ガンマックス/ガンマックスアーマー

登録日:2020/08/07 Fri 21:02:42
更新日:2023/12/18 Mon 23:29:26
所要時間:約 29 分で読めます




※推奨BGM:HEART TO HEART


怪奇な形に変形した無人の車が町を暴走!
それを追うデッカード達の前に、またまた新しいブレイブポリスが現れた!

白バイ刑事・ガンマックス

ところがこいつ、自分勝手で高慢ちきで、無茶苦茶ヤな奴なんだ。
こんなのと仲間になんかなれないよ!


次回、勇者警察ジェイデッカー!


爆走!白バイ刑事


みんな、見てね!!






俺の名はガンマックス。覚えときな……Love you baby!






【概要】

ガンマックス/ガンマックスアーマーは、サンライズ・名古屋テレビ(現:メ〜テレ)制作のロボットアニメ勇者シリーズ』第五作『勇者警察ジェイデッカー』に登場するロボ。
初登場は第19話。

ブレイブポリスの有効性が実証され、警視庁は他の部署にも超AIを搭載したロボット警察官を配置するために『第二次ブレイブポリス計画』を進めてきた。
ガンマックスは、そのテストの一環で生み出された7人目のブレイブポリスである。
従来のBPタイプのようにビークルモードへの変形機構を持ってはいないが、強化アーマーに変形する専用マシン・ガンバイクを駆りデッカードらと共に続発するハイテク犯罪に立ち向かう。


CV:巻島直樹、野島裕史(スーパーロボット大戦30


【基本データ】

形式番号:BP-601型
全長:5.06m
重量:1.86t
最高速度:78km/h
最高出力:1,200ps
通称:白バイ刑事



【性格・武装】

ハイウェイパトロール用のロボット刑事として開発されたためか、専用のライダースーツを着込んだ交通機動隊員をモデルにしている。
タイヤや飛行翼といったビークル形態の意匠が施されておらず、カメラアイを覆う『日よけ眼鏡』(Byシャドウ丸)と称されるほど大きめなバイザーが目を引く。
ちなみに素顔のカメラアイはオレンジ色。本作でオレンジのカメラアイを持つのは合体形態を含めてもデッカードと彼の2体のみである。

「白バイ刑事」の通称が示すように当初は交通課・ハイウェイパトロール隊に所属していたが、とある事情によりたらいまわしに近い形でブレイブポリスに転属。
シリーズ構成の川崎ヒロユキ氏曰く「ジャックナイフのような声」何体だろうか)と英語が入り混じった気障ったらしい口調とやや斜めに構えた態度に加え、組織の和を乱すようなスタンドプレーから、当初はデッカードと勇太は嫌悪感を示していた。また、勇太のことは「おチビさん」呼ばわりしている。
ビルドチームも彼の口の悪さに憤慨していたが、一触即発の場を諌めたマクレーンは唯一バイザー越しから彼の素質を見抜いている。

本人曰く、「人を当てにしない主義」らしいが信頼に足る人物には命を懸けて守る主義。
チーフテンコンビの強襲でデッカードが殉職した際には
「すまねェ……俺がついていながら……!」と傷ついた身を引きずらせながら謝罪している。

自身がはみ出し者であるがためか同じ境遇のバイカー仲間もいるらしく、情報収集のために彼らの協力を仰ぐこともある。
そのメンバーの一人である舞子曰く「いくらガンマックスとアタイらの関係でも、タダってワケにはねェ〜♪」とのことだが、情報は確かでガンマックス本人も「情報料は弾むゼ!」と信頼を得ている。
そんなガンマックスだが、警視庁科学技術部主任の藤堂俊助には頭が上がらないようで、彼のことを『おやっさん』と呼び慕っている。

なお、ガソリンは酒瓶の感覚でラッパ飲みする主義。
第21話でデッカードが給油口に注ぎ入れる様を見た際、「粋じゃねェなア。この方が美味いんだよ」と彼に直接口から飲むことを勧めている。

ガンマックスが使用する拳銃とショットガンは、ハイウェイパトロール時代から愛用している武器。
特に、拳銃はデッカードたちが使用するものと異なり銀色で銃身が長い大口径で、初登場回では一発でダブロボットのシステムを損傷するほどの威力を見せている。*1

第40話における謎の飛行物体による夢の世界では、ブレイブポリス解散後にアメリカで暴走族を取り締まっていた。



ガァンッバァァイクッ!!


