シンディ(コマンドー)

登録日:2016/09/04 (日) 21:12:51
更新日:2025/04/26 Sat 00:33:14NEW!
所要時間:約 8 分で読めます






私の税金があなたの年金になってるってことね……いやんなっちゃう


説明不要の名作、シュワルツェネッガー主演のマッスルアクション映画「コマンドー」に登場する名キャラクター。
演じているのはレイ・ドーン・チョン。
日本語吹き替えは小山茉美もしくは土井美加が担当。


◆概要

旅客機の添乗員として働いている黒人の女性。
アリアス一味のサリーも舌を巻くイイ女であるが、初登場時のやり取りを見るに彼氏持ち。
意外と気の強い女性でもあり、あからさまに軽薄な態度で絡んできたサリーを強気な口調で追い払ったりも。

当初は娘ジェニーの救出に燃えるメイトリックスの突拍子もない行動に巻き込まれる被害者であったが、
途中で彼と娘の背景事情を聞いたことにより情が芽生え、積極的に協力するようになる。
その後はメイトリックスに当てられてか、彼と同等かそれ以上のキテレツな行動が目立つようになる。

職業上は添乗員だが彼女自身も小型飛行機の運転免許を持っており、その筋の知識でメイトリックスの助けになる場面も。というかシンディが居なければ詰んでいた可能性のある箇所も存在する。
また、空手教室にも通っている……というのが有名だが、これについて実は真偽が定かじゃなかったりする。
(理由は後述)

コマンドーと言えば数々の名言・珍言製造機としてネット上でカルト的人気を誇る作品として有名だが、
彼女もまたメイトリックスやベネットと同様に数々の名セリフを生み出したキャラの1人なのである。


◆作中での活躍

初登場時は勤務予定の便がキャンセルになったために、電話で彼氏にデートの誘いをかけていたのだが、
残念ながら彼氏の予定が合わなかったようである。
そこをアリアス一味のサリーに目を付けられて付き纏われるのだがこれが全ての始まり。

サリーを追い払った後に車に乗り込もうとしたところで我らがメイトリックスに背後から首を掴まれる。
で、車の助手席シートを剥がされた上にサリーの後を追うことを強要されてしまう。

ショッピングモールにて急ぎ早に事情を説明するメイトリックスにサリーを誘い出すように持ちかけられるも、
強引且つ胡散臭すぎるメイトリックスを信用できずに、了承したフリをしてそのまま警察に助けを求める。
が、これが原因で場がこじれてしまい、メイトリックス、サリー、警官隊のドンパチ銃撃合戦に巻き込まれることに。
メイトリックスを銃撃しようとした警官を咄嗟に突き飛ばしてメイトリクスを助けてしまったのが原因で、彼女も追われる身に。

メイトリックスに早口で文句をまくし立てて事情を聞こうとするも、即効でノーを突きつけられるわ、
暴走同然の運転に巻き込まれてマイカーをお釈迦にされるわとロクでもない目にばかり遭う。
その後にようやく事情を説明してくれたメイトリックスの置かれている境遇に同情し、
モーテル到着後は自分からメイトリックスに協力するようになる。

サリーの貸し部屋で手がかりを探ったり、やってきたクックをルームサービスに化けて油断を誘ったり、
クックの車にあった領収書や敵のアジトの資料から手がかりを割り出したりと大活躍。
そして何と言っても外せないのはメイトリックスが捕縛された際に行ったロケラン発射シーンであろう。
説明書一つであんなもんぶっ放す辺り、シンディも相当な変わり者である。

その後は翼の付いたカヌーこと水陸両用飛行機を操縦して敵の本拠地近くに着水。
メイトリックスが単身乗り込んでいった後に無線を飛ばし、彼の上官であるカービー将軍に応援を要請していた。

全てが終わった後、ジェニーと共に戻ってきたメイトリックスを満面の笑みで迎えていた。


◆シンディ語録

やはりテレビ朝日版でお馴染み、玄田メイトリックスや石田ベネットと同様に、
マクロスの未沙やダンバインのマーベル役である土井シンディが有名か。
基本的にメイトリックス、ベネット、そして彼女の3人でコマンドーの名言の8割方が生み出されていると言っても過言ではない。

……が、TBS版の小山シンディのハジケっぷりも捨てがたい。
初代アラレちゃんバラライカの姉御で有名な彼女が演じるシンディは、
より原作に忠実な宇津木道子の台本の下、要所要所で土井シンディ以上にカオスなセリフが満載なのである。

