天野河光

登録日:2016/07/05 (火曜日) 18:50:00
更新日:2020/01/20 Mon 15:53:58
所要時間:約 6 分で読めます




「ヒーカール! ヒーカールー! マイサンー!」
↑息子を誘拐されて狂乱する父親のセリフ。

逆転検事』の第3話、「さらわれる逆転」に登場する人物。


■人物
御剣怜侍が検事に任官される前に世話になっていた貿易会社社長、天野河丈一郎の一人息子。年齢は21歳。

細身の体躯に、ふっくらとした顔付きという残念な…しかし造作は端正な為、一概に不細工とも言えず…何というか、イケメンにおたふく風邪を引かせた様なというか…とにかく形容に困る外見が特徴の人物である。

服装は青いワイシャツの上に黒いヴェストを着用し、黒のズボンを履いているという物であり、このカラーリングは彼の父と同じもの*1となっている。

物語にとって重要な人物であるにもかかわらず、物語開始前に誘拐事件の被害者となってしまった事により中盤付近まで姿を現さず、事件関係者の一覧でもシルエットで描かれる羽目となってしまった可哀想な人。









以下ネタバレ注意









■登場までの経緯と以降の動向
今回の御剣は、身代金奪取のついでに誘拐され、命からがら生還したと思ったら無作法な狼男国際捜査官、狼士龍に捜査権を剥奪され、オマケに原灰ススムオバチャンといった個性的な事件関係者に振り回されるなど散々な目に遭いながらも謎の少女、一条美雲糸鋸刑事、そして事件の舞台となった遊園地『バンドーランド』内で再会した宝月茜などの協力を得て独自に調査を続けていた。

しかし、捜査の過程で光の誘拐事件と前後して行方不明になっていた天野河邸の執事、小倉真澄の遺体を発見してしまった事により事件はますます複雑化。
その事で狼捜査官にますます睨まれることになってしまったが、御剣はそんな事には一切動じずに調査を続行し、いくつかの重要な情報や手がかりを得ることに成功する。

まず、小倉が殺害された本当の犯行現場がステージエリアに設置されていた『逆転裁判4』に出てきた法曹関係者からなるロックバンド、ガリューウェーブの特設ステージであった事。
取引の場所が遊園地であることを逆手に取り、犯人一味が保管庫から盗み出したタイホくんファミリーの予備の着ぐるみを着用して園内を動き回っていたこと。
そして、小倉の正体が脱獄した密輸犯、鞍馬純夫であり、天野河家の内情に詳しい彼が誘拐事件に関わっていた可能性があるという事などが明らかとなってくる。

そんな中、ステージエリアの捜査をしていた御剣一行と、自分の命令を無視して捜査を続ける御剣に文句をつけに来た狼捜査官の前に両手に手錠をかけられた状態で光が現れた。
彼はそのまま倒れこんでしまい、慌てて駆け寄ってきた御剣達に犯人の人数や特徴など、自分が誘拐されている間に掴んだ犯人に関する情報を途切れ途切れに説明した。

しかし、彼のもたらした情報は御剣が園内にあった犯人のアジトを捜査して掴んだ情報とことごとく食い違っており、御剣の疑いの目は彼自身に向けられることになってしまう。

しかも、親バカの丈一郎が「女の子にモテる証拠」として持ってきたラブレターをよく見てみると、差出人があの『逆転裁判3』に出てきた超悪徳闇金融『カリヨーゼ』(社長の芝九蔵虎ノ助はすでに逮捕されてしまっている為、現在の経営者は事件当時従業員兼社長秘書であった鹿羽うらみであると思われる。)の鹿羽うらみだったりと、彼自身に関するおかしな情報が集まりだしてきたのである。
…しかし、闇金の幹部が直接督促状を送りつけてくるなんて、あの会社からいくら借りたんだ? 恐ろしすぎる。