【ガンバイク】

全長:6.02m
重量:3.906t
最高速度:402km/h
最高出力:5,020ps

ガンマックスの愛車である大型バイク
ハイウェイパトロールが使用する大型バイク・メガ白バイを改造したもの。
左後部には人間が搭乗できるシートを搭載。疑似的なサイドカー形態にもなれる。
シート内にはガトリング砲も内蔵されており、ある程度は戦闘可能。「自分の身は自分で守れ、だ!」とはこのことか。
ガンマックスの持つ勇者警察手帳を展開後、呼ぶことで自動操縦も可能。
また、第39話では口笛を吹いただけでもガンマックスの下に到着する場面も見せている。

第39話では荒っぽい操作で半壊に至り、新車にしてほしいと藤堂主任にリクエストするが拒否されている。



チェインジ!


ガンマックス! アーマーッ!!


【ガンマックスアーマー】

全長:5.88m
重量:5.766t
最高飛行速度:720㎞/h
最高速度:78km/h
最高出力:6,220ps

お披露目は第20話。
ガンマックスがガンバイクと合体した武装形態。
ガンバイクの前輪部が展開しローターとなり、カウル部を展開した後ガンマックスが飛び乗る形で合体する。
このシークエンスを見たドリルボーイは「えっ? バイクを着ちゃった!」と驚いていた。

武装は通常のガンマックスと同じだが、背部のローターで飛行可能となる。
腕部内にはロック解除用ユニットも内蔵されており、第20話では『砂時計』の自動ロックにアクセスして解除、シャッターを開放して内部に突入した。
この形態のまま大気圏突破も宇宙空間でも活動可能。警視庁科学技術部おそるべし。

なお、合体はガンマックスの任意で可能。
他のBPタイプのように勇太の勇者警察手帳からの指令を介する必要がないのも大きい。



【爆走!白バイ刑事】

数日前から、無人のがクモにも似た奇妙な改造ロボットとなり暴走する事件が続発。
『ダブロボット』と呼ばれた、不完全な形態のロボットは、15件も発生していた。
デッカードと勇太もハイウェイを通過するゴミ収集車が変貌したその一体を追跡していたが、
大勢の自動車が通行する中で大惨事につながるためか、迂闊にラムユニットを狙撃することができなかった。
そこへ巨大な白バイを駆る緑のロボットが乱入。対向車線を逆走しながらダブロボットに追いついた。


THE……END!


不敵な笑みと共に拳銃のトリガーを弾く緑のロボット。
弾丸は後部のラムユニットに命中、コントロールを失ったダブロボットは停車中の車を巻き込まんと暴走した。
あらかじめそれを見据えていたのか、緑のロボは左後部車輪を撃ち抜きハイウェイから落下させた。
一歩間違えれば被害者が出かねなかった彼の無茶ぶりにデッカードと勇太は激怒し問い詰める。


やり方が無茶苦茶だって言ってんの!
あいつをやっつけるためなら何をやってもいいっての!?

無茶苦茶……? ジョーダン言うなよ。ちゃんと民間人も助けたろ?

そのおかげでどれほどの被害が出たか、わからないんだぞ!

被害……? ああ、フェンスぐらい仕方ねェだろ。

そうじゃなくて、この下のことだよ! もし、人や車がいたら……!

ン……? フフフッ。ま、魚やカエルにゃ、悪いコトしたかな?


緑のロボットのセリフを聞き、二人はダブロボットが落下した先を見る。
なんと、落ちたその下は河川になっており幸いにも被害者はゼロにとどまっていた。


ここは俺たちハイウェイパトロールの管轄だ。
ハイウェイのことなら、どこに何があるかぐらい目を瞑ってもわかるさ。


最初から無人の場へと落とすつもりだったのかと推測するデッカードに対し、
緑のロボットは自分の仕事はここまでだと後の始末をブレイブポリスに任せ、去らんとする。



それにしても、やり方が荒すぎる!
もしものことがあったらどうするんだ!?

……もしもなんて、ないんだよ。
そのための超AIじゃないのかい?
それとも、アンタのとは違うのかなァ?


