SDガンダム外伝ナイトガンダム物語3〜伝説の騎士団〜

登録日:2011/07/26(火) 00:44:21
更新日:2024/01/23 Tue 16:26:42
所要時間:約 5 分で読めます




『SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語3 伝説の騎士団』とは、バンダイから1992年10月23日に発売されたファミリーコンピュータ用のRPGである。バンダイのソフトとしてのナンバリングは「25」。
『SDガンダム外伝』の円卓の騎士編を題材としている。



◆概要

ザビロニア帝国によって滅ぼされたブリティス王国の再興のため、皇騎士(クラウンナイト)ガンダムがブリティス奪還のために各地に散らばる仲間達を集め、ザビロニア帝国に立ち向かうのが本作の大元となっている。
ターン制RPGという前作・前前作と基本的な流れは一貫しているが、本作でのパーティは最大6人であり、仲間が7人になる中盤からはパーティを二つに分け、同時に攻略を行うなど物語に深みを増した。
作中のストーリーはカードダス版をベースとしているがアレンジが加わっており、カードダス版では4節編成で節の度に仲間が入れ替わる(最終節で合流する)設定だが本作では節編成が曖昧になっており、仲間も原則離脱しない。
また、最終的に新世円卓の騎士団となるメンバー以外の、各節で皇騎士に協力したメンバーは基本モブキャラとなっている(多くのキャラに固有グラフィックが設定されておりオミットされている人物は少ない)。
この辺りはSFCで発売された作品の方で再現が行われている。
シリーズ恒例のあらすじは本作は年表になっており、攻略した記録が表示される。

武器・防具の買い替えは廃止され、鉱石・ガンダリウムにより武器・防具を強化する。このため武具の名称は全てキャラ固有のものになっている。

また本作は言うなれば英雄譚であるためか「名声値(めいせい)」というステータスが設定されている。

◆システム

バトル
パーティは最大6人。リーダーである皇騎士orF90が重傷を負うと、統制が乱れて他のメンバーがオート操作になってしまう。また本作はMPがなくなると、キャラクターは気絶してしまう。この場合、MPを回復すると復帰できる。
前作と違い特に条件なく使用できる必殺技があり(ただし呪文を使う二名はコマンドとしては用意されておらず、特定の呪文時にカットインが挿入される)、その全てがMP消費の純粋ダメージ技となったため前作よりも大幅に扱いやすくなった。

攻撃以外のコマンドは以下の通り。
  きあい MPを使用して必殺技を使用する。最低でも&bold(){33}のダメージを与えられる。ちなみに通常攻撃時にも一定確率で必殺技が発動するがそちらはMPを消費しない。
  なのる リーダー以外が使用できるコマンド。敵に名乗りを上げることにより、敵の狙いを自分に集中させる。HPが減った仲間を守りたい時に便利
  まもる こちらもリーダー以外が使用できるコマンド。リーダーへの攻撃を全て引き受けることで、リーダーの重傷による統率の乱れを防ぐことができる。
  めいれい こちらはリーダーが使用可能。各メンバーの行動をオート戦闘にするかマニュアル操作にするかを決めることができる。オート時の行動パターンはキャラ毎に設定されているがそこまで優秀ではない。

呪文については僧正ガンタンクと僧侶F90jrのみが使用でき、デフォルトの呪文以外は町のショップで新たな呪文を購入することで使用可能となる。
こちらもMPを消費するため使いすぎると気絶するが、消費に対しMP量が多いので早々気絶することはない。マインド系呪文を喰らいすぎなければ。
彼らが仲間になるのは中盤以降だが、それ以前に訪れる街にしか売っていない呪文もあったりする。


名声値
本作において新たに設定された数値。戦闘で勝利する、フィールドでランダムエンカウントする一般人を助ける、サブイベントをこなすことにより加算される。逆に戦闘から逃げ出したり、一般人を見捨てるなどすると減点される。
名声値によって街のNPCの台詞が変わる他、一部のイベントが変化する。ぶっちゃけ基本的には空気なシステムだが、序盤に割と洒落にならない影響があったりする(と言っても通常のプレイングではまずメリットを享受できないのだが……)

時間の経過
本作では昼と夜の概念があり、フィールドを普通に歩いていると、だんだん暗くなって夜になる。そのまま朝になると1日が経過したことになり、日数がかかる。夜にしか見れないイベントもあり、女性に話しかけるとチカンと間違われたりする
日数は本作ではクリア時評価に関わる他、一部のイベントは受注から日数をかけすぎると失敗する

