ブラックモア(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2012/09/23(日) 17:23:21
更新日:2023/07/13 Thu 13:54:14
所要時間:約 7 分で読めます





すいませェん……
わたくしにはなんとも見当もつきません


ブラックモアはジョジョの奇妙な冒険第7部『スティール・ボール・ラン』の登場人物。
名前の由来はイギリスのハードロックバンド『ディープ・パープル』『レインボー』のギタリスト、リッチー・ブラックモアから。


【人物】

この世界における合衆国第23代大統領ファニー・ヴァレンタインに仕えるスタンド使い。
長身痩躯。頭にピッタリとフィットしたフードとケープの付いた黒いレインコートを身に纏う風変わりな男で、晴れの日でも蝙蝠傘を手放さない。
髪の毛はブロンドの長髪だが、全部前に向かって束ねた上でフードに開けられた穴からポニーテールのように出している。
眉根を寄せ、唇を尖らせた弱気そうな表情で常に申し訳なさそうに喋り、ことあるごとに『スイませェん』と詫びを入れるのが口癖。

初見では優柔不断で頼りない人物にしか見えないが、エージェントとしての手腕は極めて優秀。
僅かなヒントでも見逃すことのない観察力・推理力に加え、口調は遠慮がちでも論理的に組み立てた自分なりの見解をはっきりと述べられる明晰な頭脳と、
もし機密情報の書かれたメモを密偵が飲み込んだなら、『胃を切り開いて取り出す』と平然と言ってのけるほどの任務にかける冷酷さと執念深さを併せ持つ恐るべき男である。

無論このスティール・ボール・ラン・レースの真の目的である『聖人の遺体』の回収についても携わっており、任務遂行のためなら殺人すら辞さない。
また、彼自身、個人的に『聖なる遺体』には惹かれるものがあるようだ。


【スタンド】

  • ボー
破壊力:C
スピード:C
持続力:B
射程距離:B
精密動作:D
成長性:D

発現すると顔に被さるようにして現れる、虹をペイントした仮面というビジョンのスタンド。器物型と装着型の間といったところだろうか。
雨を司る能力で、あくまで支配するのはではなく、
ゆえにスタンドを使えるのは雨天の時のみという極めて珍しい特性を持つ。
つまりブラックモアは晴れの日は常人と一緒ということになる。この人と丁度逆である。

使用条件が厳しい反面、雨の中では無敵に近い絶対的な強さを発揮する。
まず降り注ぐ雨粒を固定することでそれを足場にして空中を闊歩することが可能。
さらにこの固定された雨滴はブラックモア以外の存在には鋭利なギロチンワイヤーに等しく、突き飛ばされるなどしてそのゾーンに倒れ込めばいとも容易く深々と切り裂かれ致命傷を負わされてしまう。

また、固定しない雨に当たるとブラックモアの身体は雨と融合するようにして細かく分散し、雨から雨へと渡り歩ける。これにより
  • 並みのスピードで空中を移動
  • 自分の肉体を飛沫のように飛び散らさせることで相手の攻撃を無効化
  • 飛び散った部分は口だけに変える
  • 自身の肉体のパーツを部分的に戻して喋ったり噛み付かせる
  • 致命傷に近いダメージを受けたとしても、雨水を固定することで傷をふさぎ活動し続ける
と多彩な応用が可能。青いてつをかお前は…
ただし、能力の効果が持続するのもまた雨天の間に限られているので、雨水で致命傷を塞いでいる場合は雨がやむ時が本体の死ぬ最期でもある。
その他にも操っている物は「単なる水」なので、水そのものが持つ特性*1からは逃れられないという欠点も抱える。

パラレルワールドの存在ではあるが、ウェザー・リポートとタッグを組んだら無敵じゃね?という考察も時々見られる(ただウェザーが生み出す雨はあくまでスタンドの産物なのでブラックモアの能力の対象として認識されるかは微妙なところではあるが)。

名前の由来はリッチー・ブラックモアが率いたHR/HMバンド『RAINBOW』の1stアルバム内の1曲『Catch the Rainbow』から。


【劇中での活躍】

大統領らの会話の内容を読唇術で知ったルーシー・スティールは、彼らは遺体が集まれば彼女の夫=スティールをいずれ始末するつもりなのを知ってしまう。
大統領の計画が成就するのを妨害するため、秘密裏に活動を開始したルーシーは
先だって次なる遺体=脊椎の在り処を突き止めた大統領配下のリンゴォが放った伝書鳩の運んできたメモを奪取するが、そこに登場したブラックモアが鳩のメモが何者かに奪われたことを状況証拠から推理、追跡を開始する。

