聖地巡礼(サブカルチャー)

登録日:2011/01/09(日) 16:42:06
更新日:2025/05/06 Tue 19:19:01
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聖地巡礼とはイスラム教におけるメッカなど、特定の宗教において信仰の聖地とされているところを巡ること。
転じてサブカルチャーでの聖地巡礼とは漫画・アニメ・小説・ゲームなどにおいて取り上げられたり、舞台設定のモデルとなった地域、あるいは映像番組のロケ地を訪れる行いである。

上記の用途としては、マルチタレントである「みうらじゅん」氏が雑誌の企画で行ったブルース・リー映画のロケ地巡りを「聖地巡礼」と称したことが元になっていると言われている。
なお広義で言えば日本のサブカルチャーにおける聖地巡礼も実はネタでも何でもなくれっきとした聖地巡礼だったりする(主に、物にも魂があるという日本神道になる)。

初期の聖地巡礼の対象となった作品としてはおねがい☆ティーチャー及びおねがい☆ツインズ(長野県大町市、松本市)、Kanon(大阪府守口市など)とされることが多い。
聖地巡礼として最も特筆すべき事例はらき☆すたの埼玉県鷲宮町(当時)が挙げられる。
地元商工会議所や地元自治体を巻き込んで鷲宮神社への参拝者も激増し、聖地巡礼の有名な成功例と見られることが多い。

反面、涼宮ハルヒの憂鬱の西宮や苺ましまろの浜松市のように、学校の周りをうろつくお兄さん達がいっぱい出てきて地元警察や出版社に迷惑をかけた例もある。
みんな!オタクとして常識的紳士的に振る舞おう!そりゃあ聖地を侵略した十字軍よりはマシだがな!

また、特徴としてアニメ放送前からやたらと制作陣や自治体が推し始めると失敗しやすい傾向にある。もちろん全てではないが。
故に頭から公式からの過剰なプッシュを感じると却って逆効果という結果に陥る傾向にある。鴨川?何のことやら

現代においてはサブカルチャーひいてはオタク文化の受容も相まって、特に聖地巡礼が活発化している。
制作陣が舞台を明言したり、聖地の場所にてコラボカフェやパネル展示が行われる事も多い。

なお、自治体によってこの手のことへの取り組みはかなり差がある分野である。
全く自重しない埼玉県のような例は例外に近く、警察沙汰となった静岡県や、ターゲットを間違えて空振りした宮城県のような例もある。
公務員志望のみんなはこの手のことを志望動機に織り込むといいかもしれない。

上にも少し書いているが、地方によっては観光客が雪崩れ込むことによる渋滞やマナーの悪い客による周辺環境の悪化、
来訪者が増えることで落ち着いて生活できなくなる、見知らぬ人間が歩き回るのが怖いといったオーバーツーリズムを懸念する声もなくはない。
向かうこと自体はともかくとしても、「俺が町おこしに協力してやってるんだか文句言うな」という尊大な態度は正しくないし、誰もが聖地化を歓迎しているわけではないのである。
あくまでも地元があってこその巡礼であることを忘れないようにしたい。

また、観光学の一環で研究も最近は進められており、鷲宮町の例は北海道大学大学院で研究論文にまとめられている。
身もふたもない事を言ってしまえば、求めてる対象が違うだけで根っこは営みとしてどれも同じということか…。


主な聖地

【全国】

北海道

宮城県

群馬県

茨城県

埼玉県
特撮では聖地巡礼というよりはロケ地巡礼と言えるかもしれない。

東京都

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神奈川県

山梨県

静岡県

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長野県

岐阜県

愛知県

富山県
  • 南砺市城端町(true tears)
  • ファボーレ富山(〃)
  • 射水市(PERSONA -trinity soul-)
  • 富山駅(ゆるゆり)

石川県

滋賀県

大阪府

京都府

兵庫県

広島県

山口県

長崎県

佐賀県
  • 干潟よか公園(のだめカンタービレ)

【海外】



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最終更新:2025年05月06日 19:19