◆難易度

前2作とは異なる要素と、新たなシステムを持った本作だが、それらが合わさり本作は3作品の中では高難易度となっている。

高エンカウントと強力なザコ敵
本作では全二作同様(というかFCのRPGあるあるだが)エンカウント率が非常に高く、追い討ちをかけるように本作はエンカウントを下げるアイテムも無い。
また上記のように、パーティを強化する手段がガンダリウムのみのため、ガンダリウム及び資金の無い序盤から辛い戦いを強いられてしまう。
並の敵キャラなら倒せるものの、強めの敵が出ると、1ダメージしか通らなくなり、気合ありきのプレイになるのだが、こんな感じで次の町に向かう道中敵の全体攻撃でジリジリとHPを削られ、敵のクリティカルで味方が死ぬことも頻発する。
中にはMPを奪い、気絶状態に追い込む嫌らしい手段をとるザコもいる。
前作では「キャンプ」でHPを回復することができ(ただし一定確率で敵に襲われる)たが本作ではMPも回復でき不意打ちも発生しない代わりに、キャンプセットというアイテムを消費する。
このキャンプセットがかなり高額であり、しかも後述の問題もあっておいそれと多用できないのも本作の雑魚戦の難度を高めている。

パーティキャラクターの格差
序盤から未熟な状態で戦う皇騎士には数々の仲間が参加。彼らは高いレベル、元より装備も強化されていて序盤はいずれも頼りになるがレベルが追いつくと段々不安要素が出てくる。
元々一介の村人に過ぎない勇剣士プラスや、壮年である鎧騎士F90と白金卿は特にステータスが低めに設定されており、終盤はアイテムや「まもる(なのる)」係になりがち。
前述の通り彼らはPTから離脱しないので、後述のパーティ分割においてどう配分するかが旅の明暗を分けると言っても過言ではない。

パーティ分割
仲間が6人を超えるパーティ中盤は、ゼダンの要塞攻略のためにパーティを二つに分けるのだが、その配分は4:3でありしかも直後に僧侶ガンタンクが皇騎士側のPTに入るので配分は5:3。
しかも前述の通り第二PTのリーダーはこの辺りで戦力不足が目立ち始める鎧騎士F90とやたらバランスが悪い(一応ボスはその前提で調整されてはいるが雑魚は据え置きである)。
パーティ分割後は強制セーブの上、メンバー間でアイテムの確認なども出来ないため、この仕様に泣かされたプレイヤーも数知れず。漫画版では鎧騎士F90、勇剣士プラス、白金卿の3名が第二PTになるが前述の通りこのメンバーで設定すると地獄を見ることになる。
そしてゼダンの門攻略後の分割では逆に鎧騎士F90側に優秀なメンバーが数多く参入するので、ゼダンの門で泣いたプレイヤーが鎧騎士F90側に優秀なメンバー(特に僧侶ガンタンク)を振り分けると後悔するという二段構えだったりする……
三度目の分割からはメンバーがほぼ揃うので均等に割り振ればいい。敵地から始まるパートもあるので、予め回復アイテムを大量に用意しよう。

時間の経過とエンディングの評価
本作ではエンディングで年表とプレイ評価が表示される。この評価は3つのクラス(上からゴッド、キング、ナイト)に分かれているが、この評価の元となるのは日数である。名声値?あんなのは飾りです。攻略に時間がかかればかかるほど、ランクが下がる可能性がある。上記の問題点の解消のために、RPG攻略の基本、地道にザコと戦ってレベルを上げ、傷付けば、宿屋で回復して、さらに城のアイテム回収をしたりしているとどんどん日数が経過。ゲーム攻略を楽にしたくても、上位クラスを目指したいプレイヤーは日数に追われ、さらに困難を極める。まぁ、気にしない人には関係ないが。あれ?セーブして、リセットしたら朝に戻ってるぞ?

