悪魔(魔界戦記ディスガイア)

登録日:2017/11/23 (木) 16:42:57
更新日:2024/11/21 Thu 22:13:02
所要時間:約 6 分で読めます




この項目では魔界戦記ディスガイアシリーズと深く世界観を共有するファントム・キングダムの悪魔についても触れる。
また、各作品の重大なネタバレを含むので、未プレイの方は閲覧注意。






主に魔界に生息する種族。大きく分けて戦士魔法使い、僧侶といった人型キャラと、
妖霊族、猪人族、邪竜族といった魔物型キャラの二種類が存在するが、どちらも悪魔ということには変わりない。
プリニー(罪人の魂が贖罪中の姿であり厳密には悪魔ではない)になり損なった魂から変質した』という説を持つ妖霊族や、
どう見ても悪魔っぽくない聖竜族が悪魔としてカウントされていることからわかるように、種族としての定義は非常に曖昧。
敢えて定義するなら、「魔界に住む人間、天使以外の知的生命体全般の総称」というところだろうか。

実際人間や天使が悪魔、あるいはそれに相応する存在になることは可能で、サロメとシードルは死後に紆余曲折を経て、
ヴェルダイムの人間たちは偽ゼノンの呪いによって、アルマースは称号を「悪魔見習い」に変えただけで悪魔化した。
ラハールの母は修行のために魔界へやってきた人間の魔女だが、人間をやめていたかどうかは不明*1

寿命は人間に比べてはるかに長く、1000年生きた程度ではまだまだ子供として扱われる。
アクターレヴァルバトーゼへの周囲からの対応を見る限り、少なくとも2000歳を目安に成人としている模様。
ぶっちゃけ、「人間の年齢×100≓悪魔の年齢」というイメージで大体合っている。
しかし実力主義社会でもあるため、3歳で父親の魔界を奪ったプラムのように、インパクトのある実績があれば若くてもある程度は認められる。


とりわけ力のある悪魔は『魔神』、魔界を統べる者は『魔王』、複数の魔界を統べる者は『大魔王』、やり込みの最果てに立ち塞がる者は『超魔王』と呼ばれる。
総じてパワーインフレが激しく、ドラゴンボールの世界観にもついていけるレベルである。惑星とか宇宙とかがしれっと壊されているなんてこともザラ。
ただし魔王の称号を得る上で、自身の統治する魔界があることは厳密には必須ではなく、
実際、大魔拳ゴルディオンやただのアホ魔帝ロイヤルキングダーク3世などのように、自身の統治する魔界を持たない魔王もいる*2

ラハールとバイアス中ボスは翼を衣類に変化させることが可能で、この二人は実質的に上半身裸。
猫娘族に至っては、魔界戦記ディスガイア2にて、呪いによって猫娘族になってしまったホルルト村の住人の発言により、実質的に全裸だったことが判明した。
やっぱりフェリシアじゃねーか!

性格は基本的に破天荒かつ型破りで刹那的な快楽主義者が多く、悪行を好み、悪事を働くことを推奨する悪魔と呼ぶにふさわしい価値観を持つ。
「極悪非道」「卑怯者」などは褒め言葉として扱われ、何かしらの罪を犯して「前科」がつくのは名誉なことであるとされる。
ただ、一口に悪行を好むと言っても世界滅亡とかやらかす者から、ちょっとしたイタズラで満足してしまう者まで様々。
魔界戦記ディスガイア3では舞台が学園なのもあって、悪逆非道・傍若無人な者を『優等生』、逆に品行方正・清廉潔白な者を『不良』としており、善悪の概念は完全に逆転してしまっているようだ。
しかし、それゆえに悪魔たちはどこまでも自由で陽気で毎日を楽しく生きいるとも言え、その様は時に人間よりも人間らしく見えることもある。

なお、マオは当初「悪魔は孤独を大切にするべし」と語っているが、これは大きな間違い。
彼らの悪魔的な楽しい生活は他者との交流があってはじめて成立するものであり、孤独は悪魔にとってむしろ最悪の状態なのだ*3
1000の魔王を虐殺し、『魔王神』の称号を欲しいままにしていたゼノンですら、孤独には勝てず何も知らぬ少女に転生してやり直す道を選んでいる。





☆悪魔に愛はあるのか?

