因幡の白兎

登録日:2009/10/19(月) 17:04:13
更新日:2018/04/28 Sat 19:41:47
所要時間:約 5 分で読めます




読み いなばのしろうさぎ

日本の神話「古事記」に登場する「大国主命」のエピソードの一つ。

おそらくオオクニヌシ関連の話では、最も有名なエピソードである。
因幡とは現在の島…鳥取県辺りの古い地名である。


古事記の表記では「因幡之素兎」であり、元々白い兎が日本に居なかったことから「素兎」は「裸兎」なのでは?
と、言われている。


ちなみに現在この兎は「兎神」として「白兎神社」に祭られており、御神徳は特定人物との縁結び。

つまり、カップリング神なのである。



【因幡の白兎】

因幡の国の沖合の島に、一羽のウサギが居た。
ウサギはこの島での生活に飽きており、如何にして本土に渡るかを、日々思案していた。


ある日の事である。
ウサギは水面を遊泳している「和邇(ワニ)」に目を付ける。

岸にワニを集めると
我々と君ら、どちらが多いか勝負しよう
さしあたって、数を数えるからこっちの岸からあっちの岸まで一列に並んでくれたまえ

ウサギはワニを整列させ背中を跳ねながら、
一匹、二匹
と数えていき、最後の一匹後一歩で陸地というところでついうっかり、

かかったな、アホが!
このウサギに有るのはたった一つのシンプルな思想だけ……。
『向こう岸に渡る』ただ、それだけ…!
貴様等の数……勝負なぞ……そんなものはどうでもよかろうなのだー!!

と大暴露。
なん…だと……?
何なの?バカなの?ゲーラゲラゲラゲラ…。

その一言にワニはプッツーン!!
オラオラオラ
と色々ひん剥かれて海岸に放置プレイ。

海岸で一人シクシク泣いていると、偶然通りがかった八十神(やそがみ 沢山の神という意味)達ご一行がそれを発見。

その中の一人が
古のベアナックルファイターは粗塩を擦り込んで切れにくい肌を完成させたと言う……
と言って去っていったので、ウサギは海水を浴び、潮風に晒してみる。
すると傷口が悪化。


1人残されたウサギは、
塩水で洗い、風に晒したのは八十神達の指図…
謀った喃…謀ってくれた喃…
と悔し涙を流していると、そこに大荷物を背負ったいい男が…

彼は八十神達の末弟で、名前を「オオナムチ(オオクニヌシが未熟だったときの名前)」といった。
いい男に弱いボクはホイホイとついていってしまったのだった。

彼はすごいテクニシャンだった。
ボクはと言えばガマの穂の上で身をふるわせてもだえているのだった(石ノ森章太郎版だと写真集のヌードモデルの如くガマの穂ベッドでくつろいでいたり)。




そんなこんなで治療も終わり、元気になったウサギはオオナムチに、
今回の旅は数多の困難が立ちふさがるでしょうが、幸せな結末に終わります
と予言。

去っていくオオナムチを一人見送った。

その言葉通り、オオムナチは因幡の豪族の美人娘、ヤガミヒメを射止めるのだった。

その件で八十神たちから恨まれ大変なことになるのだが、それはまた別の話。



  • 和邇について
ウサギが海に並べて渡った和邇とは何だったのか。

「サメなんじゃね?」
という説や
「いや、ワニだろ」
等、未だ決着を見ないが、
「小動物が鰐を並べて川を渡る」
という話は東南アジア等でも数多く存在しており、それらの話が日本に流れてきた際「鰐」という存在も一緒に流れ着いた。

で、日本の神話に組み込まれたのではないか。
という意見も存在している。

また、中国地方広島~島根を中心とする方言に「ワニ→サメ」「サメ→フカ」と言う言い方もある。
少数意見には同じ山陰道の出雲国風土記には語臣猪麻呂の娘が埼で遊んでいたところ和爾に食べられたとか
和邇の大群が1匹の和邇を取り囲んでやって来たとか和爾が玉日女命を慕って川を遡上したとか魚らしくない説話があること、
「ワニ」の語源にはオロッコ族の言葉で「アザラシ」を指す「バーニ」という説があること、
山陰にアザラシはいないがアシカならいた(現在絶滅)ことからニホンアシカ説もある。
少し前の超常現象特番で、「このウサギは宇宙人だったのでは!?」という論題があった。
グレイ系宇宙人を見た古代人が「皮を毟られたウサギ」として後世に伝えたとかなんとか。

当て付けもいいところである。


ウルトラマンタロウの46話「白い兎は悪い奴」はこの話が元になっている。

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