伯備線

登録日:2013/05/22 Wed 21:18:18
更新日:2025/05/23 Fri 19:44:24
所要時間:約 6 分で読めます




伯備線(はくびせん)は、岡山県の倉敷駅から鳥取県の伯耆大山駅を結ぶJR西日本の鉄道路線である。
路線カラーは緑色で、路線記号は V 

[画像出典]
出典: 日本の旅・鉄道見聞録
URL: https://www.uraken.net/rail/alltrain/ltdec/381kurosiho3.jpg
閲覧日: 2016/01/12


●目次


概要

線路としては上述の通りだが、全列車が倉敷側で岡山駅、伯耆大山側で米子駅まで乗り入れている。
数あるJR西日本の陰陽連絡路線の中で初めて電化や高速化改良工事が行われるなどかなり優遇されており、陰陽連絡路線では唯一の全線電化&複線区間最長の路線、かつ最大の運転本数を誇っている。
スゲェェ~ これで赤字路線でさえなければな~

だが、あくまで推計による一説によれば、伯備線単独の収入では営業係数176で、40億円近くの大赤字路線であるものの、
東海道・山陽新幹線からの乗り継ぎ及び伯備線区間内を走る特急列車の利用客を含めた収入では営業係数86で20億円の黒字
JR西日本区間単独でも山陽新幹線及び「サンライズ出雲」「やくも」乗り継ぎの利用客を含めた収入は営業係数96で4億円の黒字と、総合的に見れば陰陽連絡路線唯一の黒字路線という出来た子である。
やっぱりスゲェェ~


☆使用車両

  • 273系
「やくも」の381系置き換え用に2024年4月からデビューした特急電車。
車上の曲線データと走行地点のデータを連続して照合させて車体を傾斜させる「車上型制御付自然振り子方式」という新技術を採用。
基本デザインは287系や271系に準じているが、イチバンセンが担当した独自の茶色メタのカラーリングが特徴。
車内にはグループ用のセミコンパートメントも設置されており、放送チャイムにはOfficial髭男dismの楽曲が使用されている。
本形式導入に先駆けて、同年3月改正から「やくも」は全車指定席に変更された。
2025年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。

  • 381系
「やくも」で使用されていた特急電車。自然振り子装置を搭載している為、カーブでもスピードを落とさずに走行できる。
当初は9両編成で導入されたが、1986年11月改正で一部編成が「くろしお」増発用に紀勢本線へ転出したため編成が短縮され、先頭車化改造車が登場。
しかしこの振り子装置によりカーブを曲がる際に構造上、かなり揺れる。
これにより乗り物酔いする乗客が多かったのだか。乗務員は常に酔い止め薬を持っていたり。
あまりにも悪い乗り心地から「ゆったりやくも」ではなく、「ぐったりはくも」とディスられたりしていた。
その後もパノラマグリーン車やグリーン車からの格下げ車も登場する等、経歴はなかなかのカオスなことに。
運用が長引いたためにリニューアルが繰り返され、国鉄色→スーパーやくも色/緑やくも色→ゆったりやくも色といった変遷をたどっており、過渡期では混結も当たり前。そればかりか、くろしお色の車両が混ざった実績もある。
定期運行されていた最後の国鉄型特急電車で、273系の登場が決まって以降は国鉄色・スーパーやくも色・緑やくも色の3色が復活しカラフルな装いに。
2024年6月15日で定期運用から撤退したが、その後も臨時列車では2025年正月まで運用された。

  • 285系
寝台特急「サンライズ出雲」で使用。
振り子装置がなく車重が重いため、伯備線の通過時間は381系より約30分余計にかかる。

  • 227系 500番台
2023年7月にデビューした、岡山地区待望の新車。
岡山地区のシンボルカラーであるピンクを纏っており、「Urara」の愛称がある。

  • 115系 1000番台
全区間で使用。ありとあらゆる魔改造を施され、
余り物の中間車に運転台を付けて先頭車にする
運用年数が40年を突破
2009年の新車は冷房無し
など、多少の不便はあるものの現在も活躍中。
そんな同形式も2023年から227系への置き換えが開始された。

  • 213系
倉敷~新見間で使用。元マリンライナーの車両。
国鉄最後の新形式で、一部の車両はJR西日本必殺の魔改造が実施されている。

  • EF64形 1000番台
貨物列車で使用。


◎主な駅

便宜上山陽本線・山陰本線の駅も一部記載する。

  • V 01 岡山
山陽新幹線・山陽本線姫路方面・赤穂線津山線宇野線瀬戸大橋線桃太郎線、岡山電気軌道東山本線(岡山駅前停留場)乗り換え。
岡山市の代表駅で、ここから倉敷までは山陽本線に乗り入れている。