おそらくシリーズのテーマの一つ。
結論から言うと、ディスガイアシリーズおよびファントム・キングダムの悪魔に愛はある。
しかし、悪魔たちにとって『愛』はやはり縁遠いものであるらしく、何らかの愛情に目覚めていてもそれを自覚していない、もしくは認めてない場合が多い。

例としてエトナをあげるが、彼女は死んだペットのお墓を作ってもらったことがきっかけで、
クリチェフスコイに対して強い敬愛を抱くようになったが、そのことをあまり自覚していない。
ディスガイアの追加シナリオ、エトナ編のエンディングでは、彼女は『結果的に自分がクリチェフスコイの遺言をかなえることができなかった』という事実を知り涙を流すのだが、
クリチェフスコイへの愛を自覚していなかったエトナはなぜ自分が泣いているのか理解できずに動揺してしまう、というシーンがある。

また、愛ゆえに味わう悲しみや苦しみになれておらず、一度それを味わってしまうとヤケを起こして激しく怒ったり、どこぞの聖帝よろしく『愛』全般に否定的になってしまう。
これはラハールが典型的な例。

ディスガイアシリーズおよびファントム・キングダムの悪魔が愛に目覚めるきっかけは主に、

①人間(元人間も含む)と深く交流する。
②①が可能な環境を含めた、通常の悪魔とは異なる環境で育つ。

の2つがある。歴代主人公(ファントム・キングダムの主人公ゼタも含む)は①がきっかけになっていることが多い。
わかりやすく、かつ極端な例はアデル
彼はそもそも自分が悪魔であることを知らず、孤児である自分に家族として接してくれた人間たちが呪いで苦しむ光景を目の当たりにしながら育ったことにより、
多少好戦的すぎる面もあるものの、正義感が強く義理人情に篤い熱血漢という、シリーズで最も悪魔らしくない悪魔へと成長した。


上記のきっかけを経ているかどうかは不明だが、クリチェフスコイ、コガネスキー、ミッキー、ペタなど最初から優しさや愛を理解している悪魔や、
ラズベリルのように自発的に善行を積むようになった悪魔もごく少数ながら存在する。
彼らは自分の生き方を恥じることがほとんど無い。
他の悪魔からも変わり者扱いはされても迫害されるとかそんなことも無く、それどころか慕われていたり何らかの影響を与えていることが多い。

以上のことから、ディスガイアシリーズおよびファントム・キングダムの悪魔は、
『悪いことをする』のではなく『善悪関係なく自分のやりたいように自由に生きること』を重視しているようだ。

しかし、それゆえに非道な行いを平然とやってのけることもできる。
初代ディスガイアでゴツい天使天使長ブルカノが独善的な暴走を行ったのは、かつて彼が悪魔の邪悪な行いを目撃したことが遠因となっており、
結局のところ初代ディスガイアでのすべての元凶は『悪魔』だったのである。



最後に、比較的無害な悪魔を何名か記載する。
もしこの項目を読んでいるあなたが魔界に行ってしまうようなことがあれば、生き延びるために彼らを頼るのも手だろう。


◆ディスガイアシリーズ

○ラハール
初代主人公。『魔界が人間の血で汚れるのが嫌だから』という理由でまず人殺しはしない。
ただし結構な寂しがり屋なので気に入られすぎるとどこぞの地球勇者のように家来にされてしまうので注意。

○アデル
二代目主人公。上述の通り悪魔らしさ皆無なので一番安全な悪魔。

○ロザリンド
アデルの嫁。17年間本当の意味で箱入り娘だったため、あまり悪魔っぽくない思考の持ち主。

○ラズベリル
3のライバルポジションの一人(ヒロインはアルマース)。魔界一の不良で基本的に善行しかしない。ピントはずれているが。

○ヴァルバトーゼ
4の主人公。悪魔らしからぬ真面目で大人な人格の持ち主であり、頼られると嫌とは言わないお人好しな部分もある。

○キリア
5の主人公。一見クールで取っつきにくい印象があるが、実際は非常に穏やかで心優しい性格。
昔は大分荒れていたらしいが、そんな印象は微塵も感じさせない。

○ウサリア
兎兎魔界の若き魔王様。平和を愛する悪魔の理想郷を統治する魔王だけあって、とても温厚で純真な性格。
運よく彼女の協力が仰げれば、かなりの助けになるだろう。

○ピリリカ
7のヒロイン。彼女の出身のワヘイ魔界は人情味溢れた平和主義者ばかりの魔界らしい。


◆ファントム・キングダム

○ヴァルヴォルガ
上述の悪魔将軍ミッキーと、堕天使オルフェリア、凶獣ドライゼンからなる三位一体の魔王。『邪神』の称号を持つ。
意思決定権はあくまでもミッキーにあるため、ほか二人は怖いことを言ってるだけで基本的に何もしてこない。当のミッキーがヘタレなのが難点か。




追記・修正は悪魔を愛に目覚めさせてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 魔界戦記ディスガイア
  • ディスガイア
  • 悪魔
  • 日本一ソフトウェア
  • ファントム・キングダム
  • 魔神
  • 魔王
最終更新:2024年11月21日 22:13

*1 ただしラハールは悪魔と人間のハーフと作中で明言されているため、少なくとも彼を懐妊した時点では人間であったことは間違いない

*2 もっともゴルディオンの場合は実力に加え、悪魔離れした高潔な精神から「心に魔界を宿す魔王」と呼ばれるがゆえであり、ただのアホとは比較することも憚られる人物なのだが。

*3 そもそもこの価値観自体、悪魔に甚だしい偏見を抱いた邪悪な人物が、マオを「理想的な」悪魔に育てるために吹き込んだものである。