エレイン・オークレール

登録日:2022/05/17 (火) 00:06:00
更新日:2022/06/19 Sun 20:24:01
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今さら貴方の道にとやかく言わない――

でも、せめて線引きはきちんとしなさい。




エレイン・オークレールは英雄伝説 黎の軌跡の登場人物である。
CV:斎藤千和



【概要】

カルバード遊撃士協会に所属する正遊撃士の一人。24歳。《紫電》サラ・バレスタインと同様に最年少A級入りを果たしたA級遊撃士*1。カルバードの遊撃士達のエースであり、準S級のジン・ヴァセックと共にカルバードを代表する遊撃士である。

両親ともに健在で、父親は過去作にも名前は登場していた大手製菓会社「クインシー社」社長のエドモン・オークレール。母親は「黎の軌跡」では出番はないがシモーヌ夫人と言うらしい。オークレール家は100年前に民主化する前のカルバード王国時代の侯爵家の家系であり、故郷の「オラシオン」ではかなりの権力を持っている。エレインは言わばお嬢様と呼ばれる生まれだった。
しかしとある事情で彼女が遊撃士を志した際に猛反対を受けたらしく*2、親子関係を隠してはいないが疎遠になっており長らく実家に帰っていないらしい。

性格は遊撃士らしく生真面目で、正義感が強い。その為「裏解決屋」というグレー過ぎる仕事をしている幼馴染のヴァンをあまり良く思っておらず、アニエスに対してもヴァンへの依頼を遊撃士協会に切り替えてはどうかと進言している。
しかし完全な潔癖症というわけでもなく、一線を越えていないのが絶対条件だが、情報屋の類も活用したり、場合によってはヴァン達との共闘も躊躇わない。

遊撃士としての実力もそうだが、本人が容姿端麗なこともあり、共和国内での人気は凄まじいものがある。雑誌の企画であった「結婚したい女性ランキング」では堂々の1位を取るほど。メディアからも度々取材を受けており、共和国内での知名度・人気は極めて高い。同僚の遊撃士が名前を呼ぶだけで、その名前に反応し人集りが出来かねないほどである。中にはモデル業や映画女優としての出演オファーをしてくる者も居るほど。

上位遊撃士だけあって表裏問わず様々な事情に精通しており、かつて帝国が引き起こした大戦においては「千の陽炎」側の協力者として活躍していたらしい。シリーズお馴染みの身喰らう蛇《ウロボロス》の事も当然把握しており、東方人街の魔人である《銀》とも面識があるようでヴァン同様にかなり顔が広い。

完璧クールビューティーな彼女だが、好物はバニラココアだったり、ご存知「ミシュラム・ワンダーランド 」の人気マスコットみっしぃの大ファンだったりと女の子らしい一面もある。映画館でみっしぃが登場する映画の上映が決まった際にはわざわざ足を運び上映時間をチェックするほど。
また「剣の乙女」という異名は「自称したわけではない」と言っており、少々気恥ずかしいところがある模様。他にもヴァンと同じノリでアーロン「オバハン」呼ばわりしかけた時は、目にも留まらぬ早さで無言で抜刀し威圧してみせるなど、年頃の女性らしく年齢の話もNGなようだ。



その意味で主導はあくまで俺だ!そこは弁えてもらうぜ、剣のオバハ──

(無言で抜刀)

……弁えてくださいよ剣のお姉さん………

【遊撃士として】

武器は騎士剣。旧カルバード王国時代の騎士剣術を修めており、その腕前は達人クラス。そこらの半グレやマフィア程度なら何人かかってこようが相手にもならず、「アルマータ」の幹部であるメルキオルや「庭園」の管理人である《鏖殺》のアリオッチとも互角以上にやりあえる*3ほど。ヴァンとアーロンの決闘に割り込み容易く戦いを制止しており、単純な実力では「崑崙流」と「月華流」を修めているこの二人より高い。

