謎のパチモン怪獣ソフビ

登録日:2018/05/08 (火曜日) 21:45:00
更新日:2024/06/04 Tue 16:48:49
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当項目では、とあるソフビ人形(ソフト塩化ビニール製人形)の一群について解説する。

▽目次

◆概要

1990年代の前半から中頃にかけて、ウルトラ怪獣や東宝怪獣に似たパチモンのソフビが数種類発売された。
商品名、メーカー名、具体的な販売時期など、詳細は一切不明である。
これだけなら、よくあるパチモン商品で終わりなのだがこのシリーズ、何かと妙な点が多いのである。

まず、パチモンでありながらかなり広範囲の地域で発売されていたらしく、リサイクルショップやネットオークションで見かける機会も多い。
それ故、名称不明であるにもかかわらず、ソフビ収集家の間では結構な知名度を誇るシリーズでもある。
一部ではスーパーや玩具店の売り場に、全種の写真の載ったPOPが掲載されていたという目撃証言もある。
こういったパチモン玩具は、大抵は個人または小規模メーカーから発売されるものなのだが、一般店舗含めこれだけ手広く本格的に商品展開していたという事は、それなりに大規模なメーカーから発売されていたのだろうか…?

そして最も不可解なのが、このソフビ怪獣たち、なんと本家ウルトラシリーズの劇中に登場しているのだ。
彼らが登場したのは、『ウルトラマンダイナ』第13話「怪獣工場」。
劇中で登場するミジー星人の玩具工場は「表向きは玩具を作っていると見せかけて、秘密裏にロボット怪獣ガラオンを製造している」という設定なのだが、その玩具としてこのシリーズのゴモラによく似たソフビが使われているのだ(他にも同シリーズのソフビが何体か画面に映っている)。
という事は、パチモンではなく正規品なのだろうか?しかし、正規品ならわざわざパチモン風のデザインにする意味が分からないし、同シリーズには東宝怪獣がモデルと思われる商品もあり、円谷プロの許可を取っているとは考えにくい。



◆ラインナップ

商品名もキャラ名も不明なため、ここの名称はすべて仮称である。
また、これで商品が全てという保証もない。ここに記載した以外の怪獣をご存知の方は、遠慮なく追記・修正をお願いします。

腹部の五角形の口がない事以外、ベムスターそのまま。
強いて言えば、本家が黒目がちの愛らしい目をしているのに対し、こちらは三白眼であるのが違いか。

角を二本にし、背中に無数のトケを生やしたアギラ風怪獣。
余談だが、バンダイから発売されたいたソフビ「ウルトラ怪獣シリーズ」を改造したパチモンソフビがあるのだが、そのシリーズのパチモンアギラが、本シリーズのアギラ風とデザインが酷似している。
何らかの関係性があるのだろうか?

  • 正体不明
体のバランス(特に頭の大きさ)などの全体的な雰囲気は、『ウルトラQ』の岩石怪獣ゴルゴスに似ている。
しかし、このソフビの皮膚はブヨブヨとたるんだ造形であり、全く岩石風ではない。
甲羅らしき物を背負っているが、ガメラというにはあまりにも似ていない。
本シリーズ他のラインナップの造形がゆるキャラ風なのに対し、コイツだけ妙にリアルで水木しげる作品に出てきそうな雰囲気である。
なんとも不気味な、異彩を放つ存在である。

ひし形の尖った口ばし、コロネのような体表など、テレスドンがモデルなのは明らか。
なのだが、一本角の生えた頭部や、ピンクの体色などにより、雰囲気が『電光超人グリッドマン』のバモラにも似ている。
まあ、単なる偶然だろう。

水色の身体に黄色い角、背中には緑のスプレーと、やたらカラフルなカラーリングだが、デザインはゴモラそのもの。
ぷにぷにしてそうな頬や、まん丸な目がなんとも愛らしい。
上記の通り、ダイナの劇中に登場している。

  • シュガロン風
風、というより、シュガロンそのまま。
違いといえば手に指があることぐらい。

背中の蛇腹の突起、上向きに生えた牙などから、項目製作者は触角のないネロンガと判断したが、少々苦しい。
他に似ているのはアボラスあたりだろうか。

顔は全然似てないが、ハサミ状の両手や、二枚の背ビレなどからキングマイマイ(成虫)と判断。
水色と緑というカラーリングも含め、全体的に水棲怪獣っぽい雰囲気が漂う。

顔立ちやカラーリングなど、パッと見で一番似ているのは立ち上がったキングザウルス三世だが、首が短い、背ビレがないなど、相違点も多い。
他にも部分部分で似ている怪獣は結構多いのだが、どれも決定打には欠ける。
二本角のブラックキングに見えなくもないが、それにしては胴体が蛇腹になっていない。
体だけ見ればゴモラにそっくりだし、顔だけみればグドンに似ている。
まあ、パチモンなんだからどこかしら違うのは当然なのだが…

  • ビーコン風
指のある普通の腕になっている物の、それ以外は明らかにビーコン。
帰マン怪獣、しかもマイナー所の割合が多い気がするが、担当者がファンだったのだろうか。

  • チタノザウルス風
尻尾の先端が扇状にこそなっていないが、赤+緑というカラーリング、背中のイボ、魚のような背ビレなど、チタノザウルスとみて間違いないだろう。
しかし、本家がスリムで非常に美しいプロポーションなのに対し、こちらは随分とメタボである。特に顔が。

一見すると分かりづらいが、哺乳類的な顔立ち、長髪、下半身のディテール、独特のポーズなどから考えるとキングシーサーだと思われる。
本家がシーサーなら、こちらは狛犬といったところか。
パチモンというより、キングシーサーの記号を参考にデザインしたオリジナルと言った方が正しいかもしれない。
後のグラエナに通じるデザイン。
黒い筋肉、銀色の長髪、赤い瞳など、中々カッコいい。
普通にオリジナル怪獣として通用するクオリティである。




はたして、この怪獣たちの詳細が明らかになる日は来るのだろうか…?
このシリーズの詳細をご存知の方、当時のメーカーな方などは追記・修正をお願いします。

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最終更新:2024年06月04日 16:48