登録日:2016/10/17 Mon 19:41:16
更新日:2025/02/16 Sun 14:01:55
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智頭急行智頭線は、上郡駅と智頭駅を結ぶ智頭急行の鉄道路線である。
概要
関西と山陰を結ぶ陰陽連絡線として建設された第3セクター路線で、開業当初から特急が走り重要な役目を果たしている。
JR線に直通する特急が計13往復が運行しており、陰陽連絡特急では
伯備線を走る「やくも」の15往復に次いで多く、第3セクター路線を走る特急(乗り入れ含む)では日本最多。
当初の社名は「智頭鉄道」だったが、開業直前の1994年6月に現在のものとなった。
町おこしの一環として、独特な駅名が多いのも特徴。
歴史
この路線の歴史は意外と古く、明治時代の1892年の時点で既に建設構想があった。
というのも、元々上郡~智頭間は因幡街道の一部として鳥取藩の参勤交代のルートとして用いられるなど、当時はメジャーな通り道であった。その為、因幡街道は概ね現在の「スーパーはくと」のルートとほぼ一致する。
1922年に
因美線に遅れること3年、漸く工事が始まるが、第二次大戦で建設が中断してしまう。
戦後1966年に工事は再開したが、建設費の膨張や工事の難航により進捗せず、そうこうしているうちに国鉄の経営が悪化し、1980年に工事は凍結となってしまった。
しかし、地元民の依頼で行われた調査により「ローカル輸送のみでは赤字だが、国鉄と直通の特急列車を含めれば黒字化可能」だとして交渉を継続した。
その結果、
どうせ鳥取県に新幹線は来ないと踏んだ鳥取県知事の判断で第3セクターが発足し、1987年に工事は再開。
路線に「採算性」が求められた結果、路線の高規格化工事が追加で行われることになり、1994年に構想から100年以上経って遂に開通した。
運行形態
京都~鳥取・倉吉間で運行される特急列車で、7往復が設定されている。
通常は5両編成だが、多客期には1両増結され運行される。4号車には半室ながらグリーン車がある。
列車名は「
因幡の白兎」に由来しており、かつて京都~鳥取間で運行されていた急行列車の愛称が久々に復活した。
愛称に「スーパー」がついているのは、当初はキハ181系による「はくと」が運行されていたため。
キハ181系は1997年に撤退したが、愛称はそのまま。
岡山~鳥取間で運行される特急列車で、6往復が運行されている。
それまで
津山線経由で運行されていた急行「砂丘」の代替で、運行距離は砂丘よりも10km伸びたが、当路線に山陽本線と高規格路線を経由することから所要時間は最速で30分も短縮された。
高速化工事をした津山線涙目
列車名の由来は鳥取県の旧国名で、鳥取へ向かう列車には1960年代から断続的に使用されており5度目の登場。
こちらも愛称に「スーパー」が(ry
上郡~智頭間に下り7本・上り8本、区間運行を含めると下り17本、上り12往復とほぼ1時間に1本設定されている。
☆使用車両
「スーパーはくと」で使用。詳細は当該項目参照。
JR西日本の車両で、「スーパーいなば」で使用。
基本設計は山陰他線区に導入されているキハ187と同じだが、保安装置が異なり座席が少なくなったため500番台に区分されている。
HOT7000系と同じ振り子式車両だが、最高速度は120km/hと若干遅く、先頭車は切妻で専用の制限速度が設けられることもあり、所要時間は「スーパーはくと」よりも遅い。
普通列車で使用。単行運転可能な17m級の小さい気動車だが、特急のダイヤに支障をきたすことなく運転させるため、最高速度110km/hとかなり性能が高く作られている。
一般用の0番台とイベント用の20番台(写真左側)が存在し、イベント用は現在塗装と内装をリニューアルし「あまつぼし」の愛称がつくようになった。
◎主な駅
山陽本線乗り換え。起点駅。
智頭線のりばはJRのホーム切り欠き部分にあるが、中間改札以外にも智頭急行専用の跨線橋がある。
そのため、JRの改札を通らずに智頭線のりばへ行けるという、このタイプのホームにしては珍しい構造となっている。
やたら長い駅名だが、「円心」はこの地を治め室町幕府設立に関わった赤松則村の法名から来ている。
普通列車のみ停車する駅としては線内で一番利用者が多い。
JR
姫新線乗り換え。佐用町の代表駅。
町名は「さよう」に変わって65年以上経つが駅名は「さよ」のまま。
天然記念物の佐用の大イチョウと佐用城の最寄駅。
旧因幡街道平福宿をイメージした駅舎として、近畿の駅百選に選定されている。
決して誤字でも冗談でもなく立派な駅名である。
駅名の示す通り、この辺で宮本武蔵が
生まれた「のではないか」という伝承がある武蔵の里の最寄駅。
他にこういった人名を駅名にした駅は、井原鉄道井原線に「吉備真備駅」がある位。
因みにフルネームではないのならば、JR
伯備線に「方谷駅」という駅がある。
運転系統の分岐駅で全列車停車。車両基地も併設されている。
普通列車のおよそ半分がこの駅で引き返す。
因幡街道の代表的な宿場である大原宿の最寄駅。
あと宮本武蔵を祀る武蔵神社の最寄駅でもある。
西粟倉村の代表駅だが、利用者は片手で収まるか収まらないかという程度。
トイレが男女兼用。元々は別々だったらしいが、男性用大トイレが使用禁止になったために兼用になったとか。
岡山県最東端の駅。西粟倉駅よりも利用者多い(と言っても二桁行くかどうか)。
駅名にもなっているあわくら温泉の最寄駅。
元は「因幡山形」という駅名にするはずが「そんな駅名なら人が来ねえだろう!」と「来い山形」の意味を込めて付けられた…。
その意気込みは凄まじく、2013年には乗り場の待合室など駅の地上設備の塗装をピンク色に変更するという大胆な試みも行い、同社の鉄道むすめ「宮本えりお」も描かれている。
近年のインスタ映えブームに合わせ、土休日には普通列車が長時間停車することもある。
ちなみに最近某ラッパーが駅を気持ち悪いとごもっともな感想をXでツイートして話題となった。
因美線乗り換え。終点駅。智頭町の代表駅。
普通列車は智頭急行ホームから発着するが、特急は全列車が因美線鳥取方面に直通するためJRホームから発着。
駅名の読み方は「ちず」だが、町名は「ち
づ」である。ややこしい。
駅前のJAの建物に、智頭急行の本社も入居している。
「何だこの記事…気持ちわりぃ…」
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最終更新:2025年02月16日 14:01