胆力も並大抵でなく、裏社会の重鎮である「黒月」の長老ギエンとその虎の子である「凶手」を前にしても一歩も引かずギルドの大原則である「民間人の保護」の為には対決を辞さない姿勢を見せている。
他にも基本的に冷静沈着で観察眼や索敵能力にも長けており、上述した通り場合によってはその場の状況を利用して事態の解決にあたる柔軟性にも優れているなど総じてA級を冠するに相応しい能力を持っている。

また彼女自身はメデイア露出が苦手であり、容姿などを褒められることにも慣れていないが、自分が最年少のA級遊撃士として所謂「ギルドの広告塔」としての役割も期待されていることも理解しており、モデルや女優業の勧誘は本業に差し支えるからと流石に断っているが、取材には基本的に応えるようにしている。

また例え極悪人であっても命を落とした際は自身の力不足を悔いたり、あるマフィアに誘拐された少女がマフィアに脅されてナイフを突きつけた時は、何の躊躇いもなく素手でナイフを掴み取り、そのまま少女を力強く優しく抱擁するなど、遊撃士として何より人命と民間人の保護を大切にしている。

しかしなまじ実力があり、責任感が強いために問題ごとを抱え込んでしまう傾向にあり、作中では民間人を「アルマータ」の凶行から守れなかった自責の念から相当無茶な体の使い方をして大型魔獣退治に挑むなど、精神的に危うい面もある。



【人間関係】

主人公の「裏解決屋(スプリガン)ヴァン・アークライドと「中央情報省(CID)」のルネ・キンケイドとは幼馴染であり、実は同じ「アラミス高等学校」出身である。幼少期と高校時代に交流を深め三者共に強い絆を育んでいた。特に生徒会長のルネと副会長のエレイン、裏方担当のヴァンを中心に一致団結し達成した「学藝祭」は、ゲリライベントや前代未聞の演出を実践した結果現在でも伝説として語られるほどの大成功を収めたらしく、輝かしい青春時代を送っていた。この際なにやらやらかしたらしく、ヴァンからは「エセ優等生」とからかわれる事もしばしば。

しかし訳あってヴァンが高校を中退し長い間行方知れずとなってしまい、そんな学園生活は幕を閉じることになる。その後彼が首都イーディスに帰ってきても「裏解決屋」というグレー過ぎる仕事を始めたことと「何も言わずに姿を消して心配をかけたのに帰ってきても会いに来ないのか」という複雑な感情を抱いていたため、居場所は把握していたが互いに(特にヴァンが)避けて行動していた。

またキンケイドとは互いの立場上対立することもあり、馴れ合う事があまり出来ないが偶に情報交換をしたり相談事をする間柄である。キンケイドの方も弟分のヴァンと妹分のエレインを彼なりに気にかけており、互いにそれとなくアドバイスを送って関係の修復の後押しをしている。因みに彼が「ルネ」と名前で呼ばれることを嫌うため本人の前では「キンケイドくん」と呼んでいるが、ヴァンとの会話ではルネと言っている。

+ 以下3人の過去ネタバレ
エレインにとって「最初」のヴァンとの別れは約14年前、まだ古都オラシオンで住んでいた時であった。社長令嬢のエレインに、出張役人の息子のルネ、そして孤児院出身のヴァン。身分が違う三人だったが親友同士となり、毎日充実した日々を送っていた。*4
しかし旧貴族としての誇りに傾倒した父親のエドモンは、孤児であるヴァンとの交流にいい顔をせず、結果ヴァンはエドモンの手回しで里親に出されることになり、オラシオンを去ってしまった。この父親のやり方にエレインは疑問を持ち、父と子の確執が生じることとなる。