◆パーティキャラクター(流星の騎士団)

()はゲーム中の名称
皇騎士ガンダム(クラウンナイト)→キングガンダムII世(キングガンダムII)
主人公。ジムから進化したブリティス王国の皇子。
作中アーマーを着込んだりキングガンダムII世を襲名したりと見た目の変化が著しいが本作でもきっちり再現されており、必殺のカットインも全段階で用意されている。
ステータスも高めで、最初から最後まで安定して強い。
勇剣士プラス(プラス)
2番目に仲間になる。スピードが高いが攻撃の伸びがイマイチ。
このため武器の強化が後回しにされて更に攻撃力が低くなるという悪循環に……
鎧騎士ガンダムF90(フォーミュラ)
氷漬けにされていた歴戦の勇士。初期はレベルの高さと、武器の強化で頼りになるが仲間が揃うと歴戦の勇士(?)になりはじめる。
パーティ分割後はリーダーになるので防具だけでも強化したいところ。
白金卿(プラチナロード)
旧円卓の騎士である歴戦の勇士だが、陥落時の諸々で記憶喪失になっていた。自身の剣を取り戻して記憶も取り戻す。
こちらも序盤は頼りになるがステータスの伸びがよろしくない。F90やプラスよりはマシだが……
重戦士ヘビィガンダム(へビィ)
怪力自慢の戦士。
MPが非常に低く必殺技を数回使用すると気絶域に達するほどであるが、素の攻撃力やHPが非常に高いのでマインド系呪文にさえ気を付ければ常に強い。
風騎士ガンダムマークII(ガンダムマークII)
父が元円卓の騎士であり自身もザビロニアと対峙するが、皇騎士と初めて顔を合わせた際には信用しておらず仲間になってくれない。
この時名声値が非常に高い場合は前倒しで仲間になってくれる。
直近で対峙するボスが本作屈指の強敵なので救済措置のつもりかもしれないが、要求される名声値も現実的とは言い難い。
麗騎士レッドウォーリア(レッドウォーリア)
ファンクラブが存在するほどの伊達男。
デフォルトで2回攻撃が可能であり、一定確率で必殺技が出る本作の仕様も相まって低めの攻撃力以上の活躍が見込める。
素早さが低い(或いは「スロウ」の呪文をかけた)相手には怒涛の4回攻撃を繰り出せる場合も。
僧正ガンタンクR(ガンタンクR)
ゼダンの門攻略直前に仲間になってくれるおじいちゃん。
ステータスはかなり低いのだが二人しかいない呪文担当なので問答無用に重宝する。呪文は買えばいいので僧侶F90ジュニアとの性能差もさほどない。
剣士F90ジュニア(けんしF90Jr.)
鎧騎士F90の息子。勇剣士プラスと同程度の性能であり、強くもないが弱くもない安定したポジション。
闘士F90ジュニア(とうしF90Jr.)
鎧騎士F90の息子。重戦士ヘビィガンダムとほぼ同じ性能であるため第二PTの火力不足を解決してくれる。
僧侶F90ジュニア(そうりょF90Jr.)
鎧騎士F90の息子。二人しかいない呪文使いなので以下略。
灼騎士ガンダムF91(ガンダムF91)
レジスタンスの長として活躍する騎士。SFC版でもそうだがかなり優遇されており、初登場時には専用の演出があったりする。
ステータスも皇騎士に匹敵或いは凌駕しかねないぐらいの高水域であり最後まで安定して使えるのだが、最終分割では(詰み防止なのか)F90の第二PTに固定となりラスボス戦では使えない。

ちなみに円卓の騎士は13人居るが、システム上PTメンバーを7名に設定できなかったからなのか闇騎士ガンダムマークIIのみプレイヤーとして使うことができない。
バイザーを上げたキャラグラフィックも用意されていないが、後述のカードダスバトルではバイザーを上げた状態のカードが用意されている。

◆カードダスバトル

FC版ナイトガンダム物語の定番であるカードダスバトルだが、本作ではシナリオとは完全に分離されたミニゲームとなってしまっている。
カードを3枚引き、カードに設定されているポイントの範囲内でアイテムを購入・装備してバトルを行う。
演出が割と凝っておりこの時代のゲームとしては珍しく太刀筋や魔法エフェクトが乱れ飛ぶ。本編でもやってほしかった
カードのHPは現実のカードダスと一緒であり、闇騎士ガンダムマークIIとキングガンダム二世のバトルにでもなろうものなら決着までにすさまじく時間がかかったりする…

◆余談

登場人物の武器名・必殺技名が判明するなど、資料としても優秀な作品である。

携帯アプリではラスボス後に続編の聖騎兵編に繋がるストーリーが追加された。
これにより、キングガンダム二世の高い名声、と同時に若干頭が弱いという残念な部分を知ることになる。
アプリ版ではパーティ分割が最終章まで固定される(各キャラの性能やステータスの上げやすさなどもそれに伴い調整)、闇騎士ガンダムマークIIを始めとしたNPCが援軍として仲間になるなどの違いがある。

追記・修正は名声値を上げてからお願いします。

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