バロン(冒険王ビィト)


登録日:2018/03/25 Wed 00:07:00
更新日:2024/04/14 Sun 21:21:20
所要時間:約 12 分で読めます





私の目当てはビィト…おまえだけだ

倒しがいのない人間には興味がないのでね…
門の中の心配なら無用だよ

お前が万全でないのならば時と場所を改めてもよいが…
見たところ大きな負傷もない…仲間もいる…

この場で…始めてもかまわんかな?

では…いかせてもらう…!


バロンとは、冒険王ビィトに登場する敵「魔人(ヴァンデル)」の1人。
CV:田中秀幸



【概要】

伝説級の存在とされる七ツ星魔人の1人で、ベルトーゼと並ぶ武闘派の筆頭格とされる魔人。
ビィトの宿敵とも言えるベルトーゼがまだ五ツ星だった頃(3年前)から七ツ星であった。
二つ名「天空王」「バロン卿(サー・バロン)

ビジュアルは鳥の頭を模したような仮面を常につけているマントを羽織った騎士のような姿。
すごいパーマンかバードマンみたいな姿。

カリン塔みたいな高い塔を住処としており、ここで座して瞑想することも。
魔物購入しない代わりに住居建築に魔札を使ったのかもしれない。


【人物】

それぞれ強烈な個性はあるものの基本的に、「卑劣」「狡猾」「残忍」「邪悪」「粗暴」「残虐非道」な性格が目立つ魔人という種族にありながら、その性格は強敵との戦いを望みながらも、正々堂々、真っ向からの全力のぶつかり合いを至上とする高潔な武人。
それ故に策謀や罠、無駄な争いは好まない。
弱者とは自分から戦おうともしなければ虐殺することもせず、強者には万全な状態かどうか見定めてから戦いを挑む。

その高潔さと高い知性、礼儀正しさは魔人をクズぞろいと評するグリニデも認める所であり、彼の存在を「究極に知的な存在」「別格」と賞賛していた。
ガイドブック『グランドアドベンチャー』では、「武闘派の双璧として挙げられるベルトーゼの粗暴な行いに比べ、バロンの行動には彼の哲学が感じられ、敬意を払うに値するものがある」とベタ褒め。
「バロン卿」と言う二つ名は彼と戦って敗れた人間がその高潔さを「(サー)」と讃えたことから付いたあだ名であり、同じ七ツ星である魔人博士ノアはバロンに敬意を払って敬語で接している。

強者と言えども自分勝手に振舞う輩は嫌いらしく、仲間を騙して捨て駒にしつつ自分勝手に逃げだした連中*1は制裁として後ろから撃ち抜いていた*2
戦闘狂であることはベルトーゼと変わらないが、
  • 魔人との闘いはなるべく回避
  • 敵の止めには拘らない
  • 勝利のためでも卑劣な真似はしないし、嫌う
  • 戦うために挑発はしない
などの差異から『惨劇の王者』とは色々と別物。

一方で高潔さの反面「星を稼ぎたい」などといった名誉欲は希薄だが、星を集めることも否定していない。
武闘派らしく強者との戦いを何より望む気質、そしてなにより自身の圧倒的な強さもあって、悪く言えば無自覚な傲慢さと慢心を抱えており、見込みのある人間は再戦・強くするためにわざと見逃したりと舐めプにも見える行為を平気で行うのが唯一の欠点と言える。
しかし、それは同時に星稼ぎ以上に彼の戦う意味にも繋がっていて、敗北を確信しても戦いを楽しめたことでむしろ満足するほどに徹底しており、如何に相手が脅威であろうと変えることは難しい。
後述するが、その魔人らしからぬ在り方は彼の底知れない強さを生み出してもいる。

魔人の中では異質で異端すぎる性格や高潔な態度から変人であることは魔人の世界において共通認識の様で、その態度をスカしているとして嫌う魔人も居る。
なお、魔人博士に「私とて人間との闘争欲求には素直」「君の生き方は辛いぞ」の様なことを言っていることから、魔人には基本的にその様な本能が備わっているのではないか?ということもうかがえる。


ザンガ


今日のこの夜だけは…気高く堂々たるバロン卿(サー・バロン)はいない…!

いるのはこのオレ様があやつる…
悪魔のバロンだけだっ…!!

