キングシーサー

登録日:2021/03/06 Sat 14:59:34
更新日:2021/03/17 Wed 08:01:10
所要時間:約 6 分で読めます




キングシーサーはゴジラシリーズに登場した怪獣である。
初登場は1974年公開の『ゴジラ対メカゴジラ』。

名前の通り沖縄の聖獣である「シーサー」がモチーフで、見た目もほぼ直立二足歩行したシーサーの姿をしている。
興奮すると耳が逆立つ性質がある。

この映画が公開される2年前に沖縄がアメリカから日本に返還されたばかりであり、また映画公開の翌年には沖縄国際海洋博覧会が開催予定であったりと、当時は沖縄に注目が集まっていた時期であった。
そこで本作は沖縄を舞台とすることが決定し、そこに縁のある怪獣を登場させようという話から生まれたのがこのキングシーサーである。

英語圏では名前のスペルがジュリアス・シーザーなどと同じ「Caesar」であるため、「キングシーザー」と発音される。

登場作品

  • 映画
ゴジラ対メカゴジラ』(1974年)
ゴジラ FINAL WARS』(2004年)
  • テレビ番組
『ゴジラアイランド』(1997年~1998年)
  • 小説
GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』(2018年)


『ゴジラ対メカゴジラ』

通称:伝説怪獣
身長:50m
体重:30000t

かつて琉球王国に存在していた安豆味(アズミ)王族の守護神で、本土からの侵略者から琉球を救ったという伝説がある。
なぜ琉球の守り神に思いっきり英語で「キング」と名付けられてるのか。
琉球に危機が訪れた時、眠りから覚めると言い伝えられており、通常は沖縄県恩納村の名勝地である「万座毛」の岩壁の中で眠りについている。

物語においては、沖縄国際海洋博覧会の会場建設予定地の工事中に遺跡が発見され、そこには壁画とシーサーを象った置物が存在していた。
壁画には予言が記されており、それを読み解くと

大空に黒い山が現れる時、大いなる怪獣が現れ、この世を滅ぼさんとする。
しかし赤い月が沈み、西から日が昇る時、2頭の怪獣が現れ人々を救う。

とあった。

また、置物の方には「西から日が昇る時、この置物を安豆味城の石の祠の上に置け」と記されており、その言葉通りに安豆味城の祠に置くと蜃気楼によって「西から昇った」朝日の光が置物の目に当たり、その光は増幅されて光線となり万座毛の岩壁を撃ち崩し、眠るキングシーサーが姿を表した。

その後、安豆味王族の末裔である国頭那美(演:ベルベラ・リーン)による「美童(ミヤラビ)の祈り」という唄で目覚める。
覚醒したキングシーサーは迫るメカゴジラに戦いを挑むのだった。

デザインは井口昭彦。

造形は安丸信行と小林知己。

眼は自動車のテールランプの流用。

座ったポーズの人形も製作されたが、本編では未使用。

本作の原型となった検討用台本『残波岬の大決斗 ゴジラ対メカゴジラ』では沖縄の伝説怪獣「キングバルガン」が予定されており、準備稿では完成作品でのキングシーサーに近い設定となっている。

活躍

キングシーサーは俊敏な動きや跳躍力を武器に、タックルや頭突きといった肉弾戦で主に戦う。
だが、最大の特徴は両目がプリズムになっており、敵の光線を右目で受けて吸収し、左目から10倍に増幅させて発射する能力。
これを使ってメカゴジラの「スペースビーム」を無力化し、格闘攻撃でダメージを与えていった。*1

......最初の内は

プリズムで跳ね返せるのは光線だけ。光線が通じないと学習したメカゴジラが主力をミサイルに切り替えたことで途端に劣勢となってしまう*2
以降はほぼフルボッコにされ、あまりいいところがない。
ゴジラが加勢して挟み撃ちを仕掛けようとしても、メカゴジラが首を回転させて両者を同時攻撃したことで失敗。
しまいにはメカゴジラがオールウェポンを開放し総火力を乱射しまくると、爆炎の中をゴジラと共にあたふたする始末。しかも見ようによってはゴジラを盾にしているようにも見えてしまう

最終的にゴジラが自身の体を電磁石化させてメカゴジラを引き寄せ、羽交い締めにしたところにタックルを加えているが、勿体ぶった登場をした割に全体的に見てあんまり役に立っていない.....。

ちなみに先述したとおり、目覚めさせるにあたって「美童の祈り」を唄うシーンがあるがこの唄、フルコーラスで3分近く唄っている
この間メカゴジラは何をしているのかというと、ただ歩いているだけ。
マッハ5で飛んできて目覚める前にさっさと攻撃してしまえばいいのにただ歩いているだけである
何をやってるんだブラックホール第3惑星人......。

戦いを終えたキングシーサーは再び琉球に危機が訪れるその時まで万座毛で眠りにつくのだった。


『ゴジラ FINAL WARS』

身長:100m
体重:50000t

昭和版に比べて細身でより人間に近い体型*3になったキングシーサー。
今回もまた俊敏さを活かした肉弾戦が売りとなっている。が、今回は相手がゴジラなのでプリズム眼を使う機会がない。

今作ではX星人の操る敵怪獣としての登場。沖縄に出現し、コンビナート地帯を破壊した。守り神であるシーサーに攻撃された沖縄の人々は相当恐ろしい思いをしたことであろう。

