登録日:2016/02/16 (火曜日) 23:40:00
更新日:2025/06/14 Sat 23:46:15
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野岩鉄道会津鬼怒川線(やがんてつどう・あいづきぬがわせん)は、新藤原駅と会津高原尾瀬口駅を結ぶ野岩鉄道の鉄道路線である。
沿線に温泉が多いことから、「ほっとスパ・ライン」の愛称がある。
【概要】
1986年10月9日に全線が一挙に開業し、開業当初から全線電化されている。
新藤原駅は
東武鬼怒川線、会津高原尾瀬口駅は
会津鉄道会津線とそれぞれ接続しており、東京から会津地方までのルートを構築している。
元々は
国鉄日光線の今市駅に接続する国鉄線として建設されていたが、国鉄の財政難で工事が凍結。その後第3セクター路線として建設を引き継ぐにあたり、終着駅を新藤原駅に変更したという経緯がある。
栃木県と
福島県の県境の中でも山間の区間を通り、標高も一番低い新藤原駅ですら425.3m、最高地点の男鹿高原駅は759.7mと、いかにも山岳路線という感じを見せている。
が、実際は全長30.7kmのほとんどがトンネルと高架となっていて直線区間が多く、これだけ高所を走る単線電化の路線にしては表定速度も50km/hと意外に高めとなっている。
沿線人口は非常に少ないため定期利用よりも観光客がメインとなっており、特に東京まで繋がる東武への依存度は高め。
東武鉄道、会津鉄道と合わせた3社で連携したフリーきっぷなども販売している。
【運行形態】
現在の列車
○特急リバティ会津
東武鉄道の特急で、浅草~会津田島間を結ぶ私鉄二位の長距離特急。
野岩鉄道線内は男鹿高原を除いた各駅に停車する。
鬼怒川温泉~会津田島間は
普通列車の補完扱いとなっているため、同区間のみ座席指定なしでの利用に限り特急料金なしで乗車できる。
○快速AIZUマウントエクスプレス
東武鬼怒川線、会津鉄道会津線に直通して鬼怒川温泉~会津若松・喜多方(土休日のみ)間を結ぶ列車で、野岩鉄道線内は男鹿高原を除いた各駅に停車する。
2012年3月17日から2022年3月11日までは、下今市でスイッチバックして東武日光まで乗り入れる便も設定されていた。
○区間快速
鬼怒川温泉・新藤原~会津田島で1日2往復が設定されていて、会津高原尾瀬口~会津田島の途中駅を通過する。
2017年に廃止された区間快速は浅草~会津高原尾瀬口・会津田島を結んでいて、東武動物公園(2006~2013)ないし新大平下(2013~2017)以北は各駅停車だった。
○やがぴぃ
6050型61103編成(61103号車・62103号車)によって運用される臨時普通列車。
やがぴぃカー(61103号車)は事前予約の定員制で、畳席や椅子席は座席整理券(大人:500円/小児:250円)を購入すれば利用可能だが、
掘りごたつ席は掘りごたつ席利用券(大人:500円/小児:250円)、運転台席は運転台席利用券(大人:500円/小児:250円)も別途必要になる。
運転台席利用券は、新藤原~湯西川温泉、湯西川温泉~上三依塩原温泉口、上三依塩原温泉口~会津高原尾瀬口、の三区間に分けられて発券されている。
トイレの洋式化や多目的スペースの設置という部分改修に留まった62103号車は追加料金不要で、乗車券類のみで利用できる。
○普通
運転は1~3時間1本程度となっているが、普通が運転されない時間帯は特急・区間快速が普通の代わりとなる。
早朝の便を除いて、サイクルトレインの対象になっている。
この他、臨時列車で東武鉄道から「尾瀬夜行」・「スノーパル」、会津鉄道から「会津浪漫号」などが運転される。
また、「スカイツリートレイン」・「DL大樹」の入線実績もある。
過去の列車
○
快速
全列車が
東武スカイツリーライン浅草~会津鉄道会津田島間の運転となるロングラン列車。
