桜井政博

登録日:2012/04/15 Sun 00:21:46
更新日:2025/09/04 Thu 19:39:57NEW!
所要時間:約 8 分で読めます




\ソラの桜井政博です/

 

桜井政博(さくらい まさひろ)とは、日本のゲームクリエイター。
あの星のカービィシリーズをはじめ、多くの名ゲーム生みの親でもある。


概要

1970年8月3日生まれ。東京都武蔵村山市出身。
ファンからのあだ名は「サークライ」。言わずもがな由来はダークライ
……が、後述の忙しさから「むしろ悪夢を見る側」なんて言われもする。

1990年にゲーム制作を手掛ける株式会社ハル研究所に入社。
後に大人気シリーズとなる『星のカービィ』シリーズや『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』を生み出し、それから2003年に同社を退社。
しばらくフリーとして活動し、2005年に有限会社ソラを設立して同社の代表となる。というよりソラは桜井氏の個人事務所のようなもので、正規スタッフは本人と2008年6月に桜井と結婚したアシスタントの2名のみ。
以後は『スマブラ』シリーズを中心に任天堂の依頼に応じたゲームを作って活躍中。

ゲーム以外ではドライブが趣味。現在の愛車はダイムラーの「メルセデス・ベンツ Sクラス」とアルピーヌ*1の「A110」。
またペットとしての「ふくらし」を飼っており、時々自身のTwitter(現X)等で様子が投稿されている。非常に可愛い。

2025年には、芸術選奨文科大臣賞のメディア芸術部門を受賞した。

ゲームに関しての哲学

手掛ける作品は初心者から上級者まで誰もが高い満足度を得られると言われるものが多い。特に初心者には徹底的に配慮していることで有名。
これはファミコンゲームボーイが主体だった1990年頃、難易度が高いゲームばかりが発売されていて初心者お断りのような雰囲気を打開したいと思ったのがきっかけ。
桜井がゲーム業界に入った頃は「ゲームのボリュームをこれ以上追加できない」という要領的な限界と、プレイヤーの技巧の上達の相乗効果で「ゲームをすぐにクリアされてしまう」ということが問題になっており、
それに合わせる形で「手ごわいシミュレーション」「硬派なゲーム」が好まれるようになってきていた。しかしこれでは初心者がまったく入ってこれなくなってしまい、先細りは明らかだった。最近の長寿カードゲームとかそんな感じだけど
その願いを込めて作られたのが1992年発売の『星のカービィ』であり、これが需要に完全に噛み合った結果大ブレイク。『ポケットモンスター』が出るまでの間の販売本数は群を抜いていた。
開発当初は「ティンクル★ポポ」というさらに子供向けのタイトルだったことが好事家の間で有名だが、初心者や子供という新しい市場を開拓することを重要視していた同氏の思想が垣間見える。

また、全体的に珍しいゲームシステムを採用するため評価を誤解されやすく、たとえばあの『スマブラ(初代)』も最初は「既存の格ゲーと明らかに異なりすぎるゲーム性」「マリオとピカチュウが殴り合うナンセンスさ・バイオレンスさ」という第一印象から微妙ゲー扱いされていた。
そこで、その誤解を解くためにホームページの作り方を学び、日本のゲーム史上では恐らく初となる、製作者自らがゲームについての説明をしている広報・公式攻略サイト「スマブラ拳!!」を立ち上げたのは有名な話。
広告の重要性についても熟知しており、「今日の一枚」はスマブラ拳の反響の大きさなどから始まった広告を兼ねた習慣である。
なお『64』のスマブラ拳の質問コーナーや、『for』の「大・参・戦!」など、冗談で嘘を用いることが多い。特に「ま、嘘なんですけどね」と5秒でゼロスーツサムス不参戦を撤回した件は未だにネタにされている。
『SP』では「キングクルールだと見せかけてデデデと見せかけてやっぱりキングクルール」とか「キングクルールの時の天丼でバンジョー&カズーイだと見せかけてダックハントと見せかけてやっぱりバンカズ」などやっぱりウソ……というかひっかけが多い。
とはいえ悪意のあるウソはつかない。特に最近は一部の物わかりのよろしくない上に過激な連中が本気でブチギレるので「○○なんですよ(うそ)」など嘘の場合は大抵はっきり示す。
人によっては波長が徹底的に合わない性格・芸風、かつ思想が結構ハッキリした人間なのでアンチもつきやすく、あんまりにも真意を捻じ曲げる話には彼自身が時折苦言を呈したりもする。「サークライ」というあだ名も元々はアンチが使っていた蔑称だった*2

その一方でゲーム開発を「やめたい」と思うのも時にはあるとのこと。
実際、ゲームは作るより遊ぶ方が楽しいが、仕事で一所懸命にやらないといけないから続けられていると語っている。

不老?

2020年には遂に50歳を迎えたが、それを感じさせないぐらいの若々しさ。
むしろ昔の方が老けて見える、と言うか年々若返っている*3
そのため、ネット上では吸血鬼ではないかとまことしやかに囁かれている。
実際、健康を考えて「炭水化物は控えめに」「軽い運動する」「日焼けをなるべくしない」ことを心がけているそう。

また、桜井氏は同じ吸血鬼疑惑*4がかけられている漫画家の荒木飛呂彦先生の代表作「ジョジョの奇妙な冒険」の大ファンでもある。中でも二部が好きなようで、『ファミ通』のコラムではジョジョ立ちも披露している。

+ 『恐怖を乗り越えた花京院』に対して、「いいなぁこの手」と絶賛した話について
ちょっと荒れる話題です。この先を閲覧しますか?



