ザイバツ・シャドーギルド

登録日:2017/11/04 (土) 12:58:00
更新日:2023/11/30 Thu 23:51:30
所要時間:約 10 分で読めます





汚点は晴れやかに雪がれた!一丸となって、偉大なるロードに楯突く邪悪存在に鉄槌をくだすべし!ガンバルゾー!

(両手を高々と上げる!グランドマスター達もそれに和する!)

「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」
「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」

(おお、聴くがいい!地下空間に響き渡る禍々しきチャントを!おお……ナムアミダブツ……ナムアミダブツ!)

「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」




「ザイバツ・シャドーギルド」とはニンジャスレイヤー第2部における「悪の組織」。
通称は「ザイバツ」。漢字明記だと「罪罰影業組合」と書く。
首領はロード・オブ・ザイバツ
ソウカイヤとは宿敵というべき仲。






【概要】

ネオサイタマより遠く離れたキョート共和国(リパブリック)*1の重要文化財・キョート城を拠点とし、キョート政・財界を裏から掌握する暗黒秘密結社。
マフィア然としていたソウカイヤとは異なり、カルト宗教的側面も多分に含まれている。
キョート国内での影響力と支配力はソウカイヤを実際凌ぐ。
が、これはネオサイタマとは異なりキョート内ではザイバツに抵抗できる組織が皆無という側面が大きい。

「ニンジャソウル憑依者はニンジャミレニアム(千年紀)を支配する運命に選ばれしエリートであり、そうでない人間はニンジャによって支配されるべき下等存在」
という基本思想に基づき、ニンジャが人間を支配する「格差社会」の実現*2を最終目的とし、日夜キョートで暗躍を繰り返す。


組織構造

組織としての最大の特徴の一つが、ザイバツの例会にて「ガンバルゾー!」のかけ声と共に行われる暗黒儀式「バンザイ・チャント」
この儀式の時に手を挙げないのは、反逆の意思ありとみなされセプクに追い込まれかねない危険な行為である。

ザイバツ・ソウカイヤ・アマクダリの3組織の中では一番所属ニンジャの福利厚生が充実している
ニュービー(新入り)の待遇は低いものの、その時点から高価な装備の支給やキョート城の充実した設備の恩恵を受けられる。
城内に用意されたモータルの奴隷オイラン等も備品として使用可能。

しかし組織内では徹底的な階級・ネンコ(年功序列)至上主義が蔓延っており、組織の方針は保守的。
そして当然ながら下の階級の者は上の階級の者に逆らうことは許されない。
階級が上がると待遇が良くなる代わりに死亡リスクも増すソウカイヤと異なり、構成員は上位階級に上がれば上がるほど死亡リスクが低下していく。
「危険な任務は下位階級のニンジャに鉄砲玉めいて押し付けるもの、出来損ないはトカゲの尻尾切りのように切り捨てるもの」
これががザイバツの常識なのである。
そのため階級を上げない限り上司や幹部間の派閥闘争の思惑に呑まれて理不尽な死を遂げることも少なくない。
下に堕ちれば死のリスクが一気に増すことも組織風土が保守的に凝り固まる原因と言える。

ならばとっとと成果を挙げて階級を上げればいいと考えるのが普通であるが、昇級の条件として
  • ニンジャとしてのワザマエ
  • 組織あるいはグランドマスターにとって役に立ちそうだったり、純粋に珍しいジツの有無
  • ネンコと上司からの覚えの良さ
  • 人材育成能力
  • ワビチャやハイクといった礼儀作法を理解し、こなせるだけの知的教養
  • 自分が所属するグランドマスターの派閥
  • グランドマスター間での政治的駆け引き
などの要素が絡んでくるため、ソウカイヤのようにただミッションをこなし実績(イサオシ)を挙げているだけでは昇級は絶対不可能
政治的思惑を無視して独断専行したり露骨に昇級を催促しようものなら、当然グランドマスターやマスターから目を付けられる。
その後に待つのはムラハチやケジメ、刺客を送り込まれての『不慮な死』であることは容易に想像できるだろう。
逆を返せば、例えカラテに乏しく無能であっても、上司に媚びへつらったり覚えが良ければ上位階級に上ることも可能ではある。