※それぞれ紫色が原語版青字がTBS版赤字がテレビ朝日版緑色は新録版
なお、新録版が書かれてないセリフはテレビ朝日版とほぼ同じ。

"Yeah, that Cindy. My 7.40 flight to Vancouver was canceled. So, how about dinner? I could go to bed early too!"
「ええ、私よシンディ。今日のバンクーバー行きのフライトキャンセルになったの。ねえ、お食事しない?早く寝ても良いけど。ふふふ。」
「私、シンディよ。バンクーバー行きがキャンセルになっちゃって。それで食事でもどう?直ぐにも行けるけど。ふふふ。」

初登場時、彼氏と思われる相手に電話をかけているシーン。
残念ながら断られてしまったが、それを見つめるサリーがメッチャいい笑顔。
尚、ここで本来は彼女がフライトに同行する予定だったことと彼氏をデートに誘おうとしていたことを覚えておいてもらいたい。

Sully "Hey, slow down! I'd like to give you."
サリー「なぁ!彼女ぉ待ちなよ。良い思いをさせて差し上げますよ。」
サリー「よお!よぉ、待ちなよ。おたくに良い夢を見させてやろうってんだぜ。」
サリー「よお!よぉ、待ちなよ。おたくに良い夢見させてやろうってんだぜ。」

"I'm not interested."
「まるで興味無いの。」
「結構、見たくも無いわ。」

Sully "You don't know what you're missing."
サリー「いいから一度味わってみなよ。」
サリー「絶対後悔させねえよぉ。」

"A nightmare. Would you leave me alone!"
「胸がムカつくだけよ、私に付き纏わないでちょうだい!」
「ロクでもない夢でしょ?構わないで!大声出すわよ!」
「悪い夢に決まってる、構わないで!大声出すわよ!」

Sully "You fuckin' whore."
サリー「もったいぶりやがって!」
サリー「ケッ、アバズレがぁ。」

しつこく付き纏って自分を誘おうとするサリーに対しての一言。
流石のサリーもムッと来たらしく、玄田版ではシンディをアバズレ呼ばわりである。
だがサリーを追い払ったのも束の間、シンディの不幸への足音はこの時点で間近に迫っていたのだった。

"Listen, I've got a 7.30 advanced karate class. I can't help you."
「ああ、私七時半から空手教室があるの、悪いけど。」
「ダメよ、七時半に空手の稽古があるの、付き合えないわ。」
「ダメよ、七時半から空手の稽古があるの、付き合えない。」

名シーンその1。空手の恵子……もとい空手の稽古発言。
……なのだが、前述したようにシンディは当初の予定では仕事が入っており、
それがたまたまキャンセルになった後も本来は彼氏とデートをしようとしていたわけで。
つまり、この空手の稽古自体がメイトリックスを追い払うためのでまかせだった可能性もあったりするのだ。
恐らく、自分には武道の心得があると伝えることで、身勝手な振る舞いを見せるメイトリックスを苦し紛れながら牽制しようと試みたのではないだろうか。
まぁ咄嗟に出たフレーズな辺り、その日に無いだけで本当に空手を習っているかもしれないが…。もしくは、それこそ本当に「空手の恵子」って番組があるか。
尚、それを聞いたメイトリックスの反応は「今夜は諦めろ。」or「今日は休め。」である。

"That's understandable... I've only known you for five minutes and you dead too."
「分かるわ……会ったばかりの私でさえ死ねばいいと思うもの。」
「無理よそんなの……知り合ってまだ5分と経ってないのよ。」
「知り合って5分よ、無理……人よりあたしの命よ。」

同乗しているメイトリックスに対しての一言、同じシーンなのにまるで内容が違う。
特に原語に比較的忠実な小山シンディのセリフは字幕翻訳以上に過激である。

"Listen, there's this huge guy outside in a green T-shirt, and he's a paranoid maniac. And he's kidnapped me. And I need your help."
「お願い、Tシャツを着た大男がいるでしょあそこ。変質者だと思うの、付きまとって離れないから何とかして。」
「すみません、向こうにグリーンのTシャツを着た大男がいるんだけど、彼まともじゃないの、誘拐されかけたわ。助けてください。」
「すみません、向こうに緑のTシャツを着たゴリラ男がいるんだけど、彼まともじゃないの。誘拐されかけたわ、助けてください。」