バロンの額に存在する第二の貌。
正体はバロンの強大すぎる力を制御するための補助頭脳の役割を果たす自我を持つ臓器のような生命体。

生まれた時からバロンと一つの肉体を共有しており、月に一度の「赤い月の夜」に主人格であるバロンは休眠状態に陥るため、その間はザンガがバロンの肉体を制御している。
また肉体に多大な損傷が発生した時もザンガが肉体の主導権を握る。

性格はバロンとは正反対で、言動含めて他の一般的な魔人のように非常に残忍で下劣。
中年男性或いは老人のような人格で自らを「バロンの知恵袋」「育ての親」と自称し、バロンを坊や(ボーイ)と呼ぶ。
バロン自身もザンガの「親心」のようなものを認識しつつも、それを時に疎ましくも思っている奇妙な疑似親子の関係を築いている。
礼儀正しさや正々堂々とした武士道精神は皆無で容赦なく、結果的にバロンとは異なり傲慢さや慢心の類は非常に薄い。
七ツ星の片割れだけあってか、よくある魔人のように人間を侮り舐めてかかるようなそぶりもなく、ビィトの潜在能力を瞬時に見抜いて危険視。
早急に潰すことを望むなどバロンの悪癖を戒める役目も果たしている。

高潔とは程遠い魔人らしい残虐な性格で普段の言動もかなり品がないためか、普段バロンはザンガを人間にも魔人にも、見せも喋らせもせずに秘密にしている。
魔人の中でも礼儀正しく戦いたくないと言っている博士には特に見せたくなかった模様。
博士と一緒にザンガのことを知ったヒスタリオはおっかねぇと評しつつも、残虐な面、あるいは裏の顔を隠していたことをかえって気に入っていた。

ザンガの目的は「バロンを最強の魔人にすること」ただ一つのみ。
目的のためには非道な行為すら平然と行い、自身が肉体の主導権を握る「赤い月の夜」になると、他の魔人達と同じように嬉々として弱い人々を虐げ、破壊と殺戮を引き起こすことで星を大量に稼いでいた。
これこそがサンクミールと呼ばれる地域に古くから言い伝えられてきた「赤い月の夜」と呼ばれる伝説の元凶であり、サンクミールでは「赤い月の夜の間は外に出てはならない」と恐れられてきた。

欠点はその通常の魔人と同等のメンタルによって行動が読みやすいため、ヴァンデルバスターとしては素直で戦いやすい相手であり、しかもバロンほど体の操作が上手くなく、機転も利かない*3
バロンの肉体スペックが圧倒的であることからこれに頼った戦い方をしてしまうなど、戦士としては優れていない。


【戦闘能力】



ビィト「な…なんなんだよ こいつの強さ…!

“上には上がいる”とか…
そういう次元の話じゃねえ…っ!!」

邪魔をするのならば思い知ってもらうしかあるまい
魔人(ヴァンデル)の王の実力というものを!

現状文句なしに最強クラスの魔人。
特異な固有能力こそ持たないが攻撃、防御、冥力の全てにおいて優れているため能力に隙がなく、ビィト達がそれまで倒した七ツ星が特化型だったことに対して、彼は全てがトップクラスの万能型である。
作中においても身体能力・技術・冥撃のいずれにおいてもビィト達を終始圧倒している。

具体的には体術でバスターを圧倒し、魂が完全にはこもっていない才牙も難なく破壊でき、剣技も片腕の腕力が半減してようやくビィトがまともに相手できる程。
下手な攻撃では彼の立ち回りに対して傷一つ付けられず、そもそも一方的に攻撃出来るように特殊能力抜きで立ち回れている。
更に天空王の名の通り空も自由自在に飛べるため機動力も凄まじい。
魔奥義使用中も特に制限なく動き回れるのでおよそ隙が無いどころか、一人でも強力無比な連携攻撃が出来る。

精神的にも終始安定していて冷静に立ち回っており、上記の
  • 有望な相手の成長を見込んで見逃す悪癖
  • ザンガが完璧に「バロン」の肉体を使いこなせない
という2点以外、真面目に明確な弱点がない。
悪癖についても魔人らしからず殺意が漲っていないことに繋がっており、相手からすると底が見えない要因の一つにもなっているため、必ずしも短所になっているわけではない。
その経歴からバスターと非常に戦い慣れており、ブロード・バスター達&己と互角に戦える翼の騎士で構成されたPTをまとめて相手にしても歯牙にもかけない実力を誇る。