ほんとにみるのですか?



こうかいしませんね?



と脅してみたが、ちょっと読んでて不愉快な話かもしれないので覚悟の準備をしておいてください。

初めに言うが、この件の真実なんてあなたが決めればいい。
これは信者とアンチでまったく見方が異なる話であり、いわゆる「桜井節」が今より毒があったことや、皮肉や仄めかしという真意を隠す要素などもあって軸が本当にブレやすく、喧々諤々のレスバトルを誘発しやすい。そして桜井もまだ20代だった頃である。誰だって若いころは色々と元気なのだ。
そのためそのサイトで支配的な空気に流されやすくなってしまう(エコーチェンバー。桜井も自身のチャンネルで語っている)ため、又聞きのエコーチェンバーでどんどん話が歪んでいく。
多分原文を見たことがない人も多いのではないだろうか。
そしてこれはスマブラ現役時代に生きてないと……つまり今とは様々な意味で時代が異なっていたということが分からないと理解しづらいだろう。


まず「いいなぁこの手」の全文がこれ。

とある格闘ゲーム*5で、
「花京院(キャラ名)」というキャラと、
「恐怖を乗り越えた花京院*6」というキャラが
別になっているものを見ました。
(少しだけ違いがある)

いいなぁこの手。
「おなかがいっぱいのピカチュウ」とか
「コンビニから帰ってきたルイージ」とか
「栄養満点のフォックス」とか
カンタンに量産できそう。
引用:http://nintendo.co.jp/n01/n64/software/nus_p_nalj/smash/PostReturn107.html

「あやとりが得意なファルコン」とか
「腕がとび出すカービィ」とか・・・
(もういいって)
引用:https://www.nintendo.co.jp/n01/n64/software/nus_p_nalj/smash/PostReturn108.html

これが発言された「アンケート集計拳!」というのは今でいう全レス。桜井政博に直々にレス返されるってとんでもねぇ時代だよホント
かなりふざけた3つ+2つを例示したうえでの「カンタンに量産」というキーワードに留意すること。

この時代はドット絵の時代だったこともあり、特に対戦格闘ゲームはキャラを作るというのが大変だった。今と違って、たとえばやられモーションの流用などがきかないのである。
キャラクターやシステムの案はあるがキャラを作る容量・開発時間の制約が重くのしかかる。そこで「既存キャラのドット絵をある程度流用することでボリュームを増やそう」というテクが生じる。
「恐怖をのり越えた花京院」は有名だが、MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTERの「日焼けしたさくら」なども分かりやすい例で、設定的には同一人物、外見もサングラスをかけたり日焼けしてたりしているだけ。
しかし中身はほぼ別キャラ。イメージ的にはリュウとブランカ程度には違う……と思う。本当にそれくらい違うため、ゲーマーとしてはむしろ「キャラとしてはかなり無理やりだけど使えるキャラが多いのはうれしい」となるわけである。
現在でいう「ダッシュファイター」「モデル替えキャラ」の正反対のことをしている、と考えてほしい。外見は同じだが中身はまるっきり別。

ただこれをキャラゲーとして見た場合「恐怖をのり越えたり日焼けをしただけで別キャラ扱いってどういうこと?水増し?」という疑問がどうしても生じる。
つまりそんなもんで別キャラになるなら「カービィ(ビームをコピー)」と「カービィ(ニードルをコピー)」だって、「ロックマン(メタルブレード装備)」と「ロックマン(バーニングホイール装備)」だって完全な別キャラとしてゲームに実装できるじゃねーかという話なのだ。
プレイヤーには「別キャラだろ」と言われても、そうじゃなければ「色がちょっと違うとかコスプレしただけじゃねーか」となってしまう。
これについてはたとえばFEHの初期にリンやカミラなどがしつこく実装されてかなり批判を浴びた事例を想像してもらえば分かるだろう。
ライトプレイヤーの心理としては「別キャラなのは分かったけど、こんなコンパチみたいなのより完全新規のキャラを出してほしい」と思うものだ。

当時のスマブラにおいて桜井は様々な作品から個性豊かなキャラを出せることをよしとしていた*7他、
2022年には自身のゲームチャンネルにおいて「いきなり主人公が8人も12人もいる。知らない人はとっかかりを持ちにくい。これを解決するために任天堂のキャラクターを借りた」という話を暴露している。今は逆にいくら名前くらいは知っててもファイター多すぎて混乱するのはご愛敬。このキャラpixivのエロ絵でしか知らないな……
マリオとルイージ、カービィとプリンのようなシステム流用はあれど、「同一人物がコスプレをしただけ」というキャラクターはいなかったし、使用感はまったく異なる。

