侵入し単独で基地を爆破するという凄まじい活躍をした。
ゴリラ型のコマンドゾイド。
ゴーレムよりも更に小型であり、コマンドゾイドの特徴である「パイロットが見え見え」の状態であるせいか、人を頭の上に乗せたゴリラに見える。
ガシャポンでの期間限定販売であり、販売当時はアタックコングと呼称されていた。
2002年の東京おもちゃショーで初お披露目されたゾイド。
初のラジコン操作出来るゾイドで、大きさはあのキングゴジュラスを上回る。
バトルストーリーでは
ゴジュラスギガに対抗するための機体として登場する予定だったが、未塗装の試作品が作られただけで結局発売はされず、本当の意味での幻のゾイドとなった。
ちなみに発売当時はゴジュラスと並ぶ人気機体で、小学生の財力では入手が難しい部類にもかかわらずかなり持っていた人がいた。
現在でもかなりのプレミア価格がついていたりする。
近年は
コトブキヤからハイエンド・マスターモデル(HMM)が登場。
すさまじいプレイバリューや開く顎などが話題となった。
追記・修正お願いします
- ウホッ いい機体 -- 名無しさん (2014-04-28 09:00:13)
- FC版1~2で苦戦した上に泣かされました・・・(TT)。 -- 名無しさん (2014-04-28 11:26:27)
- シュバルツ仕様機はGF編からMk-Ⅱ装備に変わってる。 -- 名無しさん (2014-04-28 11:32:59)
- 何で複雑にするとokなのか誰か教えて~ -- 4 (2014-04-28 12:46:18)
- ↑仮に単座だと操縦と射撃管制、レーダー探知といった高度な作業を一人でこなす必要があるが、複座の場合操縦者とガンナーといった役割に分割することで作業の迅速化・意識の集中によるミスの軽減など様々な利点がある。アイアンコングは射撃武装メインの機体なので高火力の武装を同時使用もしくは効率的な運用を容易にするガンナーの存在は、シュバルツといったエースクラスに達しない一般パイロットにとっては大いに有意義。 -- 名無しさん (2014-05-10 20:26:25)
- 高嶺の花は昭和か平成どっちだよw -- 名無しさん (2014-08-14 00:34:59)
- デッドリーコングは派生に入る? -- 名無しさん (2014-10-23 18:50:58)
- 地元では何故かゴジュラスやウルトラザウルスよりもPKコングを持ってる方が金持ち扱いされた。 -- 名無しさん (2015-04-10 10:19:47)
- 万能選手。高性能なのに操りやすい。ゾイド最高傑作と呼ばれる名機。 -- 名無しさん (2015-05-28 23:36:17)
- アメリカではキングコングが人気な事もあり、アイアンコングも非常に人気が高い -- 名無しさん (2015-06-29 17:20:31)
- こいつ以降、ゴジュラスには射程外から攻撃して潰すという戦法がガチこまれていくという…。 -- 名無しさん (2015-06-29 17:25:02)
- アイアンコングは不遇なようでアニメでもカッコイイ見せ場があるだけマシなような気がする -- 名無しさん (2018-03-04 01:34:50)
- 扱いやすいのに強い どんな場所でも戦闘可能な万能性 複座のおかげで現場指揮官にも使いやすい カスタム性も高い まさに優等生 -- 名無しさん (2018-04-08 13:21:14)
- アニメだとちょっと小顔になって全体のプロポーションは良くなってるよな。キットの時点で関節の関係もあって実際のゴリラとは首周りのシルエットが大分違ってたけど -- 名無しさん (2018-06-01 11:33:27)
- ネオブロックス版も派生機体として扱っていいのかな? -- 名無しさん (2018-06-02 00:35:37)
- 小学生時代のあだ名だったわ -- 名無しさん (2018-06-02 01:33:34)
- しかも量産性もそこそこと弱点らしい弱点がまるでない -- 名無しさん (2023-03-04 14:40:27)
- ゴジュラスのライバルがこいつなのがゴジラに対するキングコングのイメージだと最近ようやく気づいた -- 名無しさん (2024-08-23 21:04:52)
- アニメだといかにもゴリラみたいなムッキムキの大男より意外と女性や貴人が乗ってることが多いよね。トリニティ・ゴーストの被害者の一人がいかにもゴリラみたいなムッキムキの大男でアイアンコング乗りだったけど -- 名無しさん (2024-08-23 21:13:05)
- ↑そういや主要キャラでムキムキのコング乗りってガラガが初めてか。一応ロッソも乗ったけど、彼はどっちかと言うとレッドホーンやストームソーダーの方が多かったし。 -- 名無しさん (2024-09-17 21:15:41)
- ゴリラモチーフの機体が高級量産機で敵勢力のエリート御用達の名機ってのもなかなか珍しい気がする -- 名無しさん (2025-02-03 18:17:53)
最終更新:2025年02月03日 18:17