登録日:2020/08/07 Fri 18:46:31
更新日:2025/03/21 Fri 12:54:53
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『天晴爛漫!』は、P.A.WORKS制作のオリジナルアニメ作品である。
【概要】
2019年10月の制作発表により、『
TARI TARI』を手掛けた橋本昌和が監督・シリーズ構成・ストーリー原案、アントンシクがキャラクター原案を担当すると発表された。
dアニメストアなどでの第1・2話先行上映を経て、2020年4月10日より放送開始するが、4月17日に新型コロナウイルスの影響から第4話以降の放送延期が決定。
その後6月9日に放送再開が告知され、7月3日より第1話から改めて順次放送された。全13話。
19世紀末の
アメリカで開かれる大陸横断レースを主題に、様々な理由から参加を決意したレーサー達の姿を描く。
4月3日からヤングエースでアントンシクによるコミカライズ版が連載中。
8月28日に行われたスタッフトークショーによると、最初に
KADOKAWAから企画を持ちかけられた際は「アメリカ横断ゴルフ」がテーマだったらしい。
その後、
打ちっぱなしを体験しながら企画を進めていくうちに橋本監督が「アメリカを横断するならレースモノもいいのではないか」という考えに至り、スタッフの意見も聞いたところその方が反応が良かったので、レースモノに変更されたという経緯がある。
【あらすじ】
時は明治、
日本のとある港町。
そこで暮らす下級役人の一色小雨は、ある日カラクリ作りに明け暮れる商人の次男坊・空乃天晴のお目付け役を命じられる。
脱走し役人達の手から逃れるべく、天晴は蒸気船「天晴号」に乗って旅に出ようとするが、偶然乗り込んだ小雨の起こした事故で沖に流されてしまう。
漂流中の2人は通りかかった船に救助され、そのままアメリカ・ロサンゼルスに到着する。
そこで「アメリカ大陸横断レース」の存在を知り、天晴と小雨は優勝賞金を元手にして日本に帰るべく、レースへの参加を決意するのだった。
【登場人物】
☆レーサー
CV:
花江夏樹
本作の主人公。19歳。金魚のように跳ね上がった赤い髪が特徴。
実家は江戸幕府との取引経験もある名家だが、「実験」と称して破天荒な振る舞いを繰り返す姿から、姉を除いた家族にまで疎まれていた。
発明に夢中になるあまり周囲が見えなくなる傾向にあり、人付き合いも悪いので友達はゼロ。ただし義理堅い一面も時折見せる。
メカニックとしての腕前は確かなもので、牢に入れられても合鍵を作ってアッサリ脱獄したり、セグウェイゼンマイアシスト付き二輪車を作成したりと、並外れた技術力を発揮。
ジュール・ベルヌの『月世界旅行』を愛読しており、誰も行ったことのない場所を目指して物作りに全力を注ぐロマンチストでもある。
ハンドルを握ると一転し、
「HERE WE GO!!」の掛け声と共にショートカットを目指して突っ走るハイテンションな性格に変わる。
その状態でも目の前に落下してくる物体の動きから最短ルートを瞬時に導き出して回避したりと、持ち前の頭脳や判断力は健在。
理屈に合わない考えでは動こうとしないが、小雨や他のレーサー達との交流により心境に変化が現れていく。
CV:山下誠一郎/田村睦心(幼少期)
もう1人の主人公。21歳。刀に袴といった侍そのものな格好に加え、太い眉毛が特徴。
心配性かつ臆病な性格で、向こう見ずな天晴のブレーキ役も担うが、大抵押し切られてしまっている。
ただし天晴やホトトが我が道を行くタイプなので対外的な交渉には弱く、常に他人を気遣える小雨がいなければチームが崩壊しかねない場面も多い。
故郷では半月一刀流の師範代も務めており、渡米したばかりの頃にはその腕前を活かし、殴られ屋として稼いでいた。
年老いた父と妹との三人暮らしだったためか炊事洗濯はお手の物。
生活費を稼ぐべくダイナーで働いていた際も給仕の仕事をそつなくこなし、レース出場に伴って退職する際に店主から「いつでも戻ってこい」と言われたりと、天職だったと言えよう。
幼い頃に母が目の前で斬殺されたのが
トラウマになり、それが原因で全力を出せずにいる。そのため相手からは腰抜け扱いされているが…?
