ルビウス・ハグリッド

登録日:2015/11/09 Mon 22:19:45
更新日:2025/04/06 Sun 16:51:47
所要時間:約 5 分で読めます





演:ロビー・コルトレーン
声:斎藤志郎(ゲーム版では玄田哲章

1928年12月6日生まれ。即ち、1巻の賢者の石(1991年7月~1992年6月)の時点では62歳~63歳。

体の大きさが普通の人の倍はありそうな大男で、ホグワーツ魔法魔術学校の森番。
ハリーが最初に知り合った魔法界の人物であり、シリーズ通して登場。ハリーとは両親よりも遥かに年が離れているが、彼の良き友となる人物。

人物

素直で裏表がなく、感情を表に出しやすい。作中で泣いたり罵声をあげたりする場面も見られる。
非常に優しい善人なのだが、危険な魔法生物が好きだったり、うっかり秘密を洩らしやすかったりするなど、少し困った一面もある。
違法と知りつつドラゴンを飼育しようとしたり、管理を任された禁じられた森で人食い蜘蛛を大繁殖させたりと擁護不能な真似もチラホラと。
こうした社会ルールより自分の感情を優先するあたりは実にグリフィンドール気質といえる。

嘘がつけない性格を(事態解明のためとはいえ)ハリー達に利用されることもしばしば。本人は自覚している。
故に関係者のほとんどは彼に全幅の信頼と、一抹の不安を持っている。*1

魔法生物好きということで、ロンの次兄チャーリーとは仲が良い。
後に、ボーバトン魔法学校アカデミーのオリンペ・マクシームとも親密な仲になる。

ただ、教師としての適性は御世辞にも高いとは言い難く、授業内容を批判したルーナ・ラブグッドをハーマイオニーは反論出来なかった。
また、ハリーら3人は友人という事からハグリットの授業を真面目にやっているが、選択授業の際には全員から外している。

色々と問題点はあるが、巨人とのハーフということもあって様々な魔法生物との仲介人のような役目を果たしており、かれのお陰で禁じられた森の安全性が上がっている。

スペック

いつも持ち歩いているピンク色の傘の中に自分の杖(41㎝、材料は樫)を仕込んでおり、ダンブルドアの許可があれば使用できる。
表向きは破壊されたことになっているが、どういった経緯でそれを逃れたかは不明(双子の呪文などで偽物とすり替えた、あるいはダンブルドアの持つ「ニワトコの杖」によって修復された、などが考えられる)。
素行の悪いダトリーに罰として豚の尻尾を生やしてやった上その気になれば全身を豚に変えることも出来るかのような発言をしたり、小屋の火事をハリーが放水呪文で消火したのを見て即興で真似たりと意外に魔法使いとしての腕は優秀でれっきとした一流の魔法使いである。
ハロウィン用のカボチャを大きく育てた呪文に関してはハーマイオニーも褒めている。(もっとも本人はこっそり魔法を使ったことへの後ろめたさから誤魔化そうとしていたが。)

巨人と人間のハーフという特異な生まれ故、そんじょそこらの呪文は効かずに跳ね返す体質を持ち、巨体と怪力を活かした格闘戦だけで魔法省の役人複数を相手に大立ち回りを演じることもザラ。
ぶっちゃけ魔法で戦うよりもフィジカルで殴った方が強い。

経歴

幼いころに母親に捨てられ、ホグワーツ在学中に父親も亡くした孤児。実はホグワーツを退学になった過去があり、その時にアルバス・ダンブルドアの計らいにより森番の訓練を受けて学校に残ることができた。(なお、作者はインタビューで彼もグリフィンドール寮であったことを明かしている。)
そのせいもあってか、ダンブルドアに対しては全幅の信頼を置いて尊敬し、絶対の忠誠を誓っている。それ故に、彼の前でダンブルドアを侮辱するのは完全な地雷。実際、侮辱したダーズリー家やイゴール・カルカロフには一切容赦しなかった。ダンブルドアも彼に対しては全幅の信頼を置いている様子。ダンブルドアが組織する「不死鳥の騎士団」にも創立時から入っている。

