ファイバード/火鳥勇太郎

登録日:2020/04/21 (火) 21:18:49
更新日:2025/04/02 Wed 23:48:33
所要時間:約 22 分で読めるなんて、カンドーだぁ!





オレのじいちゃんが世界平和のために作ったアンドロイドに、
エネルギー生命体の宇宙人が乗り移ったんだ。

火鳥勇太郎って兄ちゃんで、あんまし地球のことを知らないみたいなんだけど、
頼もしくってミラクルかっこいいんだ!

その火鳥兄ちゃんが言ってるんだけど、
「ドライアスって悪いヤツが地球に侵入して、地球制覇を考えてるんだ」って。

じいちゃんも、「地球にマイナスエネルギーが満ちはじめた」
って言ってるし、どうもヤバい雰囲気なんだ……。

『太陽の勇者ファイバード』第2話~第3話アバンタイトルより





ファイバード/火鳥勇太郎(かとりゆうたろう)は、サンライズ・名古屋テレビ(現:メ~テレ制作のロボットアニメ『勇者シリーズ』第二作『太陽の勇者ファイバード』の主人公。



概要

宇宙の平和を守る宇宙警備隊のリーダー。
第一話、自らを「宇宙皇帝」と称し全宇宙を暗黒の世界に変えようとする邪悪なエネルギー生命体・ドライアスを追って仲間たちと共に地球に来訪。
その際、天野博士(あまのひろし)博士の作ったアンドロイド・火鳥勇太郎と融合し、邪悪な研究で暗黒世界の実現を目論むマッドサイエンティスト・Dr.ジャンゴと組んだドライアス一味に立ち向かう。



やぁい、てめぇら!
この大江戸で悪事を働こうたぁ、ふてぇ野郎どもだ!

たとえお天道様が許してもこのオイラが許さねぇ!
お縄についてもらうぜ!!


火鳥勇太郎


星座:乙女座
年齢:20歳(宇宙年齢は12000歳)
血液型:AB型(人工血液アマノX28)
身長:185cm
体重:85kg
国籍:宇宙警備隊本部本星
家族構成:家族という概念は特にない。みんな兄弟のようなもの
地球に来て好きな食べ物:ハルカの作ってくたドーナツ
地球に来て嫌いな食べ物:タワシ(トゲトゲしているから)
特技:オカリナの演奏
地球に来て苦手なもの:サビ
地球に来てからの趣味:日々カンドーすること
地球に来て好きな女の子のタイプ:性別にかかわらず純粋な人が好き
将来の夢:宇宙の平和の実現
初恋:まだ
地球に来て尊敬する人:天野博士
宇宙警備隊に入った理由:宇宙警察のエクスカイザーさんに憧れて

ファイバードの地球での仮の姿。命名者は天野博士。
博士曰く「人間そっくりなんじゃから人間の名前があったほうがいいじゃろう?」とのこと。
天野博士が開発した災害救助用アンドロイドで、もし起動に成功したら彼が税務署に内緒で開発した数々のレスキューメカを操り世界の災害や事故を救うことになっていた。
結局起動実験には失敗したものの、正義のエネルギー生命体が宿ったことで天野博士の夢は実現したと言える。
なお、天野博士曰く「ありゃ冗談のつもりだったんじゃが……」とのこと。「嘘から出たまこと」とはまさにこのことか。

融合時には金色のヒューマノイドだったが、人工皮膚と超能力で人間と寸分変わらぬ丸裸な姿となる。
人間時の姿は天野ハルカが設定した理想的な男性であり、かなりのイケメン
普段着は赤ジャケットに白のジーパン姿だが、第3話にて白衣と眼鏡姿も披露。天野研究所で博士の助手として本格的に活動することになる。
宇宙人のため地球の文化・言語にはかなり疎く、当初はオウム返しに言葉を繰り返すだけだったが、天野家の人々との交流を経て少しずつ勉強していく。

