登録日:2015/03/29 (土曜日) 11:30:00
更新日:2025/03/16 Sun 22:37:39
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筑豊本線(ちくほうほんせん)は、若松駅と原田駅を結ぶ
JR九州の鉄道路線である。
概要
そのものずばり筑豊炭鉱の運炭線として開業し、かつては数多くの接続路線を抱えていた。
折尾駅で接続し九州北部の大都市圏を走る
鹿児島本線に対して直方市・飯塚市や冷水峠などの山間部を走る。
折尾~桂川間は鹿児島本線・
篠栗線と共に「福北ゆたか線」の愛称が付けられ電化され、折尾~飯塚間は複線化されしている。
また、非電化区間の原田~桂川間は「原田線」、折尾~若松間を「若松線」とそれぞれ愛称が付けられている。
路線記号は若松線が
JE、福北ゆたか線が
JC、原田線が
JG。
長らくJRの本線の中では路線距離が最も短い路線であったが、2016年12月5日に
留萌本線の部分廃線により抜かれる形で2位となる。その後も2021年4月の
日高本線部分廃線、2024年3月の
北陸本線一部三セク移管により現在は4位に落ち着いている。
また、炭鉱路線という特有の事情から全区間が福岡近郊区間に含まれ、2009年3月に
総武本線成東~銚子間が大都市近郊区間に含まれるまでは、本線を名乗るJR線で全区間が大都市近郊区間に含まれる唯一の路線だった。
また、若松~桂川間ではICカードSUGOCAが使用可能になっている。
桂川~原田間の途中駅は使用できないが、同区間で降りずに通るだけの場合は使用できる特例がある。
運行形態
福北ゆたか線
電化・複線化されている事もあって一番恵まれている区間。
早朝・夜間に直方~桂川間で特急「
かいおう」が1本ずつ運転されている以外に早朝・深夜と15時台以外は最低1時間に3本(20分毎に1本)、ラッシュ時は5本も運行されている。
若松線
若松~折尾間の区間運行以外に、一部が中間・直方まで直通する。
非電化なものの、かつての石炭運搬が盛んで全線複線になっていたおかげで原田線よりはダイヤに恵まれており、おおむね毎時2本程度運行されている他、朝夕のラッシュ時は3~4本に増える。
2017年春のダイヤ改正からは
烏山線、
男鹿線と並ぶ電車が走る非電化路線になっている。
原田線
冷水峠を挟み、単線・非電化もあって見事なまでの過疎区間である。
1日8往復(土曜・休日は9往復)のみの運転で、平日の日中は5時間も運行がない時間帯がある。
かつては
ブルートレイン「あかつき」の走行する短絡線として
十津川警部のトリックのネタとしても活用されていたが、現在は途中駅での列車交換が不可能で本数が増える見込みもない…。
使用車両
現在の車両
特急「かいおう」で使用。
福北ゆたか線用として普通・快速列車に使用される。鹿児島本線のお古を転用したもので、前面やドアなどが赤色から黒・灰色に塗り替えられた。
電化開業時に導入された車両で、普通・快速列車に使用される。
当初はクロスシートの0番台が導入されていたが、ロングシートの2000番台に置き換えられ、0番台は南九州地区に転属した。
2019年から投入された通称イカ釣り漁船。福北ゆたか線内で運用される。
817系をベースに製作された蓄電池電車で、「DENCHA」の愛称を持つ。
2017年春のダイヤ改正で若松線はこの車両に統一された。
男鹿線にこの車両のOEMが存在する。
2017年鉄道友の会ローレル賞受賞。
国鉄時代に全国多くの地域で導入されたお馴染みの車両。電化前は全区間で運行していた。現在は原田線のみで運用。
過去の車両
国鉄最末期に導入された一般形気動車で、キハ54やキハ32は兄弟車種。
原田線区間と若松線区間で使用されていたが、3兄弟の中では一番先に廃車が進み、2019年で引退。
普通列車で使用。JR化後に0番台では唯一となる冷房化改造が行われた。
