明負悟(ジョジョリオン)

登録日:2020/04/23 Thu 17:20:53
更新日:2025/04/17 Thu 22:57:13
所要時間:約 9 分で読めます





「LOCACACA6251」の完成はすぐそこの近い将来なのですッ!

まさに明日!明後日にも完璧の治療技術となりますッ!


明負(あけふ)(さとる)とは『ジョジョの奇妙な冒険 Part8 ジョジョリオン』の登場人物。

CV:菅生隆之(ASBR)

【概要】

吉良吉影の母親であるホリー・ジョースターが入院しているTG大学病院の院長。年齢は89歳。

病院のサイトにも顔写真が無く、康穂の「ペイズリー・パーク」でも発見できないという謎の人物。
ただし、事前に予約をしていれば面会する事はできる。
病院にいる時は白衣を着ているが、外出する時は黒いコートとシルクハットを身に付け、右目にモノクルを付ける。

89歳と非常に高齢ではあるが、を用いてではあるもののちゃんと両足で立って歩行できるほど身体は達者。
講演では自身の研究成果をはっきりした言葉で発表するなど、思考や精神状態にも全く問題はない。
豆銑は正体は岩人間と見て年齢や名前に意味は無いとしているものの、実際に衰えているのかそうふるまっているのかは定かではないが見た目上は身体には震えがあり耳も遠くなっているなど年相応の衰えがあるようには見える。

博士号を持ち、医学賞を受賞するなど輝かしい経歴を持つ。
院長という肩書きではあるが、それは名誉職であり現在は医療行為は行っていない。
講演に出席した時には「博士」と紹介されており、現在は研究者としての活動が主に知られているようだ。

老人であるために歩くスピードは遅いはずなのに、何故か追い付く事ができない。
また、複数の場所に同時に現れるような謎の動きを見せる。


【活躍】

羽伴毅との戦いの後、研究室に出入りしていた人物として定助達から追跡される。

定助達が院長に会おうと病院の受付でモメていた所、いつの間にか後ろを通り過ぎる形で現れる。
すぐに追跡されるが何故か追い付けず、さらに「何かがぶつかってくる」というスタンドによって追跡を阻み、断念させる。

その4日後、TG大学病院講堂で「再生医療」についての講演を行い、そこで「ロカカカ」を加工したインプラントのような再生物質「LOCACACA6251」の開発に成功した事を明かす。

同じ時、明負のスタンドで重症を負い、TG大学病院に運び込まれた定助の前に現れた、一時的に昏睡から目覚めたホリーによるといつの間にか病院に羽伴毅らを招き入れ、院長に就任したという。
ホリーはこの「ロカカカ」の研究の被験者にされており、現在の謎の症状もこの「ロカカカ」を投与され続けた結果であった。

ホリーによると明負には顔が無く、会っても顔は覚えられず追跡して正体を掴む事は不可能らしい。
顔が映った写真や映像も残っていなかったが、なぜか康穂の元カレ・透龍が明負の顔の写った写真を持っており…?


【スタンド能力】


誰だろうと…

わたしを追わなければ良いのになあ(・・・・・・・・・・・・・・・・)~~~

リングを重ねて人型にしたような、フィギュアの中に入れる内骨格のような姿をした人型スタンド。両手に刃物がついている。
明負を追跡しようとする者の背後に一瞬だけ現れ、能力にロックオンする。

能力は「明負を追跡する者に厄災をぶつける」事。または「明負の周りに厄災という罠を敷き詰めて守る」とも言える。
明負を追跡しようとすると、それを阻むように「何か」がぶつかって来てダメージを受ける。
ぶつかって来るものは椅子だったり傘立てだったりと様々だが、その衝撃は通常ぶつかった時よりも尋常でないほど高く、椅子にぶつかった足が切断されそうになったり、雨粒が肉体を貫通したりする。
攻撃の形や向かってくる方向を見分ける事はできず、攻撃されている者に触れると触れた者に攻撃が跳ね返る。
さらに起きる現象はなにかの激突にとどまらず、隠していた秘密が露わになってしまうなど「厄災」は様々な形となって表れる。
何より追えば追うほど厄災は悪化していくため、最終的に追跡者は「厄災」による不幸な事故に巻き込まれる形で死ぬ。
相手の行動に依存して攻撃の段階が進むという点では、取り立て人シビル・ウォーと同じタイプのスタンド。

