登録日:2016/08/11 Thu 00:34:57
更新日:2024/12/23 Mon 21:33:37
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概要
元ネタは
太平洋戦争に参加した軽巡洋艦。……といっても、これは書類上の話。
巡洋艦をカテゴリ分けしたロンドン海軍軍縮条約の基準(後述)に従うと重巡洋艦。艦これでも重巡洋艦に分類されている。
軍艦の保有に条約で制限がかかっていた当時、日本が保有できた重巡洋艦の数は仮想敵国のアメリカの6割ほどだった。
これを破らないようにしつつも、極力アメリカと対等な戦力が欲しい日本海軍は、巡洋艦の保有制限が重巡洋艦と軽巡洋艦とで別々に設定されているのに目を付ける。
そしてロンドン海軍軍縮条約では「1万トン以下の排水量で主砲が8インチ(約20.3cm)以下なら重巡洋艦、6.1インチ(約15.5cm)以下なら軽巡洋艦」とある。
そこで、だ。旧式化した軽巡洋艦を更新する名目で軽巡洋艦としての定義を満たすフネを作りつつ、実は重巡洋艦用の砲を積めるようにしておく。
そして有事になったら砲を乗せ換えて重巡洋艦にしちゃおう……こうして作られたのが利根型の先代にあたる最上型であった。
この最上型を、水上偵察機の運用能力を強化する形で設計を改良して作ったのが利根型である。
もっとも、利根型の場合建造中に条約を脱退したので最初から重巡仕様になっているが、書類の上では沈没まで軽巡洋艦であった。
実際、巡洋艦は重巡洋艦・
巡洋戦艦が山の名前、軽巡洋艦が川の名前で統一されている。
「筑摩」という川を聞いたことがないかもしれないが、
千曲川と聞けばピンと来る人が多いだろう。日本一長い川である信濃川の、長野県における呼称である。
利根・筑摩が川の名前をもっているのは、そういった条約のすり抜けを狙った名残である。
艦種が変わっても戦艦や巡洋艦の名前は大元帥陛下につけてもらうものなので、艦種が変わったとしても変えるものではない、という訳だ。
本来ならばもっとたくさん作る予定であったが、予算の問題が厳しく、結局作られたのは利根・筑摩の二隻のみ。日本海軍最後の重巡洋艦となった。
航空巡洋艦への改装はされてはいないが、重巡洋艦のままでもかなり航空巡洋艦に近い運用が可能であった。
なお本級の完成によって20.3cm砲を積める巡洋艦を日本は18隻手に入れた。これは戦前のアメリカが保有していた重巡洋艦の数と同数である。
利根型の場合水上機の運用に力が入れられており、運命のミッドウェー海戦でもアメリカ艦隊を見つけたのは利根だったりする。
その後もあちこちの海戦を駆けずり回るが、日本の重巡洋艦が次々と沈められてしまったレイテ海戦で、ついに
妹・筑摩が実弾どころか演習弾までも撃ち尽くした末、航空機の攻撃を受け力尽きた。
利根はサマール沖海戦において、満身創痍の
武蔵に対して激励の信号を送りながら命令を受けて去ったが、海戦を生き延びた。
しかしその利根も燃料不足から呉で浮き砲台と化し、そして
呉軍港空襲にあたって伊勢・日向・榛名・大淀・青葉などとともに大破着底。
戦後は引き上げられ解体、資材として戦後日本の礎となった。
なお、利根の艦上で日本軍が英国商船の捕虜60名余りを殺害したビハール号事件という事件もある。
この事件の責任の所在は証言の食い違いなどもあって現在に至っても曖昧な点も少なくない。
事件の発生した1944年3月当時の戦隊司令官は戦後死刑となり、利根艦長は禁錮7年の判決となっている。
ゲーム中において
絵師は両者ともbob、声優は
井口裕香。
なお、bob氏は自分で描いた利根に応急修理要員(ダメコン)を搭載していないことを忘れて大破進軍し、轟沈させた経験がある。
銀背景であり、重巡洋艦としては入手はしにくい部類。
鎮守府海域からドロップするし
オリョクルでもそれなりに出ては来るのだが、
高雄型や妙高型などの方が集めやすいだろう。
ただし、
火力が若干落ちるとはいえその他の能力はかなり優秀な重巡である。
