怪獣列島少女隊

登録日:2019/10/18 Fri 10:47:39
更新日:2024/11/19 Tue 22:26:57
所要時間:約 10 分で読めます






概要

「怪獣列島少女隊」とは優輝光太朗氏原作の漫画作品である。
コミックバンチWebにて2019年12月20まで不定期連載されていた。全20話。単行本全2巻。
また、pixivコミックでも1話~8話までを読むことが出来る。

ウルトラシリーズゴジラシリーズのような怪獣が出現する世界の女子高生達の戦いと日常を描く。

基本的には鬱展開とは無縁のまったりとした日常や正反対の緊迫感溢れ、手に汗握るバトルシーンが描かれているが、怪獣が出現する世界ならではの過酷な事情や怪獣の迫力や脅威なども余すところなく描かれており、様々な方面から楽しめる一作となっている。

元は優輝氏の読み切り漫画「知られざる地球防衛隊」を原案としている。

あらすじ

23年前、後に「外来獣」と総称される怪生物が出現し、世界に甚大な被害をもたらした。
そこで世界各国の政府は結託し、外来獣に対抗する為の組織「UBH」を結成。
更には過去に実在した「竜」の遺伝子からドラゴン型ロボットを多数開発し、今ではそれを操るUBHの「竜使いハンター」が外来獣と日々戦っていた。

そして現代。
外来獣によって住んでいた町を追われた南良原(ならはら)ナユナは転校先の穏花菜(のどかな)町でハンターの朱崎(あかざき)サラや、怪獣撃退部の面々のような様々な人物と出会いを切っ掛けに学生生活を送る傍ら外来獣との戦いに巻き込まれていく。

登場人物

現状全員が女性。

怪獣撃退部

穏花菜女子高校に10年前から存在する部活。通称「怪撃部」。
小さな外来獣を討伐する為に結成されており、初代の部員達が竜の力無しで大型外来獣を倒したことのある功績から部員は皆翼無し(よくなし)の狩人の異名を持つ。
部室は校庭の隅にある木製の小屋。

  • 南良原(ならはら)ナユナ
CV:花守ゆみり(コミックスCM)
本作の主人公。2年生。
サラから「分度器まゆ毛」という渾名をつけられるような太眉が特徴。
嘗ては隣県の六鷹(むたか)市に住んでいたが、度重なる外来獣の襲撃に合って壊滅同然の状態となってしまった為、親戚のいる穏花菜町に引っ越してきた。
知り合いとも離れ離れになるなどで日常を完全に奪われてしまった過去故に再びそれが起こることを非常に恐れているが、誰かを助ける為なら外来獣相手にも勇敢に体を張るなど芯は強くて心優しい。
母親のナズキはプロの竜使いハンターであり、名の知れた人物であったとのことだが、小学生に上がったのを境に連絡が取れなくなり、その行方を追っている。(現在は祖母と暮らしている)

  • 友里ヶ崎香奈恵(ゆりがさきかなえ)
怪獣撃退部現部長。
UBHへの資金援助も行っている大富豪の令嬢であり、第25回ミス穏花菜高のグランプリも欲しいままにした美少女。
その人気ぶりたるや常にファンの女子生徒たちに囲まれているほどである。
口調は典型的なお嬢様キャラであり、雰囲気はお淑やかで教養も身に着けているのだが、ナユナを実家が作った戦闘服の実験台にしたり、サラを入部させるためにファンに彼女の秘密を探らせるなど、目的の為なら手段を選ばないことが少なく無く、サラからも「性悪女」と呼ばれている。
何事も形から入るタイプの模様。

  • ルイ
2年生。一人称は「うち」。
ギャルの様な雰囲気と言動の持ち主。
見た目に反して基本的には世話好きの常識人であり、マリコの言動に頻繁にツッコミを入れている。
但し、ハンターには並々ならぬ憧れを抱いている為、ハンターが絡むと時に鼻血を出すレベルで興奮する。
また、ハンター限定でドM。
詳しくは不明だが、彼女もまた外来獣に日常を奪われた過去がある模様。

  • マリコ
2年生。一人称は「オラ」で語尾に「~さ」とつけるのが口癖。
低身長で頭頂部に2本のアホ毛があり、両頬にはそばかすがある。
大の外来獣マニアであり、生態から弱点まで外来獣のことは大抵知っている。
知識だけでなく小型外来獣の標本を作ったり、態々外来獣を見に行くなどそのマニアぶりは本物だが、それ故中学からの付き合いであるルイからは危なっかしく思われている。
一方で危険な存在とはいえ外来獣が駆逐されることには胸を痛めるなど彼女なりの愛情も持ち合わせている。

UBH

正式名称「不明生物狩猟隊」。
「大隊長」を筆頭に実際に外来獣を討伐する竜使いハンター達で構成された「討伐隊」、外来獣の生態を調査・研究する「調査隊」、竜などの装備を開発する「整備隊」の3つに分けられる。

