石榴倶楽部(SCP Foundation)

登録日:2020/03/14 Sat 00:33:27
更新日:2025/02/01 Sat 11:44:47
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鹿の肉をモミジと呼ぶように、馬の肉をサクラと呼ぶように、彼らは人の肉をザクロと呼んでいました。集会の頻度はおおよそ月に一度でしたが、毎回ザクロを食べるわけではありません。そう簡単には手に入りませんからね。

--『SCP-890-JP - 培養肉のジャータカ』より


石榴倶楽部はシェアード・ワールドSCP Foundation』に登場する要注意団体である。


概要

石榴倶楽部は「せきりゅうくらぶ」と読み、『ザクロ』と称した人肉を食べる人肉嗜食者の会員制倶楽部である。
定員は10名で、橋詰・椎名・六角・早瀬・宇宿・東条・舟越・秋津・手塚・浮田を名乗り、
逝去・脱退・除名などで欠員が出ると新たな人物を招待し、その人物に空き名跡を襲名させる。
このため、同じ名前であっても同一人物であるわけではない。起源は19世紀頃と推定される。
活動地域は京都府京都市を中心としており、「石榴」と書いておいて素直に「ザクロ」と読まず、
「せきりゅう」と音読みするのも雅称といったところだろうか。

ただ人肉を食うだけの倶楽部にあらず、京都らしく非常に気品を重要とし、人肉に物語性を求めることも多い。
また、食べることそのものにも高尚さを求めている。
そもそも人肉を『ザクロ』と呼ぶのも鬼子母神(ハーリーティー/訶梨帝母)の逸話から来ている*1
このため、「罪人の肉ばっかり続くと石榴倶楽部の気品に関わる」と発言したりもする。
各個人も人肉の味が好きな会員もいれば、人肉食という禁忌そのものに刺激を見出す会員、
人肉を食べるということに儀式と捉える会員と様々であり、石榴倶楽部そのものに統一的な理念や目的があるわけではない。
たまに人外がメンバーに入ることもなくはないが基本は人間によって構成される。

財団からすると、その組織そのものには危険性はない。高尚なことこそいっているが、
財団視点では「普通の(非異常性の)カニバリズム団体」に過ぎないので、それ自体をどうこうする必要性は本来はない。
世界が滅びさえしなければ、無辜の人々がほんのちょっと食われるくらい財団的には無問題である。
しかし近年の調査によって、石榴倶楽部は人肉食を行うために積極的にアノマリーやパラテックに手を出しており、
その過程で他の要注意団体との接触を図ることが多いことがわかってきている。
このため、彼らをもはや財団も看過できず、調査に乗り出している、というわけである。

ただし石榴倶楽部側はメンバーによりけりで、財団を関知していない者や、
インタビューに応じるものもおり、秘密倶楽部ではあるものの調査が難航するということはあまりない。

オブジェクトの傾向としては、メリーバッドエンドが多いようにも思える。

他団体との関係

こういう団体なので、他団体とはそこまで対立しそうに一見すると見えないのだが、財団が思うよりは複雑な様子。

如月工務店は仲いいというわけではない様子で、しばしば関わりのあるオブジェクトが登場するが、
石榴倶楽部側が一方的に得しているという様子もない。

弟の食料品は石榴倶楽部御用達の洋食店である。まあ人肉料理に長けた洋食店なんてそう多くはないだろうし。
その弟の食料品のウェイターも所属する闇寿司にも目をつけている様子だが、
闇寿司側は石榴倶楽部のことについて理解しているとは言えないようである。

石榴倶楽部の関係するオブジェクト


SCP-031-JP - ヴォラレフィリア


でもな、出会うてしもうたら堪えれんわ。お兄さん、こんなにええ匂いで、こんなに美味しそうなんやもん。

京都市上京区に昭和53年の2月如月工務店によって建設された4階建てのビル。
5つのボタンのあるエレベーターで接続されており、1-3のボタンは1-3階、5のボタンは4階に通じている。
じゃあ肝心の4はなんだよって話だが、ここだけ唐突に2帖のタイル張りのお風呂のある異次元に接続されている。
このフロアに降りると、目鼻のないウメハルを名乗る女性芸妓実体に遭遇する。
本人の口以外の穴はすべて埋められてしまっており、セックスこそできないが視覚・聴覚・嗅覚は存在するらしい。
この芸妓実体に侵入者は丸呑みされ、所有物はこのイベント終了後に北野天満宮に唐突に生えて急成長する梅の木の下に埋まっている。

項目名のヴォラレフィリアとは丸呑みフェチのこと。
ついでにいえば、一応石榴倶楽部関係ではあるが、ウメハル本人曰く上品じゃないので追放されたらしい。
まあ丸呑みはたしかにお上品ではない……。





SCP-890-JP - 培養肉のジャータカ


どうかわたしのことを忘れないでいてください。わたしの顔や声は忘れても、せめてわたしの味だけ憶えていてくれたなら、わたしはきっとしあわせです。

色絵磁器製の平鉢で、なんかしらの液体が附着すると異常な生存能力および増殖能力を有するヒト骨格筋筋芽細胞が生えてきて、
血液型O型Rh+のアジア系女性の骨格筋組織に成長する。……そして、この鉢には、とても切ない恋物語が存在する。

ジャータカとは前世のこと。





SCP-1321-JP - 後悔の味


そうか…パパだぞ。誕生日おめでとう。

飲むと脳の萎縮を引き起こし、内臓器官を血液由来の被膜でコートされる薬品。
弟の食料品日本生類創研を騙して作らせた薬品で、
石榴倶楽部をはじめとした顧客に子供の踊り食いを楽しんで頂くために用いられていた模様。
弟の食料品も発想が大分ヤバいが、石榴倶楽部の橋詰もその味を味わうために普通にはありえない材料の調達を行っており……





SCP-1925-JP - 聖女堕胎


あの子は私のジーザスです。そして私はあの子の、あの子たちの母マリアであり、マグダラのマリアであり、ペテロでありヨハネなのです。

仏教モチーフが見え隠れする石榴倶楽部には珍しい、キリスト教系のオブジェクト。
といっても、舞台装置がキリスト教系という感じであり、実体はやっぱり食われる。
繰り返し赤ちゃんを生んではオーラル・セックスする女性と、オーラル・セックスが終わると消失する赤ちゃん。
その赤ちゃんは「罪の味」がするらしい。

「両者のザクロを合わせて調理しました。何やら不幸な追記があったようですが、恋人たちは再会したのです。籠った感情は、さぞ修正を引き立たせることでしょう」


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最終更新:2025年02月01日 11:44

*1 ただし、もともとは鬼子母神の持つ吉祥果をザクロで表現するのは中国の影響で、吉祥果ってなんやねんと中国人がとりあえずザクロで代用表現したに過ぎず、更にそれを「人肉食を辞めさせるために仏陀が鬼子母神に食わせた」というのは日本の俗説に過ぎない。