また、利根型は索敵能力の高さは例えば索敵値が必要になる2ー5などで頼りになる場合がある。
そして、
改二まで改装すると航空巡洋艦となる。史実では実現しなかったif改装である(ただし実際にはかなり航空巡洋艦に近い運用ができていたが)ため、改装設計図が必要となる。
持ってくる装備も20.3cm(3号)連装砲に瑞雲(六三四空)と優秀なものが多い。
最近はイベント海域で陸上型ボスが増え、陸上ボス特効の三式弾系統とWG42を同時に積める航空巡洋艦の需要が大幅に増している。
航空巡洋艦が事実上重巡洋艦の上位互換である上、三隈など手に入れにくい航空巡洋艦も多いことを踏まえると、航空巡洋艦の数が増えると言うだけでも非常にありがたい。
第一期までは重巡洋艦と違ってドラム缶が積めるためドラム缶を4つガン積みして5-4レベリング&戦果稼ぎに投入することもできたし、熟練艦載機整備員を載せて火力を大幅に上げ、射程を伸ばすことも可能。
第二期に入り5-4が大幅に仕様変更が加えられたため運用方法が見直される運びとなり、主に艦種制限の厳しい海域での水戦ガン積みによる制空要員としての活躍が多くなっている。
最上型も航空巡洋艦に改装できるが、性能面においては利根型の方が上回っている部分があるものの、同じ水戦ガン積み状態であれば最上改が最も制空値を稼げる。
実装後しばらくは出撃制限付きイベントで陸上型ボスが待ち構えている航空巡洋艦を使うなら、利根型を最後の切り札にする場合が多くなっていたが、最上型全員に航巡形態での改二が行き渡り、素の性能も上方修正が度々加えられていった結果立場がほぼほぼ逆転してしまっている。
恐らく一番大きな原因は最上が改二特で先制雷撃を撃てるようになったこと
しかし、立場が逆転したからと言って利根型の航巡化は放置出来ない問題でもある。何しろほぼ毎回のイベントで空母の出撃が制限されているイベント海域では、制空権要員として航巡組の需要が非常に高い。航巡6隻全員に出撃済みの札が付いた状態でイベント終了を迎えることもザラである。
改装設計図は勲章4個と引き換えであり、中堅クラスの提督では勲章不足に泣くことも少なくないと思われる。
限りある勲章をどう使うか。
鳥海を大火力にして貴重な装備も持ってきてもらうか。
長門型や
大和型を決戦兵力級にするか。
試製甲板カタパルトがあるなら投入して
翔鶴瑞鶴を最強空母にするか。
伊勢型に投入して空母が投入できない海域の制空権要員として活躍できるようにするか。
軽巡改二最優と名高い
矢矧改二乙を量産してお札に備えるか。
いずれも非常に魅力的な案だが、その中でも利根型は航巡であるという理由だけでも優先度は比較的高くなりやすい。
また、利根と筑摩は近代化改修の素材にした場合、対空を含む全ての能力が上がるというメリットがある。
このため、「この艦はこれ以上近代化改修できるか」を明らかにするにあたって全ての能力値が上がる利根・筑摩で改修できるか試す「利根チェッカー」としても有用だった。
2013年のうちには要らなくなってしまったが…
キャラクター概要
利根
常に自信満々、一人称は吾輩、豪快な「のじゃ」しゃべり。一言で言えばやんちゃで子どもっぽい。
提督に対しても自信満々な笑い飛ばし。セクハラしても自覚もなく、ケッコンしても明らかに何のことかわかってない回答。
バレンタインもよく知らず、せっかく用意したチョコも自分で食べてしまう天然さん。
改装するとやたらスリットの入ったデザインとなり、はいてない疑惑が浮上している。
妹に対しては対抗意識を燃やすなど、姉の威厳を維持しようと頑張っている。
…はずなのだが、身の回りのことを筑摩に依存している気配があり、面倒なことがあるとすぐに筑摩を頼ろうとする。
あぁ~、暑くなってきたのじゃ~。暑いのは苦手じゃぁ…ちくまー! ちくまー! …アイス…ラムネぇ……
実りの秋じゃ! 美味しいものがいっぱいなのじゃ! 吾輩はサンマは全部食べる派じゃ! …ぐ、骨が! ちくま、ちくまぁ~!