討伐隊

ここの所属する竜使いハンター達は皆「竜に適合する為の強化」がなされており、常人を大きく上回る身体能力を持っている。

  • 朱崎(あかざき)サラ
本作のもう一人の主人公。穏花菜女子高校1年生。
6年前から竜使いハンターとして相棒の「タロ」と共に戦っている。
口が悪くて不愛想で孤独を好むが、これは戦いに追われて遊ぶ時間を持てず、流行なども知らない為仲間外れにされることを恐れている為であり、本当は大のウサギ好きという可愛らしい一面も持っている。
ハンターという職業柄外来獣の危険性を熟知しているが、その命を奪うことに何も感じていない訳では無く、「しなくて済むならしたくない」と述べており、実際危険性のないウオダゴンには必要以上に手を下そうとはしなかった。
怪獣撃退部とは彼女たちからの少々強引なアプローチの末の交流により、少しずつだが打ち解けていき、入部こそしていないがよく出入りするようになる。
タロのことは兵器ではなく、大事な相棒と認識しており、深手を負って暫く戦えなくなった際には激しく落ち込んでいた。
また、タロに対する強いこだわりから他の竜とはうまく適合できない。
普段は眼鏡に黒髪姿だがUBHの強化によって、一時的に身体能力を飛躍的に向上する能力を持っており、能力発動の際には裸眼で銀髪姿になる。
基本的に戦闘時以外は能力は使わないようにしているが、こっそり体育の成績をごまかしたり、給食のプリンを手に入れるためなどにも使っている模様。
因みに竜使いハンターであることは基本的には秘密であり、怪獣撃退部には「周りに言ったらひねり潰す」と釘を刺している。

  • 芹沢・M・メガリア
討伐隊隊長。
右目を眼帯で隠しており、左腕は義手となっていて外来獣の体の一部から作られた服をまとっている。
雰囲気こそ厳ついが、実際は社交的でユーモア溢れる人物。
美少女に目がなく、「UBHハンターアイドル隊」なるものの結成を企んでいる。
砕けた発言が多く、サラからツッコミを受けることもあるが、本質は決してちゃらんぽらんな人物ではなく、竜を殺戮兵器として扱うことを良しとしない彼女なりのポリシーも持っている。
ナズキとは若かれしころからの知り合いで左腕が健在だったころはよく一緒に戦っていたらしい。
ナユナにナヅキの手作りオリジナルマスコットの「マユゴロー」を託した。
食事の際には食べ物をソース漬けにする癖がある。

  • アマネ
  • サキコ
アマネはボブカット、サキコは眼鏡にポニーテールの女性。
二人だけで50m級外来獣を倒したこともある二人組の強豪ハンター。
そういう関係らしく、隙あればいちゃついてサラから呆れられている。

その他

  • 南良原ナヅキ
ナユナの母親。娘とそっくりな顔の持ち主で、同じく太眉が特徴。
かなり名の知れた竜使いハンターらしいが現在海外に赴任したきり周辺人物と音信が途絶えており、行方知れずとなっている。
過去の怪撃部とは交流があったらしく、そのタイムカプセルからは彼女の手作りのマスコットが複数と、小さな外来獣と一緒に映った一枚の写真が入っていた。
写真に関してはナユナ曰く「外来獣と仲良くなろうとしていたのかもしれない」と推測している。

UBHの装備

嘗て実在した本物の竜のDNAを元に作られたロボット
四本足で攻撃に特化した「サラマンダータイプ」と、二本足のみで運搬用に使われる「ワイバーンタイプ」の二種類に分けられるが、二種類とも翼を生やして飛行できる点は共通する。(サラの相棒タロはサラマンダータイプ)
サラマンダータイプには口部に外来獣の皮膚を溶かす*1「プラズマ砲」を装備している。
戦車や戦闘機ではなく、彼らが採用された理由は外来獣にプラズマ砲を的確に当てられるだけの機動力が必要であるから。
機械の存在でありながら独自の意志を持つ。
背中に直接跨って操作するが、操縦桿の類はなく、竜と心を合わせて「適合」することでやっと動かすことができるが、逆にそれができなければ竜に振り回されてしまう。
竜使いハンターは皆女性だが、これはかつての竜が女性にしか心を開かず、それがDNAを通してロボにも反映されている為。

  • ナイフ
サラが常備している。
詳しい説明はないが、ズグラの体を内部から切り裂けることから、特殊な素材で出来ている模様。

11話ラストから登場したサラの新武器。
プラズマ砲のエネルギーを一時的に収束して刃に纏わせるとことができる。
素材は外来獣の牙。

外来獣

23年前より世界各地に現れた謎の生命体の総称。
大きさは様々で、犬猫サイズから50m級まで幅広い。
火に反応すると化学変化を起こして有毒ガスを放つ性質を持っており、過去にはそれで世界中の数多くの都市に多大な被害を齎した。
その為安全かつ有効な手段は直接殺すかプラズマ砲を浴びせるかの二つのみ。



追記・修正は怪獣を退治した人がお願いします。

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最終更新:2024年11月19日 22:26

*1 人間には効果がない