デッカードの言葉を受けた緑のロボットは、一瞬苦虫をつぶしたような顔で呟くがすぐに皮肉を言い返し、バイクを走らせ去った。
ガンマックス……そう名乗ったロボットは、警察官と呼ぶには身勝手ともとれる態度をしており、デッカードと勇太は怒りを隠しきれなかった。

翌日、デッカードらは冴島十三警視総監から第二次ブレイブポリス計画とガンマックスの話を聞かされる。
勇太とデッカードはガンマックスの問題児ぶりに嫌悪感を隠し切れなかった。
そこでダブロボットの資料集めにガンマックス本人がデッカールームに来訪。


ジョーダンじゃないゼ。
ドア越しに聞いてりゃア、いるのいらないのって俺ァモノじゃねェんだぞ?


偶然にも自身と処遇について取り上げている一同に対して不服げだったのか、ボスでありながらもまだ小学生の勇太への対応にはビルドチームも激怒。
ガキばっかりだな、と呆れるガンマックスに対してマクレーンは見せるダブロボットの資料がまだないと穏便な態度で接する。


この部署で刑事と呼べるのはアンタだけらしいな。
アンタがボスになったほうがいいんじゃないか?


その対応にはガンマックスも仕方なく折れ、去る間際に彼の態度こう評価。
マクレーンもまた、


――あいつ、いい目をしているじゃないか。ちょっとばかりキツすぎるが……――


とバイザー越しからその本質を見抜いている。

ダブロボットの出現パターンは不特定で、愉快犯なのか何かの目的を持ったテロなのかすらも不明であった。
ただひとつ、これまで出現したものがスクラップ寸前の廃車だけだったが、勇太らの予測と裏腹に昨晩ガンマックスが破壊したダブロボットは廃車ではなく車両登録もされていたものだった。
デッカードはダブロボット化した車の関係者や不審な行動をするロボットエンジニアを聞きこむことを提案するが、突如ダブロボットが七曲市を襲撃する通報が入ったため、緊急出動せざるを得なかった。

一方、ガンマックスは公平と舞子率いるバイカー集団から、七曲三丁目に住む自称ミュージシャンにして違法ロボット改造者ロバート・キヨシ・稀井(通称ボブ)が今回の事件に関係していると知る。
また、バイカーらによるとボブがバイクの部品を外しているのを仲間に見られ袋叩きにされる際、「オレには強い仲間がいるんだ、お前らが何人かかったって敵いっこねぇ」と捨て台詞を吐かれた後、大事故に巻き込まれたとのこと。
病院に運ばれる際、うわ言のように「ロボットにやられた」と呟いていたらしい。

バイカーらから情報を入手したガンマックスは、スクラップ場でボブを発見。
そこでデッカードも到着、ダブロボットを巡り大捜査戦が展開される。
複数のダブロボットに見舞われ、ガンマックスもショットガンで迎え撃つが弾切れになり追い詰められてしまう。
そこへブレイブアップしたジェイデッカーが電磁警棒を投擲、ジェイバスターでダブロボットを撃破しガンマックスを救い出す。
しかし更なる増援がケーブルを巻き付け、電流攻撃で逆にジェイデッカーをねじ切らんとする。
ガンマックスは渾身の力を振り絞りダブロボットの拘束を振り切って、電磁警棒をボブごとダブロボットめがけて投げつけた!
ダブロボットは機能停止し、ボブも公務執行妨害および車の違法改造の罪でお縄に頂戴された。


ガンマックス!
……ありがとう。

……借りを返しただけさ。勘違いするな。


感謝するジェイデッカーに対し、ぶっきらぼうに言いながら場を去るガンマックス。
二人はわずかながらに、彼の背中に勇気を感じるのだった。

かくして事件は解決した……かに見えた。
だが後日、逮捕されたボブは取調室でラジカセから発する『Fパルス』という特殊な超音波を発したら偶然ダブロボットが集まってきたにすぎないとのたまった。
デタラメだと信じて疑わないブレイブポリスだが、そこへ再びゴミ収集車が変貌したダブロボット襲来の報が入ってくる。
事件はふりだしに戻るかに見えたが、マクレーンはゴミ収集車とスクラップに共通するのが「ゴミ」だと気付く。
ガンマックスはひとり取調室を去りガンバイクを走らせるのだった。


東京都のゴミ処理プラント……ダブロボットの改造プラントはあそこだ!!