怪しさ全開のメイトリックスから逃れるために、モールの警官に助けを求めて。
が、この行動がまさかの展開に転がっていこうとはシンディも予測がつかなかったであろう。

"Wait! Wait for me! Don't you go anywhere! Who in the hell you?! You steal my car, you rip the seat out, you kidnap me, you ask me to help you find your daughter which I very kindly do, and then you get me involved in a shoot out where people are dying and there's blood spurting all over the place, and then I watch you rip a phone booth out of a wall, swing from the ceiling like Tarzan, and then there's a cop that's going to shoot you and I save you and they start chasing me. Are you going to tell me what's going on or what?"
「待って!市場止めてあたしを置いてかないでよ!あんた一体誰なのよえぇ!?ほわあ!?人の車盗んだ挙句、シートをぶっ壊して私を誘拐して!娘を助けるためだから協力してくれとか何とか言って、私をあんな物凄い何人死んだかわからないような撃ち合いに巻き込んで、電話ボックス引っ剥がして振り回したり、ターザンみたいに天井からブランコしたり、おかげで私はあんたを守るためにお巡りさんぶっ飛ばして追われる羽目になったのよ! どういうことかワケ話してくれるでしょうね!?」
「待ってぇ!待って!置いてかないで!あんた一体何なのよ!ああっ!車は盗む!シートは引っぺがす!私は拐う!娘を探すのを手伝えなんて突然メチャクチャは言い出す!かと思ったら人を撃ち合いに巻き込んで大勢死人は出す!挙句は電話ボックスを持ち上げる! あんた人間なの!?お次はターザンときたわ!警官が、あんたを撃とうとしたんで助けたわ、そうしたら私まで追われる身よ!一体何があったのか教えてちょうだい!」
「待ってー!待って!置いてかないで!あんた一体何なのさ!あっ!車は盗む!シートは引っぺがす!私は拐う!娘を探すのを手伝えなんて突然メチャクチャは言い出す!かと思ったら人を撃ち合いに巻き込んで、大勢死人は出す!電話ボックスは持ち上げる!あんた人間なの!?お次はタァ↑ーザンときたわ!警官が、あんたを撃とうとしたのを助けたらとうとう私まで追われる身よ!一体何があったのか教えてちょうだい!」

"No?! No?! Oh my God! Watch out!"
「嫌・・・?嫌ぁ!?ぶつかる怖い!」
「駄目ぇ?そんなぁ!もうやだぁ!危ない!」
「駄目ぇ?そんなぁ!(´;Д;`)ああやだぁ危ない!」

"It's not my day!"
「私を殺す気!?」
「今日は厄日だわ!!」

名シーンその2。散々人を巻き込んだ挙句に1人でその場を離れようとしたメイトリックスに無理やり同行して。
(しかもメイトリックスはシンディの車をそのままパクっていこうとしていた。)
積もり積もった不満を実に小気味良いリズムで一気にまくし立てていくのだが、
それに対するメイトリックスの返答はこれまた "No." or 「嫌。」or「駄目だ。」である。
ついでにシンディは助手席に座っているが、そこはメイトリックスが最初に座席を引っぺがした場所なのでこの時点で彼女は座るシートも身を固定するシートベルトもないままカーチェイスに巻き込まれているのである。
……こんなんじゃシンディじゃなくても厄日と思いたくもなる。

"I can't believe this macho bullshit!"
「なにくだらないこと言ってるのよ!」
「もう嫌だ、夢なら覚めて……。」

モーテルでのメイトリックスとクックの戦いに巻き込まれての一言。
因みに小山版シンディはクックのグリーンベレー発言に対するメイトリックスのジョークへのツッコミだったり。

"I think I've found something. Look at this. Coastal is fuel depot that supplies planes. Usually smaller, private aircraft. I'm getting my pilot's license. This is where my instructor goes."
"This is it Patria Enterprises."
"Here's a photo of an amphibian airplane. Type 4 fuel is amphibian. 250 gallons is what take to fly this plane to the island and back."
「これ手掛かりになるかも。ほら請求書。コースタルって飛行機専用の燃料会社なの。もっと小型の自家用よ、私が操縦習ってる小型機の先生もこっから買ってるわ。」
「ここだわ、パトリアエンタープライズ。」
「水上飛行機の写真があったってことは、四号燃料は水上飛行機用なの。そして250ガロンはちょうどこの島までの往復に必要な量だわ。」
「ねえ、こんな物見つけたわ。これ見て。飛行機専用の燃料会社の発送表よ。いいえ個人用の小型機専門よ、私が通ってる飛行士訓練学校もここから燃料を買ってるの。」
「ここがそうね、パトリア興業とあるわ。」
「この写真、水陸両用機だわ、この燃料は水陸両用機用よ。250ガロンといえばこの飛行機で島までの往復にピッタリの量だわ。」
「ねえ、こんな物見つけたわ。これ見て。コースタル社の送り状、航空燃料の。いえ、個人用の小型機向け、私が通ってる飛行士養成所もここから燃料を買ってる。」
「ここがそう、パトリア興業とあるわ。」
「この写真、水陸両用機よ、タイプ4燃料は水陸両用機用。250ガロンといえばこの飛行艇で島までの往復にピッタリの量だわ。」

