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本作の主人公。愛称はセッちゃん。
唯一の日々の慰みであったハムスタアを父親である正造に無理やり取り上げられた事で、なし崩し的にスタアライクの世界に身を投じることになる。
最初は知らない人とはまともに面と向かって話すこともできない気弱な女の子であったが、スタアライクを通じて「戦わなければ生き残れないという残酷さ」「必死に生に縋る執念」「世の中の汚さ、理不尽さ」に触れ、結果ある種「暴力的」とも言える行動力と意志の固さをその身に宿す様になる。
周囲の人間は彼女の存在に大きく助けられている一方で、時には大いに振り回されており、彼女を「本物の大馬鹿娘」「おとなしそうに見えて一番目が離せない人物」と評する人も多い。
「貴様の心がまだ折れていないならば、貴様の魂がまだ震えを残しているのであれば、儂は貴様を奮おう!」
節子の初の対戦相手となる星工。
生まれつき体が弱いというハンデを抱えても懸命に生きてきたという自負からか、反骨的な精神であふれており、常に「何かに挑み続ける」事を求めている。
その精神は「手負いの獣こそが最強の星になりうる」という星工としてのモットーにも現れており、肉体的ハンデを持つ個体や、過去に挫折した経験を持つ個体をあえて選んで鍛えることを好んでいる。
星工である傍ら作家としての顔も持ち、『慶維川柳』という名で小説も出している。
因みに節子は彼の小説のファンであるが、著者が柳川維慶その人である事は大分後になるまで気づくことはなかった。
「見届けてやるよ。おまえの喧嘩、お前のロックってやつをよ。」
「狂獣の奏者」なる異名をもつ星工で、ロックバンド「デスネル」のギター兼ヴォーカル。
このバンドはスタアライクの余興としての音楽担当も兼ねている。
その見た目通り反社会的・残酷・自己中心的といった印象の、いかにも「ワル」な立ち振る舞いをしているが、
その一方で現実ではバンドは芽が出ずメンバーとは喧嘩別れ、おまけに自身も食うに困って望まぬバイトで糊口を凌いでいる有様と、理想の自分とのギャップに打ちひしがれている。
「だから、この場で戦うことを決めたのだろう?この力こそが全ての弱肉強食の舞台で!力という法に訴えるために!!」
元・特別公安警察という半慧瑠夫の星工。
「スタアライクの法の番人」を自称しており、規則の埒外にあるものに対してはたとえ子供であろうと容赦しない嫌いがある。ただそれは決して法に対して盲目であるからではない。
彼は「公僕として法を守るために尽力していたにも拘わらず、戦後政府によって犯罪者扱いされた」という過去を持ち、だれよりも法・規範の理不尽さ・不公平さを承知している。
その不条理を知ってもらいたいが故の行動であるというのが彼の弁。
彼がスタアライクにのめり込んでるのも、残酷ながらも全てにおいて公平で覆しようのない掟である「弱肉強食」がその根底にあるから、という所にその理由があるのかもしれない。
友人のハムスタアを鮫島の星に殺された怒りをスタアライクという暴力で訴えようとした節子を大いに歓迎し、彼女との対決を受け入れる。
「大人の世界は汚いよね、セッちゃん。でも、あなたはそういう中に首を突っ込んだのよ。」
興行師として全国を渡り歩いている飴職人。
雌のハムスタアを一匹飼っており、スタアライクでの闘いに疲れていた節子は、「対戦相手ではない」ハムスタア飼いとしての彼女を気に入り徐々に交流を深めていく。
ハムスタア達も互いの距離を縮めている様子で、節子は厳しい日々の最中でささやかな安らぎの時間を手に入れられたかの様に思えた。
しかし…
「道楽だが、真剣だ。そしてこれは尊い戦いなのだ。お前たちのそれなどよりもずっとな。誰にも邪魔はさせん。」
ベネチアンマスクで素顔を隠している軍人風の星工。『ジェネラル・ロボ』というスタアライク史上最強の星を擁している。