攻撃のトリガーは「明負を追跡しようとする事」で、厄介な事に実際に行動しなくても「追跡しよう」という意思を持つだけで攻撃が始まってしまう。
なので一度術中に嵌ってしまうとどこまで離れようとも明負を追跡しようと何らかのアクションを起こした時点で悪影響が発生する。
この状態になるとどこにいても視界のどこかに明負の後姿を見るようになるが、それはあくまでスタンドの見せる像であり本人がそこにいるわけではない。

そのため明負を追跡する事は不可能であり、明負と出会うには向こうから追跡させるしかない。


追記・修正お願いします。



























以下、ジョジョリオン終盤のネタバレを含みます。



















わたしは『ワンダー・オブ・U(ユー)

『流れ』はずっと厄災なんだ



【その正体】

スタンド名:ワンダー・オブ・U(ユー)


本体:透龍

謎の人物であった院長だが、なんとその正体は彼自身がスタンドであるというものだった。
本体は「ロカカカ」の研究グループのボスであり、広瀬康穂の元カレである岩人間、透龍(とおる)
定助達との戦闘では先述の内骨格型スタンドに明負の服を着せたような、あるいは明負の顔だけを内骨格型スタンドのものに置き換えたような姿を取っている。
自分で姿を変化させているのではなく
  • 「TG大学病院院長」と認識している者には人間の『明負悟』の姿
  • 「厄災の力」と認識した者にはスタンドである『ワンダー・オブ・U』の姿
として見えるようだ。
一方で、人としてふるまえば上記のように一般人にも認識でき会話も可能。
一般人にも見えるスタンドや人の姿をとることのできるスタンドはこれまでにも存在していたが、ワンダー・オブ・Uはスタンド自体が一個人として認識され、単体で戸籍や地位を持って社会に溶け込んでいるという史上初のスタンドであり、歴代の数あるスタンドの中でも破格の存在である。

なお、ほかの岩人間の戸籍と同様に明負悟の戸籍は既存の人物から奪ったもの。
本物の明負悟は本編の約10年前に成り代わられており、おそらくはすでに殺されている。

能力(真)

上記したように自身に対して「追跡」を行う者に厄災が降りかからせる能力が基本だが、更に
  • 上記の「姿の変化」
  • スタンドとしてふるまえば壁に入り込んでその表面を映像のように歩いたり、そのまま壁に反射しているエレベーターに乗ったと思いきや離れたところにある本物のエレベーターに実際に乗っていたりと物理常識にとらわれずに二次元と三次元を自在に行き来する能力
も持つ。これが一向に追いつけない動きの正体であった。
スタンドが定助達と戦闘する間も本体の透龍は別件で行動しており、自我を有する遠隔操作型のスタンド。
また、遠隔型のスタンドにもかかわらず本体が無防備というわけではなく、本体を追う者がその顔や姿を直接視認すると厄災の流れは最終の形となって相手を襲うらしい*1
そうでなくとも本体に都合の悪い行動をすると厄災を受ける優先順位が上がってしまい、その者の前にもワンダー・オブ・Uは現れる。
これは逆に言えば「本体にとって都合の悪い行動が何か、相手に筒抜けになってしまう」という欠点でもあるが、自らを脅かす可能性がある存在を戦闘すら行わず自動的に排除できるというのは余りにも凶悪すぎるアドバンテージと言えよう。
曰く「厄災の流れは条理の流れ」であり、「どんなスタンド能力」だろうとこの世の「理」である以上厄災を超えてくることはできないのだそうだ。
ただし、どのような形で厄災が相手に降りかかるかは院長自身にも分からない。院長自身にも厄災をコントロールすることは出来ず、あくまでも「厄災の流れ」を利用して自身を守るだけの能力であるらしい。