CV:
悠木碧
まだ幼さの残るネイティブアメリカンの少年。11歳。
父を殺し、土地や馬を奪った「蛇のタトゥーが入った男」を探して1人旅をしていたところで天晴達と出会う。
1人旅の経験もあってか年齢の割に達観しており、大切なものを守るためなら
斧や
弓矢を手に、大人相手でも臆せず戦いを挑む誇り高さも併せ持つ。
土地勘のない2人にアメリカの地理や気候を教えたり、釣った魚を提供するなど協力的な一面もあるが、子供扱いする小雨には冷たい。
CV:
雨宮天
中華系移民の女性であり、大陸横断レースに参加するレーサー達の紅一点。
立派すぎるオッパイにヘソ出しコスチュームなど、エロ要素の塊でもある。
レーサーへの憧れからレーシングチームの雑用係として働くが、「女はレーサーになれない」という周囲の反対に遭って鬱屈した日々を送ってきた。
半ば諦めかけたところに出会った天晴の助言を受け、レースへの参加を決意する。
男勝りな性格で、同僚が帰った後で密かに磨いたドライビングテクニック、父親仕込みの拳法の腕前はいずれも折り紙付き。
CV:斉藤壮馬
三大自動車メーカーの一角である「BNW」の御曹司。一族の代表としてヨーロッパから渡米し、大陸横断レースに参加する。
一族における自身の発言権は低く、今回の参加は優勝して父や兄達を見返すためという意味合いもある。
やや自信過剰な面はあるものの、正々堂々とした勝負を好む貴公子然とした性格。
レーシングカーの運転は元より、バイオリンの演奏やフェンシングの腕前もプロ級と、文武両道な人物でもある。
CV:
櫻井孝宏
伝説のアウトロー「サウザンドスリー」の1人であるストイックなガンマン。胸の
二丁拳銃に加え、腰の
ホルスターにもう一丁収納している。
「英雄のディラン」という異名を持ち、本人はそう呼ばれるのを嫌うが、
「酒が不味くなる」という名目でチンピラに絡まれたホトトを助けたりと正義感は強い。
詳しい理由は不明だが、大手
自動車会社「グレートモータース(GM)」に雇われ、大陸横断レースに参加する。
また過去に参加した戦争の恩赦により、サウザンドスリーで唯一賞金首扱いを免れたという経緯がある。
クラウディアという女性の写真が入ったロケットを常にぶら下げており、TJにからかわれた際には激昂して即座に銃を抜くなど、並々ならぬ関係だった模様。
CV:
杉田智和
サウザンドスリーの1人であり、「クレイジーTJ」という異名を持つファンキーな男。大きく逆立ったドレッドヘアやドクロマークの入った蓄音機など、派手で奇抜なファッションが目を引く。
見た目通りの気性が荒い性格だが、自分の髪型を堂々とけなしてきた天晴を気に入り、親近感を抱こうとするなど度量の広い一面も窺わせる。
戦後に賞金首となったところを大手
自動車会社「アイアンモーターズ」に雇われ、大陸横断レースに出場することに。
刺激を求めて危険な場所に飛び込む性癖から、ディランをして
「ふざけた野郎」と言わしめている。
CV:
小野大輔
サウザンドスリーの1人で、鉄仮面やソンブレロで常に顔を隠している大男。女子供にも容赦しない残忍な殺戮者と噂され、「虐殺のギル」という異名を持つ。
レース中に無数の部下を忍ばせており、彼らは全員ギルへの忠誠の証として蛇のタトゥー「ギルズスネーク」を入れている。
ホトトはこの中に父の仇がいると睨んでいるが…?