追い詰められたルーシーだが、彼女を慕うマウンテン・ティムに連絡をとることで彼の力を借りて脱出に成功。
馬でメモに記された座標に向かい、遺体の脊椎をGET、頼れる協力者としてマウンテン・ティムが紹介してくれた
ジャイロジョニィとの合流を目指す。

しかしブラックモアは屋上の鳩小屋への進入経路から下手人がスタンド使いではない身内の人間という見当をつけ、
電話の交換手からの調べで政府の『建物内から』マウンテン・ティムに向けての電話があったことを知り、
ティムに尋問を試みる。

この時点で既にブラックモアを敵に回す覚悟を決めていたティムは問答無用で射殺を試みるが、
キャッチ・ザ・レインボーの無敵の防御の前に無効化される。
ティムの叛意を知ったブラックモアは量刑を考えると条件を出しながら、電話をかけたものは誰かを問いただすが、
それに対してティムは猛然と『OH!ロンサム・ミー』で攻撃に移ろうとする。
だが、逆にロープをブラックモアに掴まれて引き寄せられ、刃の滝と化した豪雨の中にさらされ斃れる・・・

最期までブラックモアの誘惑をはねのけ、ティムは命を落としたが、
ブラックモアは残された手がかりから犯人がルーシーだと当たりをつけてしまう。

脊椎を入手したルーシーに追いついたブラックモアはこれを奪回するが、

今 このわたしの腕の中に…『これ』がある わたしが触れている 現実だ
輝いているように見える…欲しい…仮に大統領に『これ』を渡さず…わたしだけのものとしたなら…

彼もまた遺体に『救い』を求めていたのか、大統領を出し抜いて遺体を独占しようとする欲望に支配されてしまう。

この…ブラックモアだって 『これ』を持つ資格はあるはず…人はみな平等だ…わたしだって…『これ』を…

その時、遺体は謎の奇跡を発現。最も近くにあるジョニィが持つ『左腕』と引き合い、
実に馬で4~5時間はかかる距離を周囲の人や物ごと『転移』したのだ。
そしてブラックモアの前に、遺体の生前の姿と思しきある人物の幻影が現れ、それに気をとられたブラックモアは、
ルーシーの銃で急所を撃たれ、致命傷を負ってしまう。即座に『雨』を固定し応急処置を施したが、
彼の能力は雨天限定。雨が止めば確実な死が訪れる。


こんな事になるなんて…あんな小娘ごときのために…
この嵐の『雨』がやんだら わたしは『死ぬ』…雨で固定した…このキズの塞いだフタが流れ出て…でもかまわない…これは『罰』だ…
あの『お方』を思わずひとり占めしようとしたこの卑しき欲望と わたしの弱い心への『罰』!

やはりあの『お方』の『御遺体』はいずれ世界の中心となるこの国の大統領が回収すべきもの!この寿命が尽きるまでッ!
全身全霊をつくしましょうッ!

瞬く間に追いついたブラックモアは脊椎を奪ったルーシーもろともジャイロ達を始末するべく、
周囲の雨を触れれば切り刻まれる刃の牢獄とし、完全にその動きを封じようとする。
しかし、一度自分の腕が切り裂かれた軌道と全く同じ投球フォームを取ることでダメージを軽減したジャイロの渾身の鉄球を飛ばされたが、同じく固定した雨粒で防御する。
が、回転の摩擦熱で雨を気化させたことでガードが徐々に破られている事に気付き、それでも尚道連れにルーシーを狙う。


人には『使命』がある……
肉体的な小さき『命』なぞ超越した大いなる『使命』が!!
呪われろッ!おまえらは皆ッ!…未来なぞないッ!!

ドグシャアァァァ

だが鉄球に仮面ごと顔面を打ち砕かれ能力を解除させられる。
それは、彼の死を意味していた・・・


【余談】

☆自分の『面』が見えるかどうかで相手がスタンド使いかどうかの見極めを行っていた。
これによりSBR世界においては『発現はまだでも、スタンドの才能さえあればスタンドを見られる』という新設定が明らかになった。

☆強欲なクズ野郎ひしめくジョジョの悪役の中で、生命と引き換えに己の欲望を克服。
一転、忠義の鬼(厳密には聖人への信仰か)になるという珍しい変遷をたどったキャラクター。
これの逆が6部ヴェルサス(『反対』の意味なのが笑える)である。



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最終更新:2023年07月13日 13:54

*1 高熱で蒸発するなど