こういう背景を踏まえた上で、現代国語の問題を解くような形で上述の発言を紐解いてみると、「当時20代にしてメガヒット作品をいくつも出していた桜井が矜持を感じて、「アンケート集計拳!」というファン以外見ないようなページで自分のファン向けに何気なく放った言葉」と考えるのが自然である。
当時はまだ「まとめサイト」みたいなものもなかったし、今よりよほど無法地帯だった「2ちゃんねる」などしかなかったこと、そもそもインターネットを自由に使えないのが当然だったこともあり、ネガティブな情報の伝播は今とは比にならないほど遅かった。
しかしこの何気なくおこなった発言が、スマブラDXの頃に特大のブーメランとして返ってきてしまうことになる。

次作となった『スマブラDX』には26キャラ(ゼルダとシークは別キャラとして扱う)いるのだが、うち6人は「モデル替えキャラ」というモーションをほぼ流用してパラメーターを大きく変えたものである。
今でいう「ダッシュファイター」の先駆けともいえるキャラであり、この6人の開発に舵を切った理由は「この6人を作る手間をすべて傾けたとしても、あと1キャラ作れるかどうかさえ怪しかった。だったら流用で6人作ってしまえば満足度も上がるだろう」というスケジュール的な問題ということを桜井自身が「速報スマブラ拳!」で暴露している。
結果としてファルコやガノンドロフのようなキャラの知名度が上昇して人気を得たのはもちろん、当時未発売だった「ファイアーエムブレム 封印の剣」の販促にもつながり、マルスとセットでFEファンを非常に大きく増やした。
満足満足ですよ。

だが人間が幼少期に何気なく言われた悪口を根に持つように、ジョジョラーをはじめとした人々はこの発言をしっかり根に持っていた。
そもそも少しだけ違いがあるとされた「恐怖をのり越えた花京院」だが、格ゲーマーは「花京院と恐花京はガワだけ同じのほぼ別キャラだ」「そもそも原作ゲーなんだからこれ以上出せないだろう」という反論を出していた。
その不満の中に、あろうことかスマブラ本家に「医者のコスプレをしたマリオ(少しだけ違いがある)」というものが登場し、この発言を否定的に受け止めた人には「花京院と恐花京はまったくの別キャラだったが、マリオとドクターマリオはキャラ自体も動きもほぼ同じじゃねーか」「子供になったリンクとか医者のコスプレをしたマリオとかカンタンに量産できたな!次は栄養満点のフォックス作ってくれよ!」などと大きな批判を浴びることになる。

マリオとドクターマリオはかなり違う操作感を持ったキャラであり、桜井本人もマニア向けを標榜していた(C.ファルコンとガノンドロフのように分かりやすい差ではないため、ゲームをある程度やりこんでいないと違いが分かりづらい、という意味)。
しかしあくまでもそれはリュウとケン程度の差であり、モーションどころかモデルさえ流用しているのが明らかだ。リュウとブランカ並に別キャラだった2人の花京院を「カンタンに量産」と評価された人々は、独特のざらつきを持つ桜井のユーモアセンス(当時は「ま、ウソなんですけどね」などの批判を浴びる芸風も多用していた)などもあってその一部がアンチ思想を拗らせていくことになる。
逆にそういった偏屈な見方がエコーチェンバーによって強まったことで、ファンサイトやこの手のお遊びwikiでは「アンチが勝手に言っているだけだ!桜井がかわいそうだ!」という方向に傾いたか、あるいは「いいなぁこの手」の部分だけを見て「彼は好意的にとらえていたんだよ!」ということになっていった、というわけ。

この問題は話の焦点が多岐にわたること、桜井自身が信者もアンチも作りやすい人だということなどもあって、ゲーマーゲート事件並に様々な見方がある。
スマブラ自体が「格闘ゲームへのアンチテーゼ」というコンセプトかつ初心者に分かりやすいゲームを作る哲学のせいで「格闘ゲーム嫌い」というイメージがついて回っていた時期があったが、
その当人は昇竜コマンドの機能的な美しさについて熱弁を振るうほどの格闘ゲーマーである。つまり表に出ている情報だけではどうとでも解釈できてしまう。
後述のダッシュファイターについても、水増しを感じて「本当に必要か?」「FEばっかじゃねーか」「ヒカリ派です」という批判をする人は多いが、
「使えるキャラは遊べる幅。増えるに越したことはない」「でもルキナは激エロの爆乳ファイターですよ?」「パルテナ派です」という意見だってあるだろう。これはどちらが正しいという問題ではない。
そもそもクソゲーオブザイヤーにノミネートされたモ武将だらけの作品のような水増しをされてもしょうがないわけで、
じゃあその線引きはどこにあるんだよ、という話で話題は次第にレスバトルへと移行してしまう。

まぁつまり、そういうことなのである。この件の真実なんてあなたが決めればいい。
ひとつ言えるのは「恐怖をのり越えて別キャラ化かぁ、いいなぁこの手!経験値にさせていただきます!」という明るくて清らかな話や、それをアンチが曲解したという単純な話ではないということだ。

