身喰らう蛇《ウロボロス》

登録日:2012/02/28 (火) 17:58:00
更新日:2024/11/18 Mon 23:30:57
所要時間:約 31 分で読めます




――全ては大いなる盟主のために――


ゲーム英雄伝説 空の軌跡FC以下『軌跡シリーズ』に登場する謎の秘密結社。
通称は結社、もしくは蛇。

超人的な能力を持つ幹部やエージェントを擁し、強化猟兵や機械人形、高性能の飛行艇など通常戦力も充実している。
技術力でも作中登場した他の組織のいずれをも上回り、古代遺物のレプリカやら、一国の軍隊を圧倒できる巨大戦艦やら、なんか世界観が違う巨大ロボットやら、もうやりたい放題である。
これらによって少なく見積もっても小国を相手取れる程度の戦力を持ち、実際に国家に所属する軍隊を容易く蹴散らしていた。

更には各方面に裏から手回しする政治力も持ち合わせ、その規模も能力も底が見えない。

一方でティオランディには「軍隊や犯罪組織と違って遊び(無駄)が多い組織」とされ、組織関係者すらもそれを否定せずに認めている。
また「猟兵団やシンジケートの方が現実的な脅威は上で、ましてや帝国や共和国のような大国とまともにやりあえるとも思えない」とも評されており、高い武力・科学力を持ちながらも長い年月の間表舞台に出ることが無いことからも、何か“現実的ではない”目的を持って動いている様子がうかがえる。

シリーズを通して主人公らと敵対する組織であり、目的のために各地で甚大な被害を与えたり要人の暗殺や猟兵の殲滅等を行うなど、一般的には「悪の組織」「テロリスト」とでも言うべき存在である。
しかしどうにも浮世離れした面が目立ち、また下劣な組織を壊滅させるなど完全悪とは言い切れない一面もある。D∴G教団の下部組織たる《楽園》を殲滅したのはそういった事情と組織の有力者に接触してきたのが決め手だったという。

上記のように強い影響力を持っているのだが、当然と言うべきか一般社会にはほとんど知られていない。ただし大国の諜報機関等は結社の内部構造や構成員について、ある程度把握している模様。
その目的や行動ゆえ、古代遺物の回収・管理を行う星杯騎士団や 、民間人の保護を理念に掲げる遊撃士協会とは浅からぬ因縁がある。

結成されたのがいつ頃かは不明だが、現在の使徒第四柱や執行者No.Ⅲが加入した時点(閃の軌跡Ⅲの12年前)で「裏社会における新興勢力」と評されており、活動開始はシリーズ本編からそれほど昔ではない模様。
アリアンロードが盟主の下に入ったのが閃の軌跡Ⅲ20年ほど前とのことなので、少なくともその頃には水面下では動いていたと思われる。



以下閃の軌跡Ⅳまで、シリーズ全体の重要なネタバレを含む



















組織構成


盟主《マスター》


「私は“影”――、世界に刻限を告げるだけの存在です。」

CV:???(正体の特定を防ぐため、登場の度に違う女性声優が演じている)
結社の頂点に立つ人物でその名前を含め全く明らかにされていない。《グランドマスター》とも呼ばれる。
外見は水色のロングヘアの(見た目は)若い女性。(顔は写されていない。)

部下である組織のメンバーを大事に思っており、亡くなった時は全ての責任は自分にあると洩らしている。
使徒達にとって唯一にして絶対的な存在として崇められ、アリアンロードのような高潔な武人は勿論、自儘でサディスティックなマリアベル、研究の為なら犠牲を厭わないマッドサイエンティストのノバルティス、果ては外道や下劣を極めたワイスマンすらも盟主には深い忠誠を誓っている。
無理を押しているメンバーの体調を気遣ったり、脱退を申し出た執行者の前に現れつつも引き留めることはせずに声を掛けるのみに留めて個人の意思を尊重する姿勢を見せたりと、意外にもマメな性格。
この辺りのスタンスが曲者揃いの結社の面々から忠誠、或いは敬意を払われている一因かもしれない。
グラムハート大統領と交わした「相互不干渉協定」についても順守する姿勢を貫いている。
そのため、契約期間中は決して邪魔しようとはしなかったが、同時に手助けすることも絶対に認めないフェアな一面も見せている。