あらかた破壊活動を行った後で一旦は他の怪獣共々X星人の宇宙船に回収されるが、その後ゴジラが覚醒したことでその進撃を止めるべくラドンアンギラスと共に富士裾野に召喚された。

活躍

ラドン・アンギラスと共に三方向からゴジラに一斉に体当たりを仕掛けるが、ゴジラがアンギラスを踏み台にジャンプしたことで躱されキングシーサーはラドンと正面衝突。
怒ったキングシーサーはゴジラに「タックルブレイク」を仕掛けるがそれも躱され背中を引っ掻かれる。
崖を利用して壁蹴りからの体当たりを仕掛けるも、ゴジラは物ともせずそのまま投げ飛ばしてキングシーサーはアンギラスの背中に落下。アンギラスはキングシーサーの重さに、キングシーサーはアンギラスの背中の棘に苦しむ。

その後アンギラスが「暴竜怪球烈弾」でゴジラに攻撃を仕掛けると、それを利用してサッカーボールのようにアンギラスを蹴飛ばしゴジラにぶつけようとするが、何故か大きくカーブを描いてあさっての方向に飛んでいってしまい、アンギラスは崖に激突して昏倒。既に倒れていたラドンの上に重なる形でダウン。

オウンゴールをやらかしてしまって後がなくなったキングシーサーは耳を逆立てて威嚇し「フライングシーサーアタック」を仕掛けるも、ゴジラはあっさりとそれを受け流しキングシーサーもまた崖に激突。怪獣の3段重ねが完成してしまった。

こんな感じで昭和版以上にいいところが全然ない

余談だが、本作の監督を務めた北村龍平氏のお気に入りの怪獣らしく、選出されたのはそれ故なんだとか。
また、3段重ねになった後は熱戦でとどめを刺される予定だったが、ボツになっている。
これは、本作が過去にゴジラと共闘した怪獣は殺さないか、明確にとどめを刺すシーンを描かないという演出になっているためと思われる*4


ゴジラアイランド

ゴジラアイランド内にある「悟りの森」に居を構える長老怪獣として登場。「怪獣神社」を経営している。
直接戦うシーンは少ないがメカキングギドラとの戦いでは口から光線を吐いている。

基本的には神秘の力を使って他の怪獣たちをサポートするのが中心となっており、作中での主な活躍は
  • ガイガンへのリベンジに燃えるゴジラを修行させ、新技である「曲がる熱戦」を修得させる。
  • ゴジラに取り憑いたスペースゴジラの悪霊をお札で引き剥がす。
  • ネオヘドラ*5に対抗するべくラドンを炎の精霊と融合させてファイヤーラドンに進化させる。
...といったところ。
裏方ではあるものの、映画と違ってそこそこいいところを見せている。


GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ

『GODZILLA』3部作の前史に相当する小説作品。
『ゴジラ対メカゴジラ』と同様、沖縄で万座毛にて眠っていた。
2029年にメガロが沖縄を襲撃した際に沖縄を守るべく目覚め、激戦の末にメガロと相打ちとなって倒れた。
このため、沖縄への被害は最小限で済んでいる。沖縄の人々は深い感謝の意を語っている。
なお、同作のメガロはアフリカ大陸を壊滅させインド・フィリピンなど、ゴジラ以外の怪獣の中でも屈指の暴れぶりを見せていた強豪怪獣である。


外部出演

Magic the Gathering

『イコリア:巨獣の棲処』でのコラボにおいて、メガロやバラゴンなど登場できなかった怪獣も少なくない中、キングシーサーは《古代の守護神、キングシーサー/King Caesar, Ancient Guardian》《伝説怪獣、キングシーサー/King Caesar, Awoken Titan》の2枚がカード化されている。*6
やはり東宝怪獣では珍しい猫系のデザインが有利に働いたのかもしれない。他の怪獣は猫・ナイトメア・ビーストだのエレメンタル・恐竜・猫だの合わせる気がない奴ばかりだけど

バトルスピリッツ

コラボブースター【東宝怪獣大決戦】でファイナルウォーズ版が「キングシーサー[2004]」名義で参戦。
効果の記述を持たない、いわゆるバニラであり特筆するような性能は何もない。


余談

漫画『金田一少年の事件簿』のとある事件でこの怪獣と同じ名を名乗るテロリストが登場するが、モチーフが同じなだけで特に関係は無い。

俳優のウエンツ瑛士はキングシーサーのファンである。

劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』に登場するクグルシーサーは沖縄に登場する獅子、メカ怪獣と戦うなど共通点が多い。

追記・修正は万座毛の前で「美童の祈り」を歌いながらお願いします。

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最終更新:2021年03月17日 08:01

*1 朝日ソノラマのムック「頭蓋骨がプリズム状になっており、光線をはじき返せた」という説が挙げられている。

*2 「フィンガーミサイル」を向けられた時、あからさまに狼狽している。

*3 本作は激しいアクションシーンが売りであり、そのため特に二足歩行型の怪獣は全体的に人間に近いフォルムになっている。

*4 唯一マンダは轟天号に倒されているが、「ゴジラには殺されない」という点で言えば一貫している。

*5 X星人によって改造されたヘドラで、通常のものとは異なりキノコがベース(それもう「ヘドラ」じゃないじゃん……)になっており、胞子をばら撒いて怪獣にキノコを寄生させて弱体化させる能力を持つ。

*6 他の怪獣ではゴジラが3枚、スペースゴジラが2枚、それとモスラが繭と成虫、メカゴジラが機龍の改修前後で1枚ずつ