  • V 02 北長瀬
かなり豪華な駅舎のある駅。

  • V 05 倉敷
山陽本線福山方面、水島臨海鉄道水島本線(倉敷市駅)乗り換え。
線路名称上の起点駅だが始発・終着列車は1本ずつしか存在しない。

  • V 06 清音
井原鉄道井原線乗り換え。ここから総社駅まで線路を共有している。

  • V 07 総社
吉備線乗り換え。総社市の代表駅で特急が一部停車するほか、普通列車の一部が当駅で折り返す。
JRの駅は直営駅だが、井原鉄道の方は無人駅と1つの駅にもかかわらず有人駅と無人駅の2つの側面を持つ珍しい駅。

  • V 08 豪渓
景勝地「豪渓」の最寄駅ではあるが、北に約8kmほど離れていてバスは‥ない

  • V 09 日羽
数少ない高架駅。

  • V 10 美袋
「みなぎ」と難読。駅舎自体が登録有形文化財に指定されている。
なんと伯備線(当時は伯備南線)が開通した当初からの姿のまま残っている、歴史を感じさせる駅。

  • V 12 備中高梁
高梁市の代表駅で全列車停車。駅舎は市図書館とバスターミナルを併設している。
複線区間はここで一旦終了する。現存12天守の一つである備中松山城の最寄駅。

  • V 14 備中川面
スーパーやくも塗装と国鉄色やくものすれ違いが見られるということでオタが集結するように。
駅の前後に鉄橋が点在しており、撮り鉄に人気のエリア。

  • V 15 方谷
牛山氏の全国秘境駅ランキング184位。この駅の駅舎も登録有形文化財に指定されている。
駅名は幕末に活動した儒学者である山田方谷が由来となっている。

  • V 16 井倉
井倉峡への最寄り駅でかつては特急も停車していた。
ここから隣駅の石蟹駅まで複線区間が復活する。

  • V 17 石蟹
「いしが」と少し難読。

  • V 18 新見
姫新線芸備線乗り換え。
新見市の代表駅であるとともに津山駅・三次駅と並ぶ中国地方中央部の主要駅の1つで、特急・寝台特急を含めた全列車が停車する。
この駅で特急と一部の列車を除き運転系統が分断され、普通列車の本数が激減する。けど備中神代までは芸備線が運行しているため、そこまで実際には感じない。
またICOCAなどのICカード利用エリアは当駅で一旦途切れる。
駅ナンバリングもここまで。

  • 布原
牛山氏の全国秘境駅ランキング24位。
え、何でこの駅が?と思うかもしれないが、この駅は伯備線内にありながら伯備線の全ての列車が停車しない。
つまり伯備線に乗ったら永久につかない駅であり、この駅に降りるには芸備線に乗車せねばならず、事実上の芸備線の駅と化している。
日本全国の鉄道で唯一自路線内には存在しない駅、即ち飛び地駅である。
SL時代は屈指の撮影地(当時は駅が無く信号場だった)として知られ、地主がお立ち台の使用料を取って話題となった。

  • 備中神代
芸備線の線路名称上の起点駅。映画「八つ墓村」のロケ地でもある。

  • 足立
「あだち」ではなく「あしだち」。
石灰石採掘場と加工工場があり、ここから広畑の製鉄所まで三重連のSLで運転される石灰石列車がかつての伯備線の名物だった。

  • 新郷
牛山氏の全国秘境駅ランキング96位。岡山支社管轄はここまで。
当駅始発列車が設定されている。

  • 上石見
鳥取県最南端の駅。伯備線で一番標高が高い駅。
愛称は「にちなん高原の駅」。

  • 生山
日南町の中心駅。
島根県の奥出雲町横田地区へのアクセス駅としても機能し、半数程度の特急が停車する。ICカード使用可能。
ここから米子方面の普通電車が発着する為、運転本数が増える。

  • 根雨
日野町の代表駅で半数程度の特急が停車する。ICカード利用可能。

  • 武庫
1961年開業の伯備線内で最も新しい駅。また線内唯一の棒線駅。

  • 江尾
江府町の代表駅。

  • 岸本
伯耆町の代表駅。

  • 伯耆大山
山陰本線鳥取方面乗り換え。線路名称上の終着駅だが、全線米子駅まで乗り入れているので、今はただの途中駅。
米子市の駅だが日吉津村との境界が近く、同村へのアクセス駅を兼ねる。
王子製紙米子工場最寄り駅でもあり、そこまでの貨物線も伸びている。
因みにこの駅から米子まで山陰本線も複線・電化されている。

  • 米子
山陰本線出雲市方面・境線乗り換え。運転系統上の終着駅。
鳥取県唯一のアニメイトが存在する。


追記・修正は381系のカラーパターンを全部撮影した人がお願いします。

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