月柴野活子及び桔梗座と深い関わりがらしく、協力して『真の一等星』を作ることを目指していたらしいが詳細は不明。
スタアライク界で活躍目覚ましい節子を見て「闘う意義」を見出したらしく、彼女に対決を申し込む。
節子の父で彼女をスタアライクの世界に引きずり込んだ元凶。
来宮家は代々星工の家系であり、正造自身も業界ではちょっと名の知れた存在になっている。
それ故か、殺されるとわかっていて節子のハムスタアを取り上げ試合に放り込んだり、それが有望株と知るや否や再び彼女から取り上げて自分で鍛えようとするなど、ことスタアライクとなると頑固で手前勝手な一面を見せる。
どうやら他界した妻が生前口にしていた「一番星を作りなさい」という言葉にこだわっている様なのだが…
月柴野家の家長でスタアライクを取り仕切る組織『桔梗座』の党首。副業で孤児院も営んでいるらしい。
その名前と常に頭にのせている帽子の造形から、周りには『活火山婦人』と呼ばれている。
登場する度に何やら含みのある言葉を放つが、彼女は多くは語らず桔梗座自身も秘密主義の組織な為、彼女の真意がどこにあるのかはわからない。
また、今までほとんど面識が無かったはずの節子に対して個人的な恨みを抱えているようだが、それが意味するものとは果たして…
スタアライクの司会進行を務める土倭夫。
いつも口汚い口上で試合を盛り上げるが、根はびっくりするほどまとも。
というか本業からして小学校の教師という立派な真人間である。
不幸にも節子をはじめ月柴野家や鮫島家の息女など、スタアライクに所縁ある家の人間が軒並み彼の所属している学校に通っており、彼女ら経由で自分の素性が上に漏れやしないかと常に気を揉んでいる。
保健所の動物管理の担当職員である黒慧瑠夫。
スタアライクの衛生・検疫担当であるが、試合においては中司と共に試合の実況・解説もこなす。
ただ中司とは対照的に、性格は破天荒、私生活は怠惰の一言と中々に癖が強い人物。
面倒が嫌いで細々とした事はほとんど周りの人間に押し付けて過ごしている。その最たる犠牲者は彼女の後輩で、その次が節子である。
まあその無茶ぶりに見事応えると大金を恵んでくれるのでゲーム的には有難い存在なんだが。
夜気の後輩で生物研究をしている大学生。保健所という薬学関係からか、ついたあだ名はひろぽ…いや、やめておこう。
手持ちのハムスタアをスタアライクに出場させている星工の真似事の様な事もしているが、実力の方はまあ語るに及ばず、といったところか。
節子が世話になっている新聞配達所の職員。
自他共に認めるギャンブル狂でスタアライクにももちろん足繁く通っている。
節子が星工と知ってからは、月の稼ぎを全部突っ込むこともある程に彼女と彼女の星に入れ込むようになるが、それで痛い目を見ても機嫌を悪くしたり周りに当たったりすることは決してないギャンブラーの鑑。
節子の稼ぎの一つである靴磨きの数少ない常連客。鏑と戦争状態であった燈連邦の一つである『白教』の軍人。
先の大戦中は最前線である大隊の指揮官を務めており、彼が鏑との戦闘を回避したおかげで白教対鏑は大規模な戦役とならずに済んだらしい。おかげで鏑の住人からも好感を持たれている。
彼自身もここを第二の故郷と考えるほど鏑には愛着を持っており、学生時代から鏑の歴史・風俗を探求するフィールドワークを繰り返していた。
そのせいなのかはわからないが、この地に所縁があるスタアライクについても時折妙に詳しいところを見せる。
近所のガキ大将。通称は「カンちゃん」
駅前の子供靴磨きを取り仕切っており、縄張り争いで度々衝突するなど節子とは最初非常に険悪な関係であった。
しかし、節子の星工としての戦いぶりと、試合を重ねる度にどんどんタフになっていく彼女自身を見て、徐々に態度を改めていく。
年頃の男の子らしくブラッドスポーツであるスタアライクには興味津々で、自身もハムスタアを飼いその真似事に興じていた。