単純な肉体の耐久力だけは際立って高いわけではなく(大抵は避けるか相殺するかでまず当たらない)、ヒスタリオの氷系統とおぼしき魔奥義やキッスの氷の天撃を奇策によってまともに受けた際にはダメージを受け、とくにキッスの氷の天撃には解凍後もしばらく腕の力が半減させられている。
これに関しては単にグリニデなどの耐久力が異常すぎるだけと言えるだろう。
事実並みの魔人なら圧縮された大気に押しつぶされるBB(ブロード・バスター)カルロッサのヘヴンズスウィンガーに対しても動きを封じられる程度で済む防御力は有している。
上記のヒスタリオの魔奥義も刺さった剣が抜けずに少し困りはしたが、その状態のままでなおバロンよりも弱いザンガがいくら不死性が真価とはいえど同じ七ツ星のヒスタリオを完封した(ヒスタリオに忠告していた辺りザンガが勝つとバロンも予想していた)ので防御力だけでなくタフネスも高位魔人相応である。

なお「天空王」の異名を持ち空中戦も得意としているが、地の冥力を操る魔人という事で地上戦ももちろん得意である。
彼の異名にばかり気をとられていると思わぬ不意打ちを受けてしまう事になる。

◆技

  • 天烈掌(てんれつしょう)
掌から光とともに冥力の衝撃を叩き込み、相手を吹き飛ばすシンプルな技。
複数相手に精密射撃することも可能。
描写から察するに当たって吹き飛ばされてもしばらく影響が残る模様。
風属性らしく、風の防御術で軽減・相殺出来る。
バロンにとっては対戦相手の力を試す小手調べの一撃であり、即座に放てる低威力のこれに耐えられないようならば戦力外、自分と戦うに足らない事になる。
正真正銘小手調べであることはビィトや若手のBB達は多少ダメージを喰らったものの、キッスとカルロッサは吹き飛ばされはしたがほぼ無傷だったことからも分かる。
…と言ってもビィトに関しては「咄嗟に風の防御術で防がなければ死んでいた」と戦慄しており、通常武器では最高硬度のゴールデンカフスも難なく砕き、まともに受けてしまったポアラは瀕死に追いやられている。
このように並のバスターでは彼とまともに刃を交える土俵にさえ立たせてもらえない。
また、BB&翼の騎士たちの足場を崩して全員の体勢を崩した技もこれ、あるいは近しい技と思われるため、強者であっても油断できない技である。


  • ミーティアルシャイン
強敵にはそれにふさわしい工夫が必要だ


バロンの魔奥義。
数十もの「冥光球」と呼ばれる光輝く球状の冥力の塊を具現化し多数操作。
流星のごとく降り注がせて広範囲を爆撃する。
弾道を自在にコントロールできるため、単純な広域爆撃以外にも時間差を付けて撃ち出したり地中を掘り進ませて奇襲を掛ける小技も使えるなどシンプル故に応用力も高い。
回避不能なほどの弾幕を張れるのに、一発一発が建物を破壊出来る程の爆発力を有する。
もっと言えばグリニデの猛攻を受けても破損することなく耐え抜いたクラウンシールドを紙のように貫通してしまうほどであり、異常な高威力である。
しかもバロンのスペックの高さから連発可能で、連発しても平然と戦闘を継続している。


  • ミーティアルウイング
バロンの最後の魔奥義。
背中に広げられた3対6枚の冥力で出来た光輝く羽が強靭で鋭い刃に変化。
空中を縦横無尽に飛行しながら高速で自動追尾し、全方位から敵を切り刻む。
分かりやすく言えばGNファング

一度発射すれば最後、あらかじめ命令された対象を滅ぼすまで刃は止まらず、さらに状況に応じて翼そのものが爆発を起こす。
硬度もかなりあり、ミーティアルシャインと違って誘爆させることは困難。
魂を込めた才牙による一撃でもなければせいぜい弾く程度しかできない。
更に手に取ればバロン自らが振るう剣に形を変えるまさに万能武装。
手に取って冥力を込めればより強度が増すらしく、これにバロン自らの力(片腕の力半減中)とが相まって、成長を遂げたエクセリオンブレードでもゼノンウインザードを使わなければこらえるので精一杯となる。

ただし翼自体はオートで動くため独立した判断力はないこと、体に収めていなければ命令できないため、バロンが命じた命令を誤認してしまうと機能不全に陥るという2つの点が欠点。


【物語での活躍】

◆過去

約2年ほど前、キッスが所属したエリート戦士団と遭遇。
戦士団を圧倒し、彼らは「強敵と会ったときは尻尾切りの捨て駒を見捨てて逃げる」という、知られざるいつもの手段でキッスをけしかけて逃亡しようとする。
キッスはリーダーの「キッスが攻撃して隙を作り、そこを全員で総攻撃する」という言葉を信じて仲間のために恐怖を振り払ってバロンに挑むもいなされ、それを尻目に蜘蛛の子を散らすかのように戦士団が逃げていく姿を見て絶望。
キッスは死を覚悟したが、バロンは逃げていく戦士団のみを殺害し*4、キッスを見逃した。