線内は2両編成で全て各駅に停車していた。
2017年4月21日ダイヤ改正で廃止となり、浅草直通列車は特急リバティ会津に置き換えられた。
【車両】
現行
○6050系6050型・634型スカイツリートレイン
6050型では唯一定期運用がある車両。
東武鉄道の車両と全く同じ仕様で、野岩鉄道所属車は100番台を名乗り、2両編成2本が在籍する。
クラウドファンディングによる資金援助で、61103編成(61103号車・62103号車)が観光列車に改修されている。
やがぴぃカーと命名された61103編成61103号車の運転台席は、61101編成(61101号車・62101号車)の廃車発生品を流用している。
6050型から改造された634型スカイツリートレインも臨時列車で入線することがある。
○会津鉄道AT-700形・AT-750形
会津鬼怒川線内を走行する気動車。
福島県会津若松・喜多方から直通する快速「AIZUマウントエクスプレス」で使用される。
東武鉄道同様、野岩鉄道の運転手も気動車の
運転免許を持っていないため、運転は会津鉄道に委託している。
○東武500系
2017年4月21日ダイヤ改正でデビューした3両編成の特急用車両。
野岩鉄道線内では、特急「リバティ会津」や臨時列車「尾瀬夜行」・「スノーパル」に投入されている。
東武日光線下今市以南では、特急「リバティけごん」と併結した6両編成で運転される。
特急ではあるが運転種別の項目の通り、実質普通列車のような扱いとなっている。
車内設備は特急用のリクライニングシートとなっているため、線内のみ利用として考えると乗り得列車とも言えるかもしれない。
過去の車両
○東武350系
臨時列車「尾瀬夜行」・「スノーパル」で使用されていた東武鉄道の特急用車両。
2両編成が基本の当線内では例外的に入線していた4両編成の車両である。
かつては座席指定急行「南会津」として日中も会津田島まで乗り入れていた。
【駅一覧】
○新藤原
東武鬼怒川線乗り換え。起点駅。
いきなりトンネルが多くなる。
○龍王峡
1面1線の駅でホームの半分はトンネルの中にある。
同名の峡谷の最寄駅。
○川治温泉
1面2線の高架駅。
駅名で温泉と名乗っているが、実際は隣の川治湯元が最寄り。
○川治湯元
こちらが川治温泉の最寄駅。
高架1面1線で駅前に広場もあるが、結構な山の中。
○湯西川温泉
同温泉の最寄駅で、トンネル内に1面1線のホームがある。
ホームの北側は五十里湖を渡る湯西川橋梁となっていて、トンネルを出た瞬間に橋を渡る。
○中三依温泉
1面2線の交換駅だが、1日平均利用客は16名と線内で2番目に少ない…。
開業当初は当駅始発・終着列車があった。
○上三依塩原温泉口
塩原温泉郷のアクセス駅ではあるが、その温泉郷まではここからバスで20分程。
「洋風とんがり帽子の屋根の駅」が特徴で、関東の駅百選にも選ばれている。
○男鹿高原
牛山氏の全国
秘境駅ランキング16位。冒頭で述べた通り、線内かつ栃木県で最も標高の高い駅。
…なのだが、立地がいかにも秘境駅らしい場所にあり、周囲には民家も何もない。
そして
1日平均利用客はなんと1名しかおらず、そのせいか特急や快速が唯一通過する駅に…。
○会津高原尾瀬口
会津鉄道会津線乗り換え。終点駅。
線内で唯一の福島県の駅で、会津高原や尾瀬へのバスが発着している。
観光プラザの他、会津線が国鉄時代に使用していた転車台があったりする。
追記・修正お願いします。
- 会津高原尾瀬口から尾瀬へのバスがついに無くなり沿線からどんどん観光資源がなくなっていく -- 名無しさん (2024-11-05 22:04:36)
- 観光路線と言うにはあまりにもトンネルが多い -- 名無しさん (2025-02-27 22:10:52)
最終更新:2025年06月14日 23:46