STARLIKE(フリーゲーム)

登録日:2021/08/02 (Mon) 23:34:00
更新日:2021/08/09 Mon 14:23:17
所要時間:約37分で読めます




『STARLIKE』とはNOIE氏の個人サークルである「鉄鋼団」がリリースしているハムスター育成ゲームだよ。
ハムスターに「縄跳び」や「ホイール」「重量挙げ」 等の運動を施して丈夫に育ててあげてね。
ハムスターには「体重」や「食欲」「機嫌」「頬袋」「毛並」といったステータスがあるよ。
調子が悪くなってきたと思ったらよい食事を与えてハムスターを元気にしてあげようね!
でも彼らの好きなものばかり与えて甘やかすと立派な子に育たないゾ。
時には厳しく接するのも愛情なんだゾ。
色々工夫して自分だけのハムスターを育てていこう♪
フリーゲームだからお財布にも優しくて気軽に遊べちゃうよ。嬉しいね。


追記・修正お願いします。






















愚か者!!





ぬるいわ!!手ぬるい!!STARLIKEナメてんのかこんガキャ!!


いいか!本物のSTARLIKEてのはな……こうだ!






You go ahead!


Far away... So far away...


Don't stop!


You cannot go to both the heaven and the gentle hell!!





『STARLIKE』とはNOIE氏の個人サークルである「鉄鋼団」がリリースしている育成バトルアドベンチャーである。
プレイヤーは「星工(ほしく)」という職人となって、ハムスターに酷似した架空の小動物*1である「ハムスタア」を鍛え育て、「スタアライク」という戦いの場に送り出す。

「多くの因縁が絡むハードな舞台設定」
「緻密で複雑な育成と、難度が高い上に展開が常に二転三転する手に汗握るバトル」
「闘いを彩る激熱な挿入歌の数々」
「弱肉強食を地でいく残虐描写」

等々、「小動物育成ゲー」という言葉がもつイメージを色んな意味で完膚なきまでに破壊してくるフリーゲーム*2である。



あらすじ

隣国との大戦による傷跡が未だ根強く残る小国『(かぶら)
そこで暮らす少女「来宮節子」は「母は他界し、父は仕事を碌にしない飲んだくれ」という厳しい家庭環境にあり、自ら日銭を稼いでその日その日を凌ぐ生活を送っていました。
そんな苦しい日々を送る彼女にとっての唯一の慰み。それは父に隠れてこっそりと世話をしている小さなハムスタアとの戯れでした。

しかしそんなささやかな幸せの時間も突然終わりを迎えます。その行為が父に見つかってしまったのです。
「こんな屑星でも使い道はある」そういって父は節子からハムスタアを無理やり取り上げどこかへ行ってしまいました。
「このままではハムスタアが危ない」そう直感した節子は必死に父の後を追います。
たどり着いた大きな天幕。歓声や怒号であふれた異様な空間。人波に押されるようにして入った節子の目に飛び込んできた光景。
それは命が続く限り互いを血で染めあうハムスタア達と、そしていま正にそうならんとしている節子のハムスタアの姿でした…。



世界観

  • 舞台設定
本作の舞台については敗戦直後の日本の様なものと想像していただければ概ね間違いない。
セピア調のゲーム画面や「バラック」「集団疎開」といった言葉の端々からもそのような雰囲気を感じることができる。
ただリアル日本と違い、この世界では『慧瑠夫(エルフ)』『土倭夫(ドワーフ)』『天狗』といった異種族の存在が認められており、
「物の怪」「呪い」「悪魔憑き」「超常現象」といったオカルティックな要素も大きくストーリーに絡んでくるなど、非常にファンタジー色が強い側面を持っている。
よって(人間が知っているかは別として)動物であるハムスタアも同種では普通に言語でコミュニケーションをとり、社会的コミュニティなども形成している。

  • スタアライク
「星工」と呼ばれる職人が鍛え上げたハムスタア(ここでは「星」と呼ばれる)を闘わせるブラッド・スポーツの一種で、闘犬や闘鶏の様な代物。もちろん賭博行為としての顔も持っている。
一応生殺与奪は勝者に委ねられており、必ずしも相手を殺す必要はないのだが、厳しい社会情勢の最中での「ガス抜き」としての役割や、賭博に群がる客層のガラの悪さ、残虐行為によって得られる「星」の人気という事情などから、この対戦はほぼ命の奪い合いであると言い切っても大差ない。
また「星工」の中には客の要望に合わせて、プロレスのヒールよろしくある種の「キャラクター」を演じる者もいる。

そのルーツは遥か昔まで遡ることができ、本来は神に奉る祭事としての役割を持っていたという。しかし現在ではその面影は微塵も残っていない。
スタアライクに参加する星にはその強さの目安として「〇等星」という格を授けられている。
しかし強さの目安のはずなのにその格は試合の戦績ではなく「試験の結果」という形で認定される事、(よって強さと格が見合っていない星も多数存在する)
最高位であるはずの「一等星」が常に空席である事など、不可解な点がいくつか見受けられる。


  • 星工
ハムスタアを鍛え上げ、共にスタアライクの舞台に立つ所謂トレーナー兼セコンドの様な存在。ただ、「星工も星を通じて共に戦う」という点において現実のセコンドとはちょっと違う。
優れた星工は星と精神を同調させ彼らの魂を「奮う」事ができる。これは星奮(ほしふり)と呼ばれ、これによって星は常識では考えられないようなレベルの力を振るうことができる。
更に同調が深いレベルにまで到達すると星工は、会話による星との意思疎通や、視界の共有、果ては過去の記憶を覗くことすら可能になる。
しかし過度の同調はその星と一心同体になる事に等しく、星のダメージが実際に星工の肉体的苦痛として反映されたり、星の激憤に当てられて自身も粗暴になってしまったり、星を失う事による喪失感で心を病んでしまったりといった大きなリスクを孕んでいる。