性格は純粋で好奇心旺盛。
ハルカ手作りのドーナツも当初は食べ物ではなく武器と勘違いしてチャンプに投げつけたり、
蝶を見て「これはハトですか?」とチューリップを見て「これはスミレですか?」と偶然通りが肩かった佐津田警部に質問するほどだった。
やがて、地球のことを学ぶうちに「カンドーだぁ!」という口癖も習得。
第11話では花が咲く瞬間を見て大喜びし、その勢いでハンモックで寝ていた博士を無理矢理起こしてしまったり、
第33話では幽霊騒動の際、27歳で夭逝した天野博士の妻・ユリにも驚かずご丁寧に正座&お辞儀しながら会話したり、
第37話ではバミューダ海域の幽霊船でキャプテン・モーガンの幽霊にも怯えずに笑顔で手を振るなど、エネルギー生命体であるがゆえの純粋さを見せている。
第4話では駅前の書店で本を買った帰りに人助けの為に献血を行った。
だが、流れている血液が人工血液だったため、天野平和科学研究所存続の危機に陥ってしまったこともある。

第7話では一平&五郎のコソ泥コンビに手料理を振る舞ったこともあるが、味は最悪
食材は悪くはないのだが、味を全く考えておらず料理を食ってあまりの不味さに倒れてしまうほどだった。
エネルギー生命体である彼にとって食事は単なる栄養補給にすぎず、栄養のバランスが取れた食事をとれば地球人は喜ぶと思っているようだが……。

特技のオカリナは研究所の掃除中に見つけたものを使っており、これで演奏する故郷の音楽には聴く者の心を落ち着かせる効果がある。
泣きわめく赤ちゃんや暴れる巨大ゴリラにも効果てきめんな一方、邪悪なエネルギー生命体には逆にダメージを与えるので、最終章におけるカタルシスビーム砲開発のヒントになった。

そんな火鳥兄ちゃんだが、裏設定によると憧れの人はあのエクスカイザーとされる。
ドライアスとその手先を前にした時になぜか江戸っ子口調になるのも、テレビで最初に見た時代劇の影響であろう。
銭形平次似の岡っ引きを見た際、地球における宇宙警察のような立派な仕事だと思ったのであろうか。
さすがにP〇Aがうるさかったのか地球のことを学び続けたのか、中盤以降は江戸っ子口調はナリを潜めている。

普段の姿がアンドロイドだけあってか、深海や宇宙空間でも私服姿のまま難なく活動することも可能。
等身大の戦闘力も高く、テシターなら拳ひとつで難なく倒し、ドライアスの忠実な下僕であるゾル&シュラともほぼ互角に渡り合える。

普段はのんびりとした好青年だがドライアス一味を前にすると一転して熱血漢になる上、普段が白衣と眼鏡を身に付けた姿であるため見た目のギャップが大きく、
研究所のメンバー以外は天野博士の助手を務める青年とファイバードを名乗ってロボットに変身する謎のヒーローが同一人物であることに終盤まで気付かなかった。



搭乗機


天野博士が開発した珍発明マイナスエネルギー探知機によってドライアス一味の悪事を探知した際、火鳥は博士が開発したメカに乗り込み現場に急行する。
いずれの機体も火鳥がメインパイロットを務めており、その助手席には毎回のように天野ケンタが搭乗している。

ファイヤージェット


全長:26.2m
重量:45.5t
最高速度:マッハ5.2

火鳥が初出動する際に乗り込んだ輸送用大型ジェット機。
コックピットは二人乗りで、火鳥が出撃するとともに「この時を待ってたんだ!」とケンタも強引に搭乗、第2話で宇宙警備隊地球協力隊員に任命されて以降は火鳥と同乗するのがデフォとなった。
コックピットは後部座席に火鳥、前部座席にケンタが乗る。

天野平和科学研究所の灯台からスロープが展開し、そこを通過しながら発進する。
エンジンの推進剤を交換すれば宇宙空間でも飛行可能。
機首先端部から消火用ミサイルを発射する。
また、第15話のように海底でも行動可能。
後述するサンダージェット(バロンチーム)と共に出動し、海底ケーブルを切断し世界中の電話回線を断ち切ろうとするメカ獣デスタロイドを迎え撃った。

