イースIX -Monstrum NOX-

登録日:2019/11/19 (火) 20:15:00
更新日:2024/09/12 Thu 21:22:07
所要時間:約 5 分で読めます





自分ではない何者かになる。そんな夢を見たことがあるだろうか?

その夢の中で私は考える。これは自分なのか、自分ではないのか。

夢が現実なのか、現実が夢なのか?私が辿り着いた答えはひどく単純だ。

『どちらでもいいではないか』

どちらが真実なのか――ではない。どちらも真実なのだ。

アドル・クリスティン著 『バルドゥークの檻』本文より


概要

イースIX -Monstrum NOX-(モンストルム・ノクス)とは、日本ファルコムが開発・発売したアクションRPGであり、イースシリーズの9作目である。
対応ハードはPS4で、発売日は2019年9月26日。
2021年7月7日にはSteamとEpicGamesストアでWindows版を、同年年9月9日にはNintendo Switch版が日本一ソフトウェアによる移植、販売を開始している。

パーティバトル、武器属性、地図作成、NPCと共に挑む防衛戦や侵攻戦など、基本的なシステムは前作『VIII』を踏襲しているが、
本作最大の特徴は『異能(ギフト)アクション』であり、怪人達の様々な特殊能力によって、変則的な移動を可能にしたリ、バトルで敵を崩したりすることが可能。

ロムン帝国の都市の一つである監獄都市バルドゥークを舞台に、自らにかけられた怪人の呪いや監獄都市に隠された秘密に関する冒険が繰り広げられる。



ゲームシステム

【フィールド】
本作は前作と打って変わって街中や遺跡といった建物を中心としたマップで構成される。前作8同様、三人称視点による立体的なフィールドとなっているが、今回は縦に立体的なマップ構造になっており、キャラクターの特殊能力である 「異能」(ギフト) による探索が楽しめるようなデザインとなっている。
壁を垂直に登るシステムやグライダーのような滑空、一定のポイントへのワープといった異能を使用した探索を楽しめるようになっている。また、メインフィールドとなる監獄都市「 バルドゥーク 」はオープンワールドのような読み込み画面がないフィールドを実現している。
しかし、PS4版では最適化が足りなかったのか、内部ストレージにハードディスクを使用している際には処理落ちが頻発に起こる事が多い。

【戦闘システム】
基本的な部分は8を踏襲しているが、 「異能システム」 「ブーストシステム」 が追加されている。異能システムは異能ケージを消費して様々な特殊アクションを起こす事ができる。
アドル(赤の王)なら敵の近くまでワープでき、クレド(鷹)ならば空中滑空が可能となるといった特殊アクションを起こすことが可能。なお仲間の異能も他のキャラに交代しても使用でき、たとえ仲間が倒れてもその異能を使い続ける事が可能となっている。
ただし、仲間になっていないキャラクターの異能は当然ながら使用できないので注意。

ブーストシステムはフェルガナとオリジンのように一定時間能力を高めるシステムで、前回のSPケージにあたるブーストケージを消費して使用する。前回のEXスキルも使用可能で、ブースト発動中にブーストのコマンドを再度入力することで発動する。
ここで注意してほしいのは、今までのブーストシステムやSPケージのように攻撃すればケージが溜まっていくのではなく、 短い時間で攻撃を連続で当て続けないと(またはフラッシュを決めないと)ケージが貯まらず、一定時間何もしていないとケージが減ってしまうという点だ。
つまり、ブーストを使いたければ短時間で攻撃とフラッシュを意識的に連続で続けないといけないのである。今までに比べて不便な仕様かもしれないが、前作までのSPケージやブーストケージに比べてケージが短時間で溜まりやすくなっている。
この仕様を利用すればに連続でブースト状態を維持出来たり、短時間でEXスキルを連発するという超火力を叩き出すことも夢ではないのだ。

【グリムワルドの夜】
いわゆる前作でいう「迎撃戦」、「制圧戦」のようなもので、バルドゥークに発生した瘴気の渦の内部の空間に出現する大量の邪霊を相手に戦闘を行う。発生させるには、バルドゥーク内に存在する瘴気を放つ邪霊を倒し、「 NOXゲージ 」を一定数値以上に蓄積させる必要がある。
基本的にはいつものように3人で戦闘を行うが、残り3人のメンバーもコンピューター操作で参加してくれ、 シリーズ初の仲間全員で一斉に戦闘できるというシチュエーションが楽しめる。 戦闘種別は2種類あり、グリムワルドの夜の浄化に必要な柱である「スフェン」を防衛する「 防衛戦 」と、邪霊の群れを相手に戦いながら、フィールド上にある魔の結晶「ラクリマ」を全て破壊する「 破壊戦 」に分かれている。



