ヴィナレス星人

登録日:2020/02/03 Mon 16:14:24
更新日:2025/05/22 Thu 20:21:04
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あの装置があれば、俺は最後の使命が果たせる……!


ファイヤーマン』の第25話「帰る星なき宇宙人-ヴィナレス星人登場-」に登場した宇宙人

出典:ファイヤーマン/円谷プロ/第25話「帰る星なき宇宙人-ヴィナレス星人登場-」/1973年6月26日放送

身長:1.9~50m
体重:120㎏~2万t
出身地:白鳥座ヴィナレス星
別名:レーザー怪人
声:飯塚昭三


白鳥座ヴィナレス星から、地球侵略を目的にやって来た宇宙人。
母星であるヴィナレス星に高い忠誠心を持つ戦士で、目的のためには人質を取る事もあるが目的が達成されればきちんと人質を解放するなど誇り高い性格をしている。
火傷をして爛れたような皮膚をしており、頭髪などはなく血管が浮き出ている。
目は白目を剥いたように見えるが、これはレーザーの照準装置と一体になったものでありレーザーを発射する時には赤く変色する。

武器は目から発射するレーザー光線で、両手を胸の前でクロスさせた姿勢を取って発射する。
目撃者の始末や施設の破壊に使用するが、レーザーの威力は調節できるようで最初に襲った人達は気を失うだけで済んでいた。
巨大化した時には「レーザー光球」となり、強力な破壊力を持つようになる。

ヴィナレス星の戦士に失敗は許されず、任務が失敗しそうになった時には最終手段として巨大化装置を使って「宇宙怪獣ヴィナレス」へ変身し、最後まで戦う事が厳命されていて栄誉ともされている。

地球人と比べれば強い力を持っているが、ファイヤーマンには及ばないようでガスタンクを投げつけたり、鉄塔を引き抜いて武器にして戦う場面もあった。

名前は「ヴィナレス星人」だが、会話の中では「ヴィレナス星人」と発言されている。

巨大化した姿は「宇宙怪獣ヴィナレス」と呼ばれるが、そのまま巨大化するだけで別の怪獣に変化するわけではない。


【活躍】

最初は丸い銀色の宇宙船に乗って襲来し、街をレーザーで破壊していったが駆けつけたマリンゴンに撃墜されて失敗してしまう。
墜落した町に張られた非常線を岬とマリ子の子豚を追いかけるのに夢中になるという過失の隙をついて脱出し、町の人々を襲ったり変電施設や水道施設を破壊して東京の3分の1のエリアに渡って停電や断水を引き起こした。

そして、その混乱の隙に母星であるヴィナレス星にテレパシーで連絡を取り、救援を要請する。
しかし……、

お前は自らの過失から、宇宙船を失ってしまった。ヴィレナスの戦士に過ちは許されない

俺は全力を尽くしたぞ…!その俺を、見殺しにするというのか……!

女々しいぞ、我が戦士よ

どうしても許さないというのか……!

そうだ。お前はあの装置を使って巨大化し、宇宙怪獣ヴィレナスとなって最後まで戦い抜くのだ

それがお前に残された唯一の使命だ

戦士よ、さらばだ

我が故郷の星、偉大なるヴィレナス星人に栄光あれ……!

母星からの無情な通告にヴィナレス星人は涙を流しながらも、その運命を受け入れて最後まで戦う事を誓う。

その夜、ヴィナレス星人は子豚の飼い主で町で岬達と知り合った少女、幸子の家を襲撃して幸子をさらってしまう。
幸子を人質に、幸子が飼っていた子豚のピコの首輪を持ってくるように要求。
実は、この首輪はヴィナレス星人が巨大化して「宇宙怪獣ヴィナレス」になるための巨大化装置だったのだ。

巨大化装置を身に付けたヴィナレス星人は巨大化して「宇宙怪獣ヴィナレス」となり街を破壊しようとする。
しかし、岬もファイヤーマンに変身すると激しい格闘戦を展開。
互角の戦いを見せていたが、援護にやって来たマリンゴンの攻撃にダメージを受けたと見せて近づいたファイヤーマンに不意討ちを行って優位に立つ。
だが、発射したレーザーをパラボラアンテナで反射されて左目を破壊されてしまうと両足を掴まれて投げ飛ばされて地面にめり込み、敵わぬと見て地中に逃げ込んだ所に「ファイヤーフラッシュ」を撃ち込まれて敗れ去った。


【その他】

デザインは池谷仙克。
決定稿の時点で、攻撃を受けた事により負傷した事を想起させるデザインとして描かれている。

母星に助けを求めたが却下され、最後まで戦う事になったヴィナレス星人だが、似たような立場のキャラクターにはダダマゼラン星人マヤなどがいる。
ダダがどちらかといえば、上司からの理不尽な命令に振り回されるという気の毒さからネタキャラのような扱いになっているのに対して、ヴィナレス星人は母星から見捨てられて涙を流しながらも戦士としての誇りから運命を受け入れ、半ば特攻のような戦いへ向かうという、悲壮感と悲劇性が感じられるキャラクターになっている。
また、マゼラン星人マヤは実は自分が捨て駒だった事に絶望し、自ら命を絶ってしまったが同じような立ち位置のキャラクターでもその結末は様々で、印象も大分違ってくるものだと思う。

名前は「ヴィナレス星人」なのだが、タイトルで「ヴィナレス星人」となっているのに作中で「ヴィレナス」と呼ばれるなど紛らわしく、昔の怪獣図鑑でも「ヴィレナス星人」として紹介されているものもある。
2018年発行の「円谷プロ特撮ドラマDVDコレクション」では正しく「ヴィナレス星人」になっている。


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最終更新:2025年05月22日 20:21