千手観音(GANTZ)

登録日:2014/11/07 (金) 00:01:35
更新日:2024/11/17 Sun 21:06:56
所要時間:約 5 分で読めます





【概要】
漫画GANTZ」に登場する敵キャラ(星人)。第三ミッションに登場。
羅鼎院にいる仏像の姿をした星人の1体で、同ミッションのラスボスにあたる。
ガンツに表示されていたターゲットはあばれんぼう星人とおこりんぼう星人だったが、ラスボスはこいつ。

下記の様々な攻撃手段によって、ミッションメンバー14人(と1匹)の内、実に半数以上の9人を殺害している。
玄野が勝てなかった初めての星人であり、ミッションで最終的に生き残ったのが玄野1人だけだった事からも、読者(と玄野)に与えた絶望は計り知れない。
これらの点から、この千手観音が作中最大の敵として挙げる人も多い(流石に単純な戦闘力では後半に出てきた星人に劣るかもしれないが)。
それを裏付けるかのように、最終決戦に臨む際に玄野がこれまでの星人を思い浮かべていた場面では、千手観音が真ん中に一番大きく描かれていた。

千手観音との戦いの後に、アニメ版や映画版では原作と異なったストーリーへと遷移していくため、色んな意味で作中のターニングポイントであると言える。


【作中での活躍】
ミッションの最中、北条達が本堂に入った際に、周りに配置された四天王型の仏像星人に続いて、自らも立ち上がる。
その威圧感たるや、一目見ただけで北条がサダコに「逃げろ」と言い放つ程。
玄野達が本堂に着いた頃には、上半身だけになった北条とサダコの姿が…。
続いて強酸による攻撃で岸本を殺害し(加藤を庇う形で犠牲になった)、激高した玄野を返り討ちにして瀕死状態に追い込んだ。
その後は外に出て回り、自らに挑むガンツメンバーを次々に血祭にあげた。桜丘と戦った際に強酸を跳ね返され、右半身と再生能力の源である時計を溶かされている。
桜丘を殺害した後には、瀕死の状態で横たわる玄野には目もくれずにその場を立ち去っている。

その後東郷に続いて宮藤も殺害し、脳を食べる事で彼の言語能力を得て、最後の一人となった加藤と会話を試みようとした。
この時、「君たちは何なんだ。なぜ現地の生物なんだ?誰に頼まれた?君たちには何も迷惑かけてなかったのにとうとう僕一人になってしまった」と、自らが外部から来た存在である事を匂わせるような意味深な問いかけをしている。
答えられずにいた加藤に襲い掛かり、左腕を切断する大ダメージを負わせるが、Yガンでロックオンされ上へ転送されかかる。
体を切断する事で何を逃れ、その中から六本腕の怪物の姿となって出て来、再び加藤に襲い掛かる。
沢山の腕による攻撃で加藤を圧倒するも、残していたを奪われ腕と首を切断された。
しかし、残された胴体の尻尾によって加藤の身体を突き刺し、相打ちの形となって倒れた。


【アニメ版】
CVは伊藤健太郎(宮藤吸収後)。当然、宮藤と同じ声である。

基本的には原作版と同じだが、脳を食べる描写は存在せず、足元に巡らせたドロドロした物質によって宮藤を生きたまま取り込んだような描写に変更されている。
また、加藤が千手に追いついたのはすでに宮藤が吸収された後で足元に眼鏡だけが転がっていた。

玄野星人編では、梶浦と対峙した玄野の前に幻影として登場。この時もなぜか宮藤の声と口調で喋っていた。


【実写映画版】
原作と同じく第三ミッションに登場。
攻撃方法は、両手に持った無数の刀剣によって相手をめった刺しにするのみ。
手には原作で使用していた時計や瓶や灯篭も確認できるが、作中では使用していない。映画版ではただの飾りなのかもしれない。
また、脳を食べずとも最初から会話ができる、台詞には原作のチビ星人を思わせる言い回しが多い。
最後は玄野のXガンによる攻撃を剣で防ごうとするも剣を全て砕かれ、頭から血を流しながら小さな仏像を放った。
第三ミッションのラスボスの座は大仏(先述の仏像が巨大化したもの)に譲っている。

