木村(RIDER TIME 仮面ライダー龍騎)

登録日:2019/09/19 Thu 23:57:26
更新日:2025/03/15 Sat 14:30:27
所要時間:約 7 分で読めます





でも俺達は信じるしかない。あの女を。


それがここから抜け出せる、たったひとつの希望なんだ。


仮面ライダージオウ』のスピンオフ第2弾、『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』に登場する人物。
本編では高見沢逸郎が変身していた仮面ライダーベルデに変身する。

演:山口大地
山口氏は仮面ライダーゼロワンにて宇宙野郎雷電/雷/仮面ライダー雷を演じることとなり、一年の間に二度も仮面ライダーシリーズへの出演と変身を果たすことになった。


概要

真司手塚、石田(本作におけるインペラーの変身者)とグループを組んで行動する落ち着いた雰囲気の青年。
芝浦、石橋、戸塚(それぞれ本作のシザース、タイガ)のグループとは敵対している。
3人といつ組んだかは描かれていないが、まとめ上げたのは手塚らしい。

「13人でミラーワールドにて殺し合い、1週間の内に最後に勝ち残った者だけが現実世界に帰還できる」というルールの下で行動している為、
今組んでいる3人との関係も「一時しのぎ」とドライに割り切っており、最終的には殺し合わなければならない現実とも向き合っている。
ただし味方でいる間は自分だけでなく他人のサポートも迷わず行うという義理堅い一面も持ち合わせており、リアリストではあるが良識はちゃんと持っている。

本作のライダーバトルの主催者であるサラの事は冗談半分で「神様」と言いつつ、彼女の言葉通りに戦うことが生還する為の希望と考えている。

なお原典の高見沢は「高見沢グループの社長」と言う立ち位置だったが、木村の過去等に関しては本人を含む本作のライダーバトル参加者の大半が名前以外の記憶を失っている為不明。

名前以外の要素だと、真司、石田と3人でビールを飲むシーンがある事から20歳以上であること、4人で車で移動する際には彼が運転していた事から運転免許は所持していると推測される。
もっとも法律など存在しないミラーワールドでの行動を判断基準としていいかは怪しい所もあるが。


仮面ライダー

  • 仮面ライダーベルデ
詳細は高見沢逸郎の項目を参照。

本作オリジナル要素として、使用カードの1枚であるクリアーベントが「自分が触れた相手にも効果が適用される」という仕様に変更されている。
作中でクリアーベントの効果を石田にも適用させ、混戦状態から共に撤退するという使い方をしている。


活躍

Episode 1 「Advent Again」

ライダーバトル4日目。
手塚グループの拠点にやってきた芝浦グループに対して4人で変身して迎撃。7人でのライダーバトルになっていたがモンスターの大群がやってきて混戦状態となった為に撤退。
その後真司、石田と3人でビールを飲んでいたが、手塚の持ってきた芝浦グループとの共闘案に乗って自身のデッキを彼に預ける*1

翌日。
待ち合わせ場所で芝浦グループを待っていたが、やってきた3人に手塚が突然カードデッキを投げ渡す。
4人がライア、ガイ、シザース、タイガに変身したことで自分達が手塚の策略に嵌められた事に気が付き、さらに石田はエビルダイバーに捕食されてしまう。
ライアに襲われる真司を助けるために駆け寄ろうとするが、カードデッキが無いのでどうすることも出来ず絶体絶命に。

そこへ幸か不幸か浅倉吾郎*2、そして何者かの声でライダーバトルを止めんとするが乱入してきた結果大混乱になる。


Episode 2 「Another Alternative」

前話で混戦状態になったが、命からがらその場から逃走することに成功。

その後は一人で必死で逃げ回っていたが、芝浦との戦いで致命傷を負った手塚を発見。当然自分達を裏切ったことに憤る木村だったが、ボロボロの彼の様子に驚き怒りを抑える。
死期を悟った手塚からデッキを返還され、死ぬ前に真司に会いたいという彼の願いを聞き彼を真司のもとへ連れていこうとする。
道中で手塚は息を引き取ってしまったが、それでも木村は最後まで責務を果たす。
手塚の亡骸を蓮と一緒にいた真司の所まで送り届け、手塚が所持していた彼の血で汚れていた真司のデッキも彼に返還。
手塚の「おまえはお前らしくいればいい」、そして「もう1人の城戸真司には気を付けろ」という2つの遺言も伝えている。