自身が携わった『スマブラ』でもルキナブラックピットやシモンとリヒター等といったコンパチキャラをいくつか出している。

ゲーマーとして

研究の一環としてありとあらゆるゲームをプレイしまくっている。
その数なんと年間100本以上で、2005年に遊んだゲームを羅列するだけで丸々2ページ埋まってしまう程。
廃人もビックリ。どこにそんな時間が……。
事実、2020年にはCOVID-19の影響で自宅からの収録となった『スマブラ』DLCファイターの解説動画内では、自宅リビングに相当数のゲーム機が並んでいた。勿論PCゲームもプレイしている。
ちなみにファミコンは四角ボタンコントローラー時代に購入して、コントローラーを壊すことなく使っていたらしい。物持ちの良さも半端ない*8

特に『スマブラ』に深く関わるタイトル(『ゼルダ』、『ポケモン』、『FE』等)は必ずやりこむとの事。本人いわく「もはや義務」。
勿論ゲームに限らず、インプットのために観光や映画鑑賞等も日頃から行っている。

健康管理のために自宅にエアロバイクを置いているが、大切だと分かっていても運動自体は面倒臭いと感じているため、エアロバイクをやりながらゲームをプレイ(+動画の視聴)している。

その影響もあって、『ファミ通』でコラム『桜井政博のゲームについて思うこと』を2003年から2021年まで長らく連載していた。
切っ掛けはこっそりFFXIをプレイしているのが、同誌の編集者に見つかったからだとか。

連載も終了し、長きにわたって投稿していた『スマブラSP』の「今日の一枚*9」のストックもなくなってきて、ようやく活動を落ち着かせる時が来るのかと思われたが、そうもいかないのがこの男。

YouTuberデビュー

なんと、「桜井政博のゲーム作るには」と題したYouTubeチャンネルを開設。
自身のゲーム作りの持論や哲学、過去に企画した作品のアイデアを共有することで、ゲーム開発に携わる者やそれを目指す者に気づきを与えて「全世界のゲームの面白さを少しだけ底上げ」し、ゲームをプレイするだけの者もゲームについてより深く知ることでより楽しめるようになるというコンセプト。

『スマブラfor』以降同作に関する発表で見せた分かりやすくユーモラスな解説は健在で、専門的な知識がなくともゲームに関する造詣を深められること請け合い。
開発に携わった作品の新しい裏話もちゃっかり披露することも。日本語のみならず国外向けに英語版も同時に配信されている。
クリエイターであると同時に本人自身も相当のゲーマーであるため、UIについては非常に丁寧に作っていることが見てとれる。
2024年10月22日に、コラボや総集編を除き256本*10というプログラマー的にキリの良い数の動画を残した同チャンネルでの動画投稿を終えることを告知。最後の動画はチャンネルの内幕を明かす内容だったが、そこで驚愕の事実をいくつも発表している。

実はここまでの期間YouTuberとして専念していたのではなく、2021年に『スマブラSP』の制作を終えた時点で次のゲーム企画に着手しており、実際の開発が始まるまでの休みとなった数ヶ月の期間を使って動画の素材となる撮影を終え、以降は編集を制作会社に委託し、ゲーム開発業務と並行して動画内容の監修や動画の投稿を行っていた。あらかじめ期間限定である旨を告知してデビューしたのは、こういった事情があっての事だったのである。
仕事術の動画を見ていた筈が、録画映像を活用したトリックにハメられていたことが判明し多くの視聴者は驚愕。同時に、「ゲーム作るには」こういった気力、体力、企画力、計画力、何より資金が必要であることを見せつけた2年半前に撮り終えたよ*11

このため、チャンネルを収益化していないにも関わらず 9,000万円 もの制作費*12が発生したと明かしている。
なお、コメント欄もしっかり見ていたようで解説の本筋と全く関係ないものや茶化すようなコメントを見て落胆もしていたが広くものを届けられた証と前向きに捉えている。

アクションも格ゲーもシューティング*13もRPGも何だって高いレベルでこなす……が、そんな桜井氏もギャルゲーだけは苦手らしい。
あとパズルゲームも不得意で、そんな自分になぜ落ちものパズルの依頼が来たのかが分からなかったとも発言するほど。
また(遊んでいるとゲームの仕組みや開発の背景をついつい考えちゃうせいで)ホラーゲーム(ホラー映画や肝試しも)もあまり怖いとは感じないとのこと。
それから若い頃、対戦アーケードで相手が恋人と遊びに来た素人女性とは知らずに全力でコンボを決めてしまったのがトラウマなんだとか。
こういう苦い経験が、初心者向けにゲームを作るという原点になっているのかもしれない。

オンライン要素については 遊ぶ方としても 比較的疎いのか、マルチプレイ前提のゲームをマルチプレイ可能と知らずにソロでやり込み、マフィア梶田にフレンドで呼び出されて初めて知ったなんて事も。

手掛けた作品

吸って吐いて飲み込む大人気キャラ、カービィを操作するアクションゲーム。
アクションながら自由に飛行できるため初心者も安心。コピー能力で上級者も満足。
GBの1作目は初のディレクターを務めたソフトで、全世界累計500万本以上を売り上げ、同時にこれが務めていたハル研の経営危機を救済することにもなった。