しかしその行為と、身の程を知らない彼のはねっ返りぶりが、彼とそのハムスタアに苦難をもたらすことになる。
莞爾の友人。通称「アジ」
無謀で後先顧みない莞爾とは対照的に物事を常に一歩引いて見ることのできる男の子。
ただ、そんな彼をもってしても莞爾の暴走を止めるのはなかなか難しいようだ。
節子の同級生で学級委員長。その役に違わず模範的な女の子で常に回りへの気配りを忘れない。
節子も彼女を「良い子」として尊敬の眼差しを向けるが、彼女は自身をそう見做される、とりわけ節子からそう思われる事には抵抗がある様子。
どうやら節子に対してなにやら後ろめたい思いを抱えている様なのだが…。
鮫島オーランドの娘で慧瑠夫のクォーター。しかし父の意向で彼と同居はしていない。
母方が剣術家であった関係で自身も少女ながら剣術の心得があり、戦時は陸軍の養成所で少年兵の指南役を務めていた。
そのせいか軍人気質が非常に強く、「優秀な軍人でありながらその道を外れ、現在ではやくざな賭博場で道化の様な役を演じている」オーランドを理解できずにいた。
落ちぶれた境遇にありながらその惨めさを微塵も感じさせず溌溂としている父の事がわからない苛立ちと、自分が距離を置かれている寂しさが綯い交ぜになった彼女は、オーランドに対し「果たし合い」という形でその感情をぶつけようとする。
『八房客神』に仕える巫女。共に全国各地の神社を回っている。
「仕える」とは言っているが、その言動に主に対する敬意の念は微塵もなく、その神が度々しでかす「粗相」に対しては暴力での干渉も辞さない。
とても巫女と神の関係とは思えない有様であるが、そのあたりの事情は八房客神が直々に語ってくれる。
柴陽柴社の御神体。人々からは「柴様」と呼ばれている。
正真正銘の物の怪で、普段は呼称通り柴犬の姿をしているが、その気になれば人型にも、半獣人の姿にもなる事ができる。当然人語も扱える。
軽薄な性格で、神として祀られているくせに平気で「この世に神なんているわけねーだろ」なんて宣うが、曰くそもそも自分は迷惑千万な魔物であり、人間にとって手に余る存在であるから仕方なく「神」として煽てられているとの事。
よって巫女の仕事は「奉仕」というよりは「監視」に近いのだそうな。
非常に性欲旺盛で、雌とあらば、たとえそれが老婆であろうと畜生であろうと構わず「契り」を交わそうとする。あとたまに男も掘る。
しかし燕黒がとても職務に忠実な巫女であるおかげで、彼が自分自身を満たせた事はただの一度としてない。
月柴野家の「星観役」を名乗る女性。
しかしその星観役が具体的に何であるかははっきりしない。
呪術じみた業を使うことから、確かなのは彼女がただ者でないという事だけである。
ある時唐突に節子の前に姿を現した謎多き少女。曰く「賭と博の浮世に冗談を添えるのが使命」であるらしい。
その使命に則って、スタアライクで闘う節子に『JOKER』という不思議な力を与える。
しかしJOKERを与えられたのは節子だけではなかった。彼女と対峙する星工の面々もまたJOKERを使い彼女を苦しめる。
ジョーカーは「見込みのあるヤツ」にJOKERを与えて彼らが辿る結末を眺める事を繰り返しているようだ。
どうやら「大きな番狂わせ」なるものを期待しているようだが…
月柴野家の養子である慧瑠夫の少女。しかし活子は彼女のことを『猫神憑き』と呼んでいる。
まるで壊れた人形の如くいつも虚ろで、周囲の呼びかけにも滅多に反応を示さない。
活子の意向で常に屋敷の敷地内に留まらせており、学校に行くことも許されていない。
それを不憫に思った節子は女中の嘆願も手伝って、自分が世話をする代わりに彼女を学校へ通わせることを活子に提案。
活子は一度はこれを了承するも、後に「戯れが過ぎた」「やはり貴方はあの子と会うべきではない」と態度を一変。
突然接触を禁じられ困惑する節子。しかし彼女は時を置かずしてその意味を知ることになる。