しかし手塚が消滅した直後、手塚の遺体が倒れていた同じ場所から突然「もう1人の真司」が出現。強制的に融合させられた真司はその場から去ってしまう。
蓮と共に追ってきた木村だったが、その先で真司であって真司でない化け物が芝浦を一方的に攻め立て、最終的に殺害するという衝撃的な光景を目の当たりにする。
ショックと混乱で戦慄する2人に対し、リュウガは標的を定める…。


Episode 3 「Alive A Life」

蓮と共にリュウガの次のターゲットに捕捉された木村は、変身する間もなく彼に一方的に痛めつけられてしまう。
蓮がナイトに変身して応戦した結果その場から逃走は出来たものの、
満身創痍で柱の陰でうずくまっていた所をミラーワールド内を徘徊していたバズスティンガー3体*3に見つかって捕食されてしまい、消滅することとなった*4

なお、死ぬ前の木村の最後のセリフは


城戸…どこだ…?また一緒に、ビール飲もうぜ…?


という、自分を攻撃してきたことへの恨み言ではなく真司の安否を心配し、再会を望むものだった。


評価

『RIDER TIME』放送以前までの「仮面ライダーベルデ」は、変身者の高見沢の「生きるってことは他人を蹴落とすことなんだ。いいか!人間は皆ライダーなんだよ!」の言葉に代表される様な、
相手を騙したり袋叩きにしたりといった手段を選ばずに倒す卑劣なキャラという印象が強かった。
予告PVで龍騎と一緒にいるシーンを見て「こいつ絶対どこかで裏切るだろ」と思った人も少なからずいたかもしれない。

しかし本作の木村はリアリストな点こそ彼と似通っているものの、義理堅い性格で最後まで誰かを陥れたりする事はなく、彼を演じた山口氏からも「本当に愛のあるいい人」という評価をされている。

物語の枠組みと言う多少メタな面からの彼の立ち位置を身も蓋もなく言えば、「オリジナルキャストを呼べない分の数合わせキャラ」であり、出番自体も特別多かったわけではない。
しかしRIDER TIME、更に龍騎シリーズ全体の登場ライダーキャラで見ても上位に来る善人ぶり、そして死に際に放った悲しい台詞などから非常に人気が出ることとなり、
本編では1回、しかも最序盤でしか変身していないにもかかわらず、ベルデの株が大きく上がることになった。

この影響はネット内に留まらず、平成の終わりに突如としてベルデのS.H.Figuartsの値段が高騰したり、配信後のイベント「仮面ライダー龍騎 ナイト」に山口氏がシークレットゲストとして急きょ呼ばれるなどのちょっとしたベルデ、そして木村のブームが巻き起こるほどであった。


余談

  • 数合わせと言う立ち位置のライダーキャラの中で唯一Episode 3まで登場しているキャラである。
    そもそも新規キャラの中でEpisode 1時点で死亡しなかったのは彼と石橋のみであり、龍騎の世界がいかに殺伐としているかがよく分かる。
  • 原典である高見沢はTVスペシャルにて手塚を騙して最終的に殺害しているが、本作では逆に手塚が木村を騙しており、立場が完全に入れ替わっている。
  • その高見沢を演じた黒田アーサーは、かつてディレクターに深夜枠でいいからベルデが主役のスピンオフを作ってほしいと頼んでいる。
    本作の木村の扱いを見る限り、主役にこそなっていないものの彼の願いが多少通じているといえなくもない。


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最終更新:2025年03月15日 14:30

*1 芝浦グループから「交渉条件」として提示されており、真司達を安心させるために相手グループのカードデッキを預かっていた

*2 本作の仮面ライダーゾルダの変身者

*3 ホーネット、ビー、ワスプ

*4 このバズスティンガー達は後にナイトに倒されている