クックの車にあった領収書やパトリア興業のアジトで見つけた資料を前にしてのシンディのセリフ。
小型飛行機の運転免許を持っているだけに、その辺りの知識に詳しいことがよくわかる。
彼女のこれらの発言のおかげでメイトリックスも敵の本拠地を割り出すことができた。

"Shit!"
「ちっきしょう!」
「やぁだ……。」

"I read instructions."
「説明書を読んだの!」
「説明書を読んだのよ。」

名シーンその3。警官隊に捕まったメイトリックスをロケラン発射で強引に救出するというトンデモ行動に及ぶ*1
メイトリックスやベネットにばかり目が行きがちだが、シンディもやってることは大概だったりする。
しかも1発目を背後に誤射してしまった際のセリフが、土井シンディは困惑気味なのだが、
小山シンディはどう見ても殺る気満々な辺りがまた笑いを誘う。

"Anybody tell you you have a lot of hostility?"
「あなたって本っ当に闘争本能に溢れてるのね!」
「あなたは誰かに野蛮だって言われたことない?」
「あなた誰かに野蛮だって言われたことない?」

Matrix "Come on. Let's move."
メイトリクス「能書はいいから、早く!」
メイトリックス「行くぞ、急げ!」

"Ohhf, I hope I can fly this plane."
「あぁ……水上飛行機って初めてなのよ……。」
「ふぅ、無事飛ばせりゃ良いけど。」
「あ〜あ、無事飛ばせれば良いけど。」

"Oh, no."
「やぁだぁ!」
「あぁ駄目。」
「あ〜駄目。」

Matrix "What's wrong?"
メイトリックス「どうした!?」

"This isn't a plane. It's a canoe with wings!"
「飛行機なんてもんじゃないわ!これ翼の付いたカヌーよ!」
「こんなの飛行機じゃないわ!羽根のついたカヌーよ!」
「これ飛行機じゃない!羽根のついたカヌーよ!」

"Oh..."
「あぁ……。」
「そんな……。」
「そんな……。(´;Д;`)」

パシフィック埠頭における一幕。
尤も、ロケラン発射の後じゃ闘争本能に溢れてるだの野蛮だの言われても完全におまいうである。
そして旧式のオンボロ飛行機を羽根つきカヌーとか言っちゃう辺り、ジョークセンスも一流である。

Matrix "Now, you remember the message?"
メイトリクス「メッセージは分かったな?」
メイトリックス「メッセージは覚えたな?」
メイトリックス「メッセージを覚えたな?」

"Commando, Kirby, Code Red, coordinates.Got it."
「コマンドー、カービー、緊急事態、座標、了解よ。」
「コマンドー、カービー、コードレッド、座標ね、OKよ。」

Matrix "Don't break radio silence until they see me."
メイトリクス「連絡するのは奴らが俺に気づいてからだ。」
メイトリックス「奴らが俺を見つけるまでは、無線を使うな。」

"How will I know?"
「どうやってそれを?」
「どうしてそれが分かる?」
「どうしてそれと分かる?」

Matrix "All fucking hell is gonna break loose."
メイトリクス「大騒ぎになるからすぐわかる。」
メイトリックス「島がドンパチ、賑やかになったらだ。」

"Be careful, Matrix. Good luck."
「幸運を祈ってるわ、気をつけて。」
「気をつけてねメイトリックス、幸運を。」

"Thanks."
メイトリックス「ありがとう。」

敵の本拠地である小島近くで単身乗り込むメイトリックスを見送って。
散々無茶苦茶に付き合わされて自身も滅茶苦茶やってきたシンディではあったが、
何だかんだでメイトリックスの良きパートナーとして活躍したのであった。





追記・修正は説明書を読んでからお願いします。

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最終更新:2025年04月26日 00:33

*1 因みに、武器を店から調達したシーンをよく観察すると、実際にロケランに説明タグが貼り付けられているのが確認できる