メイドイン俺

登録日:2021/08/30 Mon 23:14:00
更新日:2025/04/06 Sun 20:33:44
所要時間:やく 5 ふんでよめ!




5秒のゲームを つくってあそぶ もらってあそぶ!

『メイドイン俺』とは、 2009年に発売されたニンテンドーDS用ソフトである。
ジャンルは『つくってあそぶ瞬間アクション』。


がいようをかけ!

メイド イン ワリオ』シリーズの1作で、5秒(あるいは10秒)で終わるプチゲームをプレイしていくというのは従来のシリーズと同一。
しかし、メイドイン「ワリオ」ではなく、メイドイン「俺」であることから分かるように、プチゲームを自分で作ることが出来るのが特徴である。

ゲームのストーリーとしては、
ある日のダイヤモンドシティ、Dr.クライゴアは見た夢を基に、簡単にゲームを作成できる「スーパーツクリエイター21」というマシンを開発する。
量産作業中にDr.クライゴアにテレビの修理を頼もうとして訪れたワリオ様は、「スーパーツクリエイター21」を利用して、相変わらず楽してのお金儲けを企む。
といった感じである。プレイヤーはワリオ様の仲間同様、「スーパーツクリエイター21」を使ったゲーム制作を頼まれたという設定だと思われる。


プチゲームは「おえかき」「おとづくり」「くみたて」からなる。
「おえかき」はゲームの背景や物体を描く作業。ただ物体を用意するだけでなく、物体はアニメーションをつけることも可能。
絵が苦手な人も、スタンプを使ったり、他のゲームから物体を持ってくることも可能。
ゲームの長さは5秒か10秒かの選択が可能。シンプルなゲームは5秒、頭を使うゲームは10秒にするとよいかもしれない。

「おとづくり」はゲーム中に流れるBGMを楽譜の上に球を置くことで作ることが可能。自分で作るのが難しい、あるいはめんどくさい場合は、他のゲームや後述のレコードから持ち込んだり、後述の「マエストロ」に頼んで作ってもらうことも出来る。
ちなみに、ゲームの長さがどちらでも曲自体の長さは変わらず、10秒の時は同じBGMを2回繰り返す。
マエストロは音楽の速さや「タノシゲ」「エンカ」「ファミコン」などの曲調を指定する(全てお任せも可)ことで、自動で曲を作ってくれるキャラクターである。西洋の音楽家風だが、何故か関西弁でしゃべる。

「くみたて」は作った物体に「AI」を組み込み、動かすことが出来る。AIは1つの物体につき初期動作含め6個まで作成可能で、「キッカケ」(例、タッチされる、特定の時間になる、特定の物体のスイッチがオンになるetc)に対して「アクション」(例、自身のスイッチをオンにする、音を鳴らす、アニメーションを再生するetc)などを起こすことが可能。また、クリア条件を定める必要もある。

作れるプチゲームはタッチ操作のみであり、ボタン操作や傾け操作の必要なゲームを作ることはできない、またタッチ操作でも「長押し」や「なぞる」ことも出来ないなど、さまざまな制約があるが、それでも工夫次第では様々なプチゲームを製作することが出来る。
作るのは5秒(あるいは10秒)のプチゲームであるため制作難度も低く、中古は10年以上前のゲームという事もあって比較的安価で出回っていることも多いため、気になった人は購入を検討してもいいかもしれない。


ゲーム作りをするには、「作り方教室」の最初のレッスンをクリアする必要があり、何もわからずにゲームを製作しようとして、途方に暮れるという事が起こらなくなっている。
「作り方教室」のレッスン自体は3つあり、ワリオ様とクライゴアの孫娘であるペニーとともに、ゲームを作成していく。

3つのレッスンを終えると、「くみたて道場」で虫食い問題形式でテクニックを学ぶことが出来る。「くみたて道場」では、ヤング・クリケットと師匠であるマスター・マンティスが登場する。

また、あらかじめ用意されたゲームにキャラクターの絵を描くだけの「アルバイト」もある。完成したゲームのAIを見ることも出来るため、アルバイトで作ったゲームや後述のサンプルゲームを見て、技術を盗み取ってみることもおすすめである。


また、プチゲームの他に「レコード」と「マンガ」を作成することも可能。
「レコード」は「おとづくり」を発展させた機能で、2分程度の音楽を作ることが可能。
「マンガ」は4コマ漫画を作ることが出来る。カラーではなく白黒だが、トーンの種類がそれなりに豊富で、スタンプを使うことが可能であり、絵が苦手でも簡単にマンガが制作できる。


ニンテンドーWi-Fiコネクションにも対応しており、ゲームを遠方のフレンドに送ったり、任天堂が作ったソフトや、桜井政博高橋名人、世界のナベアツといった有名人が作成した「なんとアノ人がソフト」をダウンロードしたり、コンテストにゲームを応募することが出来た…が、現在ではニンテンドーWi-Fiコネクションが終了しており、これらの機能は利用できなくなっている。


サンプルであそべ!