その直後、狼捜査官が光の婚約者である織戸姫子を連行してくる。
御剣たちの前に引き出された姫子は、アッサリと自らが誘拐グループの一味であったことを自供。

更に、鞍馬に関しても本来は誘拐の共犯者であったのだが、突如裏切った彼が命を狙ってきた為、予め渡されていた拳銃で返り討ちにした事を認めてしまったのだ。










以下、重大なネタバレのため、ゲームを未プレイの方は注意








姫子はあくまでも誘拐事件の共犯者であり、一連の事件を陰で操っていた主犯格はやっぱり被害者であると思われていた天野河光自身であった。

彼が狂言誘拐を企てた動機は、御剣が睨んだ通り借金返済の為である。
何に使ったのかは不明だが、兎に角、あの親バカな丈一郎にすら言えないような理由で多額の負債を背負いこむ事になってしまった光は、自身がお金を欲しがっていた事を伏せたまま大金を得る為に姫子や執事である鞍馬を巻き込んで緻密な計画を立て、実行に移したのである。

しかし、彼は温室育ちのお坊ちゃんであった事から共犯者に選んだ姫子や鞍馬の人間性を読み違えており、身代金を巡って醜い争いを始めた共犯者二人が殺し合いを始めてしまった。
慌てた光は一人で逃げ、タイミングを見計らって御剣たちの前に飛び出した…という訳だったのである。

…勿論、御剣はそんな話に騙されるほど間抜けではなかった。

タイホくんファミリーの一体、ワルホくんの着ぐるみから一発だけ空砲が装填されたオートマチックピストル型のモデルガンが紛失していた事を掴んでいた御剣は、光が覆面代わりの着ぐるみと身代金のついでに誘拐されたとばかり思っていた人物、即ち御剣自身を小道具としてうまく利用する事によって『仲間の裏切りに慌てる主犯格』と『身代金を独り占めしようとする極悪非道な裏切り者』を巧みに演じ分けて姫子を心理的に誘導し、 既に殺害していた鞍馬から奪った着ぐるみを着て現れた自分を事前に渡しておいたモデルガンで撃たせる事により、姫子に共犯者を殺してしまったと思い込ませて自首させてしまった…という事件の全貌を推理してみせたのである。

あとは鞍馬が殺害された本当の犯行現場を突き止めるだけであったのだが、御剣は身代金を運んでいる最中に聞こえてきた謎の音や、被害者の死亡推定時刻が御剣自身が襲われた時刻と重なっていた事などを手掛かりとして犯行現場がホラーハウスであった事を看破。

その証拠を抑える為にホラーハウスを調査し…ようとしたのだが、これまでの推理は後ろにいたバカ親父丈一郎にも筒抜けになっており、息子の不利を悟った丈一郎が妨害工作を仕掛けてきた事で調査ができなくなってしまったのである。

しかし、御剣には美雲の持っていた携帯型シミュレーション装置『ぬすみちゃん』という切り札が残されていた。
御剣は、装置の力で原寸大で再現されたホラーハウス内を徹底的に調べ、ホラーハウスの独自イベントであった『消えたり現れたりするタイホ君人形』を足がかりとして館内にマジックの金字塔のである『スフィンクス*2』を応用した仕掛けが施されていた事を見抜き、犯人がそれを利用して巧みに姿を隠しつつ犯行を行った事を見破ってしまったのである。

その事を突きつけられた光は大泣きしながらアッサリと自供。
真犯人特有のブレイクモーションでは、泣き出した勢いのままに以前から動揺するたびに外れかかっていた手錠を引きちぎってしまった。…アンタ後の侍検事か何かか?

そんな息子をクソ親父丈一郎はあっさりと見捨て、一人でその場から逃げ出そうとする。
しかし、狼捜査官はそれを許さず自らが追っていた国際的な密輸組織の大幹部として丈一郎を逮捕してしまった。
…言われてみれば、世界中で荷物をやり取りする貿易会社は密輸にうってつけの存在である。

ところが、いざ天野河親子を連行しようとしたところで事件の担当検事に選ばれたという優木誠人が乱入し、捜査権もろとも親子を横取りしてしまう。

こうして、事件を解決したにもかかわらず御剣を取り巻く事態はいよいよ混迷化、すべての決着はババル大使館員殺害事件まで持ち越される事になってしまったのである。





追記・修正は狂言誘拐などしない方にお願いします。

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