フレイムブレスターを機体後部に合体させることも可能で、20話でドライアスから撤退するときに一度使用された。


サンダージェット


全長:22.5m
重量:120t
最高速度:マッハ3.5

火鳥&ケンタ第二の搭乗機。初出動は第2話から。
バロンチームが天野博士の開発したマシンと融合しており、
普段は地下格納庫で戦車(エースバロン)ドリルタンク(ドリルバロン)トラック(ロードバロン)小型潜水艦(アクアバロン)小型ジェット機(スカイバロン)の五機に分離されている。
発進時にはエースバロンを中心にドリルバロンが先端部、スカイバロンが右翼、アクアバロンが左翼を構成。ロードバロンはエースバロンと合体し上体部となる。

コックピットはファイヤージェットと異なり火鳥が右側、ケンタが左側に乗り込む方式。
発進時には天野平和科学研究所内の格納庫から海底からのゲートに着水して発進する。

作戦時には五機に分離、火鳥&ケンタがエースバロンを除く現場に応じたバロンチームに乗り込み人命救助に向かう。


ファイヤーシャトル


全長:28m
重量:60t
最高速度:マッハ9.2

第29話で投入された輸送用スペースシャトルで、火鳥&ケンタ第三の搭乗機。
基本的に大気圏外の運用を目的としているが、大気圏内での飛行も可能。
コックピットは火鳥が左側、ケンタが右側に乗る方式。
左右にはビーム砲を装備しており、ある程度の戦闘は可能。
発進時には天野平和科学研究所の裏山から発進ゲートが展開される。

建造にはバロンチームも関わっているが、その目的は電気代をタダにするために開発した太陽エネルギー集積衛星を打ち上げるため。
打ち上げに成功したのはいいものの、エネルギー変換に費やす電気も半端なく大きかったため無料どころか赤字になってしまうのだった。
素直に電気代払えばいいのに……

こちらも設定上はブレスタージェットを後部に合体させることが可能だが、本編では一度も登場しなかった。




ファイヤァァァジェェェェェット!!


チェイィィィンジ! ファイバードッ!!


貴様、ドライアスの手先だな!?

このファイバードがいる限り、宇宙の平和を乱させはしない!



ファイバード


身長:20.1m
重量:45.5t
走る速さ:150.5㎞/h
ジャンプ力:250.9m

火鳥勇太郎が超能力でファイヤージェットと合体した姿。
火鳥がファイヤージェットを遠隔操作して合体シークエンスが開始。
ファイヤージェットが人型に変形後、火鳥が不死鳥のイメージを纏いながら加速。
そして、アンドロイド形態に戻りジャンプ後コアパーツに変形。
人型となったファイヤージェットの中央部のジョイントと接続することで頭部のカメラアイに光が灯り、合体完了する。
ファイヤージェットを操縦中に飛び出して合体を発動するパターンもあった。
第25話ではサルバトール王国のシン皇太子の帰国便代わりとしてケンタがファイヤージェットを操縦しており、火鳥に呼び出されると2人を降ろしてから合体した(バンクも新たに描き下ろされた)。

合体時にはコアパーツが剥き出しのままな状態のため、ぶっちゃけかなり危険
実際、この形態のままドライアス一味のメカ獣と戦うとすぐ苦戦するため『攻撃を受けてすぐ苦戦→後述するフレイムブレスターを装着し反撃開始』というパターンが多かった。


武装

  • ダイナバスター
両腕の裏側に折りたたまれている二連装バルカン砲。
フレイムブレスターで敵を攻撃して合体する隙を作る場合もある。

  • フレアミサイル
両膝部から6連装ミサイルランチャーを展開、ミサイルを発射する。
通常形態では使われず、武装合体後に使うことがデフォだった。

  • ファイヤーロッド
設定のみの武装。
両膝部から射出した二門の棒を組合わせ、長棒として振るう。




フレイィィィムブレスターッ!!


フォームアップ!


武装合体! ファァァァイバードッ!!



