バッカーノ!1931(漫画版)

登録日:2012/09/10 Mon 17:05:42
更新日:2024/03/20 Wed 20:36:40
所要時間:約 5 分で読めます





2007年より『月刊電撃コミックガオ!』にて連載されていた『バッカーノ!1931』のコミカライズ。
サブタイトルは原作と同じく「The Grand Punk Railroad 」。
作画は吟遊詩人。全2巻。

大陸横断鉄道「フライング・プッシーフット号」の騒乱を描いた1931の特急編および鈍行編の漫画化作品。
しかし二編において同時間軸を別視点でそれぞれ描いた原作とは違い、
こちらでは進行を並行させて鈍行編での種明かしもある程度最初から描いている。

また、物語中盤より漫画オリジナルキャラクターがストーリーに参入した。
そのオリキャラも話のほとんどは原作通りの視点巡る群像劇形式で描かれていることもあり、
歯車の一部といった感じで出すぎることなく溶け込んでいる。

が、掲載誌の休刊で作品も打ち切りとなったため、
最終話のみはオリキャラの動向に焦点を絞って彼のいたifストーリーは一旦〆・少し時間は戻り原作本編スタートという形となっている。

そういった経緯のためオリキャラの設定や存在には消化不良な点がいくつか残っていたが、そのあたりは数年越しに原作で拾われることに。
後に発売した1931臨時急行編ではオリキャラの会話が一部描かれ、
最新刊である1935ではこの漫画を読んでいるとより楽しめる描写が散見されている。


【主なキャラクター】
アイザックとミリア
大体いつも通りの泥棒バカップル。
今作では同じベクトルにネジのトんでいるオリキャラのジャッカローゼも加えて、
時折ますます明後日の方へ向かっていく。

◆ジャグジー・スプロット
不良集団のリーダー。泣き顔が豊富。
単行本あとがきによると作中に単発キャラが多かったため、少し原作と比べて髪を長くしてあるとのこと。

ラッド・ルッソ
白服リーダー。この漫画で最初にスポットが回ってきたキャラ。
原作と比べて外見年齢が大幅に下がった若々しい顔立ちになっており、それに伴い恋人のルーアも若めになっている。
1巻末に没となった原作をある程度再現しようとした初期ラフが載っているが、
作画者曰く「今見るとこのラッド気持ち悪い(笑)」状態になってしまっている。

◆グース・パーキンズ
黒服こと「幽霊」リーダー。黒服連中の中でもかなり目立っている。
というか本筋が始まったところで物語が終了しているため、
彼とモブ黒服以外は主要格であるシャーネも含めてかなり空気

◆チェスワフ・メイエル
少年姿の不死者
鈍行編のエピソードが並行展開していたため、
ミスリードは無しで最初から不死者であることや本性も描かれている。

◆レイチェル
作業着の女。こちらも本筋が始まったところで終わっていることもあり、
あちこち動き回ってはいるものの自身については何か含みがあることが軽く描かれている程度。
レイルトレーサーと遭遇して以降、驚いたり追いかけ回されて割と切実に涙目になっていたりとある意味表情が活き活きしている。

◆ネイダー
「幽霊」の裏切り者。本作ラストにて独自に、
裏切りで殺されかけてからその後生き延びていることが発覚するまでの間の出来事が描かれている。
彼が原作でその後起こした行動のきっかけはジャッカローゼであり、
見ず知らずの他人である自分のためにヒーローとして振舞う彼の姿と幼なじみの前でヒーローになろうとした自身の過去が影響している。

◆「線路の影をなぞるもの(レイルトレーサー)」
都市伝説の化け物。特急編ラストまで人外の化け物として描写されていた原作とは違い、
最初から少なくとも人の姿をした化け物として描かれている。
ネタバレで正体を知らない人でもおおよその外見から分かる人には分かる仕様。


【オリジナルキャラクター】
◆ジャッカローゼ・ボロニアル
自称「正義の名を騙る男」。おそらく本人は間違いに気付いていない。
バカップルと同列のおバカさを持つが二人と比べ真面目な顔も時折り見せる。
列車内にて黒服を前に正義を名乗ろうとしたところで射殺。
かと思いきや恋人のロゼッタがくれた亀の人形(?)が銃弾を止めたおかげで何ともなかった。
しかしその後、生き延びていたことでチェスに不死者と誤認された上、
頭を撫でようとしたのが不死者が不死者を「食う」動作であったため狂乱を起こした彼に刺されてしまう。
今度こそ死ぬかと思いきや列車の発車時間前に目を覚まし、嫌な予感と自分以外のヒーローが列車にはいることを感じて乗ることを断念した。
原作の1700年代に登場したエスペランサ・C・ボロニアルとは同姓だが関係があるかは不明。

◆ロゼッタ
ジャッカローゼの彼女。無茶する彼を心配しながらも小声では悪態をついている。
ジャッカローゼに列車に乗り込んでから刺殺されるまでの夢を見せたのも彼女だと思われる。
その他にも相手の手中から武器系統を触れることなく奪い去るという原作における「悪魔」と同じ力を見せるなど謎が多い存在。
彼女が「何」なのかは原作1935にて断片的にではあるが触れられている。



「俺の名はジャッカ…みんな大好きジャッカローゼ!追記・修正の―「何度も名乗るな!」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • バッカーノ!
  • 漫画版
  • 漫画
  • 吟遊詩人
  • 月刊電撃コミックガオ!
  • バッカーノ!1931

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月20日 20:36