ワンデ星人ニワンデ

登録日:2021/07/06 Tue 19:59:38
更新日:2025/06/02 Mon 11:06:34
所要時間:約 5 分で読めます





茉莉花ちゃ~んの為なら~、ボクチンあいつの居場所探し当てられるかもぉ~?


ワンデ星人ニワンデとは、特撮テレビドラマ『特捜戦隊デカレンジャー』に登場したゲストキャラクターである。


データ

身長:198cm
体重:86kg
出身地:ワンデ星
罪状:41の惑星における122の窃盗の罪
ジャッジメント:(素直に逮捕された為行われず。現在は服役中)
登場エピソード:Episode.27「ファンキー・プリズナー」

概要

武器を持つことを好まないワンデ星人のアリエナイザー
鶏のような姿をしており、トサカはオールバックのようになっている。

かつてはバリゲ星人ミリバルの兄貴分として、彼と共に41もの惑星で窃盗行為を繰り返してきた宇宙盗賊であり、本編開始前に逮捕され、監獄惑星アルカポにて懲役300年の刑に服していた。
しかし、ミリバルの脱獄と再犯に際してデカレンジャーから重要参考人兼捜査協力者として一時的に釈放され、その捜査に協力させられることになる。

その性格は簡単に言うなら能天気なアホそのもの。
常にハイテンションかつ人をおちょくっているかのような言動を連発しており、周囲を自由気ままに振り回す。
加えて美女に目がなく、自身に協力を依頼してきたジャスミンのことも本名である「茉莉花ちゃん」と馴れ馴れしく呼んだり(何気にジャスミンを終始本名で呼んでいるのも作中では中々珍しい)、挙句の果てには自身の心を読み解こうとする彼女の手を文字通り舐めるという警察官に対するセクハラ行為まで平然とやってのけている。(本人は能力を使う為に集中していたので無反応だったが)
因みにそのジャスミン曰く「全く心が読めない」とのことで、テツからは「読めないというより、何も考えてないんですよこいつ」と辛辣に言い放たれているが…?

作中での行動

アルカポにて服役中だったところ、行方をくらましたミリバルの居場所を見つけるにあたってジャスミンから「かつての仲間なら行動パターンを把握しているはず」という予測の下にその身柄を特定される。
そして、デカバイクでアルカポまでやってきたジャスミンとテツに対して一通り冗談を巻くと、「茉莉花ちゃんと二人っきりね」という条件を提示してその捜査に同行することになる。(因みに結局テツも付いてきたので早々に約束は破られた)
マシンドーベルマンの車内でも相変わらずジャスミンを口説くが、業を煮やした彼女によって逃走防止用の首輪*1を作動させられるというお灸を喰らい、ようやく反省して捜査に協力した。
…かに思われたが、

奴はくるくる回転する物が大好きだ。だからそんな場所に必ず行く!
俺のデカとしての勘が、「そこは近い」と言ってるぜ…!

誰がデカだよ!

「ミリバルは回転する物が好きでそれがある場所に必ずいる」という事実にかこつけて回転寿司(スシロー)を勝手に堪能したり、縁日の綿菓子やかき氷の屋台、コインランドリーに風力発電の風車といった見当違いの場所に立ち寄る等相変わらずやりたい放題の限りを尽くす。

本当にこいつ、あてになるんですかね…

ひどい~!茉莉花ちゃ~んは信じてくれるね?

限界近し…

そんなぁ~!待って茉莉花ちゃぁ~ん!

そして今度は東京ドームシティアトラクションズにたどり着き、「スピニングコースター舞姫」を指さして「あれこそ間違いないの~」と言い切るが、既に信用が地に堕ちていたので相手にされなくなってしまう。
それでもどこ吹く風と振る舞うが、その遊具の中で人間に擬態したミリバルを発見。
ニワンデの姿に気付くや否や一目散に逃走した彼をチェイスの末に追い詰めると、今までのおちゃらけ振りが嘘のように消えた凄みのある態度で彼に詰め寄った。


ミリバル!!…何故脱獄なんかした!?警察はお前を、凶悪犯扱いしてるぞ!!

…はっ!そりゃそうだろうなぁ!あれだけ大量殺人すりゃあな…

お前…本当なのか!?

だったら何だってんだ!俺をこの道に引きずり込んだのは、あんただろ!

だが、俺達には美学があったはずだ!お前はそれを捨てたのか!?…宇宙盗賊としての、誇りを!!


しかし、その熱弁も虚しく「説教はたくさんだ!人がどうなろうと、俺さえ儲かりゃいいんだよ!」と吐き捨てられ、彼の竜巻攻撃を受けてしまい、咄嗟にバリアーを張るも手を負傷してしまう。
直後、その場に駆け付けたジャスミンに手当され、ついに自身の真意と目的を話した。

かつてニワンデとミリバルは、昔の自分達のような宇宙の恵まれない孤児達のために、あくどいやり方で私腹を肥やす富裕層から財産を盗み出して孤児達に分け与える一種の義賊だった。
ワンデ星人の特性であらゆるものにバリアを張る事ができるニワンデは、ミリバルによる略奪の為の破壊から周囲を守る役割を担っていた。
そう、ニワンデは確かに法を犯したアリエナイザーではあるものの、その目的は至極真っ当なものであり、窃盗に関しても「人を絶対に傷つけない」というポリシーに則って活動する漢だったのだ。
しかし、行動を共にしていたミリバルは次第に調子づいていき、ついには警備員を殺害してしまう。
駆け付けた宇宙警察から逃げようとする彼をニワンデは自首するよう説得し、共に逮捕されるのだった。

