江ノ島電鉄線

登録日:2022/01/18 (火) 23:01:23
更新日:2022/03/25 Fri 08:46:24
所要時間:約 5 分で読めます




江ノ島電鉄線(えのしまでんてつせん)は、江ノ島電鉄が運営する鉄道路線。

江ノ電(えのでん)」という愛称で親しまれている。

駅ナンバリングはEN

概要

神奈川県鎌倉市の鎌倉駅と藤沢市の藤沢駅の10.0kmを15駅で結んでいる。全線単線であり、交換設備は鵠沼駅、江ノ島駅、鎌倉高校前駅~七里ヶ浜駅間にある峰ヶ原信号場、稲村ヶ崎駅、長谷駅の5箇所にある。

途中、腰越駅~江ノ島駅間では道路の真ん中を走るが、この区間は長い踏切扱いとなっているため、法律上は路面電車としては扱われていない。

道路上、相模海の近く、住宅に挟まれた所など印象的な風景を背に走行していることや個性的な車両などから鉄道ファンのみならず、一般の人にも人気が高い。

沿線には鎌倉や高徳寺の大仏、江ノ島など多くの観光スポットがあり、この路線自体も上記の沿線風景の特徴などから観光資源として扱われることがある。

以上の特徴や東京圏から近場にあることから、観光客が多く訪れる路線であり、更に下記にもあるようなダイヤ形態によってこれ以上の増発が困難であることから、特に週末や休みの日を中心に非常に混雑をする路線である。どれくらい混雑しているかと言うと地元の人が利用に支障が出ているので、地元の人であるという証明書を提示すれば優先的に乗せてあげようという社会実験が行われた程である。

そのため、この路線自体を目一杯楽しみたいと思うのであれば、なるべく週末や祝日などを避けることが吉である。

ダイヤ

朝夜を除き12分に1本の頻度で運転している。交換設備を全て使って運行しているため、これ以上は増発できない状態である。ゴールデンウィークの時などには客が多く来るので「段落とし運用」という鎌倉駅にて交互に電車を発着させる運用をしている。

朝夕は1編成2両。昼間は2編成を連結させて4両で運用されている。

基本は全区間通しで運行されるが、夜間に極楽寺、江ノ島、稲村ヶ崎止まりの便がある。

車両

全車両2両編成で構成されており、他形式との連結に対応している。また、全車両連接台車になっているのも特徴である。
なお、前面は非貫通となっているため4両編成時は編成間での移動は不可能。
車体塗装は300形に代表される緑と黄色がかったクリーム色のツートンカラーが特徴。1000形以降の新造車は形式ごとに異なる塗装や広告電車も多数登場したが、近年は10形を除いた全車がこの色で統一されつつある。

1980年代から2000年代中期にかけては、車体に全面広告を施した車両が運用されていた。一番最初に登場したのは資生堂のサンオイルで、車体を全面金色にするという今見ても斬新なカラーリングを一挙4編成に施した。以降食品・石油・航空・インターネットプロバイダなど様々な企業の全面広告電車が登場したが、鎌倉市の条例変更に伴い、車両への全面広告が禁止となり姿を消した*1

300形
最古参。全盛期には6編成がいたが、現在は305Fの1編成のみが在籍している。1編成ごとにあまりに特徴が違い過ぎるため、編成名で呼ばれることが多い。
現存している305Fのみが当初は台枠が流用していたとはいえ、300形の中で唯一の純新造車であり、残りは色々な旧型車両から改造された物である。
305Fは旧型車両を受け継いだ見た目と木の床が特徴で、そのレトロさからファンも多い。
正に江ノ電の顔と言っても言い存在であり、公式も車両紹介でそう言っている実際各種広告での出演も多い。というか一時期は江ノ電の広告の殆どがこの車両ということもあった。

1000形
1979年デビュー。製造時期によって1000形、1100形、1200形、1500形と分けて呼ばれることが多い。江ノ電としては最多の6編成が在籍し、江ノ電の主力車両となっている。
1200形までは吊り掛け駆動、1500形はカルタン駆動となっている。吊り掛け駆動は1000形デビュー当時でも衰退傾向になっており、結果として1200形は狭軌としては日本最後の純新造吊り掛け駆動車両となった*2。ついでに2022年現在、東京圏から一番近くで見られる吊り掛け駆動車もこれである。
1200形以外は行き先表示がフルカラーLEDになっており、季節によって違う表示をしてくれる。一方で1200形のみ行き先表示が未だに幕である。

2000形
1990年デビュー。3編成が在籍する。
展望性を考慮した大きな前面窓が特徴で、江ノ電沿線の美しい風景を見るにはピッタリの車両である。ただし行き先表示のフルカラーLED化で行き先表示の場所が移動した結果、視認性が前よりやや悪くなっているが。
行き先表示の幕は季節にちなんだイラストが入っているのも特徴。現在は幕式からフルカラーLEDに交換されたが、季節ごとの違ったイラストは健在である。それどころか1000形にまで波及した。

10形
1997年デビュー。紅茶花伝ヨーロッパ風のレトロな見た目が特徴の車両。地味に1編成しかいないレア車両である。

20形
2002年デビュー。レトロ車両その2。こちらは純粋な江ノ電レトロといった感じの車両である。2編成が在籍。
機器は旧500形から流用されている。

500形(2代)
2006年デビュー。今の所江ノ電では最新車両である。2編成が在籍。
丸っこい車体が特徴の車両だが、実は初代500形の車体をオマージュしたものである。
路面区間を走る車両としては珍しくオールステンレスの車両である。