各巻での活躍


1巻『賢者の石』


ポッター夫妻が殺害された後、シリウス・ブラックからバイクを借りてハリーをダーズリー家に運ぶ。
ハリーの11歳の誕生日に、ハリーのもとを訪れ、ハリーが魔法使いであること、両親がヴォルデモート卿に殺されたことを明かす。その後、ダイアゴン横町での買い物に同行。
ハリーの入学後もたびたび小屋にハリーを招いている。
賭けでドラゴンを手に入れてきたり、三頭犬の出し抜き方を洩らしてしまうなどのトラブルも起こす。
ヴォルデモートとの戦いの後に医務室で休んでいたハリーを訪れ、情報を漏らしてしまった事への懺悔や「両親の学友たちから集めた」というハリーの両親のアルバムをプレゼントする。


2巻『秘密の部屋』


リドルの日記により、50年前に彼の飼っていた怪物が「秘密の部屋」を開けてある女子生徒を死なせたということで、退学処分にされていたことが明らかとなる。
その後、ハーマイオニーらが襲われ、50年前の事件の前科もあってアズカバンに連行される。
ハリーはハグリッドが悪意を持って解き放つ事は絶対に無いだと考えつつも「秘密の部屋に閉じ込められている怪物を可哀想に思って散歩させようとした故の善意の過失だったんだろう」と半ば確信染みた疑い*2を持ってたものの、ハグリッドから与えられたヒントで秘密の部屋の怪物と思われていたアラコグという蜘蛛の怪物と接触し、アラコグから自身が人を襲った事はない*3事や別の怪物がホグワーツにいる事を教わり「秘密の部屋」でハリーの前に現れたトム・リドルの記憶により、実はハグリッドは「秘密の部屋」を開けたリドルに罪を着せられていたことが明らかになる。
ハリーによる事件の解決後、アズカバンより釈放される。
なお、ハグリッドはヴォルデモートがスリザリン寮出身だと知っていることから、リドル=名前を言ってはいけないあの人だという事実を(ダンブルドアから聞くなどして)知っていると思われる。
またハグリッドはリドルの二歳年下。


3巻『アズカバンの囚人』


前任のケトルバーン教授の退職により、「魔法生物飼育学」の教授に着任。
しかし、授業で扱ったヒッポグリフのバックビークがマルフォイを怪我させたことで(注意を守らないマルフォイも悪いのだが)、裁判にかけられてしまいダンブルドアの助力でハグリッドのクビは何とか免れ、ハリーたち3人が裁判の資料や法律の本を探す等して尽力するもバックビークが処刑という憂き目に遭う。

その後、ロンの飼っていた鼠のスキャバーズがハーマイオニーの飼っている猫のクルックシャンクスに食べられた*4と険悪な雰囲気になったり、ハリーに届いたファイアボルトについてマクゴガナルに報告したハーマイオニーに攻撃的になっていた際には「鼠や箒よりも友情が大事じゃろうが」とごもっともな説教をして仲を取り持った。

ホグズミード村の「三本の箒」では、脱獄犯であり、ポッター夫妻を裏切ったとされるシリウス・ブラックを罵倒する。(時期は定かでないが、その後に本当の事情を知ったと思われ、後にシリウスに対する誤解は解けている。)
(ハリーとハーマイオニーの手により)バックビークが逃げ出すと、酒盛りをして喜んでいた。


4巻『炎のゴブレット』


授業で「尻尾爆発スクリュート」という自身が創った、マンティコアと火蟹の交雑種(実は、新種を人工的に創り出す行為は違法であるのだが)を扱った。 
正直、授業とは名ばかりのパニック映画さながらの惨劇を繰り広げており、スリザリンたちは完全に逃亡して小屋に立て籠り、仲の良いハリーたちはハグリッドの為に飼育はするものの内心は泣きたい気持ちになっていた。