仲間のために危険を冒し
身を投げうったその勇気に免じて
今回だけはおまえの生命(いのち)を助けよう

逆に勇気の無い行動をとった
あの者達には死を与えた

…その拾った生命(いのち)で再び私に挑むのも良し
戦いを恐れて隠れ生きるも良し
好きにしろ…

あまりに穏やかな声で語りかけてきたバロンの声はキッスにとって「神の声」のようにすら感じられ、戦士団の裏切りは人間不信にもつながり、「魔人の方が約束を守ってくれる」と魔人グリニデに逆らう気も起こさず仕える一因にもなった。


◆サンクミール編

ビィト争奪戦では二番手となり、サンクミールに立ち寄っていたビィトを桁違いの実力で圧倒。
その将来性を見込んで見逃そうとするが、三番手のヒスタリオが自分の順番を得ようと介入してきたために乱戦に陥る。


…やめておけ…
…どうなっても…私は知らんぞ…!


…やれやれだぜ 
せっかく慈悲深い忠告をもらったのになぁ
グヒヒヒッ…!ちょっとはゾンビ小僧に
似合いの恰好になってきたじゃねェか…!!
…不死の身体ってェ奴がどこまで細かく砕けるか…
生体実験してやるよォッ!!!


結果「赤い月の夜」を迎え、意図せずザンガに肉体を明け渡すと、ザンガはそのままヒスタリオをバラバラに引き裂き解体。
更に消耗しきったビィトを確実に始末しようとするが、解き放たれたボルティックアックスの「魔技」の前に撤退を余儀なくされる。

大ダメージを負いながら撤退に成功したものの、その潜在的な底力に恐怖し警戒心を極限まで露にしたザンガは、バロンに一度だけ流儀を曲げてビィトの抹殺を懇願。
意識の無い間に肉体を激しく傷つけられたことでみずからの慢心と甘さを悟ったバロンは、その頼みを受けて消耗しきって行動不能となったビィトの抹殺に向かう。


ビィトの将来性をただ魅力的としか思えなかった私は…
おまえに比べ慢心で目が曇っていたかのかもしれんな…

安心しろザンガ ビィトを今葬る事により
我が甘さをも同時に断つ!!

(……ありがとよ!それでいいんだ…!
それでこそ魔人(ヴァンデル)の王だぜッ!!)

このまま突っ込んで建物ごとブッ飛ばせ!!
ハデに決めようじゃねェか!
八輝星到達の瞬間をよオォォッ!!!


2人の絆と仲の良さが垣間見えるシーンであり、魔人視点では自己防衛のためにももっともな行動であるが、人類にとっては悪逆非道で完全無欠の魔人になった瞬間である。
なお紳士的な心を失ったわけではなく、非力な住民を締め上げて情報を収集したが殺してはいない。

ビィトへの攻撃を阻止すべく、翼の騎士も加入したブロード・バスターのPTを単騎で終始圧倒し続けるバロン。
しかし再度復活を遂げ、さらなる成長を見せるキッスに苦戦し、ビィトも復活したことで目的の抹殺は達成できなくなり、彼らの絆の前に敗北したことを認めた。

とは言えこの日に決着をつけようとする意志は変わらず、改めて正々堂々と戦うことを決意。
ビィト抹殺を優先したために手負いではあったが、それでもビィト・キッス相手に互角に立ち回る。
しかしビィトは以前より実力を増していたが底力を出せていなかったために、決定的場面で止めを刺さないなど、「悪癖」が露出する。
これは愚かな行為だと承知の上で、彼らが自分に戦いの充実感を思い出させてくれたため、真摯に戦いたいと望んだためである。
その中で初見でキッスがミーティアルウイングで死ななかったどころか、余力を残した上でその弱点まで見抜き、この激闘の末に見事な連携を決められ、致命傷が予測される状況下で敗れても本望という心境に至った。
それを見かねたザンガは密かに増殖して体を伸ばし、ミルファを人質にすることで回避。
更に「自分だけが生き残る」と称してバロンの精神を完全に消し去って肉体を強引に強奪。