筑摩との性能差は耐久+1、運+1、雷装・対空-1。運15と低くはないのだが、史実大破着底組の中では、実は運が低い部類。
カットイン要員にすることももちろんできるのだが、重巡系のカットインを狙うならば火力特化で鳥海改二か幸運組として妙高改二や
プリンツオイゲン、中間として羽黒改二あたりがメインになる可能性が高い。
やはり利根型の本領は陸上型ボスに対する三式弾&WG42を積んでの対地砲撃、或いは制空権要員であろう。
ミッドウェー以来カタパルトの不調に悩まされているが、実際は索敵能力が正規空母並みに高いので安心である。
しかも、ボイスの上では改二になるとカタパルトの不調が治る。このボイスの実装がミッドウェーをモチーフにした
MI作戦の時だったため、一部の提督を感動させた。
余談だが、実は基本的に
ゲーム中では殆ど「敵艦隊」と呼ばれる深海棲艦を「深海の連中」と呼んだ数少ない艦娘だったりする。
長らく季節限定イラストがない艦娘だったが、2016年12月にクリスマス限定イラストとしてサンタのコスプレを披露した。髭も付けてドヤ顔
筑摩
とっても丁寧で、ヤミ感のないあらあらうふふ系。
しかもどう見ても筑摩の方がスタイルという面でも性格という面でも姉っぽい。
姉に対しては
某フフ怖の妹みたいにいじろうとすることもなく献身的。
というか中の人が同じで使っている声色もそっくりなのでいじりだすと区別がつかなくなってしまう。
何かあると利根を引き合いに出しては利根を立てようとする。
筑摩に依存気味な利根とはうまく噛みあっているのだが、
噛み合いすぎているせいか利根をダメにしたのは筑摩じゃねーの?という説も。
姉にベタベタに懐いている艦娘としては
山城や
千代田・
大井っちなどがいるが、彼女たちと違って提督を邪魔扱いすることはなく普通に好意的に接してくれる。
しかし無情のオコトワリ勢。よほどショックだったのか、提督が話をごまかす艦娘の一人である
姉同様長らく季節限定イラストがなかったが、2016年12月にクリスマス限定イラストが実装。利根がサンタコスなのに対し、まさかのトナカイコス。お前のようなエロいトナカイがいるか
創作での扱い
時報未実装、ケッコンボイスも使い回し疑惑など決して公式的に見て優遇されているとは言い難いのだが、両名とも二次においても存在感を放っている。
基本的には公式準拠であり、お姉さん風を吹かそうとしつつ結局妹を頼る姉とその姉の面倒を一生懸命見ようとする筑摩という描かれ方が多い。
筑摩の場合顎のあたりに手を当てているのがお面を外そうとしているように見えるためか、表情がお面のように取れると言うネタで一時一世を風靡した。
興味のある人は「筑摩gif」で検索してみよう。
公式4コマにおいても安定のお姉さん風吹かす利根と姉を立てる筑摩で描かれているのだが、
利根が筑摩のアイスを勝手に食べてしまった結果、マジギレさせてしまってガチで逃げ出した事がある。
かなり根に持っていたらしく、後の回でも利根が野分に渡したアイスには「姉さんが勝手に食べないように」名前が書いてあった。
なお、公式4コマにおいては秋の秋刀魚祭りの発端は利根という事になっており、
第100話の秋祭りで利根が秋刀魚を勝手に塩焼きに使い込んだ結果、蒲焼用の秋刀魚が足りなくなって集めに行くという展開になった。
なお、この時筑摩は一切登場しなかったため、姉の不祥事にマジギレしたのではないかとも…
一方筑摩は公式4コマ初のドシリアス回である舞風初登場回で舞風から野分の行方を尋ねられる事になり、
「自分を助けに来てくれたことまでは覚えているが、その後どうなったのかわからない」と伝える辛い役どころとなった。
その時筑摩のアイスを勝手に食べて逃げ出そうとしていたのが利根である。
その後、野分初登場回で無事に野分と再会し、無事を喜び合っていた。
バカな、追記・修正されないだと!?
- ちくまめんは一時期中破妙高さんと並んでたなあ…懐かしい -- 名無しさん (2016-08-11 01:51:38)
- ↑今では残念というかどんどん思考がロリ化する姉を介護する甲斐甲斐しい妹キャラになったもんな -- 名無しさん (2016-08-11 16:21:02)
- たまに誤解されるが、筑摩は利根のことを「利根姉さん可愛い!」ではなく、素直に尊敬してたりする -- 名無しさん (2016-08-11 21:29:44)
- 重巡改の中では総合的に見て一番能力高かったがあっさり改二実装されたよね -- 名無しさん (2016-08-12 11:33:27)
最終更新:2024年12月23日 21:33