登場人物

怪人たち

◆《赤の王》(アドル=クリスティン) CV:梶裕貴
毎度お馴染み、赤毛の冒険家。今作では時系列としては『VII』の後であり、シリーズ最高齢の24歳となる。が、相変わらず童顔である。
監獄都市バルドゥークに辿り着いたところでロムン帝国の兵士達に身柄を拘束され、早々に牢屋に入れられてしまう。
その後、脱獄の最中にアプリリスによって魔弾を撃ち込まれて怪人としての異能を発現し、彼女から「赤の王」の名を与えられる。
脱獄成功後はドギと合流し、バルドゥークの謎を解き明かすべく行動を開始する。

異能は『王者の道(クリムゾンライン)』
移動可能なポイント(敵モンスターにも使用可能)に対して高さや距離があっても一瞬で跳びつける。

一方で、何故か全く同じ時期に監獄に囚われる彼の姿があるが…?
+ ネタバレ
最初に登場するアドルは、実は黒幕によって複製された人造生命体。本人は監獄内にいる方。

黒幕の目的は、世界をめぐり超越的な存在との邂逅を果たしてきた彼の記憶を基に神を創り出すこと。
迷宮のボスとしてニグティルガーや古代種が出てきたのは、彼の記憶を基に再現したため。
最終的には命の危機に陥ったオリジナルを救うため、その命を差し出す。
それにあたって、複製ではあるものの、非常に珍しく彼自身の言葉を聞くことができる。

ちなみに、再現された超越者の記憶はどうも制御不可能らしく、勝手に抜け出しては町民の一人である女性に憑依したりしていた。
最終盤ではノックスの裏を司る中核を破壊するため、アドルに力を貸した。
再現されたのはおそらくティア、ダーナ、ダルク・ファクト。何やってんだ、闇の神官。あと一人いるが、レアあたりだろうか。

◆《白猫》 CV:小松未可子
富裕層から金品を盗み、貧民街で暮らす貧しい人々に分け与える義賊の怪人。ボクッ娘だと思っていたのに…。
武器は爪が付いた拳となっており、クルシェ、カンリリカ、リコッタと受け継がれた打撃幼女枠とも言える。

異能は『天空散歩(ヘヴンズラン)』
垂直な壁面を駆け上っていくことで、ダンジョン内での移動ルートを開ける他、
街中では高所に上ることで他の異能と合わせてスムーズに移動したり、街中に散らばる青い花びらを発見するのにも一役買う。


◆《鷹》 CV:石川界人
強者を求め、街中で辻斬りを働く戦闘狂の怪人。怪人達の中では最も協調性に欠け、他の怪人も彼の振る舞いには手を焼いているという。
赤の王(アドル)を自分が探し求めていた強者として認め、決闘を望んでいたもののアプリリスから怪人同士の私闘は禁じられている。

異能は『猛禽の翼(ハンターグライド)』
翼を広げて長時間の滑空を行う。飛行中も徐々に高度が下がってしまうが、行動範囲を大幅に広げることが可能。


◆《人形》 CV:鈴木愛奈
美しい人形のような風貌を持つ怪人。普段は目をつぶっているが、異能を発現する際などは目を開く。
本人曰く「感情のない人形」であり、他の怪人達とは出自が異なるようだが…?

異能は『第三の瞳(ザ・サードアイ)』
視界を変更し、隠しスイッチや不可視の足場を発見することが可能。宝箱や青い花びらの捜索にも役立つ。


◆《猛牛》 CV:佐倉綾音
その名の通りの怪力とおっぱいを持つ女性の怪人。
怪人としては良識派であり、犯罪を犯すこともなく、怪人同士の言い争いになると場を取り持つ側の立場になる。
外見の特徴故、その正体はプレイヤーにも気付き易いであろう。アドル達は気付かなかったようだが。

異能は『戦乙女の救済(ヴァルキリーハンマー)』
力を込めた一撃で脆い壁を壊したり、敵のガードを崩したりする。


◆《背教者》 CV:下野紘
ボロボロの法衣を着崩したような、厭世的な気質の少年の怪人。
グリア地方やバルドゥークの歴史について何らかの知識を有しているようだが……。