武装合体ファイバード


身長:20.2m
重量:65t
走る速さ:168㎞/h
ジャンプ力:280.8m

ファイバードが小型ジェット機・フレイムブレスターと武装合体した姿。
フレイムブレスターがファイバードのコアごと胸部を覆い被さる形で合体。
機体後部は兜兼フェイスガードを構成、真上に向かれた両肩のアーマーは左右に突き出る形となる。
二門のキャノン砲が背部に折り畳まれた後、胸部の球体に翼を広げた鳳凰のマークが浮かび上がることで合体完了する。

通常のファイバードが合体後のボディの9割を占めているため、フレイムブレスターは合体用サポートメカとしては歴代で最も小さいサイズ。
巨大マシンが合体後の大半を占めることの多い勇者ロボとしては珍しい合体パターンといえる。
書籍やゲームでは、武装ファイバードと略されることも多い。

後半以降は尺の都合で…もとい、状況に応じてファイヤージェット召喚から一気に武装合体することがあった。


武装・技

  • フレイムキャノン
フレイムブレスターのキャノン砲を前面に展開、灼熱のビームを発射する。

  • サンスライサー
胸部のエムブレムをノコギリ付き円盤として投擲する。

  • フレイムソード
背部(ファイヤージェットの機首)から射出されるファイバードの必殺剣。
ファイバードが手にすると鍔部が展開、フレイムブレスターと同じ炎を形作ったものとなる。
敵のビームを刀身で受け止め、そのまま投げ返すことも可能。

  • フレイムバリアー
フレイムソードを構えることでバリアーを展開。メカ獣の攻撃を防ぐ。

  • フレイムソード・チャージアップ
武装合体ファイバードの基本必殺技
フレイムソードを真上に掲げることでエネルギーチャージ開始。
フレイムブレスターに吸収された太陽エネルギーが翼を広げた不死鳥のイメージを形作り、燃え盛る炎を刀身にまとわせダッシュした武装ファイバードがメカ獣を両断する。
第19話までは無敵だったが、ドライアスが出陣する第20話でデスブレードが発した邪悪な波動の前に弾かれてしまった。
ファイバードの意識で威力を調節する事も可能であり、第38話では巨大ゴリラの頭に付けられた洗脳リングのみを破壊した。

  • フルブラスト
武装合体ファイバードもう一つの必殺技。
フレイムキャノンとダイナバスターとフレアミサイルを一斉掃射する。




この俺がいる限り、貴様らの好きにはさせん!


ファイヤーシャトォォォォルッ!!


チェインジ! グランバードッ!!


今度はこのグランバードが相手だ!



グランバード


身長:21m
重量:60t
走る速さ:140㎞/h
ジャンプ力:220.9m

第29話から初登場の火鳥第二のロボ形態。
サンダーバロン&スーパーガーディオンが窮地に陥った際、火鳥がとっさの判断で超能力でファイヤーシャトルに変形・合体能力を与えた。
変形シークエンスはファイヤージェット/ファイバードと同じパターン。
火鳥がファイヤーシャトルの名を呼ぶことでシャトルが人型形態に変形。
コアパーツに変形した火鳥が左胸部のジョイントと接続した後、シャトルの尾翼部が割れて胸部を覆った後、光と共に頭部が現れ合体完了する。

この時、ファイヤージェットはドライアスの猛攻で合体する間を与えず半壊してしまい、修理に時間がかかってしまった。
そのため、火鳥はとっさの判断で「博士、ファイヤーシャトルを借ります!」勝手にファイヤーシャトルを借りグランバードとなった。
結局壊しちゃったけど、まあ地球の平和を守れたんだから硬いこと言いっこなしよね。

宇宙空間での戦闘に秀でており、ドライアスを上回る敏捷性を見せている。
第39話ではメカ獣にコーティング剤で体のあちこちを固められ、分離を含めた一切の動きを封じられたファイバードがブレスタージェットを召喚して敵を撹乱。
更にその隙に一足遅れて到着したファイヤーシャトルが胸部のコーティング剤を溶かし、そこからジェット合体グランバードに乗り換える形で合体して危機を回避する戦法を見せた。


武装


  • 胸部ビーム
胸部パーツの模様から破壊光線を発射する。

以下のものは、いずれも児童雑誌・設定のみの武装となっている。

  • レーザーロッド
両腕部をビーム砲に変え、電磁攻撃を繰り出す。

  • グランアタッカー
バックパックの両翼部にあるブースターをアンカーのように射出する。

  • フェザースラッシュ
頭部側面の翼飾りをカッターとして投擲する。




ブレスタァァァジェェェェット!!


