X抗体

登録日:2011/12/25(日) 19:28:55
更新日:2024/11/29 Fri 08:27:33
所要時間:約 4 分で読めます




X抗体はデジタルモンスターに登場する、特定のデジモンが有する抗体。
もしくは、それによって新たな進化(X-Evolution)を行ったデジモンの総称。


【概要】

Xプロジェクト、X抗体にまつわるストーリーはNEWデジタルワールドや『DIGITAL MONSTER X-evolution』の項目も参考の事。

◆Xプロジェクト

進化と退化を繰り返し、絶対量を増やすデジモン達により肥大したデジタルワールドは自身の容量を越え、崩壊の危機に瀕していた。
最悪の事態を回避するため、デジタルワールドのホストコンピューター『イグドラシル』は“方舟計画(プロジェクト・アーク)”を決行。

その内容は、イグドラシルとその守護者『ロイヤルナイツ』、及び選ばれたデジモンのみを新デジタルワールドに転送。
他のデジモン達を「粒子化(パーティクル)ワームNo.2」をはじめとする「Xプログラム」により強制削除するというものだった。

これら“プロジェクト・アーク”“「Xプログラム」によるデジモン殲滅”を合わせて『Xプロジェクト』と呼称する。
NHK製作の、某ドキュメンタリー番組はもちろん無関係。

◆X抗体

「Xプログラム」により、不要なデジモンは消去されていくはずだった…。

…しかし、デジモン達の生存本能は凄まじかった。
一部のデジモン達は放たれた「粒子化ワームNo.2」そのものを取り込み、デジコアの構造を書き換えて、
“Xプログラムに対する抗体”、すなわち X抗体(のプロトフォーム)
を造り出した。

なお、それに対しイグドラシルは、新たな構造の第二第三の「粒子化ワーム」を放ち、その都度デジモン達も新たな抗体を造り出していく。
最終的にデジモン達は完全な『X抗体』を造り出すことで生き延びることに成功した。
また、X抗体を持たないデジモンも、X抗体を得た他のデジモンのデータを取り込むことでX抗体を得ることが出来るようになった。

ただ、X抗体はX抗体を摂取し続けなければ消滅してしまうため、“デジモン同士のX抗体の奪い合い” という過酷な生存競争が生まれることにもなってしまった。

一部のデジモン*1は生まれた時からX抗体をもっていることがあり、それらは体内からX抗体が自然消滅することはない。
しかし、上述のデジモン達からX抗体を狙われることがあることに変わりはない。


X-進化(ゼヴォリューション)(X-Evolution)

X抗体によって、デジコアの潜在能力を極限まで引き出し、新たな力を手に入れること。
デジコア内の情報を高度に引き出し、潜在能力を極限まで発揮する。
これにより姿が変化し、新たな能力の獲得をする。
(抗体や種族によって変化や生態に差はある)

生命の持つ『存在することへの本能』が産んだ《生存し続けようとする進化》である。

また、X-進化の亜種として「Death-X-Evolution(デクスリューション)」という進化も確認されている。


◆のちに…

X抗体を持つデジモンが寿命で死に、ダークエリアに送られる時、複製されたX抗体のデータが残滓としてその場で発見されることがあった。
しかし、当初はその複製データはどれもすぐに消滅してしまった。

その後、長い年月をかけてX抗体はデジコアに刻まれた強い生存本能に影響されたことで、“自己保存の機能” が培われていった。
その結果、X抗体は複製しても消滅せず、新たにX抗体を摂取せずとも問題が無いように変質したのだった。

複製したX抗体は血清のように他のデジモンに与えることでX-進化を促し、Xプログラム感染の予防・回復をすることが出来るようになっている。
また、元からX抗体を持つデジモンの死後、そのデータを吸収することでも、消滅しないX抗体を得られることが分かってきている。



【X-進化の特徴】

進化とあるが基本的には世代は変化しない。

抗体の状態によって姿や性格も変化しており、機械系のデジモンは人工的な姿に進化し、獣系や竜系のデジモンは野性的な姿に進化する場合が多い。
機械パーツや鎧には青っぽい緑の物質がついている(黒ウォは何故か赤い)。
特にアグモンやガブモン等の成長期デジモンの中には進化後の成熟期デジモンの姿に近づく者も。

生態や性格も変わり、より攻撃的になる者もいれば、よりおとなしく慎重になる性格の持ち主もいる。

無論、技も変化する(変わらない種も当然いる)。
基本的には、通常種の必殺技や得意技よりも高威力な技を使用する。
さらに通常種の必殺技が得意技に変化することもある。

例)
  • アグモン(必殺技「ベビーフレイム」)→アグモンX(必殺技「ベビーバーナー」、得意技「ベビーフレイム」)


◇名称・表記

基本的には、『○○モンX』または『○○モン(X抗体)』のように名前の後ろに、X抗体種である情報が付く形で表記される。
英名ならば“○○mon(X-antibody)”。
これは、その他の付帯情報とも共存するため「メタルグレイモン(Vi種)(X抗体)」や「オファニモン:FD(フォールダウン)モード(X抗体)」のようになることもある。
旧デジモンカードではカード名は通常種同様「○○モン」だが、メタ的にはカード自体の枠が赤くなっていることが特徴。

《特殊な例》

一部デジモンは例外的にX-進化を行うことで名前が変化することもある。
例)
つまり、ギガシードラモン=メタルシードラモン(X抗体)である
「グランディスクワガーモンX抗体」と書かれたカードは存在しない。いいね? アッハイ。