ちなみに、発売当時22歳、企画書を最初に書いたのは19歳である。現在の顔と比較すると22歳とは思えないほど老けて見える。
桜井氏がハル研を退社するまでの期間で、開発に関わったのは正確には『夢の泉デラックス』まで。
ディレクターを務めた作品に限定すると、『初代』、『夢の泉』、『SDX』、『エアライド』の4作で、実は意外と多くない
しかし退社前から開発が進んでいたのか、次作の『鏡の大迷宮』では監修を手掛けている。
『夢デラ』、『鏡の大迷宮』はめっちゃコピー説明文がふざけまくっていた(『参上!ドロッチェ団』では桜井氏は関わっていないものの説明文のおふざけは受け継いでいる)。
まぁ夢デラは派生技とかないからね……。

ハル研退社後も『星のカービィ 25周年記念オーケストラコンサート』でゲスト出演して熊崎信也と対話したり、カービィ関連イベントに直筆サインを送っていたりするなどの関わりがあり、ゲームシリーズでも『USDX』(『スマブラX』で作った戦艦ハルバードのモデル提供)や『ロボボプラネット』(「ほんの少しだけ見ています」とのこと)に関わっている。
そして、22年越しに発売される『エアライド』の続編『カービィのエアライダー』でもディレクターを務めている。桜井がディレクターを務めるカービィ作品としてもエアライド以来5作目となり、HAL研独立後では初である。
前述のYouTubeチャンネル最終話で語っていた「次のゲーム企画」とはまさに本作のことである。

任天堂を中心に様々なゲームのキャラが一堂に集う格闘ゲーム。
……っぽいが体力制ではなく、相手を場外に吹っ飛ばしたら勝ちという斬新なルールで、正式には対戦アクションゲーム。桜井本人は冗談半分に「パーティゲーム」とも称している。
格闘ゲームの初心者バイバイだった要素を分析し、それを解決する方法を考えたゲームに途中から任天堂のキャラを借りようという要素が加わったというもの。
さらに遡ると「星のカービィ」の企画書に原型のようなアイデアがあり、これはゲームボーイの狭い画面を生かす方法を考えて生まれたものだったという。

ターニングポイントとなったのが、三作目の『スマブラX』。
任天堂が05年5月のE3で発表したが、何も聞いていなかった桜井氏自身は何がどうなっているかわからず、後に当時の任天堂社長だった岩田聡氏にアメリカ・ロサンゼルスのホテルの最上階に呼び出されてディレクター就任の打診を受ける。
当時は先行して多方面からオファーを受けており、次世代ハードを見てからということで保留にしていた事情から二つ返事とはいかず悩んだが、「もし就任しないなら『スマブラDX』をwi-fi対応に絞りそのまま移植する」という岩田氏の脅し構想を聞いたこと、そして『ゼルダの伝説』のディレクター青沼英二氏が「桜井さんのいないスマブラはシリーズの終わりを意味する」という言葉に感銘を受け、
抜けるか続投かの瀬戸際にあった同シリーズにおいて、3作目以降も担当するようになった。
なお『X』の開発にあたっては、新オフィスを立ち上げ、引っ越しもするという任天堂の手厚い準備もあり、かなり気合の入れようだった。

四作目となる『スマブラfor』および五作目の『スマブラSP』ではディレクターは桜井氏のまま開発はバンダイナムコスタジオが担当した。
というように、『for』と『SP』は開発体制がそのまま継続されていたため、2011年前後~2021年まで10年間もシリーズ開発に携わっていた
広報も『無印』から『X』に掛けては公式Webサイト、for以降はSNSと本人出演の動画で行っていた。
参戦ムービーのほぼ全て(ホムヒカ参戦PVを除く)も彼が台本を手がけている。

名実ともに桜井氏にしか監修できない文字通りの代表作とされているが、『スマブラSP』の時は特に大変で且つ忙しい事を度々語っており、「私はいつ休めるんでしょうね」とは本人の談。昔も昔で『スマブラDX』の開発の時は休みを全部返上して開発しているし……。
それくらいやる事が過密すぎて、持病も抱えていることから「休め」とファンからは言われる事が多い。さらには「演じるキャラクターが腹黒いのが声優の櫻井孝宏仕事が黒いのが桜井政博」などと言われもしている。

『スマブラSP』のDLC解説動画内では、昼休みにまで開発スタッフとテスト対戦していたことを明かした。
これはバランス調整の為ということで、COVID-19絡みでリモートワークになって対戦が出来なくなったのでバランス調整が難しいと明かしていた。
その数ヶ月後には通信システムに暗号化を掛けられる専用の『スマブラSP』が開発されて、そちらでバランス調整を行っていたとか。
なお、『スマブラ』に参戦した作品は参考の為にちゃんとプレイしているが、開発中に発売した参戦作品を本格的にやり込むのは流石に厳しいようで「一気に終わらせてしまうのでやり込めない」と語った事も。

世界中で新要素の予想が飛び交う『スマブラ』シリーズだが、それ故、自分の些細な発言であれこれ反応、推測されるのがどうも苦手で精神的にも辛かったらしい。桜井氏のTwitterアカウントに要望を送る人が多いとのことだが、これに関しては控えてほしいと語っている。
というのもファイターパス制作を発表した段階で、既にABCDEという形でキャラが確定しているため、言われても無駄というのもある。
またスマブラ参戦拳という投票イベントを以前行ったが、『64』のときは結果が公表されたものの、『for』では参戦するベヨネッタ以外の公表は控えられた。
これも「向こうの企業に『スマブラ新作に出せ!』や『なんでスマブラに出さないんだ』と問い合わせが行くことを避けるため」と同じ番組で明言していた。
この投票結果は『SP』において新規参戦するファイターの参考にされ、
後に参戦拳の一位がソラであったことがソラ参戦に合わせて明かされた。