劇場版では、殺した相手に変身できる能力を持っている。
実は第三ミッションでは死亡しておらず、二作目では加藤の姿に変身して暗躍していた。
この姿でも戦闘能力は非常に高く、小島多恵のミッション中に玄野と本物の加藤と戦った際には、ニ対一にもかかわらず返り討ちにしている(しかも玄野に至っては直前に100点クリアを達成した程経験を積んでいた)。
ミッション終了後には、ミッション終盤で殺害した西の姿に変身し、ガンツ部屋へ侵入した。
原作で使った強酸の瓶らしきものも使用しているが、詳細は不明。


【GANTZ:E】
江戸時代を舞台にしたスピンオフ作品。作中第二の任務(ミッション)で登場。
原作と同じく四天王型の仏像星人と共に安置されており、大羅鼎院内を舞台とした任務の大将首(ラスボス)にとして登場。
ハードスーツを着た集団すらも怖気つく程の威圧感と強さを見せた。その余りの強さから「100点ではないか」と言われていた。
複数回100点クリアの経験のあるハードスーツやロボットの所有者すら翻弄し、原作では見せていなかった能力を披露するなど、原作を凌駕する強さを見せている。


【使用武器】
いずれもガンツスーツの防御力を無視する程の威力を持つ。
右側の手に持っている円盤状の装置。ダメージを受けてもこれを回転させる事で時間を巻き戻し、再生する。
一度これを破壊されると再生できなくなるが、逆を取れば破壊されない限りどれだけダメージを負っても復活する。
相手にこの装置を触れさせれば、相手の身体を徐々に消す事ができる。この場合、患部を除去すれば侵食を止める事ができる。

  • 強酸
左腕に持っている瓶の中から放つ液体。触れると人体すらもあっという間に溶かされてしまう。
GANTZ:Eではハードスーツすら溶かしていた(液がかかった際に溶かされていたのは装甲のみで、着用者にはダメージは無かった)。

  • 刀剣
左右に一本ずつ持っている。その切れ味は、無傷の状態のガンツスーツを着た人間であっても容易く斬れる程。
最終的に、自身に止めを刺すのにも使われた。
実写映画版では使用武器はこれのみだが、本数は非常に多い。

左右に一つずつ持っている灯篭から放つ。近・遠距離共に人体を貫く程の貫通力を誇る。
のようにしならせる事で、対象を切断する事もできる。
GANTZ:Eではロボットの装甲やハードスーツすらも貫通していた。

  • 大刀
GANTZ:Eのみ。変現後にメインの腕に一本握られている巨大な刀。
超能力の障壁に阻まれてもびくともしない頑丈さと、一振りでスーツ着用者の両足と片腕を斬り飛ばす程の切れ味を持つ。


【能力等】
  • 宮藤を切り裂いていたシーンから、ステルスが通用しない事がうかがえる。

  • 他者のを食べる事で、その人物の知識と言語能力を得る事ができる。

  • 動きも素早い。GANTZ:Eでは攻撃範囲の広いZガンによる射撃すら立て続けに回避していた。

  • 再生を抜きにしても耐久力は高い。半身を溶かされた状態でも平然としており、首を切断された後でも加藤を相討ちまで持ち込んだ。GANTZ:Eでは首を飛ばされた後でも胴体だけで行動したり、切断された半身から攻撃を行う描写も見られた。

  • 再生
手に持った時計を回転させる事で受けたダメージを修復する。時計を破壊する事で防ぐ事ができるが、逆を取ればそれに気付かない限り倒す事は不可能である。
作中ではたまたま溶解液が時計に当たって破損しただけで、結局再生の仕組みについては誰にも気付かれる事は無かった。
原作ではダメージを受けた際に再生を行ってから反撃する事が多かったのに対し、GANTZ:Eでは大ダメージを受けない限りそのまま攻撃を続けている為、気付き難さに拍車が掛かっている。
また、GANTZ:Eでは再生時に時計を使用している描写が殆ど無い。
こちらでは結局最後まで攻略されなかった。変現後には分裂時にしか使用していない為、変形と共に時計による再生能力は失われたのだろうか。