【狂った砂時計】

東京湾上に建造された東京都内のゴミ処理プラントは、その特異な形状から『砂時計』と呼ばれている。
冴島警視総監は、ダブロボットの改造工場はこの『砂時計』の無人区内にあるというのだ。
人の手が関与するのは搬入口までで、投棄された様々なゴミは人の手を借りることなく内部で分別・生成されほとんどが再利用される形でリサイクルされ排出される。
そのすべては中央コンピューターにあると聞き、勇太はガンマックス追跡のために、デッカードらより先にシャドウ丸を向かわせていた。


今日は天気もいい。
ブレイブポリス御一行様の到着まで、日向ぼっことしゃれこんだらいかがですか、旦那?
ちょうど日よけ眼鏡もかけてるようだしねぇ。


『日よけ眼鏡』ことガンマックスの元に颯爽と参上したシャドウ丸。
飄々とした口調が癪に障ったのか、ガンマックスはシャドウ丸に威嚇射撃するがそれに負けじとシャドウ丸も戦車モードに変形。巨砲を突きつけ威嚇し返す。
そこへブレイブポリスが全員到着。ピクニックのように見えたのかガンマックスは鬱陶しそうに言う。


チームワークなんてお子さまランチなんだよ!
犯人の逮捕は俺一人で十分だ。


フルスロットルでガンバイクを走らせたガンマックスはガンマックスアーマーに合体し、勇太を人質にする警察官にあるまじき形で『砂時計』に突入。
ロックを解除した後、邪魔者が入らないように念入りにパネルを破壊し勇太を置き去りにした。
……と思いきや、完全に閉じる前に駆け込んだ勇太は自身もガンマックスと同行すると言い張る。
それを目の当たりにした『砂時計』の中央コンピューターは作業用ロボットを向かわせる。
仕方なくガンマックスは勇太を乗せ、監視システムの猛攻をフルスロットルで振り切り、コンピュータールームへと向かった。
しかし、向かう途中でダブロボット改造ルームを目の当たりにしたところで勇太が洗濯ロボットに洗われるがままの状態に、
作業用ロボットを攻撃するガンマックスアーマーも電磁攻撃で動きを封じられ、神経回路を焼き切られてしまった。



これがお前らのチームワークか?
一人で来れば、こんなことにはならなかった……!


チェーンで拘束されながらも悪態をつくガンマックスに謝罪する勇太だが、そこへコート姿の作業用ロボットが手を挙げる。
それに従いコンソールパネルを操作するロボたち。ベルトコンベアーが動き、シャッターが解放され不要となったスクラップが溶鉱炉へと次々に落ちていく。
ガンマックスもその運命をたどるのかと思いきや、急に停電が発生。
勇太の目の前に複数のモニターを持ったロボットが現れ、内部で戦うデッカードらとベルトコンベアーの様相が映し出される。
再び照明が戻るとベルトコンベアーが動き出し、また停電したらベルトコンベアーの様相がルーレットのように回っていく。
警察手帳でデッカードに通信するも、強力な妨害電波で阻まれて不可能だった。
やがて早まるルーレット。ブレイブポリスも二手に分かれて警察犬モードで勇太の匂いを探知したシャドウ丸を筆頭にデッカードとパワージョーが駆け出していく。
だがそれはガンマックスを溶鉱炉に落とさんとするベルトコンベアーも同様だった。
勇太は勇気を振り絞り自信を拘束する作業ロボットを破壊し、ほかのロボットを押しのけて全速力でガンマックスのもとへ躍り出た。


どうすれば動くの?どうすれば神経回路が元に戻るの!?

そこに、ユニットボックスが……!


胸部アーマーに乗り出した勇太はガンマックスの指示に従い、アーマー部の襟にあたるパネルを展開。
感電も恐れず引きちぎられた配線をつないだことで、ガンマックスは機能復帰。自身を拘束する鎖を引きちぎり、溶鉱炉から脱出した!


サンキュー、勇太!