なお、原作がゲーム以外の出身キャラを要望をする人たちが後を絶たないが、「『スマブラ』にはゲームが原作じゃないキャラクターは絶対に出さない」とはっきり明言している。
また身近な所から変な噂が立たない様に、職場でも目立たない様にマスクをしたり、極力共有スペースを使わないようにしていたり、なんなら最初から堂々と名前を出すこともあったらしい。楽しいゲームの影には、氏の試行錯誤と苦悩があるのだ。
なお、『SP』開発終了後のスマブラシリーズの今後の見通しは一切決まっていないとのこと。またシリーズとして続けていくにあたって「(自分に代わって)0から1の部分を作れる人材」が確保できるかの課題も挙げている。

ちなみにファミリーコンピュータロボットの参戦にあたっては参考資料として自身の私物を使った。かなり大切に扱っていたらしく、2021年現在、ブラウン管テレビさえあればまだ動く*14
あとSoraのオフィスの上は資料と称して市販のフィギュアだらけだとか。

ニンテンドーDSの落ちもの系アクションパズルゲーム。水口哲也率いるキューエンターテインメントとの共同制作。
積みあがった隕石を縦に入れ替え、
3つ揃えることで↑↑打ち上げて↑↑送り返すという斬新なシステムが話題を呼んだ。
通常落ち物パズルというと、文字通り上から降ってくるオブジェを揃えることで消すシステムが多いが、
メテオスは言わば揃えたブロックを発射点にすることで「ロケット」のように“塊”を真上に打ち返し
画面外まで推進力で運ぶ、という視覚的にもエンタメ的にも分かりやすいアイディア。
パズルゲーながらアクション性が高く、パズルが苦手な人でもあっちゃこっちゃ忙しなく飛ばし回ってる間に夢中になっていること請け合い。

なるべく多くのブロックを揃えることで一気に飛ばそうとしたり、あるいは少量ずつコツコツ飛ばしたり……とプレイヤーによって変わる個性のみならず、選ぶ惑星によって落下速度、対空時間、打ち上げ力、フィールドの横幅etc...といったパラメータが極端なまでに変わる*15
前の惑星と同じ感覚で選んだらまるで違うプレイ環境に悲鳴すら上がるかもしれない。こうしたバラエティ性もさすがの一言。
ただ、開発終盤に最適化が進んだことで想定よりもゲームスピードが速くなってしまったことをたびたび反省点として挙げている。

公式サイトも桜井節全開で面白い。しかしゲームの出来や評価とは裏腹にあまり売れなかった不遇のソフト。
メテオス自体はその後も幾つか作品が出ているが、初代以外は一切関わっていないとの事。

スマブラXでのリデザイン・ピックアップを経て25年ぶりのシリーズ続編であるアクションシューティングゲーム。
空中戦と地上戦、二種類の射撃を楽しめる。
何とシナリオは全て桜井自身が書いているため、やはり桜井節全開である。
それにより、女神パルテナ自然王ナチュレ等といったキャラ設定も声優への指示も全て桜井が担当している。
続編やリメイク移植の要望もあるがモデルの作り直しで費用が掛かることから現状は難しく、遊べるうちに3DSで遊んでほしいとのこと。

架空の昆虫をイメージしたハイドラ同様にゲームデザインを手掛けたが、たまごっちと紛らわしい不出来に終わってしまう。
開発中にスマブラXのオファーも受けたため、並行して製作するのはかなり大変だったそうな。

その他にも、独立直後は「ゲーム業界にもっと貢献したい」という理由から、様々なゲームの監修やコンサルティングに携わったようだが、自分が開発したように見えてしまい本来のスタッフが気の毒だということで名前は伏せてもらっていたとのこと。後述の「属人性を排する」という哲学もあるのかもしれない。
もしかしたら、意外なビッグタイトルに関わってるのかも…?

余談

  • 「キャラ作りは極端にする」「長所も短所も残して調整する」という哲学を持っている。エアライドのマシンやメテオスの惑星などを見れば分かりやすいだろう。そのためゲームのバランスは大味だが、それぞれに好みがあるというデザインになりやすい。

  • スマブラには毎回携わり、カービィでは当サイトでも喧々諤々の編集合戦が起きたほどのヒットメーカーだが、「ゲームのシリーズを何十年も続けるためには属人性を排するべきだ」という持論をたびたび述べている。たとえばカービィこそ自分が作り出したが、その後の関係していないタイトルについては何も言っていない。
    • ただしメテオスには相当思うところがあったのか、開発終盤でのバランス崩壊や、その後の続編に自分が関われなかったことを折に触れてよく語っている。
    • 自分の関わるコンテンツの広報は割かしドライであり、ここに独特のユーモアセンスが加わるという芸風。「カービィのエアライダー」の発表動画に至っては「カービィのエアライドとは?つまりカービィを使ったレースですと。こりゃあ……マリオカートでいいですね!
    • スマブラ拳も当時としては大変画期的な試みであり、格ゲーのムックにも匹敵するほどディープな情報もあれば、背景にいるキャラの解説のような素朴なものまである。これを一人で手掛けていた。