駅一覧

全部で15駅ある。戦前はこれより倍の37駅あった模様。

EN1 藤沢駅
起点駅。小田急江ノ島線東海道線乗り換え。
2面1線の高架駅で、小田急百貨店の2階の真ん中に駅が突っ込んである。
かなり最近までパタパタ式の行き先表示が現役だった。

EN2 石上駅
藤沢を出て最初の駅。周辺は住宅街で、藤沢合同庁舎や藤沢市民会館など公共施設の最寄り駅でもある。
その他、開業時には江ノ電の発電所があった。

EN3 柳小路駅
完全な住宅街の中にある駅で、周囲に商店などはない。

EN4 鵠沼駅
藤沢から見て初めての交換可能駅。半地下みたいな構造にある1面2線の地上駅である。

EN5 湘南海岸公園駅
1面1線の無人駅。駅名になっている湘南海岸公園は駅から徒歩10分と遠い。

EN6 江ノ島駅
藤沢から見て2つ目の交換可能駅。鎌倉寄りに留置線があり、夜間には車両が留置される。
湘南モノレール湘南江の島駅乗り換え。逆に小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅には少し距離がある。
江ノ島観光の拠点駅。しかし肝心の江ノ島へは駅から少し歩く。
三角屋根のどこかレトロな感じの駅舎が特徴。駅舎手前にある雀の柵は、季節によって違った服を着ている。
ここから先は併用軌道に入るために目まぐるしく風景が変わり、正にThe江ノ電といった風景が楽しむことができる。

EN7 腰越駅
江ノ島から併用軌道を走った先にある駅。ホームが3両分しかないので、4両編成の時は鎌倉より1両がドアカットされる。

EN8 鎌倉高校前駅
相模湾の目の前にある駅。ホームから見える一面の海という光景はまさに絶景と言える。あまりにも風景がいいので、この光景がフィクションで使われることも多い。
SLAM DUNKで一躍有名になり、こちらもドラマやアニメなどで良く使われている鎌倉高校第一踏切も文字通りここが最寄駅。海を背に踏切を渡る江ノ電という絵になる風景が撮れる。

峰ヶ原信号場
藤沢から見て3つめの交換設備がある信号場。江ノ電の交換設備の中では唯一駅以外の場所にある。かつてはここに旧七里ヶ浜駅があった。

EN8 七里ヶ浜駅
改札口の横にはウインドサーフィンのマストをモチーフとしたオブジェが設置されている。
峰ヶ原信号場~当駅~稲村ヶ崎駅間では、線路と道路の仕切りとなる柵が一切ない部分が存在し、中には線路を渡らないとたどり着けない建物も存在する。

EN10稲村ヶ崎駅
藤沢から見て4つ目*3の交換可能駅。夜間にこの駅止まりの列車がある。

EN11 極楽寺駅
江ノ電の車庫である極楽寺検車区が近くにある。電車の連結・解結は基本この駅で行われる。
また、当駅と隣の長谷駅の間に江ノ電唯一のトンネルがある。

EN12長谷駅
藤沢から見て最後の交換設備がある駅。鎌倉の大仏で有名な高徳院と長谷寺の最寄駅。
駅舎のある北側ホームとは別に南側ホームに臨時改札口がある。

EN13 由比ヶ浜駅
浜と付いてはいるが駅は住宅街の中にあり、海からは少し離れている。

EN14 和田塚駅
駅名は近くにある鎌倉時代の武将である和田義盛一族の墓が由来となっている。
周辺には学校が多く、通学客が多い。

EN15 鎌倉駅
終点駅。横須賀線乗り換え。
2面3線を持つ駅で、繁忙期にはこの駅で段落とし運用が行われる。
周辺は鶴岡八幡宮を中心に様々な観光スポットで賑わっている。
三角屋根のレトロな駅舎が特徴。一時期なぜかプラレールでこの駅舎が単品の情景パーツとして売られていたことがある。
駅構内で販売されている駿河屋本舗の「Big鎌倉コロッケ」は、江ノ電300形が描かれた包装紙が使用されている。

フィクションと江ノ島電鉄

そもそも江ノ島や鎌倉がアニメや漫画、ドラマの舞台として使われる事が多いため、必然的にその2箇所の象徴とも言える江ノ電も多くの作品で登場する。アニヲタ諸郡の中にも、作品の聖地巡礼でこの路線を訪問した人もいるのではないだろうか。
以下は江ノ電沿線が舞台又は江ノ電が登場する作品である。

鎌倉ものがたり
侵略!イカ娘
SLAM DUNK
駅の節にも書いてある通り、鎌倉高校前にある踏切を有名にさせた立役者として知られている。
TARI TARI
ウルトラマンティガ 第46話 「いざ鎌倉!」
タイトル通り江ノ電沿線が舞台となっており鳴き声が江ノ電の警笛そっくりの怪獣タラバンが登場する。

追記修正は江ノ島や鎌倉を江ノ電で観光してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2022年03月25日 08:46

*1 非営利目的の広告(観光キャンペーンなど)では全面広告車両が今も運行されている。

*2 ちなみに日本の鉄道全体にまで範囲を広げると1990年製造の三岐鉄道北勢線277号が最後の純新造吊り掛け駆動車両となる。

*3 駅としては3つ目