未来予知の類の能力を持っているようで、盟主の予言にワイスマンは絶対の信頼を寄せていた。
空の軌跡で起こった事件の結末やワイスマンの死、その後に起きるであろう異変も予測済みで全て盟主の掌の上だった模様。
碧の軌跡では零の御子からの頼みは可能な限り応えるように使徒達に指示していた。

曰く「全ての魂を導くお方」でありマリアベルは現象そのものが大いなる秘法(アルス=マグナ)と称している。
盟主本人曰く自分は「世界に刻限を告げる影」だという。
発言から察するに「人の可能性」を模索しているらしく、ワイスマンに本来の予言を知らせなかったのもそれが理由らしい。
長らく姿が不明だったが閃Ⅳにてようやく顔以外の姿が明らかになった。
なので創の軌跡発表時のイメージビジュアルで彼女の姿が描かれていたことで度肝を抜かれた人も多いと思われる。

これまで存在自体は幾度となく示唆されながらも、主人公サイドの前に決して姿を見せなかった彼女だが、「界の軌跡」にて遂にヴァンアークライド解決事務所の前に姿を現した。
ただここでは「相互不干渉協定」を破りかけたノバルティスを諫めるついでに顔見せに来ただけであり、ヴァン達と会話するのみに留めた。



蛇の使徒《アンギス》

七名で構成される盟主直属である結社の最高幹部。
いずれも人間離れした技術や異能の持ち主。
星辰の間という場所で互いに連絡を取り合っている。

使徒のほとんどが、自分自身の欲求や目的を持っており、それらを優先して行動している。
しかし、盟主への絶対的な忠誠心は共通しており、その使命は忠実にこなしている。
the3rdでのやり取りを見る限り、その忠誠心は信仰に近いものとも窺える。


第一柱

他の使徒達の纏め役のようで、盟主の代わりに使徒達の報告や計画の進行度を聞きうけている。
今の所正体不明。丁寧口調の男性だと思われる。


第二柱 ヴィータ・クロチルダ

「でも忘れないことね……。既に“物語”は始まっている。」

CV:田村ゆかり
登場作品:閃の軌跡 閃の軌跡II 閃の軌跡III 閃の軌跡Ⅳ
《蒼の深淵》、又は《深淵》の名を持つ、艶やかな女性。
閃の軌跡で初登場。結社構成員にしては珍しく年齢が明かされている。24歳。

表の顔は魅力的な歌声とその雰囲気から人々から高い人気を持つ歌姫。
その一方でミスティという名で人気ラジオのパーソナルティを勤め、更には使徒という三つの顔を持つ。
その正体は帝国の歴史の裏で暗躍していた《魔女の眷属》の末裔。
エマの姉弟子であり、彼女からは"姉さん"と呼ばれている。

ミステリアスな雰囲気を漂わた、理知的な大人の女性。
一方で人をからかうことを好み、逃亡中の身でありながらラジオ業を再開するなど軽い一面がかなり多い。
また結社の使徒らしく、他人の死を喜々として聞くなどの冷酷さもあるが、身内や長い付き合いのものには親身な顔をのぞかせる。*1

というかそもそも盟主と出逢うきっかけとなった巡礼魔女になった理由も、エマの母親であるイソラを尊敬していたが故のこと。
彼女が命を賭して繋いだ未来の希望を絶ち切らせないため、《黄昏》で起きる未曾有の被害を少しでも少なく収まるように立ち回っていたのである。*2