  • 岩田聡氏は「桜井政博という人間の凄いところは「物の影も形もない段階から完成形が頭の中で完璧に動いている」事」と語っている。つまりイメージしたものをイメージ通りに出力する能力がずば抜けているという事だが、先のYouTubeチャンネルの収録を事前に全て済ませ内容を決めてしまっていたことを考えるとむべなるかな。

  • スマブラ拳などの話からもわかるように、とにかくやる事が凄い。例えば世界初のゲーム音楽コンサート「PRESS START -Symphony of Games-」を開催したり、『パルテナの鏡』のキャラをモチーフにした《たちねぷた》を企画したり、『スマブラX』以降は、"ぼくがかんがえたさいきょうのおんがくぐんだん"ばりのゲーム音楽界の精鋭達を大集合させたり……もはや何でもありである。

  • 初心者向けのふわっとした作品を手掛け、くだらない冗談ばかり言う吸血鬼というイメージが強いだろうが、プレゼン能力や情報の分析・整頓能力がずば抜けている。動く企画書なんてもんも作ったほど。
    • Youtubeチャンネルでは社会人に向けた基礎的な持論も展開している。子供向けの教育用に応用する人もいるとか。「とにかくやれ!!」はぜひ一度見ておこう、よほど特殊な仕事をしていない限り身につまされるはずだから。

  • カービィの声優としてお馴染みの大本眞基子氏は初代『スマブラ』のオーディションにおいて桜井氏に直々にカービィの声に抜擢された事で彼女の代表キャラになり、以降のカービィや『スマブラ』シリーズなど現在まで担当している。
    この件をきっかけに公私でも親交を持つようになり、『新パルテナ』のナチュレもそのまま担当する事になった。
    • 尚、ライバル(?)のデデデのスマブラでのボイスは桜井氏が『X』~『SP』まで直接担当しているのは有名。

  • 『スマブラ』というクロスオーバー作品を開発している都合上、開発中特定の作品を推したりする行為は控えているとのこと。『スマブラ』が一段落した後ではYouTubeチャンネル上での説明に、非常に様々なゲームを例に挙げて用いている。

  • SNSではふとした発言が深読みされることが多々あることが悩みの種となっており、Toby Fox氏からは「深読みされる仲間」と同情されている。大体上記の嘘つき癖のせいだと思われるが……。

  • 『スマブラSP』にホムラ/ヒカリが参戦し、【ホムラ/ヒカリのつかいかた】がYoutubeのNintendo公式チャンネルに載っているが、その中で「私はどちらかというとホムラの方が好きかなあ。あ、ファイターの話ですよ?やっぱりホムラかなあ。いや、ファイターの話ですからね?」と性癖暴露発言している。

  • 意外にもプライベートに於いてはとてもフットワークの軽い人物である。
    前例として、ゲームライターのマフィア梶田と連絡先を交換したばかりの時、「明日、富士サファリパークに行きませんか」と唐突に誘われたにもかかわらずこれを快諾*16
    声優の中村悠一、漫画家の大川ぶくぶを含めた4人で遊びに行ったとの事。その後彼らとの交友は深まり、その縁もあり彼らの開設したYouTube番組に幾度となくゲスト出演している。
    • この縁が巡り巡って中村と桜井のメン・イン・ブラックごっこに発展することになる。

  • お菓子等の甘い物が好物。『スマブラ』開発時にも(主にブルボンのお菓子を)スタッフに提供していた。
    好きな飲み物は『コカ・コーラゼロ』。普通の水とお酒*17は苦手。本人が出演してる『スマブラ』の解説動画では毎回スタッフの方に用意して頂いているとのこと。

  • ファミコンロボを所有していると上記したが、その他四角ボタン時代のファミコンをボタンを潰さないまま使い通した。この時のコントローラーは切り離して手元に残している*18
    • またファミリーベーシックも所有しており、これがゲームクリエイターの道を志すきっかけになったそうである。2023年時点で十分に動く状態にあることが「ゲーム作るには」の動画で確認されている。

  • よく休めと言われる桜井だが、その理由はスマブラSPの「私はいつ休めるんでしょうね」発言*19もそうだが、スマブラDX開発時の過酷な労働環境についての裏話も一つの原因と思われる。
    というのも、桜井はゲームバランスからフィギュアの説明文、音楽の監修に公式サイトの質問コーナーまで多岐に渡り仕事をした結果、13ヶ月間休暇なしで開発作業というブラック企業もいいとこなスケジュールを組んだらしく、挙句にはオーケストラ音源の収録後ぶっ倒れたようだ。
    その後も点滴打ちながら40時間徹夜し、睡眠のために帰宅して4時間だけ寝るなど過労死ギリギリの開発作業だったらしい。
    後にYouTubeチャンネルにて「DXまでは自らテストプレイしていた」と語っており、流石に懲りたのかX以降は自身は開発に集中し、テストプレイヤーの意見を受けてバランスを調整、昼休みには自身もプレイしてみる…という方針に転換したと続けている。
    • スマブラDX開発後期になるとカービィシリーズ統括ディレクターに任命され、アニカビや夢デラの監修やらエアライドやらの開発にも携わることになっている。自身のYouTubeチャンネルではその頃の開発状況を「まぁ大変でした。」の一言で済ませており、視聴者に戦慄が走っている。
    • 勿論桜井1人がこんな過酷な環境だったわけではないことには留意。開発期間の短さやGC初期のキラータイトルにしなければならないというプレッシャーで現場は過酷を極めた様子。任天堂に移籍したばかりの岩田もプログラミング作業で補佐に入っている。