フォームアップ!!


ジェット合体! グランバァァァァドッ!!




ジェット合体グランバード


身長:21.2m
重量:85.6t
走る速さ:166㎞/h
ジャンプ力:280.8m

グランバードに小型ジェット機・ブレスタージェットが合体した姿。
合体方式は武装合体ファイバードと同じく、ブレスタージェットがグランバードの胸部を覆い被さり機体後部が兜兼フェイスガードを構成する方式。

武装合体ファイバードが武装ファイバードと略されて呼ばれることが多いのに対し、本形態が「ジェットグランバード」と略されることは少ない。

こちらも後半はファイヤーシャトル召喚から一気にジェット合体を行うことがあった。


武装

  • グランロケッター
ブレスタージェットの後部にある左右の六連装ミサイルポッドから、ミサイルを一斉掃射する。
ジェット合体の時より、グランバードが召喚する際メカ獣を攻撃し合体の隙を作るバンクシーンの印象が強かったりするのは内緒だ。

  • グランスライサー
武装ファイバードのサンスライサーに該当される武器。
胸部のパーツをブーメラン状のカッターにしてメカ獣を切り裂く。
「ウイングスライサー」とも呼称される。

  • グランキャノン
ジェット合体グランバードの必殺武器。
両腿部に内蔵されたパーツが射出後、大型のビームキャノン砲に合体。
胸部にエネルギーを集中させた後、スコープで敵をロックオンし強力なエネルギー光線を発射する。
バンク映像は後番組でも流用された。




そうか、ファイバードとグランバード……二つの力を一つにすれば!


見るがいい! 正義の力を!!


ファイヤァァァジェェェェェット!!


最強合体! グレェェェトファイバァァァァドッ!!


ドライアス! 人々の夢を奪い、地球の平和を破らんとする悪の野望……このグレートファイバードが許さん!



グレートファイバード


身長:30.5m
重量:105.5t
走る速さ:250.6㎞/h
ジャンプ力:590.2m

今作におけるグレート合体勇者で、第32話で初登場。
修理完了しエネルギー満タンの状態で戦線復帰したファイヤージェットを見て、火鳥が超能力でファイバードとグランバードの力をひとつにした姿。

ファイバードを中心に、グランバードがパーツに分離し合体する。
グランバードの両脚部はファイバードの高下駄に、上半身は両腕部を前方に折り曲げたファイバードのブレスター的パーツとなる。
火鳥がグランバードから分離しファイバードに再合体後、両肩アーマーを収納後胸部を守る形で降り曲がり、グランバードの上半身と合体。
両腕が出た後胸部に巨大な鳳凰のマークが浮き出た後、日輪を施した新たな頭部が現れて合体完了となる。

本来、ファイヤージェットとファイヤーシャトルは合体不可能なため、開発者である天野博士もビックリな奇跡の超合体。
……というか上記の2体も元々変形機能は設計外のことなので、博士はもう驚いてはいない模様。

スペック自体は大きく上昇したが、コアロボ同士の合体により銃火器類が減っているのが難点。
最強合体の名に相応しく、初陣ではドライアスさえ圧倒するほどの強さを持ち、苦戦したのも43話くらいだが、出番は8回とあまり多くない。
その43話もガードファイヤーとガードウイングが喧嘩していたため強敵を前に一切の援護が得られず、仕方なく初手から必殺技を繰り出したためである。

なお、本作までグレート合体は合体要請を介さず任意に発動できたため、合体時のシチュエーションが多種多様であり、前作のエクスカイザーとは違ったベクトルの応用力を見せている。
BGMは素のファイバードから合体するときがグランバードの合体BGMのロングバージョン、それ以外はグレートファイバードのBGMとなっている。
  • グランバードがジェット合体を解除してファイヤージェットを召喚→最強合体(32話)
  • ファイバードが武装合体を解除してファイヤーシャトルを召喚→最強合体(33話)
  • 素のグランバードがファイヤージェットを召喚→最強合体(37話)
  • 素のファイバードがファイヤーシャトルを召喚→最強合体(43話、44話)
  • 敵の攻撃を受けたグランバードが身動きできないため、ブレスタージェットに敵を攻撃させて動きを止める→その隙にファイヤージェットを召喚して最強合体(35話)
  • 戦闘中にファイバードが拘束されたため、一旦グランバードに乗り換えて戦闘を継続→その後ファイバードの拘束を解いてから最強合体(39話)
  • ファイヤージェットで出撃した火鳥がファイヤーシャトルを追従させた状態からいきなり最強合体(最終話)