◇世代・タイプ

上述したように、基本的には変化しないが、例外は存在する。

《世代の変化》

  • ルーチェモン:フォールダウンモード(完全体)→ルーチェモンX(究極体)
一般的な世代の中で変化するものは、現在のところこの一例のみ。
ただし、「世代:アーマー体」はX抗体を得ることで、世代が明確に指定される
  • マグナモンX、ラピッドモンX … 究極体
  • その他アーマー体のX抗体種 … 成熟期

《タイプ(種族)の変化》

潜在能力が解放された結果、種族が振り分けなおされることもある
例)

《属性の変化》

基本的には変化しない。
ただ、世代と同じく「属性:フリー」なアーマー体はX進化することで属性が与えられる。
  • ペガスモン(フリー)→ペガスモンX(ワクチン種)
  • アロモン(フリー) →アロモンX (データ種)
ただし、同じく「属性:フリー」なバアルモンはX進化してもフリーのまま。


◇変化例

ここでは通常種とX抗体種の変化の例としてギルモン系譜を挙げる。
その他について 検索結果 も参照のこと。

・ギルモン

幼いながらその秘めた力を受け入れ、内包することで “デジタルハザード”の刻印を消し去った。
それは世界の守護者としての資質が向上したことを意味するらしい。
性格は戦闘種族らしくより荒々しいものになった。

・グラウモン

"デジタルハザード"の力を受け入れて内包しているが、ウィルス種としての本来の攻撃本能が向上している。
パワーアップした「深紅の魔竜」の中の凶暴性が目覚めるか、正義が目覚めるかはテイマーの腕が通常種より問われる こととなる。

・メガログラウモン

"デジタルハザード"のとてつもないパワーを攻撃ユニットのエネルギー弾に変換する能力を得た。
装備も一新された。通称「深紅の重戦車」

・デュークモン

"デジタルハザード"の力を内包する覚醒の異端騎士。
共に進化した“聖槍グラム”と"聖盾イージス"を携える。
一新された刺々しい鎧は、レアメタルであるレッドデジゾイド、ブルーデジゾイド、ゴールドデジゾイド、そして現状最高純度を誇るクロンデジゾイドを組み合わせたハイブリッド装具。
ちなみにX進化前の真紅のマントレオモンに託した。


【余談】

デザインはAs'まりあ氏。
デザインや設定等は人気だが、その微妙な立場からか育成ゲームでの参戦は…

同じく赤枠のタイガーヴェスパモン達(系譜全部ではないが)は登場できた。
メインだったのはデジモンワールドXくらいのもの。


モバゲーの『デジモン生活』(終了)ではネタギレ気味なのか、ログインボーナスや最近の追加デジモンのほとんどがX抗体。


GREEの『デジモンコレクターズ』では完全課金ガチャでX抗体が大量投入された。
コンプ報酬こそ存在しないが総数50種以上。

さらにオメガモンXやデュークモンXといった人気デジモンは合成でしか獲得できない仕様(合成素材のトレードは可能)。
さらにさらに、高ランクの一部のデジモンはイベントのランキング上位の報酬であるロゼモンEXやベルゼブモン、招待特典のリリスモンEX、初回無料課金ガチャコンプ特典のフェアリモンEXやラーナモンEX、無課金救済のエリアLMコンプのEXデジモンはかなり微妙な立場になった。

新規描き下ろしイラストというのがせめてもの救い。
デジモンワールド リ:デジタイズ』でブラックウォーグレイモンXが登場するため、X抗体に関する知識の無い世代への配慮なのかもしれない。


しかし、長い年月をかけて、徐々にX抗体種が出てくることも多くなった

2013年には『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』が発売され、ファミ通.comにおいて渡辺けんじ氏とAs'まりあ氏へのイラストレーターインタビューが実施された。

以下の文章はその中で明かされた内容。

  • X抗体デジモンはメカニカルというよりは鎧系のデザインであり、硬いものは硬く見えるように、羽根のように柔らかいものはそれらしく表現している。
  • 鎧をもとに重厚感やパーツのディティールを突き詰めたX抗体のデザイン作業は"解像度を上げていく"ことだという。
    また、アクションフィギュアの企画が来てもいいように立体デザインに落とし込んであるとのこと。
  • デュークモンX抗体は、線を減らしていくとデュークモンそのままになる。
  • X抗体には、要となる場所に緑の発光物体パーツ、通称"アズマグリーン"と呼ばれる部分が配置されている。
    ラストティラノモンの場合はX抗体なのかどうか不明だったので、色味を変えてセンサーライトやデジコアという解釈にしてある。
    ※なお、後に発売された『リ:デジタイズ エンコード』1巻付属のカードでは青枠(非X抗体)となっている。
  • 今回のデコードに伴い、新たにX抗体デジモンの背面図が作成され、すべて三面図でまとめてある。

As'まりあ氏は映画でオメガモンに衝撃を受け、もしオメガモンを見ていなかったら、ここまでデジモンにハマっていなかったし仕事にも繋がっていなかったと話している。
また、氏はガイオウモンに思い入れが強いことで知られ、今回も「オリジナルの名前を付けていただいたデジモン」と語った。

ちなみに氏が二次創作として描いた「ガイオウモン バーストモード」も存在するが、渡辺けんじ氏が描いたベルゼブモン・レディや巫女モードのクズハモンが公式化したことから、もしかしたらこちらも公式設定になるかもしれない。


新しいX抗体デジモンをデザインする日が来るとして、渡辺氏の「そのときは描いてくれますか?」という問いに「ええ、もちろんです!」と返している。



追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • デジタルモンスター
  • デジモン
  • X抗体
  • X
  • X-進化
  • Xデジモン
  • 赤枠
  • As'まりあ
  • デジモンクロニクル
  • X-evolution
  • ゼヴォリューション
  • DIGITAL MONSTER X-evolution
最終更新:2024年11月29日 08:27

*1 アルファモンやタイガーヴェスパモン、ドラクモン系等