  • その岩田が55歳で亡くなったことから、「いつ休めるんでしょうね」発言とは関係なく本気で心配する声も少なくない。
    • 本人もYoutubeチャンネル開設のきっかけについて「この後の人生 何が起こるかわかりません 私もいいトシ*20で そのうち引退です まあそうでなくとも不幸を含め (胸に両手を当てて)何が起こるかわかりませんから*21」という発言をしている。
      • 似たような形で寿命を感じて後進を育成した人には、上方落語の復興のために死力を尽くして人間国宝に指定された3代目桂米朝がいる。自身に多大な影響を与えた恩師が3人とも55歳で亡くなったことを受け、自身も55歳で死ぬという強迫観念にとりつかれた彼は後進の育成、書籍や音声資料による落語の記録などに勤め、結果として上方落語の復興を遂げた大人物として特に関西人に記憶されている。アニヲタ的に縁のある所だと、ONE PIECEのカイドウの技「地獄八景亡者戯」の元ネタを定着させた人。つまり業界を牽引する人には、それなりの責任感が伴うということなのだ。




「…私はいつ追記・修正を休めるんでしょうね」

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最終更新:2025年09月04日 19:39

*1 日産自動車と同じくルノーの子会社。

*2 アンチが使っていた蔑称がいつの間にか乗っ取られているという事例は案外多く、たとえば金本知憲の「ヤニキ」は球場でタバコを吸っていた姿からアンチが使い始めたものがその語感の良さから定着したものである。

*3 『夢の泉の物語』が出た20代前半頃の写真については、多忙かつ健康的に最悪だったのであんな写りになっているんじゃないかと回顧している。

*4 このことを取材で触れられた際は「荒木先生は別格です。一緒にすること自体がおこがましい!」と語っている。

*5 カプコンの『ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産』。ペットショップがぶっ壊れてることで有名なやつ。

*6 原文ママ。正しくは「のり越えた」

*7 格ゲー同士やバトル系のコンテンツなら「SNK VS カプコン」をはじめとしたVSカプコンシリーズがあったが、戦い方がそもそもまったく異なる9作品から垣根を越えて12キャラが集まったスマブラはまさに「掟破り」のゲームだった。

*8 コントローラーだけは今でも持っているとか。

*9 『スマブラ』開発中に撮影したスクリーンショットから面白いものをピックアップして本人のTwitterに掲載していた。社内日報の中で開発進捗の画像にスタッフが大喜利的に一言コメントを付けていたことがきっかけのようだ。

*10 +ゲームセンターCXのコラボ回3本と種明かし回1本で実際には260本

*11 ただし『ゲームセンターCX』コラボ回と最終回スペシャルは後から追加撮影したものとなっている。撮影用の別宅もとっくに引き払っていたのでこれら2本だけは違う場所で撮影した。

*12 桜井氏自身の人権費を計上していない上に撮影場所の費用も含まれていないため、一般人やテレビ局のような人々が作る場合の制作費はもっと上になるだろうと当人が考察している。

*13 シューティングに関してはメガドライブminiに収録されている『ダライアス』のボスラッシュモードを生放送内で1発ノーコンクリアする腕前。しかも自身は解説や雑談を交えながらである。

*14 これは当時の「光線銃」などがブラウン管の機能を利用して動いていたため。液晶画面はブラウン管とはそもそも仕組みがまったく異なるため動かないのだ。

*15 少々極端な例を挙げると、ヨコ点火では打ち上げ力が弱いもののタテ点火すると塊が確実に画面外まで飛んでいくフォルテや、一度点火すると塊が3秒強も時間を掛けてゆっくり打ち上がった後ストンと落ちるブビット、そもそも余程塊が重くない限り点火と共に塊が消し飛ぶヘブンズドアなどがある。

*16 なお、誘った梶田本人は「本当に来てくれるとは思わず驚いた」「実はおっかない印象を持っていたが、この人滅茶苦茶付き合いの良い人だなと思った」と語ってたり。

*17 下戸なので、お酒以外でもアルコールが少量含まれている物は受け付けられないとの事。

*18 ファミコンの四角ボタンはゴム製であり、下手するとボタンが押し込まれたまま元に戻らなかったり、ゴムが劣化してちぎれる可能性があったため、早々にプラスチックの丸ボタンにモデルチェンジしたという経緯がある。

*19 DLCファイター5体(当時の予定)を全て新規で製作すると発表した際に発言。上記の通りforの頃からぶっ通しで開発している

*20 動画公開当時53歳

*21 だから奇跡的に空いた半年ほどの時間をYoutubeという形でノウハウを伝えるために使おうと判断した、という風につながる