なお、以下のように厄災の発動条件は透龍や院長の意志や状態である程度は変わってくるようである。
  • 院長は通常の業務として病院関係者と接しているはずだが、その場を去るという意思を持っているときは看護師が心配して近づこうとしただけでも軽い厄災がおきて接近を阻まれてしまっていた。
  • 院長の所持物を破壊する行為に対し院長が止めた後も継続すると、院長が触れたものに触るだけでも追跡に該当するとして途中から厄災が発生するようになった。
  • 透龍が瀕死の重傷を負った状態では厄災発生の判定が弱くなっているようで、これまでは近づこうとしただけでも厄災に阻止されていたのに、重傷の透龍に対し動きを封じる行為を行った際は「攻撃ではないから」という理由で厄災は発生しなかった。
    • そのうえ透龍への攻撃自体も厄災に阻まれずに行うことが可能だったが、さすがに攻撃行為については行動が阻まれなかっただけで攻撃者にもその後致命的な厄災が返ってきている。

付け入るスキがあるとすれば、「ありとあらゆるファクターの接近を許さないわけではない」という点。
まずワンダー・オブ・U自身が接近する場合は対象外になること。しかし、全力で逃亡された場合は最悪である。
もう一つは会話をしているだけではそれ以上の厄災のトリガーとはならない点から「情報」は対象外だということ。
この世に存在するものすべては接近する限り厄災に襲われるが、物質的な形を持たないのであればその効果を免れることができる。

だが、これらは直接対峙することを避ける手法に過ぎないため、彼を倒す必要があるものにとっては厄災を免れる手段はほぼ無い。
この能力に対し本編において定助は、向こうからこちらを追うように仕向けたうえであらかじめ仕掛けて置いた罠にかける、または先に手を出させてから反撃で攻撃する、という方法で攻略しようとした。
だが、院長は罠が仕掛けられた部屋には何か妙だと安易に踏み込まず、攻撃も自分で行うのではなく使役する岩昆虫をけしかけ、そのうえ相手ごとに的確に煽ってきて分かっていても抑えられずに手を出すようしむけるなど、能力だけでなく本体についても隙が無い。

そんな無敵ともいえる能力だが、この世の理を超えたこの世に存在しない回転である『ソフト・アンド・ウェット ゴー・ビヨンド』だけは防ぐことができず、この能力に目覚めた(気付いた?)定助によって攻略された。

+ 戦いの結末
定助との戦いで瀕死になった透龍は最後のロカカカによる交換によって絶命した。
だが、ワンダー・オブ・Uの本質は「決して無くなる事のないこの世の「厄災の理」を本体が自分のためだけに利用していただけの能力」であり、本体死亡後も消えることはなかった
近づいてくるものに厄災が襲う、という発動のトリガーがなくなりただ周りに厄災を振りまく存在として存続したのだった。
だが、『ソフト・アンド・ウェット ゴー・ビヨンド』によるとどめを打ち込まれたことで完全に消滅させられた。
地味に「偶数部のはラスボスにとどめを刺せない」呪いが解かれた瞬間である*2


◆余談

名前の元となったのはエルヴィス・プレスリーの「The Wonder of You」。
劇中では透龍が同曲を嗜んでいるシーンがあり、元ネタとなった楽曲が作中に実際に登場するのはジョジョ史上初である。
また、この楽曲名は意訳を付けた「ザ・ワンダー・オブ・ユー(君の奇跡の愛)」というタイトルで院長戦の話名にも使用されている。



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最終更新:2025年04月17日 22:57

*1 透龍はその正体が明らかになる前から顔を見せていたがその際は何も起きなかったため、本体に対する厄災の発動条件はワンダー・オブ・Uの本体が誰であるかを知った状態で姿を見る、もしくは(正体を知っているかに関わらず)敵意を持って本体を追うこと、であると考えられる

*2 ただし、本体である透龍にとどめを刺したのは定助ではなく花都だが