かのダークニンジャはザイバツ入りして早々に飛び級で懲罰騎士(≒マスター位階)になっている。
が、これは卓越したカラテを備え、古事記にも深く精通したダークニンジャが高難度のミッションをこなし、古代から伝わる複雑怪奇な礼儀作法をグランドマスターそしてロードの目の前で完璧な精度で披露してようやくもぎ取った成果である。
さらに政治的駆け引きに心を砕き、グランドマスターの一人に取り入って後ろ盾を得ていたことも大きな要因。
並のニンジャにはまず不可能な芸当と言っても過言ではない。


弱点

これまでさんざん説明してきた通り、組織内の派閥間紛争が激しいことが大きな弱点。
上層部の保身・事なかれ主義が強く、組織そのもののフットワークも基本的に鈍重である。
また、モータルやザイバツ以外のニンジャ組織を徹底的に見下しているせいでそういった勢力を軽く見ている傾向が強いところも、ニンジャスレイヤーとその仲間たちにとっては絶好の隙となってしまった。

外部組織との提携すら乗り気ではなく、深い協力関係を取らないというスタンスを徹底している。
このスタンスや外注の人員や設備を用いることを忌む風潮もザイバツの「フットワークの重さ」という欠点をより悪化させてしまっている要因。
サイバネを忌み嫌う風潮も強く、ソウカイ・ニンジャとは違ってサイバネ技術に手を出すニンジャは少なく、仮に手を出せば出世の道は遠のいていく*3
一応配属部署や任務の都合上サイバネ手術を施した者もいるので、一概に「何らかのサイバネ手術をしている=出世は望めない」というわけでもない。

一方で世渡りや政治的駆け引きに優れている人には極めて過ごしやすい組織。
他の組織に対して歴史的優越感や強い組織一体感を味わえる、ウェットな人間関係、派閥内の強力なネットワークなどが魅力の一つである。
ニンジャを絶対視する選民思想を持つ者も適正は高い。


【戦力面】

上ではデメリットばかり書いたが、ニンジャの質は質・量共にソウカイヤ以上。
マスター以上の上位位階のニンジャは一部を除けばいずれも実力者揃い。
もしソウカイヤと正面衝突すればザイバツが勝利すると原作者自らが断言している*4

組織内では位階制度が導入されており、「グランドマスター」「マスター」「アデプト」「アプレンティス」の4階級が基本。
徒弟制度も取り入れられており、実習生であるアプレンティスにはアデプトまたはマスター位階のニンジャが師匠(メンタ―)として付く。
そして彼らからザイバツ・ニンジャとして必要な各種インストラクションを受け、共に任務をこなしていくことで一人前のアデプト位階に上がっていくのである。
このシステムによりニンジャの質の水準は非常に安定しているだけでなく、上司や組織への忠誠心向上も図られている。

逆に禁忌を犯した者や性格・精神状態に問題がある者、上層部に疎まれている者などは例えカラテや能力があろうとも低い地位を与えられる。
度が過ぎると危険な任務の遂行を命じられる、最悪心身に厳しいケジメを与えられるなどの冷遇が発生する。


【組織内階級】

ロード・オブ・ザイバツ(大君主)

ザイバツの、そしてニンジャ千年王国の至上絶対支配者。
その正体は謎のノーレンに包まれており、故意・過失問わず少しでも触れてしまった者は自我さえも抹消される。


グランドマスター(棟梁)

ザイバツの最高幹部階級であり、実質的なザイバツのトップ。
皆一様に凄まじいカラテの持ち主で占められているだけでなく、知的教養も完璧な文武両道の怪物。
ニンジャスレイヤーをも倒す、あるいは爆発四散寸前まで追い込んだ者も実際多かった。


マスター(大師)

上級ニンジャ階級。部隊や作戦の指揮官・行動隊長を任せられることが多い。
ニンジャとしての実力だけでなく、礼儀作法など戦闘力以外の面も重要視される。
有能なジツや素質を持つアプレンティスを直接取り立てて弟子にする者もいる。
この位階にあるニンジャのカラテ水準はかなり高く、ニンジャスレイヤーと互角以上に渡り合える猛者もたくさん登場した。
……だからこそ、どうしようもないクソアホクズが出てきた時にそういう奴が悪目立ちしてしまうわけだが。