異能は『影の門(シャドウダイヴ)』
影のように身体を地面に潜伏させ、天井が低い部分を通り抜けたり、敵に気付かれず移動できる。



その他の重要人物

◆ドギ CV:三宅健太
ご存知アドルの相方である《壁壊し》のドギ。今回もVIII同様、パーティ入りはせず裏方止まり。
ただし、あるクエストでは久々にその豪腕を振るってくれる。


◆アプリリス CV:道井悠
脱走の際にアドルが出会った黒ずくめの女性。左手と左足が義手義足になっている。
外見は若いが冷徹な態度と他者を圧倒する威厳を持ち合わせている。
度々怪人たちの前に姿を現し、助言めいた言葉を残すなど彼女の存在と行動の多くが謎に包まれている。


◆シャトラール CV:小野友樹
星刻騎士団の団長。眉目秀麗で剣の腕も超一流で、相手を「○○点」と見定める口癖がある。
冒険家として各地で様々な経験をしてきたアドルに興味を持っているようだが……。


◆ベルガー CV:志村貴博
バルドゥーク監獄の監獄長を務めるロムン帝国軍人。ハゲ親父。
怪人たちには手を焼かされているが、軍人としての能力や人望は悪くはない。


◆イングリド CV:原奈津子
ロムン本国から「奇跡調査官」として出向してきた女性。口癖は「あり得ぬ」。
各地で起きた怪現象についての調査のために、収監されたアドルに対して尋問を行う。
アドルの乗る船がやたら沈没・漂流することについてツッコんだ。


◆マリウス CV:森嶋秀太
バルドゥーク監獄に収監されている青年。監獄内の礼拝堂で昼寝をするのを日課としている。
記憶喪失らしく、自分が何故投獄されたのかすら覚えていないようだが……。


◆グザヴィエ CV:守屋亨香
上から目線で横柄な聖獣ルー。過去に出会ったルー達とは違い、人間の言葉を用いている。
監獄内に住み着いていたらしく、アドルとの出会いを切っ掛けに協力者となる。



バルドゥークの住人たち

◆パークス CV:堀内賢雄
バルドゥーク監獄に投獄されていた壮年の男性。アドルに出会ったことがきっかけで脱獄し、
監獄に収容されているらしい友人を探すためにアドルの協力者となる。
眼鏡でオッサンで底知れない、と疑わない方が難しいレベルの人物。その正体は……?


◆キリシャ・ペンドルトン
豪商として知られるペンドルトン家の次女。気弱で人見知りな性格。
自分の力で稼いだ売上を怪人に盗まれてしまっているようだが…?
ロリッぽい外見をしているがこれでも16歳。初めて冒険に出た時のアドル(17歳)より少し下である。


◆カーラ・ペンドルトン
ペンドルトン家の長女。アドルに商会の売上が盗まれていることの調査を依頼する。
解決後、アドルがバルドゥークで活動し易いように、バー《ダンデリオン》の設立に協力する。


◆シャンテ
バー《ダンデリオン》の店長としてカーラから送られてきたオネエ。
オネエではあるが面倒見が良く、男女ともに信頼されている。


◆ユファ・ガンベルク
ダンデリオンでウェイトレスとして働く明朗快活な女性。
マーク、ウード、エルという歳の離れた兄妹達を養うために、農業区で両親が遺した畑の仕事も掛け持ちしている。


◆フェリクス
バルドゥーク闘技場に務める闘牛士の青年。ユファとは幼馴染で誰もが認める仲。
リア充故かDLCの「自己主張の激しいパネル」にて「フェリクス許さない」と言われてしまっている…。


◆ジュール・ノア
貴人街や文化保護区に現れる車椅子の少年。
重病を患っており、死ぬまでに自分がやるべきことを綴った「棺桶ノート」を持ち歩いている。



小ネタ

Steam版は、前作同様に何故か2P同時プレイも可能となっている。相変わらず画面分割のない1画面によるプレイとSP共有という仕様は変わっていないが、今作は2P側キャラも戦闘時以外に行動することが可能となっている。

本作は今までのシリーズに出てきたボスを彷彿させるような敵が出てきている。イース1のムカデ型ボス「ニグティルガー」やこうもり型のボス「ヴァジェリオン」のそっくりさんが出てきたり、しまいには8で登場したセイレン島の赤いアイツまで登場したりする。




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赤き項目の下、まつろわぬ追記・修正の宴が始まる。

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最終更新:2024年09月12日 21:22