今作には5つのジャンルに18のゲーム、計90つのプチゲームがサンプルとして収録されており、従来の『メイド イン ワリオ』シリーズのように遊ぶことも可能。サンプルステージはジャンルごとに毎日追加され、起動日含め計5日で出揃う。

書くステージでは従来シリーズ同様ジャンルごとのプチゲームがランダムに出現し、4回失敗するまでのハイスコアを競う。自分では作成できないが、ボスゲームもちゃんとある。
一度遊んだプチゲームは、従来の「ずかん」のように専用の棚に並び、個別に遊べたり、AIを確認できる。ただし、ボスゲームは棚に並ばない。

ちなみに自分で作ったりダウンロードしたプチゲームも棚ごと、あるいは全ゲームをランダム出現させて遊ぶことも可能。デフォルトではボスゲームは登場しないが、各ステージの仕様に変更でき*1、そうした場合それに対応したボスゲームが出現する。


以下からは各ステージについて紹介する。
  • モナ
ワリオにあこがれてる!?女子高生。アルバイトをしている印象が強いが、実は探検家の卵という設定があり、今作ではそれが活かされ、謎の遺跡を突き進む。
最初に登場するステージで、ジャンルはやはりというべきか「ヘンナノ」。鼻の穴に指を突っ込むお馴染みのゲームや、歯磨き粉を絞り出すゲーム、缶を踏みサボテンは踏まないようにするゲームなど、変なゲームがそろっている。
ボスゲームは「ちゃくち」。人に括り付けられた風船を割って、人をうまく崖に着地させるゲーム。

  • ジミー・T
「クラブサトー」のダンサーだが、エアロビクスのインストラクターもしていたようだ。彼のゲーム中はボスゲームを除き「みわくのバディライン」というBGMが流れるのが特徴。
ジャンルは「スポーツ」。PKでゴールを決めたり、ハードルを飛び越えるなど、様々なスポーツに関するゲームが登場する。
ボスゲームは「ビリヤード」。赤い球をゴールに入れると成功、白い球が入ると当然ながら失敗となる。

みんなの人気者である魔法少女。ホラー映画風な感じになっている。使い魔のレッドもちゃんと登場する。
ジャンルは「タベモノ」。その名の通り餅をこねる、アイスのあたり棒を探すなど、食べ物に関するプチゲームが登場する。
ボスゲームは「スピードサンド」。パンとパンの間に流れてくるモノを3つ挟んでサンドイッチを作るゲーム。芋虫やタイヤなど、食べられないものを挟むと失敗となる。

  • オービュロン
地球侵略を企むが、毎回ひどい目に合っている宇宙人。今回は雷にあたったうえに、発射直前のロケットと合体して、飛ばされてしまうという憂き目にあう。
ジャンルは「IQ」。たくさんの人の中から特定の人を探す、複数の図形から1組だけある同じ図形のペアを探すなど、やや頭を使うゲームが多い。
ボスゲームは「すうじならべ」。いわゆる「15パズル」を9つに簡略化したもの。

任天堂マニアの小学生。今回はスーパーマリオブラザーズ風のドット絵で、スケボーで突き進んでいく。最後に出現するステージである。
ゲームのジャンルはお馴染み「ニンテンドー」。Wiiまでの任天堂ゲームをモチーフにした様々なゲームが登場。
ボスゲームは「コインとり」。水中でマリオを操作して、ゲッソーをかわしながらコインを集めるゲーム。ボスゲームでは唯一制限時間がなく、ゲッソーとぶつかったり、画面下に落ちてしまうと失敗となる。