三大魔法学校対抗試合でホグワーツを訪れたボーバトン魔法アカデミーの天馬を世話しつつ、校長のオリンペ・マクシームに「同類の半巨人」として恋心を抱くようになりアプローチするようになる。
当初は彼女側からも好意を持たれてダンスの相手として選ばれたり、夜道をデートしたりとかなり良い雰囲気だったのだが「俺は半巨人です。貴方も半巨人でしょ?」というハグリッドのストレート過ぎる問いかけに「私は骨が太いだけデース!!」とマクシームが怒り険悪なムードになった。

その後、コガネムシに扮していたリータ・スキーターの手により、母親が巨人族の半巨人であることが暴露され、小屋にひきこもるようになる。
魔法界に疎いハリーは「え、ハグリッドがデカいなんて分かりきった事じゃん。そりゃ巨人の血でも入ってるだろうけど、なんかダメなの?」という感じだったのでロンから巨人というのは非常に血の気が多く、知性もかなり低く闇陣営に与していた為に差別がマグル産まれよりも酷く強い事を教えられた。
尚、ロンはハグリッドは子供時代に悪質な膨らみ呪文を受けたと思っていたらしい。

この時、授業は代用教員のグラブリー-プランク先生が行っている。
普通の人間の父親と巨人の母親がどうやって子供を作ったかは謎である。
産まれを気にするハグリッドにハリーが「巨人がなんだ!!僕の家族なんてダーズリーなんだぞ!!」と言ったり、ダンブルドアに「うちの弟のアバーフォースは山羊にエッチな呪いをかけて役所に世話になって一面記事を飾ったが堂々としてたぞ」と慰められたり、ハグリッドの人柄を知ってる人達からは「ハグリッドを退職させるな」という要望の手紙が来ていると励まされたことで教職に復帰した。

教職に復帰してからはニフラーなど比較的安全な生き物で授業を行うようになり、グラブリー-プランク先生に負けないほど魔法生物に詳しいことが判明した。……危険度の低い動物しか授業で扱えないことを残念がっている節も見受けられたが。
その他ダンブルドアに唾を吐いたダームストラング専門学校校長のイゴール・カルカロフを叩きのめす。
ヴォルデモートの復活後、オリンペ・マクシームと和解し共に「秘密の任務」を頼まれる。


5巻『不死鳥の騎士団』


前半は「秘密の任務」のため学校に不在。
帰還後に、オリンペ・マクシームと共に巨人族の所に行って闇の陣営につかないよう説得をする任務をしていたことが語られる。
授業では死を見た人しか見えない「セストラル」を扱った他、アンジェリーナ曰くこの年はずっと良い授業をしていたそうだが、半人という存在を例外無く憎むアンブリッジは監査の時には赤ちゃん言葉を使ったりバカにした態度を取り続け、ハグリッドは意味が分からず「このおばさん大丈夫か?」という感じだったが、ハーマイオニーは激怒した。
授業はまともだったのにも関わらずアンブリッジの理不尽な査定により保護観察処分の身に置かれてしまう。


その後、異父弟の巨人族グロウプが登場。
グロウプはハグリッドよりもはるかに大きいが巨人としてはチビ故にいじめられ、人間社会で生きるには言語能力や知能が低い為に禁じられた森でハグリッドが世話をしていた。
尚、そのせいで迷惑を被っていたケンタウロスたちはフラストレーションがたまっていく。

ふくろう試験の最中にアンブリッジが差し向けた闇祓いに襲われ失神の魔法を何度もかけられるも巨人のフィジカルによって耐えて逃走、ホグズミード近くの洞窟に隠れる。
その際、ハリーたちに自分が居なくなった後のグロウプの世話を頼み、ハリーたちからは「勘弁してくれよ」と内心思われていたものの世話を行い、これが後にハリーたちの窮地を脱する要因になった。