それから7年後、3人は互いの近況を知らぬまま「アラミス高等学校」で再会することとなる。彼女もルネもヴァンに何かあったことは薄々察していたが、そのことにはあえて踏み込まずに再会を喜び旧交を温めていった。
そしてヴァンと互いに想いを告白、恋人同士となった。
顔を合わせれば照れ隠しに言い合っており、全校生徒や教員に至るまでその初々しい付き合いぶりを微笑ましく見守っていたらしい。
ヴァンは知らなかったがルネがエレイン狙いの男子からの横槍を未然に防ぐためにそう誘導した部分がとはいえ、ある意味学校一注目されていたカップルだったそうだ。*5
とはいえヴァンもこの時を振り返り2年最初の学藝祭に向けては本当に充実していたし「最高に当時のエレインは最高に可愛かった」などと話している。

しかしルネの後任としてエレインが生徒会長となり、誰もがヴァンが副会長を務めると思っていた矢先、ヴァンが学校を中退し突如失踪するという事件が起きる。ルネへの置き手紙には「悪い、エレインを頼む」という一文のみ、エレインへは不器用な謝罪文が綴られていたが結局失踪した理由については書かれておらず、幸せ絶頂であった学校生活は突如最悪の形で終わりを迎えてしまったのだった。

なので互いが納得した上で別れたというわけでなく、むしろ未練が互いに残っていることがよく分かり、二人の共通の顔馴染みのほぼ全員が心配している。思い詰めるエレインに「必要なら俺も力に」と諭すヴァンへ「だったらどうして――――!!」「どうして傍に……いてくれなかったの……?」と咄嗟に出た言葉こそ、未だ秘めたヴァンへの想いを表すものだろう。


同僚であるジンやフィー・クラウゼルはそれぞれを実力のある先輩・後輩として頼りにしているが、時折悪ノリで(主にヴァン絡みで)からかわれる事も。ただジンに関しては彼と浅からぬ縁があるキリカ・ロウランの話題を逆に振るなど対処の仕方を覚えたようだ。またアルヴィスからはどうやら想いを寄せられているようだが、当人は全く気づいていない。そして、そのアルヴィスは相棒のレジーナに好意を寄せられるという状態で、ヴァンを交えてややこしいことになっている生きろ


【活躍】

初出は創の軌跡におけるエピソードの一つ「そして、乙女は剣を手に進み続ける」にて。創の軌跡から半年後、レマン本部からA級への推薦を何度も受けるエレインだったが、自分ではまだ実力不相応と固辞し続けていた。
しかし、とある兄妹誘拐事件の際に《アルマータ》のボスであるジェラール・ダンテスと邂逅。誘拐された兄妹は救出できたものの心に深い傷を負い、誘拐実行犯の下部組織構成員はジェラールに「掃除」と称して皆殺しにされ、更にはその圧倒的な力の前に取り逃がしてしまう事となった。
この時の経験から「自分が闇を払う希望となれるなら」そして「いつか英雄が現れた時にその隣に並び立つ為に」とヴァンの後ろ姿を想起しながら考えを改め、A級昇格を受諾。史上最年少のA級遊撃士が誕生する事となる。

それから一年後の本編にて。ヴァンがアニエスの依頼を受け物語が動き始めた時、久しぶりに彼との再会を果たす。出会って当初はお互いに距離感が掴めないのか態度もぎこちなく、立場の違いもあり最小限の言葉を交わすのみであった。しかしそこは幼馴染。緊急時では息のあった動きを見せ、図らずも「アルマータ」関係の事件が多発したため解決事務所の面々との共闘や情報交換で交流することも増え、互いに憎まれ口を叩いたり、昔話に花を咲かせたりと関係も改善されていく。

しかし民間人すら平気で巻き込む《アルマータ》の一件や、ヴァンの見立てでは実家絡みでも問題を抱えているようで、ヴァンが旅行で数日首都を留守にする際は一瞬不安げな様子を見せるなど、精神的に追い詰められている様子も垣間見せた。いずれ改めてヴァンは相談に乗ろうと考えるが…。