武装

  • グレートキャノン
武装ファイバードのフレイムキャノンに該当する武装。
両肩に配置された二門のキャノン砲からビームを発射する。

  • フレイムソード
グレートファイバードの振るう必殺剣。
ファイバードのフレイムソードにサポートメカであるフレイムブレスターが鍔となり、刀身がさらに伸びて巨大な剣となる。
剣を取り出す場所はファイバードと同じだが、バンクは流用せず完全な参加作画になっている。

  • フレイムソード・チャージアップ
グレートファイバード最大の必殺技で、武装ファイバードの必殺攻撃の強化版。
額の日輪マークに光が灯った後、フレイムソードを真上に掲げると巨大な不死鳥のエネルギーが舞い降りる
それを纏ったグレートファイバードが、全速力で駆け抜けてメカ獣を一刀両断する。

  • ギャザウェイブラスター
第43話で見せた合体攻撃。
サンダージェットとなったサンダーバロンをスーパーガーディオンが、さらにグレートファイバードがそれを担ぎ上げる形で発動、強力なエネルギー光線を発射する。
この時、ドリルバロンの先端部は巨大な銃口に変形し、ロードバロンの操縦席はトリガーとなる。

  • トリプルファイヤークロス
絶対暗黒神となったオーガニックドライアスとの最終決戦でフレイムソードを失ったグレートファイバードが見せた最後の必殺技。
ボディを破壊されたサンダーバロンとスーパーガーディオンのエネルギー体と同化し、巨大な不死鳥となって突撃する。


以下、児童雑誌・設定画でのみ存在する武装。

  • フレイムシールド
ブレスタージェットが巨大な盾になる。
変形合体可能な立体物では基本的に武装して扱われるが、フレイムソードと異なり本編では一回も使われなかった。

  • グレートアックス
胸部の端にある羽パーツを外して、手斧のように投擲する。

  • グレートクラッパー
腕からアンカーを打ち出す。

  • バーンスライサー
額の日輪マークを円盤状のカッターとして投げつける。

  • グレートボンバー
胸のマークをエネルギー弾に変えて撃ち出す。

  • スライサーキック
普段は収納されている脛の翼を展開して、ジャンプキックを繰り出しメカ獣を切り裂く。



余談


●普段はコミカルな宇宙人だが悪に立ち向かう姿が勇敢なファイバードこと火鳥勇太郎は、前作の主役であるエクスカイザーとは違ったキャラクターで子どもの人気を勝ち取った。
そんな火鳥兄ちゃんにときめいた女性ファンも多かったのか、当時の冬コミでは白衣を身にまとったコスプレをした来場者が多数見受けられた。
前年の1990年では特撮ドラマ『地球戦隊ファイブマン』のファイブレッド/星川学の普段着が白衣姿をしており、女性ファンもそれにちなんだコスプレが流行っている。
1990年代初頭は白衣が注目の的だったのかもしれない。

●素のファイバードとグランバードは同一人格の別形態ということもあり、顔立ち自体は大きく変わらない。唯一区別できる点は人間でいうところの頬骨の部分で、OP映像をはじめとする本編映像を確認するとちゃんと描き分けられていることがわかる。ちなみにグレートファイバードのコアはファイバードだが、上半身上部はグランバードのユニットが構成しているため、マスクの中もグランバードの顔となっている。

●今作のテーマは『愛』でもあるが、1990年代後半に発売されたアニメ雑誌『電撃B-magazine』で谷田部勝義監督が描きたかったことは『これ何?』。
当時の雑誌インタビューで、谷田部監督は自身が手掛けた三作品についてこう語っている。