  • 分断
体を分断させる事ができる。この能力によってYガンでの転送を逃れた。

GANTZ:Eのみ。筋骨隆々の巨体に変化する。手に持った武器も合わせて巨大化している。

  • 分裂
GANTZ:Eのみ。巨大化形態が爆散させられた後に、5体に増殖して復活した。
武器も5体それぞれに備わっている。
変現後にも使用。この時は、超能力によって上半身と下半身に分断された後にそれぞれの半身から失った半身を生やす様な感じで2体に増殖した。

  • 変現
GANTZ:Eのみ。巨大化後、更に下記の鬼武者形態へと変形する。

  • 光線
GANTZ:Eのみ。目からビームを発射する。
首だけの状態になった際に使用。首を真っ二つに斬られても左右それぞれの目から放つ事が可能。
威力の描写については曖昧で、半兵衛や雪姫はスーツの威力を無視する程のダメージを受けていたのに対し、直撃を受けた政吉はスーツが破壊される程度のダメージに留まっている。切断される等ダメージを受けるとその分威力も弱まるのかもしれない。
任務終了後、何らかの干渉を受けた捨蔵も同様の攻撃手段を使用していた。

  • 擬態
実写映画版のみ。殺害した相手の姿に変身する事ができる。


【形態】
  • 千手観音
通常時の観音像の姿。上記の武器や能力を駆使してメンバーを苦しめる。

  • 宮藤ver.
体を分断させた後、千手観音の体内から現れた異形の怪物。六本腕で宮藤の顔をしている。
尚、これが千手の正体かどうかは不明である。不定形生物の可能性もある(現に、千手観音の時に半身を溶かされていたにもかかわらず、この生物にはこれといった外傷が無かった)。
六本腕による圧倒的な手数で加藤を苦しめるが、スーツが壊れ手負いだった加藤を仕留められていなかった事から、一撃の威力自体はそんなに高くないのかもしれない。
ただし、尻尾は人体を貫く程の強度がある。

  • 巨大化
GANTZ:Eに登場。雷蔵に圧倒された後、再生した際にこの姿に変化していた。
この形態になって以降、日本語を発するようになる。一方、ステルス状態になって逃亡した雷蔵らを見失っているような描写がある事から、ステルスを見破れないのかもしれない。

  • 鬼武者
GANTZ:Eに登場。名称は連載時のあらすじから。
分裂後に残った2体が巨大化し、更に変形した姿。具足を身に纏った落ち武者の様な姿で、顔は白目を剥き歯を食いしばった鬼のような形相。
背中に生えた無数の腕位しかこれまでの面影は無い。
これまでの攻撃方法に加えて、新たに追加された刀による攻撃や、目から光線を放つ攻撃も行う。Zガンによる攻撃を回避する程の素早さも健在。
また、空中で浮遊する事も可能な様子。首を切断されても、首だけの状態で浮遊する。
首を切断された後は、胴体だけで行動していた前形態とは異なり首だけで攻撃を行っており、胴体からの攻撃を行う事はなく再生能力も使用していなかった。


【余談】
  • モデルは滋賀県長浜市の向源寺にある十一面観音。

  • 得点は不明。「GANTZ/MANUAL」にも記載されていない。
GANTZ:Eでは、止めをさした政吉が任務終了後に100点を獲得していた。

  • 作中で、スーツの防御力を無視した攻撃手段を持った初めての敵でもある。後半になるにつれてそんな敵は増えたが、これ程多彩な攻撃手段を持っているのは珍しい。
ちなみに、後に登場するスーツ無効の攻撃には、刃物や溶解液や光線といった、千手と共通するような攻撃手段が多い。

  • 物語の終盤に登場した「真理の部屋」にいた星人の体内から浮かび上がる様々な顔の中に、千手観音の顔も確認できる。


君たちは何なんだ。なぜアニヲタなんだ?誰に頼まれた?
君たちには何も迷惑かけてなかったのにとうとう追記・修正されてしまった

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最終更新:2024年11月17日 21:06