ビィト達は大技を外すのが精一杯でキッスは天力を使い果たしてしまう中でそのままビィト達の抹殺を目論むが、
  • ザンガは戦うという意識ではなく、そしてビィトの力も油断しなかったためローリスクのミーティアルウイングによる遠距離攻撃に頼りすぎていたこと
  • ビィト側は翼の騎士の補助を受けて攻撃を回避し続け、最終的にこの時出していたエクセリオンブレードが実は自身の才牙であることに気づき、自身の新才牙の性質も完全に把握したこと
この2つの要因を受け、圧倒的有利だったはずのザンガは自身の攻撃パターンをビィトに見切られていき徐々に追い詰められていく。
それでもなおザンガはミーティアルウイングを攻略されているのを見ても戦法を全く変えなかったため、羽をあらかた失い(羽は不滅だが、復活させるには一度戻す必要がある)、そのまま肉体を切り裂かれ逆転の後に敗北した。

ザンガの致命的敗因。
それは『天空王バロン』の最大の武器であったバロンの魔人らしからぬ異端な精神性から来る底知れなさと、戦闘時の卓越した判断力をザンガが全て潰してしまったことであった。

更に後日ビィトと師匠のウル(若手BBの一人)が新才牙を使いこなせていないことに言及しつつ、バロンが相手だったらその隙を突かれていた可能性があったとも述べているなど、ここらからしてもザンガがバロンの精神を消したことこそが決定的な敗因だったと言える。

それでも生き残っており、しぶとくバロンから分離しビィトに襲いかかったところで、目覚めたポアラの天撃の直撃を受けたことでとどめを刺された。


…オレは魔人(ヴァンデル)とは言えねぇ 頭脳ある臓器だ
坊や(ボーイ)から離れたら
自分で栄養を取る事もできない

そんなオレの唯一の喜びがあいつを最強の魔人にすることだったんだ…
だがあいつの戦士としての心を抑える事は最後までできなかった
こういうのを人間は「親の心子知らず」って言うんだろうな
坊や(ボーイ)との決着はおめーに任せる。
…あばよ怪物小僧


ザンガの終盤の反逆の真実は、バロンの絶体絶命の危機に際して自分が操作して勝ってバロンが生き残れば良し、負けて自分が犠牲になってもバロンが運良く生き残れば御の字ということを隠すためのフェイクだった。
ただの臓器でしかないザンガは分離すると後は死ぬしかなく、襲撃もフェイクである。
その真意を見抜いていたビィトに自身の本心を打ち明けると、バロンとの決着をビィトに委ねて絶命し消滅した。


……ザン…ガ…!

愚かな…私が知らぬわけがないだろう……
おまえの親心のようなものを…!

なぜ 私を置いていったッ…!


目を覚まし、ビィトからザンガの最期と本心について知らされたバロンは激しく動揺。
そして自分のためにザンガが与えた武勲である星を、無念とも怒りともとれる咆哮を上げて腕の一部ごと全て引き千切りザンガへの手向けとばかりに天空に投げ飛ばすと、星集めを辞めることと自身の敗北を宣言。
従来の気質がむやみに人殺しをしない魔人とは程遠かったこともあり、ビィトはバロンを倒す必要がないと判断。
ビィトと和解し友情を結んだバロンは、自身を打ち倒したビィト戦士団に激励を送ると、清々しい笑みを浮かべてそのまま新たな道を探すべく旅立った。


私の…いや 私とザンガの完敗だ
次のステップに進んだ時
おまえたちは無敵の戦士団になるだろう
まっすぐ進め この暗黒の世紀を…!

もちろんさ…
おれたちは暗黒の世紀を終わらせる戦士団だ…!


【余談】

作画担当の稲田氏の病気療養のための休載や連載していた月刊少年ジャンプの廃刊などがあり、紆余曲折あったものの2016年4月15日に連載が再開。
単行本換算で3巻ほどで無事バロン編は完結した。
完結までに至ったその期間およそ約10年
屈指の強敵バロンとの戦いの完結編にふさわしい死闘と希望に満ちた明るい終わりを迎えることになった。



この場で…追記・修正してもかまわんかな?
では…いかせてもらう…!


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最終更新:2024年04月14日 21:21

*1 奥の手が卑劣で矮小な連中だっただけで、天烈掌を喰らったりバロンに一度蹴散らされてもまだ全員戦闘続行や各自逃走出来るぐらいには強かった。

*2 バロンと再会した時のキッスもビィトを置いて逃げ出しているが、これはかつての記憶を思い出しパニックで我を忘れた(結果的にビィトが囮の形になったがこれも自然とそうなっただけである)という理由があるので見逃している。

*3 彼が操作していたら現役ブロード・バスターの最高峰のおじさんのカルロッサ達にやられていた素振りを見せている

*4 原作では天烈掌と思わしき技で全員を貫いており全員の遺体も確認できるが、アニメ版では冥力を爆発させて吹き飛ばす形に変更されている。彼等の直接の死亡や遺体も確認できない。