かつての弟分が凶悪犯罪に手を染めていた…その事実をにわかには信じられなかったニワンデは、ジャスミンたちが接触してきたこの機会に乗じてミリバルを説得し、刑務所へ戻そうと考えていたのだ。
今までのふざけきった態度も、ジャスミンたちを油断させて隙を作るための芝居だったのである。
ジャスミンが心を読めなかったのは、心に特殊なバリアを張っていたからであった。

そこまで話し終えたところで、ジャスミンの下にドギーから仲間達がミリバルを追いつめた知らせが入る。
ニワンデの真意を知ったジャスミンは、首輪のシステムを切り、ニワンデにここで待つように言うと現場へと向かった。

しかし、ニワンデは密かに彼女の跡をつけると、力を回復し竜巻攻撃でデカレンジャーを窮地に陥れていたミリバルをバリアで拘束。
更に、戦闘のダメージで動けないテツの腰からSPシューターを持ち出すと、それをミリバルへ向け、引き金を引いた。
しかし、弾丸が当たる直前でジャスミンが体を張ってそれを阻止する。

どいてくれ……どけぇッ!!

…ダメよ!あいつを倒して、自分も死のうなんて…!

なぜ分かった…心のバリアは、解いていないのに…

それぐらい分かる…あなたを見てれば…!

茉莉花…

あなたはほんとは、いい人よ…正しいやり方で、孤児達の為になる事を、してほしいの!

来るな…

だから………罪を重ねないで…!

弟分を止められなかった事をずっと悔やんでいたニワンデは、彼を殺して自身も死ぬ…かつての自分たちのポリシーを真っ向から破ってまで責任を果たそうとしていたのだ。
ジャスミンは、根は優しいニワンデに正しいやり方で孤児達を救って欲しいという思いから、ニワンデを説得。
その姿と言葉に心打たれたニワンデは泣き崩れ、「すまない、茉莉花…」という言葉と共にSPシューターを彼女に渡したのだった。

事件解決後、ニワンデはテツによってアルカポに送り返されたが、一囚人である彼が発砲かつ他者を負傷させたと分かれば罪が重くなるため、ドギーに負傷の原因を追及されたジャスミンは咄嗟に「SPシューターが暴発してしまった」とごまかすが、真相を薄々察したドギーもそれ以上は問い詰めなかった。
またドギー曰く、真面目に服役していれば近い時期に出所できるとの事*2


ありがとう…茉莉花…


バリゲ星人ミリバル

データ

CV、人間態、スーツアクター:大林勝
身長:208cm(巨大化時:52.5m)
体重:94kg(巨大化時:2350t)
出身地:バリゲ星
罪状:48の惑星における窃盗と大量殺人の罪
ジャッジメント:✕(デリート許可)

冬に弱いとされるバリゲ星人のアリエナイザーでニワンデのかつての弟分。
巨大な一つ目の姿をしており、強力な竜巻を作り出し900ヘクトパスカルに至るほどの強風を起こし攻撃する他、竜巻のエネルギーを吸収しての巨大化も可能。
ただし、一度竜巻のエネルギーを使いきってしまうと30時間は能力を使えなくなるという弱点がある。

上述の経緯でアルカポに収監されていたが脱獄。
私腹を肥やすため悪事を繰り返すという、皮肉にもかつて自分達がターゲットとしてきた者達と同じ道に走ってしまった。
現在でもニワンデのことを「兄貴」と呼んでこそいるものの、かつて彼から送られた記念の地球外の宝石を「安物」と吐き捨てるなど、その志は地に堕ちていた。
追い詰められた末竜巻のエネルギーを吸収して巨大化し、スーパーデカレンジャーロボと戦うがデリート判決を受け、ガトリングパンチでデリートされた。

スペシャルポリスの情報によると、竜巻を起こすというのはバリゲ星人共通の能力で、バリゲ星人は目を回さないらしい。


余談

◆名前の由来はニワトリ…ではなく、ダジャレ「電話にでんわ」のアナグラム。前年にて津久井氏が演じたヤツデンワニにも掛けられている。
  • そのヤツデンワニなのだが、本エピソードの後に製作されたVシネマ『特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー』の際に案の定登場。その際には物語最後に挿入されたパーティーのシーンで実際にジャスミン本人と共演する事になった。その際にジャスミンもニワンデの事を思い出してしまったのかも知れない

◆声優の津久井氏はスーパー戦隊シリーズの常連声優であるが、津久井氏の持ち役である副長ゼルモダニャンちゅうのような今までのようなダミ声やおちゃらけた声だけでなく、真意を見せて以降の俗に言う「イケボ」を演じて見せ、多くの視聴者を驚かせた。

◆スペシャルポリスの情報によると、ワンデ星人同士の喧嘩はお互いにバリアを張り合うため、なかなか決着が付かないらしい。

◆彼らが収監されていた監獄惑星アルカポにはテツとの因縁を持つアリエナイザーが収監されており、直後のエピソードでは彼が暗躍することになるが、それはまた別の話。

◆Episode.45「アクシデンタル・プレゼント」では直接登場しないものの、現在も服役中であることがジャスミンから語られている。


俺達には追記修正があったはずだ!お前はそれを捨てたのか!?編集者としての、誇りを!!


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最終更新:2025年06月02日 11:06

*1 刑事と50m以上離れると電撃を浴びせられる機能付き

*2 45話時点では真面目に服役している事が語られている。