6巻『謎のプリンス』


シリウスの死により、再びバックビーク改めウィザウィングズの世話をすることになる。
ハリーたちが「魔法生物飼育学」の授業を取るとウキウキしていたのだが、過去に色々と危ない目にあったハリーたち全員から授業選択を外された事でショックを受け、小屋に閉じ籠って落ち込んでいた。
ハリーから「出てこないなら小屋をぶっとばすぞ!!」と脅されて小屋から出てハリーたちと喧嘩に発展するが「時間が合わなかった」「僕達も本当は取りたかったんだけど残念」的なフォローを受けた事で和解。

ダンブルドアとスネイプの密談を耳にしてしまった模様。
飼っていた蜘蛛のアラゴグが死んでしまい、アラコグの子供たちは父親の命令で今までハグリッドを攻撃しなかったが、もうアラコグは死んだからとハグリッドごとアラコグを食べようとするのを死に物狂いで逃げてアラコグの遺体を持ち帰った。
過去に食われかけたハリーは内心喜ぶもラグホーンの記憶を得たいのと、スラグホーンはアラコグの毒が欲しいという目的の為に葬式が行われた。
死喰い人の侵入時には小屋を燃やされる。
ダンブルドアの死では泣き崩れ、葬儀では遺体の運搬を務める。


7巻『死の秘宝』


「七人のポッター作戦」では、シリウスのバイクに乗り、本物のハリーの護衛を務める。
ハリーと共に墜落するも、トンクス夫妻の治療で全快する。
マッド-アイの死では声をあげて泣く。
七人のポッター作戦の情報が漏れた事でフラーから「誰かがうっかり情報を漏らした筈デース!」と疑念をかけられた時には、過去の行いや口の軽さ*5から「絶対にハグリッドがまた口を滑らせて漏らしたんだ…」と思われハリーから「本人に悪意はなくてきっとうっかりなんだ!!だから攻めるのは辞めよう!!」とフォローを受けた。*6
尚、ハグリットは情報を漏らしていない。
校長室に忍び込んだジニー、ネビル、ルーナの罰則を担当した模様。
ホグワーツ校内で「ハリー・ポッター応援パーティ」を開き、逮捕されかけるも逃走した。
最終決戦ではアラコグの子供たちが襲ってきた際には「この子たちを攻撃しないでくれ~!!」と叫びながら蜘蛛たちに誘拐された。
ハリーが亡くなったと思われてた際にはボロボロと涙をこぼしハリーの遺体を運ぶ役割をした。
尚、ワルデン・マクネアを己のフィジカルでノックアウトしている。

その後


19年後も森番をしているようで、ハリーの息子を夕食に招待している。

作者によるとハグリッドとマクシームは和解したものの、野性的なハグリットと都会的なマクシームでは恋愛相手としては相性が悪く、よき友人としての関係に留まり独身を貫いたらしい。
また、守護霊を出すことができないことを明らかにしている。




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  • どんな理由があろうと、おれはダンブルドアを侮辱する奴は許さない‼‼
最終更新:2025年04月06日 16:51

*1 友人として接するには素晴らしい人物だが、組織人としてはかなりダメなほう

*2 ケルベロスにフラッフィーと名付けて飼ってたり、危険なドラゴンを溺愛してたのでありえると思うのも仕方がない

*3 それはそれとして訪れて来た人間はハグリッド以外食べるのでハリーとロンは会話終了後に襲った

*4 実際にはスキャバーズに扮していたピーターが死んだフリして逃亡した

*5 ハリーはこの時、ドラゴン欲しさにうっかりケルベロスの情報を漏らしたハグリッドを思い返していた

*6 実際にはスネイプが二重スパイとして情報を漏らしていた。