互いにサムズアップを交わす両名。群がる作業ロボットもデッカードらの到着で蹴散らされるが、主犯と思われるコート姿のロボットは勢い余ってガンマックスの射撃で破壊。スーツの中身はスクラップでできたダブロボットでしかなかった。


いっそこの建物にでも聞いてみるか?『砂時計』によ。

『砂時計』に、聞く……?
そうか! 犯人の居場所がわかったぞ!


犯人逮捕の手がかりを失いながらも、ガンマックスの呟きを聞いた勇太はコンピュータールームに移動。
ロボットでは入りきれないため、コンピュータールームにひとり入った勇太は、『犯人』と対峙する。
『砂時計』のメインコンピューター……それがダブロボットの開発者にして今回の事件の首謀者だった。


すべては君が間違った『命令』を出し続けてたために起こってたんだ。
だから君を……停止させる!


「NO!」と画面表示しながら絶叫したメインコンピューターは四方八方からコードを伸ばして勇太を拘束し、必死の抵抗を試みる。
しかし、結局小さな刑事によってプラグを引き抜かれ……『砂時計』は全機能を停止した。


Good job! 勇太!

サンキュー! ガンマックス!


事件解決後、『砂時計』の暴走がコンピューターに生えたカビによるものだと冴島宗鑑が推測する。
なんでも建設以後、手入れもしないでほったらかしだったために発生したとのことだ。
それに対し、マクレーンはこう推論する。


いや……もしかしたらあいつ、寂しかったのかもしれませんよ。
ひとりぼっちで、じっとしていて……。

そうかもしれない。
その『時間』の重さに耐えきれなくなって、それで……。

『砂時計』……皮肉な呼び名だ。


そこへブレイブポリスに正式加入となったガンマックスが再びデッカールームへ上がり込む。
冴島総監が言うには「独りぼっちがさみしくなったらしい」とのこと。


ま、気が変わったらすぐ出ていくから心配すんな。


相変わらず人を食ったような態度にダンプソンとパワージョーは反感を隠し切れないが、今回の事件で彼の本質を知った勇太とガンマックスは歓迎するのだった。


I love you……!



【手錠の逃亡者】

第21話では、ガンマックスの過去について語られている。
かつて、ハイウェイパトロール隊に初めて配属していたガンマックスは、霧崎という男とコンビを組んでいた。
パートナーなんて照れ臭いと言い張るものの、両者の関係は良好だった。
そんなある日、ガンマックスは逮捕した暴走族から違法に改造したバイクが霧崎から受け取ったものだと告白。
ここ一帯の暴走族も霧崎のお得意先だと知らされ、ガンマックスは愕然としてしまう。

押収していた武器や改造車を横流しているのが信頼するパートナー……裏の顔を知ったガンマックスは戸惑いを隠し切れなかったが、それでも自首してほしいがためにあえて沈黙を保っていた。
だが、結局裏取引は他のハイウェイパトロールの同僚に暴露されたらしく、霧崎も免職に至ってしまう。
そして……


霧崎さん!

まさか、パートナーを売るとはな……。

違う!!

覚えていろ……必ず復讐してやる。
同じ苦しみを味あわせてやるからな!!


去り際に呪詛をぶつけられる様は今でもガンマックスの脳裏に焼きついており、それ以後チームワークを信じられなくなってしまった。
やがて、幾度も他の隊員と軋轢を繰り返すうちにブレイブポリスに転属、今日に至っている。

皮肉にも霧崎の言葉は現実となり、スピード違反センサーによる暴走族の写真にガンマックスの姿が確認され、ガンマックスのみならずブレイブポリス全体にも疑惑の目が向けられることになってしまった。
単独で事件解決に動くガンマックスに対し、デッカードは真実を告げるまで互いに手錠を付け同行することを決める。
ガンマックスも古巣のハイウェイパトロールにも追われる羽目になるが、頑なにデッカードに気を許そうとしなかった。

逃亡の最中、オイルを飲み一休みする両名。
どうせ自身の処分方法を相談しているだろうと毒づくガンマックスに対し、デッカードは警察手帳を掲げある『賭け』をかわす。


これで、デッカールームの様子を探る。
勇太たちが私たちのことを心配してたら、私の勝ちだ。
お前は私に本当のことを話す。

もし、俺の言うとおりだったら、ここでお前とはお別れだ。


賭けが成立し、デッカードは警察手帳を展開。
そこから流れてきたのは、破壊してでもガンマックスとデッカードを連れ戻そうとする東副総監とそれに抗議する勇太とブレイブポリスの声であった。
『賭け』に負けたガンマックスは己の過去を告白、罠に嵌めたのも過去のパートナーたる霧崎の仕業だと推測している。


……仲間だった人間に狙われるなんて、情けねェ話だぜ。
自分の疑いは、この手で晴らしてェんだ!