■各作品で描きたかったことは?
「『エクスカイザー』は"宝物"がテーマ。要は、視聴者の身の回りの宝捜しをしようよと。
『ファイバード』は火鳥くんという何も知らないキャラクターを作り、彼がひとつひとつのことに関して疑問を抱く、いわゆる素朴な疑問シリーズで、"これ何?"という話です。
前2作品を受けて、"じゃあ小さい子向けの合体ものでどこまでテーマを引き上げられるか"とやってみたのが『ダ・ガーン』です。
あくまでも低学年の子が離れない範囲内でですけれど」

このテーマと松本保典氏のユーモラスな声とヒロイックな声を使い分ける火鳥勇太郎のキャラクターは、
『エクスカイザー』を発展させた日常と非日常があるヒーローロボットを象徴するものとなったと言っても過言ではない。

●3話で言葉を覚えたばかりのときのセリフ「これはハトですか?」「これはスミレですか?」はなぜか2018年になって海外でミームとして流行した。

●タカラから発売されたPS専用ソフト『新世代ロボット戦記ブレイブサーガ』では念願のエクスカイザーと共演が叶う。
……とはいえ、両作共に本編終了後という設定なのか、それとも本編外でも交流する機会があったのか不明だが、あっさり目に描かれているのは残念。
続編の『ブレイブサーガ2』では、キングエクスカイザーと武装ファイバードの作品枠を超えた合体攻撃が追加される予定だったが、諸事情で削られている。
GB専用ソフト『ブレイブサーガ 新章アスタリア』で「ブレイブF(フォーメーション)」という名でお披露目となったものの、やはり声付きで見たかったファンも少なくないであろう。勿体ない……。

●そんな『ブレイブサーガ2』では、シリーズ最終作『勇者王ガオガイガー』の主人公である獅子王凱との交流イベントがある。
その内容は、凱が天海護と前番の『勇者指令ダグオン』の戸部学から「おじさん」呼ばわりされるのを気にしていたのか、メンテナンスルームで火鳥兄ちゃんに「オジサン」呼ばわりされてGストーンの能力が低下して生命反応がレッドゾーンに陥ってしまう、というもの*1
命「イヤ―――ッ! ガイが死んじゃう~~~っ!!」
火鳥「オ・ジ・サ―――――ンッ!!」
火鳥兄ちゃんの天然が炸裂した、強烈なギャグイベントであった……。
年齢的に見れば12000歳の火鳥兄ちゃんがおじさんじゃんと言っちゃいけない。スワンさんも「日本語、ベリームツカシイデ~ス!」と言ってるし

●立体物に関しては当時のDX玩具のほか、ミニプラ、メカスマが製造されている。DX玩具は安全基準などの関係から可動に制約があるものの、プロポーションは概ね良好。フレイムブレスターとフレイムソードの合体だけはさすがにサイズの関係から無理があるものの、それ以外は子供向け玩具としては文句なしと言えるだろう。ミニプラやメカスマに関しては可動などの問題点が全て解消されており、プロポーションも見栄えも極めて良好。エクスカイザーが立体化を困難にする設計だったことの反省を活かし、無理が少ない変形合体の構造で設計したことが幸いしている。

なお、グレートファイバードの胸のエンブレムはDX玩具だとシールになっていたが、メカニックデザインを担当した大張正巳氏にやると本来は立体的なものを想定しており、玩具では諸般の事情によりオミットされたとのこと。ミニプラやメカスマではちゃんと立体で再現されている。

●メカスマに関しては発売予告動画(現在は非公開)にて、松本保典氏本人がナレーションを行っていた。さすがに30年経つと声の雰囲気は多少変わっていたが、松本さん本人がナレーションで火鳥の名台詞「カンドーだぁ!」を読み上げたため、ファンは歓喜していた。




私はケンタたちや、このwikiに住むすべてのwiki篭りに約束したのだ。
たとえこの身が滅びても、項目を編集するとな!!



ドライアス!!



受けるがいい!!



これが俺たちの追記・修正だぁぁぁぁぁぁっ!!!



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最終更新:2025年04月02日 23:48

*1 凱兄ちゃんが豆腐メンタルというよりも、デリケートなサイボーグボディの誤作動に近いものであるが。