ビッグ・ザ・ドラ

登録日:2020/05/01 Fri 18:00:31
更新日:2025/03/07 Fri 23:15:01
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ブワァハハハハハハ!

そうとも…このビッグ・ザ・ドラ様に殺されるという名誉…その褒美をくれてやるわぁ!




ビッグ・ザ・ドラとは、ゲーム『ドラえもん 友情伝説ザ・ドラえもんズ』に登場するキャラクター。


概要

ドラえもん』におけるゲームオリジナルキャラクターであり、『友情伝説』におけるラスボス
ザ☆ドラえもんズ関連のアニメシリーズには登場していない。

落ちこぼれが集まり、心に思い描いたことが現実になる世界・イージーホール*1の支配者。
基本的な外見はドラえもんに似ているが、灰色の身体でドラえもんよりもずっと大きく肥満体。
肥満体な姿は、イージーホールの支配者と化してからではなく誕生した時からの模様。
物語序盤にドラえもんの恩師である先生が冗談で語った「イージーホールにいる丸々と太った悪魔*2という嘘話は、嘘から出た実だったりする。

一人称は「ビッグ・ザ・ドラ様」や「俺」または「俺様」。笑い方も特徴的。
性格は残虐であり、のび太に対して容赦なく「殺す」という単語を投げかけている。
自身の部屋には巨大などら焼きが置かれており、ドラえもんと同様にどら焼きを好んでいる模様。

経歴

元々はドラえもんのように不良品と認定されていたネコ型ロボット
22世紀の人間や他のネコ型ロボットから激しい差別と迫害を受け続けていた。
回想の一枚絵では、ビッグ・ザ・ドラが多数の人間やネコ型ロボットから激しい投石を受けているというシーンが描かれている。

迫害を受け続けていたある日、ビッグ・ザ・ドラはイージーホールの存在を知ることになった。
現実の厳しい世界に苦しむ者が逃げる場所だと知った彼は、ある思考に辿り着く。


…フン!そこで俺はこう思ったのさ…。

世間で嫌な思いをしたっていうなら、俺ほどの者はいねえ!

だったら…このイージーホールでは天下が取れるんじゃねえかってなぁ!


その予感は的中し、イージーホールはビッグ・ザ・ドラの天下となった。
そして「落ちこぼれと言っても俺ほどの落ちこぼれではない」と評したドラドラ7の面子を支配下に置いたのだった。
将来的にはイージーホールの外の世界への侵略を企み、「かつて自分を虐めた人間を火の海に叩き込み、世界を作り変える」という野望を膨らませた。

ビッグ・ザ・ドラの所業は許されることではないが、彼も自分を作った人間の傲慢や他者の差別による被害者という面は否定できない。
落ちこぼれ扱いを受け、自身が周囲から違う扱いを受ける他の世界へ移動したネコ型ロボット」という経歴はドラえもんのIFの姿とも言える。

戦闘能力

イージーホールの補正を受けているようで、落ちこぼれロボットでありながら戦闘力はとてつもなく高い。
ダメージを受け続ける中で仕掛けられたドラえもんの石頭攻撃も全く通用しなかった。

技としては「異次元攻撃」「トリプルマジック攻撃」「巨大化」「回復」「臭い息」を使う…口臭が攻撃ってお前…。
肥満体系なだけあって食生活も悪いのかもしれないが、ゲームの描写を見る限りでは空気法の如く発射しているので物理的な威力もありそうではある。

また小学館の学年別学習雑誌『小学五年生』の95年1月~4月号に掲載(ワンダーライフゲームコミックス『友情伝説ザ・ドラえもんズ―3DOソフトまんが版』に収録)された田中道明による漫画版では、
ドラえもん以外のドラドラ7を洗脳したときにそれぞれの能力も身に着けている。

劇中での活躍

22世紀の世界でドラえもん以外のドラドラ7を悪いチップにより洗脳して従え、聖ネコ型ロボ工作センターを襲撃してネコ型ロボットを攫う。
イージーホールにドラドラ7の理想の世界*3を作り出し、彼らをその支配者として置いていた。

だがドラえもんと、仲良くなった相手の能力を手に入れる「能力いただきリング」を装備したのび太の2人の活躍によって、ドラ・ザ・キッド、王ドラ、ドラメッド三世が解放される。
そして王ドラによって、イージーホールの外の世界への侵略などの目論見が暴かれる。
すると、王ドラの調査内容を聞いていたドラえもんやドラメッド三世の前に、天空を移動するビッグ・ザ・ドラの本拠地が姿を見せた。
その光景に焦ったドラえもん達の努力によってドラえもんズが勢揃いすると、彼らはビッグ・ザ・ドラの本拠地への侵攻を目指す。

本拠地にも部下(おどか師、やかま師、まやか師、かぜ師)を抱えており、のび太やドラえもんの元に仕向けたが、ドラドラ7の身代わりによって突破された。
こうして自身の目の前に乗り込んできたのび太を称賛し、「自身に殺される栄誉」という褒美を与えることを宣言する。

のび太やドラえもんによる激しい攻撃を浴びる最中で、ドラえもんの捨て身の石頭による突撃攻撃を仕掛けられる。
しかし、あっけなくドラえもんを返り討ちにし、逆にコンピューターを破壊して機能停止に追い込んだ。
ドラえもんの捨て身の攻撃を「いっちょ前のヒーロー気取り」と嘲笑し、のび太を追い込もうとする。

のび太がドラえもんズの面子の名前を出すと、彼らを虫けらと侮辱しながら過去の自分の経歴を明かす。
過去の恨みから人間絶滅の野望を語るが、ビッグ・ザ・ドラへの怒りと野望阻止の使命に燃えるのび太の心にドラえもんズの声援が響く。
そして、本来は1人分の能力しか手に入れられないはずの「能力いただきリング」に、ドラえもんズ7人全員分の力が宿った。
パワーアップしたのび太との最終決戦の末、ドラえもんズの力を使いこなすのび太の猛攻によって機能停止に追い込まれた。

ビッグ・ザ・ドラが撃破されたことにより、イージーホールには希望の光が降り注ぎ始めた。
イージーホールの住民達も、「決して一人で人生を悲しく考えずに、周りの人と明るい未来を築いていく」という希望に目覚め始めるのだった。

余談

『ドラえもん』という作品には原作・原作外を含めて様々な悪役が存在するが、ドラえもんと同型のネコ型ロボットが敵役でそれもラスボスだった例は非常に珍しい。





追記・修正は、肥満体型で不良品認定をされたことのある人にお願いします。

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最終更新:2025年03月07日 23:15

*1 ドラえもんの恩師である先生曰く、未来社会はストレスがたまるところであるため、世の中を楽に暮らしたいと思う人もいる。

*2 本人はピノキオの童話の『夢の国に連れて行ってやると騙されてノコノコついて行ったら、一晩のうちにロバにされてしまった』という流れに例えて言った。

*3 ドラ・ザ・キッドはアメリカの西部の舞台、王ドラはチャイナタウン、ドラメッド三世はアラビア