最後まで残った赤い50系客車で、狭義でのJRグループ最後となる普通客車列車で運用された。
50系もこの路線からデビューしたため、ラストランにはふさわしい舞台だったと言えよう。
なお、末期は
トイレの関係上編成に12系客車を連結して運用されていた。
駅解説
起点駅。今でこそこぢんまりとした終着駅だが、石炭全盛期時代は一大ターミナル駅だった。
どことなく南国感のある駅。
若松競艇場の最寄駅。
高校やイオンが近くにあり、若松線区間では利用が多い駅。
日本唯一の産業医の育成を主目的とした産業医科大学の最寄り駅。
鹿児島本線乗り換え。
北九州市の市街地の最西端に位置する。
この駅の駅弁「かしわめし」は有名駅弁の一つ。
4面7線あり、このうち福北ゆたか線(黒崎・門司港方面)直通列車は鹿児島本線ホーム横の1・2番乗り場(2面2線)、若松線含むそれ以外の列車は北の6・7番乗り場(1面2線)を使用する。
かつては鹿児島本線と筑豊本線が立体交差する構造であったが、2021年に駅改良工事が実施。その結果、若松線の配線が変わり、東水巻寄りの折尾トンネル内で分岐し、トンネル出口上で鹿児島本線を潜った後に上昇してホームへ辿り着く構造となった。
その昔、筑豊本線が石炭全盛期に複々線だった場所のうち、廃線となった内側2本を再利用して出来た駅。
かつて日本一最短路線の座を誇った香月線との分岐駅だった。なお、中間市の中心は筑豊電鉄の通谷駅周辺である。
一旦複線区間が途切れる。
中間市役所は当駅最寄り。垣生公園という都市公園がすぐそばで、園内にはC11形
蒸気機関車が保存されている。
原田線を除くと唯一の棒線駅。
鞍手町唯一の駅。ここからまたしばらく複線。
瓦屋根の木造駅舎が映える駅。北方で
山陽新幹線と交差しており、新駅を作る構想があったりなかったり。
駅前にはスーパーなどがあり、買い物に便利。
平成筑豊鉄道伊田線乗り換え。
特急かいおう始発駅。
直方市の中心駅にして新飯塚と並ぶ筑豊本線の主要駅。朝夕の一部を除いてここで運行系統が分断される。
因みに平成筑豊鉄道の駅名は2009年からネーミングライツで、
藤本興業 studiocanada 直方駅と名乗っていた(現在は契約終了)。
駅前には特急かいおうの名前元となった、直方市出身の元大関魁皇の像がある。
かつては宮田線の分岐駅だった。
小竹町の代表駅。
読みは「なまずた」。鯰田大橋からは遠賀川を渡る筑豊本線の風景を望める。
飯塚市民運動公園の最寄り駅。飯塚オートレース場へも一番近いが徒歩20分強。
後藤寺線乗り換え。 特急かいおう停車駅。
今では飯塚駅に代わり、飯塚市の中心駅として賑わう駅。
オートレース場への無料送迎バスあり。
因みに麻生太郎・ローゼン閣下の自宅の最寄駅(徒歩数分)として、つとに有名でもある。
特急かいおう停車駅。
かつては飯塚市の代表駅だったが、今では新飯塚にその座を奪われつつある。
複線区間はここで終了する。
かつては上山田線と接続していた。
特急かいおう停車駅。
篠栗線乗り換え。というより直方からの電車は全て篠栗線へ乗り入れ福北ゆたか線として博多まで直通する。同時に電化区間はここで終了し、運行系統も分断される。
桂川町唯一の駅で王塚古墳の最寄駅。
ちなみに「けいせん」と読む。
飯塚市に戻る。地元商工会の建物が駅舎代わり。
かつては交換設備があったが撤去済み。
冷水峠に最も近い駅の為、駅の周りは何もない。
ここもかつては交換設備があったが、2000年に撤去されてしまった。
冷水峠を超えた先にあり、その関係で筑前内野駅とは10km以上距離がある。
駅前には昔の路面電車やバスが保存…もとい放置されている。
折尾で別れた鹿児島本線との合流駅。
終点駅。 筑紫野市の駅で最近都市開発が進んできている。
追記・修正は特急かいおうに乗りながらお願いします。
- 昔は石炭のついでに人間運んでた路線なんだよなあ -- 名無しさん (2023-10-09 22:40:44)
最終更新:2025年03月16日 22:37