元・ハイウェイパトロールなら、あんな偽造写真も簡単なわけか。
どうして話してくれなかったんだ?

昔の仲間、それも元・警察官が俺を狙ってるなんてボスには言えねェだろ?
あのおチビさんにはキツすぎる話だ。


そこへ自らガンマックスを息の根を止めるため霧崎が乱入。
複数の改造メガバイクが合体したロボ・バイクロスの猛攻に二人は追い詰められるが、デッカードの位置を逆探知したスーパービルドタイガーの到着が間に合い、勇太の合体指令を受けデッカードもジェイデッカーに合体。
しかし、ターボパワーによる突風でジェイバスターやスーパービルドタイガーのパワーを跳ねのけるバイクロスに苦戦する。
そこへガンバイクを駆りガンマックスが参戦、決意と共にマックスキャノンが完成し、フルチャージのビームが放たれた!
ターボパワーをも撃ち貫く閃光によってバイクロスは破壊され、霧崎も完全に逮捕に至った。


さあ帰ろう。仲間たちのもとへ!

……ああ!


かくして、過去との因縁に決別したガンマックスは、デッカードと共に新たなる仲間の元へ駆け寄るのだった。



ジェイデッカー! 俺を使って……マックスキャノンでヤツを倒してくれ!!

ガンマックス……!

いっくゼェェェッ!!

よぉしっ!!


チェインジッ!!!


ジェイデッカー・マックスキャノンモード!!


【マックスキャノン】

第21話で投入されたジェイデッカーの新たな必殺武器で、ガンマックスの第三形態ともいえる大型ビーム砲。警視庁科学技術部のみなさんが一晩でやってくれました
当初、ガンマックスは「人に引き金を引かせるなんて冗談じゃない」と変形に乗り気ではなかった。
しかし、霧崎と再び対峙した際、過去の因縁に決別するために自ら変形。ジェイデッカーにトリガーを預けた。

ガンマックスがフルスロットルでガンバイクを加速させることで変形開始。
カウル部からロングバレルが伸びた後、搭乗姿勢を保ったままガンマックスの座席がシェルターで覆われる。
そして、後部座席から撃鉄にも似た突起部が展開することで変形完了。
ジェイデッカーの右腰部から展開されるエネルギーコネクターと接続することでガンバイクの右部からトリガーが展開され、発射可能となる。
この状態を『ジェイデッカー・マックスキャノンモードという。

エネルギーチャージに時間がかかるのが問題だが、その分威力も絶大。
ただし、対ビーム装備が施されている敵には意味を成さないのが弱点で、これを装備していたエクセレント社のチーフテンⅠ&Ⅱはマックスキャノンのエネルギーを吸収しそのまま撃ち返してしまった。

マックスキャノンは今作のグレート合体形態であるファイヤージェイデッカーでも使用可能。
伝説の女装回と名高い第31話では初めてファイヤージェイデッカーでマックスキャノンを使用したが、シスター七瀬が操るサイコガンナーと交戦する中、射撃コントロールシステムが故障してしまったため照準が定まらなかった。
そこでファイヤージェイデッカーは強引に頭部を叩きつけることでシステムを正常化、見事に命中させている。


【余談】

●ガンマックスアーマーへの合体バンクは決めポーズがジェイデッカーやデュークファイヤーなどと同様に膝上アップで、更に回転灯を輝かせるという演出がある。
しかし、このバンクが使われたのは彼が主役だった初登場エピソードの前後編くらいしかない。これはガンマックスの扱いが悪かったというより、作品自体がバンクを端折って尺を稼ぐ傾向にあったためである。バンクが出なかったこと自体は不遇なのだが。