正体はレースを円滑に進めるためにギルの名を騙っていたアウトロー「バッド兄弟」の弟であり、本名は
トリスタン・ザ・バッド。
自分達のせいで観客から迫害を受けるホトトを助けるべく、仮面を外して正体を明かした。
根は温厚かつ純朴な性格で、兄想いな心優しい人物。
体格に見合った
怪力の持ち主で、小雨、シャーレン、アルが3人がかりでもまとめて弾き飛ばされたり、大人をも軽々と投げ飛ばす程。
正体発覚後はチェイス共々公式サイトでの説明文が一新された。
CV:
稲田徹
ギルの参謀的存在であるヒゲ面の男。35歳。
無口なギルに代わって意思表明から(ポールポジションを決める際の)腕相撲まで何でもこなす。
粗暴な性格だが頭の回転が速いので、レース中も様々な作戦を立てながら賞金を狙う。
正体はトリスタンの兄であり、名実共にアウトロー達のボス。
女子供は殺さず、自分達よりも貧しい者からは奪わないという信念を持つなど、本物のギルとは真逆の好人物だった。
正体発覚後はバッド兄弟として改めてエントリーし、レースを続行。直後に天晴からの報復を受け、8時間の足止めを食らったが。
以降はレーサー達との関係も良好になり、特にホトトにはアウトローなりの助言を送ったりしている。
CV:
津田健次郎
糸目と顔の十字傷が特徴の賞金稼ぎ。個性豊かなレーサー達の中では控えめな性格であり、困っている人を見捨てられないお人好しでもある。
優勝賞金で人生の一発逆転を狙うべく大陸横断レースに参加した。
途中でギル一味の襲撃に遭い、自分以外のレーサーが皆殺しにされた事でショックを受けて棄権するが…
その後の動向及び正体については個別項目を参照。
☆関係者
CV:
折笠富美子
アルの秘書的存在である心優しい女性。母がアルのベビーシッターを務めていた関係から姉弟同然に育ち、今回の渡米にも同行してきた。
人種的偏見をほぼ持たず、先住民のホトト、異民族である天晴や小雨にも分け隔てなく接する。そのためホトトには子供扱いされても怒らないまでに懐かれている。
好奇心旺盛な一面もあり、アルがゼンマイアシスト二輪車の受け取りを断ろうとした際は代わりに申し出て、鼻歌交じりで乗りこなしていた。
実はかなりの酒豪であり、テキーラの飲み比べでTJを打ち負かしたほど。
CV:興津和幸
GMの重役。元々はエンジニアからの叩き上げで、レーシングカーの設計に携わりながら大陸横断レースの運営責任者も務めている。
レースの盛り上げやGM優勝という功績により幹部への出世を狙おうとするが、ポールポジションを狙って競い合うレーサー達に頭を痛める苦労人な一面も。
天晴の事は生意気な態度から嫌っていたが、独創的なアイディアやまっすぐな言葉からエンジニア時代を思い出していき、終盤にはレース続行が危ぶまれる中でプライドを捨ててある決断を下す。
【レーシングカー】
★
天晴号
ドライバーは天晴・小雨・ホトト。ナンバーは0。
原型は天晴が建造した蒸気船であり、アルとの短距離レースを経て手に入れたAL9(予備)のパーツを組み込んでレーシングカーに改造した。
レース開始まであまり日が無い状況で急遽参戦した事もあって完成が非常に遅く、
前夜祭での各車紹介はおろか
レーススタートの合図が鳴った直後の時点まで未完成だった。
蒸気機関を動力としているので発進が遅いが、その代わり防御力が非常に高く、崖や山岳地帯の強行突破など普通の
自動車では不可能な走りを可能としている。
動力も後にガソリンエンジンとの併用によるハイブリッドエンジンに改良されたが、長時間使用するとコックピット内が蒸し風呂状態になり、最悪動力部を損傷させかねないのが欠点。
天晴によるとそれでも未完成品らしく、行く先々で部品を調達しながらパワーアップしていく模様。
★鳳凰火蓮
ドライバーはシャーレン。ナンバーは86。
レース場の倉庫に眠っていた0号車を譲り受け、長距離仕様として改造した。
後輪のみダブルタイヤの計六輪車。
★AL9
ドライバーはアル。ナンバーは9。
ボンネットにユニコーンの角のようなパーツが付いており、速さと美しさを追求したマシン。