名誉位階

マスター位階から派生した特殊階級。
この階級に就いた者はマスター位階ニンジャと同等の権力を持っていると見做される。

バイオサイバネ強化処置を受けた4人の幹部候補生に与えられた名誉位階。
設立者であるトランスペアレントクィリンが離脱したため、現在は冷遇されている。

  • 懲罰騎士
著しい素行不良者やキョート国内をうろつく野良ニンジャを粛清する名誉位階。
組織内を整理する秘密警察的ポジションだが、当然ながらグランドマスターの派閥抗争の煽りを受け、無茶振りを強いられることもある。
2部ではシテンノの1人・ブラックドラゴンとニンジャスレイヤーの宿敵ダークニンジャが所属している。

  • 執行者
懲罰騎士と同様に、ザイバツ・ニンジャの内部粛清を担当する名誉位階。
しかし所属するメンバーがメンタリストだけな上に、所属する彼自身が「不吉の象徴」と恐れられるなど、相当な闇を抱える位階である。

  • 礼拝堂守護
キョート城上層階に続く礼拝堂の守護を担う名誉位階。
所属は尼僧ニンジャ・ディグニティのみだが、マスター位階を含む複数の守護ニンジャが礼拝堂までの道の警護を行っている。
ロードと死んでいった者含むすべてのザイバツ・ニンジャの安息のために日々、祈りを捧げるのがディグニティの役目のようだ。


アデプト(達人)

下級ニンジャ階級。ショッカーで言う今週の怪人的ポジション。
ザイバツ構成員の大多数が所属する位階で、主に上位位階ニンジャからの命令や指揮に従い、ミッションや戦闘に従事する。
下級なので実力自体はそこまで高い面子はいない。
しかし中には派閥抗争の影響で冷や飯を食わされこの位階に収まっているマスター位階に匹敵する油断ならないカラテの持ち主も含まれる。


アプレンティス(実習生)

実質ニュービー・ニンジャ専用の階級で、一部の例外を除けば基本的にザイバツ・ニンジャはこの階級からスタートする。
外部での実任務の実習をすることもあるので、運が悪ければ容赦なく死ぬ。





【2部完結後】

キョート城最終決戦の末にロード・オブ・ザイバツ討伐を果たしたダークニンジャが首領の座に収まったことでザイバツは再編された。
そして、その過程でザイバツの本拠地であったキョート城はオヒガンと現世の狭間に挟まれ、そこに留まっている。

組織風土としては派閥構造や年功序列制度が廃され実力至上主義にシフト。
キャリアに劣る者が他を差し置いてチームリーダーに任じられるなどフットワークの低さや風通しの悪さは大幅に改善された。
位階制度こそ残っているがそこまで重要視されてはいない。

エンブレムは「砕けザイバツ紋」。書籍版では、ザイバツ紋に大きく×印がされている。

ただし反ダークニンジャを掲げる旧ザイバツの反乱分子「災禍忍軍」も極少数ながら城内に留まっている。
狭間に位置するキョート城の物理的な歪みから作り出された幻夢的空間に潜伏、自給自足の生活をしながらダークニンジャに抵抗を続けていた。
しかし後にダークニンジャ派の手により首領であるメイルシュトロム諸共一掃され壊滅した。


【余談】

眼のような意匠のザイバツ紋や、マスター、グランドマスターの位階制度などから、
モチーフはフリーソーメン……じゃなかった実在の秘密結社フリーメーソンという説がある。


ガンバルゾー!

(パラゴンは恐るべき速度で追記・修正した後両手を振り上げ、バンザイして叫んだ。ニンジャ達は一斉にバンザイし、唱和した。)

「ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!」
「ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!」
「ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!」
「ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!」


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最終更新:2023年11月30日 23:51

*1 忍殺世界では京都は独立国扱いとなっている

*2 英語版では「Shi-No-Ko-Sho」を組織の理念として掲げているとのことだが、差別的な意味を持つ言葉なので「格差社会」に置き換えられている。

*3 ただし例外的に、IT関係のスキルを持つ場合は専門の部署に所属した上でマスター位階にのし上がれる。

*4 しかし「無傷無血でというわけにはいかず、ザイバツ側にも相当の被害は出るだろう」と見込まれている。そのためソウカイヤとはマルノウチ抗争が終わった直後に不可侵条約が結ばれた。