条件を満たせば、これらのステージのゲームがすべて出現する「ごちゃまぜ」*2や、自分が作ったりダウンロードしたゲームも含めてすべてのゲームが出現する「ぜんぶミックス」も登場する。これらのステージでは、ボスステージは登場順に出現する。
また、最初から高速の「げきむず」や、「ぜんぶミックス」のみ左右反転した「ミラー」で遊ぶことも可能。


ゲームだけでなく、レコードとマンガもサンプルが存在する。
レコードはいわゆるトロフィーシステムのご褒美で、条件を満たすごとにレコードが手に入る。上述したサンプルゲームを作成した5人が音楽を作っている。
マンガは上述の5人ではなく、漫画家のしりあがり寿先生、中川いさみ先生、朝倉世界一先生、天久聖一先生、べつやくれい先生の漫画が読める。各先生ごとに1日1話追加され、起動日含め18日で全ての漫画が揃う。


Wiiであそべ!

Wiiウェアとして、ゲーム作成はできないがゲームで遊ぶことに特化した『あそぶメイドイン俺』が同時発売された。ダウンロードソフトであり、現在は購入できないため、新規で遊びたい場合このソフトが入った中古品を購入する必要がある。

収録ゲームは4ジャンル×18ゲームの72種類、またレコードとマンガも18種類ずつ収録されている。とはいえ、単品で遊ぶには少し心もとなく、『メイドイン俺』は実質必要である。
ゲームでは、DS版に登場できなかったキャラが登場しているほか、最終ステージであることが多かった「ワリオマン」が最初のステージで登場している。

DS版とは、プチゲーム、レコード、マンガを共有することが可能。DSで作ったものやDS版のサンプルを送るだけでなく、こちらに収録されているものやダウンロードしたものをDS版に送ることも可能。

Wiiで遊ぶため、タッチ操作はポインタを向けAボタンで操作する。そのため、細かい操作がしにくいという欠点はあるが、大画面で遊べる、画面のキャプチャがしやすく、動画向きといった利点がある。


収録ゲームのステージとジャンルは、
  • ワリオマン     ジャンルは「ナンデモアリ」
  • ドリブル&スピッツ  ジャンルは「SF」
  • カット&アナ     ジャンルは「イキモノ」
  • エイティーンボルト ジャンルは「ニンテンドー」
の4種類。「ニンテンドー」のみDS版とジャンルが被っているが、もちろんゲームは別物。

非公式な方法ではあるが、WiiのSDカードをPC等に移すことによって、インターネットを通じてプチゲームのやり取りが可能となっている。
ニンテンドーWi-Fiコネクションが終了した現在、不特定多数の人にプチゲームを送るためには、この方法しかない。


よだんもかけ!

今作のUIには、『マリオペイント』と似た部分が多い。このつながりからか、ゲーム名を「マリオペイント」にすると何かが起こる。
余談だが、DS版のサンプルとしてマリオペイントをモチーフにしたゲームやレコードがある。

今作でメイド イン ワリオシリーズはいったん休止し、4年後の『ゲーム&ワリオ』を待つことになる。とはいえ、ゲーム&ワリオは従来シリーズのようなプチゲーム集ではない。*3そのため、プチゲーム集としては9年後の『メイド イン ワリオ ゴージャス』を待つこととなる。
また、ゲーム&ワリオでデザインが変更されたため、初代から使われたデザインは、『メイドイン俺』『あそぶメイドイン俺』がシリーズ最後の使用作品となっている。

歴代シリーズのプチゲームが大幅にアレンジされて収録された『メイド イン ワリオ ゴージャス』では、両方の作品のサンプルゲームや任天堂が作った配信用ゲームもいくつかアレンジされて収録されている。
また、モナのボスゲーム「ちゃくち」も大幅にアレンジされ登場しているが、モナではなくワリオのステージで登場する。

本作では、イラストを描いて動かすことで、色んなゲームが作れるが、それゆえに対象年齢18歳以上を超えるゲームを作成することも可能である。(通称メイドイン紳士)
これがネットにアップされたことも契機となってか、これ以降のニンテンドーのクリエイターゲームでは、インターネットで自作ゲームを公開するときにチェックが必要になったとも言われている。


ついき、しゅうせいしろ!

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  • 2009年
最終更新:2025年04月06日 20:33

*1 特別仕様のジミーを除く。

*2 自分が作ったりダウンロードしたゲームがすべて登場する「ごちゃまぜ」も存在。

*3 「ゲーマー」ではプチゲームが登場する。