★G1
ドライバーはディラン。ナンバーは1。
GMが大陸横断レース用に製作した特別車であり、ディランの知名度も相まって今回の優勝候補として注目されている。
エンジン周りに不自然なスペースがあるが、これはセスがエンジニア時代に作れなかった機構を搭載すべく無意識に空けたものである。
★クレイジーZ
ドライバーはTJ。ナンバーは777。
紫のカラーリングに目・鼻・口のようなパーツを施した奇抜なデザインが特徴。
前輪の車軸が2、後輪が1の3軸車。
実はアイアンモーターズの車をTJが魔改造したものらしい。
★
トラロック
ドライバーはギル・チェイス。ナンバーは44。
ドーザーブレードやトゲ付きタイヤなどで武装しており、前夜祭でも「移動する要塞」と称されたモンスターマシン。
重装甲による体当たりで障害物をなぎ倒したり、運転席の上部から取り出す
機関銃で家をぶち抜いたりと、パワフルさを活かしたショートカットが可能。
★GT3
ドライバーはリチャード。ナンバーは35。
前夜祭では未完成の天晴号を除き、唯一説明だけで姿を見せなかった。
【用語】
自動車時代の到来を告げるべく開催されたレースで、賞金総額151万ドルに及ぶ大規模な大会。
スタート地点のロサンゼルスからチェックポイントとして設定された町を通過、ニューヨークを目指す。
車の乗り換えと列車の使用は禁止、チェックポイントに着いたら8時間の待機(メンテナンスは可)が基本ルールとされている。
劇中に登場する三大
自動車企業。
伝説の傭兵とは関係ない。
BNW、アイアンモーターズ、GMの頭文字から名付けられ、レースの主催及び運営を担当する。
【主題歌】
OPテーマ
「I got it!」
歌:Mia Regina
さぁ、この追記・修正がどこに続いているのか見に行こうぜ!
HERE WE GO!!
- 現状微妙の一言に尽きる -- 名無しさん (2020-08-07 23:12:14)
- そうか?俺はいまのとこ最高の一言に尽きてるが -- 名無しさん (2020-08-07 23:18:02)
- 同じく毎週楽しみにしてるけど盛り上がってないのは否めない。主役のキャラの良さが伝わってない印象がある -- 名無しさん (2020-08-08 12:45:36)
- どうしても天晴のあまりの身勝手な行動ばかりが目についてしまう。正直イライラさせられる人も多いんじゃないかな。 -- 名無しさん (2020-08-10 23:22:01)
- PAという時点でそういうキャラがでてくるのは定期だからな。 -- 名無しさん (2020-09-07 23:31:22)
- 小雨…次回予告見る限りじゃモロ死んでるやん… -- 名無しさん (2020-09-07 23:36:49)
- レース作品なのに、あんまりレースがおざなりになってるしのは……10話見て巻きの展開に入ってるのを見ると惜しいと言うか、もっとキャラの掘り下げをしてほしかったなぁ…… -- 名無しさん (2020-09-12 00:28:55)
- レース作品がレースしないのは伝統みたいなとこはあるけどな -- 名無しさん (2020-09-12 00:49:13)
- ↑走って抜きつ抜かれつやってるだけだと間が持たんかんね。ましてやラリーみたいな長丁場でそれやると退屈なだけ。 -- 名無しさん (2020-09-13 21:39:40)
- なんか今週カーレースよりアクションシーンの方が気合入ってたな -- 名無しさん (2020-09-20 21:23:56)
- てっきり2クール物だと思い込んでた -- 名無しさん (2020-10-03 02:39:11)
- 最後の締めがちゃんとレースだったとはいえ、後半ほとんどギルとの対決がメインでレースそっちのけだったのが残念。ギル関連でわき道にそれるのはそれはそれで悪くはないけど、ラスト2~3話分くらいはレースで締めてほしかった。楽しめただけに残念。 -- 名無しさん (2021-01-08 15:55:16)
最終更新:2025年03月21日 12:54