ゲームシステム

  • 育成パート(全部説明すると複雑なので簡単に)
育成は一日単位で行われ、その日ごとに与えられるトランプのカードを

星の強さである『修行』
現金収入である『仕事』
戦闘におけるカードの強さである『学習』

の三つのスロットのいずれかに差し込む事で進行する。
各スロットはトランプのスートによって更に四つにカテゴリ分けがされている。
例えば『修行』に差し込んだカードがスペードならHPや攻撃力を司る「肉」に、クローバーなら命中や回避を司る「業」に経験値が入り強化される。強化の程度はカードの数値に依存する。

強化を続けるとその進捗に応じて「オーバーヒートゲージ」が蓄積し、これがMaxを迎えるとオーバーヒートが発生。
スロットが通常のカードを受け付けなくなってしまうばかりか、その状態で試合当日を迎えると能力値に大きなペナルティがかかってしまう。
トランプは「逆向きにしてスロットに差し込む」事でオーバーヒートゲージを減らす効果があり、これによってオーバーヒート状態も解除することができる。ただしカードの強化効果は発生しない。
また、ゲージはオーバーヒートにならない限りは日数経過で徐々に減衰していく。

以上の事からいかにオーバーヒートを減らし、強化にトランプの数字を積めるかがカギになる…と思われがちだが、そう簡単にはいかない。
なぜなら「オーバーヒート状態」そのものは害だが「オーバーヒートの累積回数」は星のステータス補正に重要にかかわってくるからである。
つまり正確には「いかにオーバーヒートの回数を稼ぎつつ、強化にトランプの数字を積めるかがカギ」という事になる。
育成を突き詰めると、日数経過によるゲージのクールダウンも場合によっては害になりかねないので一筋縄ではいかない。

「簡単に」といいつつ大分文字を使ってしまったが、これでもまだ『基本ルール』を説明しただけある。
実際はこれに「カード配布のランダム性」、「餌による各ステータス及び体重管理」、「得物の取捨選択」、「ドーピング等で蓄積する毒の調節」、「神社の御利益による育成ブースト」、「ミニゲームの成否や実行のタイミング」なんて要素も関わってくるからさあ大変。
慣れないうちは育成の最適解が見出しにくく、非常に挑みがいのあるパートになっている。


  • 戦闘パート(全部説明するとry)
戦闘もトランプを用いて行われる。

黒スートは「低威力・高命中の素手攻撃」(攻撃時)、「回避不可・ダメージ低減のガード」(防御時)
赤スートは「高威力・低命中の得物攻撃」(攻撃時)、「成功時はノーダメージ・失敗時は大ダメージの回避行動」(防御時)

となっており、毎ターン山札から手札を補充しながら互いに攻防を繰り返す形で進行していく。
また特筆すべきルールとして、

「同数字のカードを複数出す」「同スートの連続した数字を複数出す」事で可能となる『連続攻撃・防御』
相手と同じスートを出すことで攻撃そのものを無効化する『相殺』
そして戦闘により溜まったゲージを消費することで発動する必殺技『星奮』

という物が存在し、これらが単純なカードの出し合いに「カードの読みあい」「必殺技の正しい理解と発動のタイミング」といった戦闘の奥行きを与えている。
基本的にプレイヤー側は能力的には敵に劣るかあるいは何らかの枷が設けられており、単純なダメージレースではそうそう勝てないバランスとなっている為、この二つは非常に大事。
闘いを運否天賦に任せるのではなく積極的に考え、学んでいく必要がある。


  • BGM
本作を語るうえで絶対に欠かせない大きな特徴がBGMの数々。
試合前はプレイヤー及び対戦相手それぞれに入場曲が流れるばかりか、各試合の戦闘曲として数多くの挿入歌も収録されており、しかもその大半がステージ専用曲であるなど、とてもフリゲとは思えない豪華絢爛さ。
お察しの通り、冒頭の英文もその戦闘曲の歌詞の一部である。
と、いうよりここで長々と語るよりも、「鉄鋼団 WILL 'O' WISP 改」で検索していただいた方がよっぽど話が早い。
一度聞いてもらえば、BGM云々はもとより、この作品がどういうものかも直感的にわかってもらえるだろう。





主な登場キャラクター

ここから先は本編のネタバレを多分に含むので注意。





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  • 胸熱
  • ボーカル曲多数
最終更新:2021年08月09日 14:23

*1 ゲーム内でも「よってあくまでフィクションの産物であり、動物虐待を趣としたゲームでは決してない」といった旨のアナウンスが流れる。

*2 追加要素を搭載した有料の「製品版」もリリースされている

*3 但し、慧瑠夫の血は鏑において差別の対象となる事と、その点を見越して父が自分を遠ざけているであろう事は彼女も理解している。

*4 本来相手は人であったが、いつからか人と魂を同調させるハムスタアに取って替わられた。

*5 しかもこの神託は人間には読めない文字でもって示される、人に何ら益することのない行為であるというおまけつき。

*6 件のシステムの反動で彼岸に足を突っ込みすぎたことが原因と説明されている。