●タカラから発売された「白バイ刑事 ガンマックス」は劇中通りにガンマックスはガンバイクと合体、ガンマックスアーマーとマックスキャノンの二形態に変形可能。
さらに左横のボタンを押すとライト&サウンドギミックが発動。パトライトが点滅しSEが鳴り響く。
ただし、ガンバイクに乗せたりガンマックスアーマー形態の体系を重視したためか、バイクから降ろした状態の通常のガンマックスは小柄……というか、ガニマタのチビ体型
合体も鎧のように合体せず、ガンマックスが両腕、ガンバイクが胴体を構成する構造で、見た目だけ再現した別物。
マックスキャノンも劇中と異なり、ガンバイクの後部にガンマックスが合体。ロングバレルはガンバイクのカウル部に差し替え接続する形になっている。
当時の玩具技術やサウンドギミック搭載の事情から致し方ないとはいえ、映像とのギャップが激しすぎである。
玩具オリジナルギミックとして、マックスキャノンのロングバレルは大型銃としてガンマックスアーマーに持たせることも可能。
単体でのビジュアル自体は非常に残念だが、ガンバイクに乗った姿はそれなりにカッコいいし、疾走しながらショットガンや拳銃などを構えられるし、サイレンは鳴るしとプレイバリューを考えるとそれなりの出来である。

●ガンマックスの初期デザインは「チップス」という名称で呼ばれている。
サングラス状のゴーグルはそのままで、ショットガンが武器かつ愛車がバイクというコンセプトは変わらない。
ただし、決定稿と異なり頭部にヘルメットを被るタイプで、ガンバイクのデザインもSF的でスリムなラインが目を引く。
このデザインでガンマックスアーマー/マックスキャノンがどうなっていたのか気になるところ。

PSソフト「新世代ロボット戦記ブレイブサーガ」では第34話「勇者の休日」にて初登場。マップ終了後、ジェイデッカーの技にマックスキャノンが追加される。
ただし、初登場はマップ終了後、遊園地「トレジアアイランド」で迷子になってひとり置いていかれた勇太の保護だったり、ガンマックスアーマーは未登場とブレイブポリス勢の中ではやや冷遇されている感じが否めない……ついてねェな
移動スピードも速いがメンバーに選ばず二軍にするプレイヤーもいるであろうが、後半ではブレイブポリスが強制出撃するステージもある。
そのため、こまめなトレーニングや改造で鍛え上げるしかないであろう。

●PS2ソフト『新世紀勇者大戦』ではガンマックスアーマーとして加入する。
一方でドリルボーイ共々出番が大幅に後ろ倒しにされ、初登場はなんとデッカード殉職後で、マックスキャノンは更に遅くファイヤージェイデッカーよりも後
当初は原作同様マックスキャノンへの変形を嫌がっており、ファイヤーダグオンとガンキッドを参考にできればという勇太の提案で、アーク城破壊ミッションに同行する事になる。
そしてガンキッドにエネルギーを注ぎ込んで離脱したシャドーダグオンスーパーライナーダグオンに心打たれ、無限砲だけではアーク城は破壊できないとしてマックスキャノンとの同時攻撃を提案し、その後はファイヤージェイデッカーの武装となり、ガンマックスアーマーとしては永久離脱する。
ちなみにここで無限砲を使わないと、そのままイベントが進みマックスキャノンは未登場のままガンマックスアーマーとして続投する。
この場面こそ熱いのだが、ジェイデッカー関連の再現が多い中、ガンマックスのイベントは皆無とやっぱり冷遇されている感が否めない。

●PS4/Switch/Steam『スーパーロボット大戦30』にも参戦したが、巻島氏が闘病中のため野島氏が代役を務めている。
また単独のユニットとしては存在せず(演出としてマップ上に登場はするが)、マックスキャノンとしてジェイデッカーの召喚武器扱い。
ジェイデッカーの場合は変形が描写され、ファイヤージェイデッカーではガンマックスアーマーの状態で登場するほかにブレイブキャノンにも参加する。
ストーリー的には霧崎が後に(既に逮捕済みらしきことを)言及されるだけなので見せ場は少なめ。


Come on,Make my day! ……なんてね。


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最終更新:2023年12月18日 23:29

*1 デッカードらが所持する拳銃は日本警察官の標準装備であるニューナンブM60がモデルだが、ガンマックスのものはアメリカのスミス&ウェッソン社製のM29がモデル。