+ 以下本編ネタバレ
彼女が抱えていた悩み。それは実父であるエドモン・オークレールの反移民団体への資金援助、そして《アルマータ》への関与である。
元々エドモンはとっくに失われた「カルバード貴族の誇り」を未だに盲信し続ける人物であり、反移民主義に傾倒していた。そこにCID等の調査で《アルマータ》の資金源としてそういった反移民団体の存在があることが分かり、エレインは実父への疑念を晴らすために独自に調査をしていた。
そもそも遊撃士になった動機の半分が自分自身の父への疑念を晴らすためでもあった。しかし、調べれば調べるほど疑惑が深まることになり、とうとう彼女はオラシオンで行われた28万人の市民の命がかかった最悪のデスゲームである“謝肉祭(カルナヴァル)”の最中に遊撃士協会に書き置きだけ残し出奔。
更には《アルマータ》幹部のメルキオルと「ゲームを盛り上げる」という取引をし、エドモンの関与の決定的な証拠……アルマータがスポンサーから資金提供を受けていた裏帳簿を入手する。
謝肉祭(カルナヴァル)”終盤にもう一度姿を消して、運び屋のエルメスに辞表と遊撃士のエンブレムを遊撃士協会に届けさせた。

同じくエドモンの関与を突き止めていた隠密僧兵部隊『イスカリオ』の副長・アシュラッドがエドモンを「外法」として粛清しようとするが、エレインは自身の手でケジメをつける為にこれを阻止。
更には用済みとしてエドモンを抹殺するべくメルキオルとアリオッチが強襲してくるが、これも駆けつけたヴァン達解決事務所の面々と撃退し、自身の手で実父を逮捕することとなった。この件の責任を取ってエレインは遊撃士を辞する為に辞表を出したが、自分の手でケジメを付けたことと今までの功績から世間では同情的な声が大きく、総本部から却下される。その後のA級からの降格申請も却下され、A級遊撃士として続投することとなった。

因みに父親のエドモンは愚かな人物であったが、紛りなりにも娘のことは愛していたようで、メルキオルの凶刃がエレインを襲った際は咄嗟に我が身を盾にして助けようとしている。
実際にイベント前の選択肢でミスをして解決事務所の面々が現場に行くのが遅くなり凶刃から助けるのが間に合わなかった場合、彼はエレインを助けて、自らの愚かさを悔いながらそれでもエレインへの愛を言葉にし、意識不明の重体になるというかなり後味の悪い結末となる。

なお、エドモン当人もヴァンのことは覚えており、ゲームの進め方次第では命を救われた際にヴァンを思い出しかけているが、ヴァン本人ははぐらかしている。

このように自身の手で抱えていた悩みにケジメをつけられたおかげか、ヴァンとのギクシャクしていた関係も物語が進むにつれ改善に向かい、終章ではセリスから「コレ付き合ってないのか?」と疑問を持たれる程の夫婦漫才ぷりを繰り広げている。



総じてサブキャラクターながら出番はかなり多く、特にヴァンとの絡みやコネクトは彼女らの関係性を知る上で必見である。


【余談】

メインキャラでこそないがプレイヤーの中でも人気があるキャラであり、WEBアンケートでは男性人気第3位、女性人気では1位を獲得しており、作中同様に高い人気を誇っている。
続編である『黎の軌跡Ⅱ -CRIMSON SiN-』ではメインキャラクターの一人*6に昇格。更なる活躍が期待される。


追記・修正の依頼はカルバード遊撃士協会までお願いします。

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最終更新:2022年06月19日 20:24

*1 昇格したのは23歳時。

*2 両親だけでなく周囲からも反対され、かつヴァンはこの時点で行方をくらましているので味方だったのは友達以外はキンケイドのみだった。

*3 とはいえアリオッチはとある事情により力を制限されていた。

*4 この時エレインが実家から甘味を持ってきては二人に食べさせていたらしく、ヴァンが甘党になった要因の一つになっている

*5 ヴァンとルネとの会話で明かされたことなのでエレインが知っているのかは不明

*6 SonyプレスリリースおよびFalcom公式Twitterより