黎の軌跡では騎士団のとある人物が破戒からの共闘依頼を持ち掛けられた際「猟兵団と同じく昨日の敵は今日の友」と嘯く破戒に対して「鋼や深淵ならいざ知らず」とにべもなく返すあたりから、他勢力からアリアンロードと同じく使徒内での良心枠として見られている様子。

《魔女の眷属》としての能力は非常に高く、転移に投影、結界の展開などを大規模かつ広範囲に行える。
一族に伝わる魔女の秘術や帝国の歴史にも精通しており、その実力から《深淵の魔女》とも評される。
詳細は項目参照。


旧第三柱 ゲオルグ・ワイスマン

「私はこの巨いなる至宝をもって人を正しい進化に導いてみせる……それこそが《盟主》より授かった《使徒》としての使命なのだ!」

CV:田中秀幸
登場作品:空の軌跡FC 空の軌跡SC 空の軌跡the3rd
《白面》の名を持つ、眼鏡をかけた男性。執行者達からは「教授」と呼ばれる。

他人の心を弄ぶことを楽しむ、卑劣な性格。
実験と称して平然と人の心を破壊し、その偏執性や嗜虐性は病気とも称された。
はるか昔から大小善悪を問わず、数多の人間を目にしてきたであろう古代竜のレグナートからも「昏い悦びにしか生を見いだせぬ、歪んだ魂の匂いを感じる」と最悪級の評価を下されている。
作中では、様々な策をろうしてエステルヨシュアを翻弄するなど、その性格の醜悪さはシリーズでも屈指のものであり、使徒と執行者のルールをないがしろにする点と相まって、同格である使徒達にも嫌悪されている。
その上、招集した執行者達からの人望も皆無であった。

一方で、能力面については他の執行者や使徒達に高く評価されている。
長年の研究の成果により、対象の記憶や認識を操作し思うがままに操る異能の力をもつ。
さらに盟主より授かった『外の理』で作られし魔導杖を得物とし、空属性の魔法を操る。
それに加え元々は七耀教会の出身であることから、敵対組織である教会の領分である聖痕などにも通じている。
単純な戦闘力も相当高く、並の執行者を凌ぐ程である。
詳細は項目参照。


新第三柱 マリアベル・クロイス

「だから皆さん――とびっきりの良い声で鳴いてもらいますわよ!」

CV:田中理恵
登場作品:零の軌跡 碧の軌跡 閃の軌跡Ⅳ
《根源の錬金術師》、又は《根源》の名を持つ、金髪ツインドリルの女性。
IBC総裁ディーター・クロイスの娘でエリィの親友。若くしてIBCのプロジェクトのいくつかに携わっている。
その正体は《虚なる神(デミウルゴス)》の再現を試みた1200年続くクロイス家の末裔で、《碧き零の計画》を主導する黒幕の一人。
一族の千年に及ぶ妄執を果たすべく、碧の軌跡の事件を引き起こした。
もっとも、クロイス家の使命など本心ではどうでもよく思っている。
そのため、再現した至宝の力が失われた後は、特にそれに固執せず盟主の招聘に応じ、結社に使徒として加入した。
現在は《大いなる秘法(アルス=マグナ)》と呼ばれるものを手に入れることが目的の模様。

自らの欲望に忠実に動き、他人を利用し、周囲の迷惑をお構いなしに行動する。
また前任のワイスマン同様、嗜虐性の持ち主。
あえて他人が嫌悪の感情を覚えるようなやり口を仕掛けるなど、ワイスマンとはまた違った趣向を好む。
一方で、馴染みの者には情けをかけるなどの一面を見せることも。

クロイス家の錬金術の知識・技を強く受け継いでおり、エプスタイン財団への留学などを経て導力科学にも精通している。
ワジからは最高位の魔導師(マギウス)と認定されており、その知識を組み合わせた魔導科学を自在に操り、至宝の一つを再現する域に達している。
戦闘能力も相当のようでアリオスシグムント程ではないと推測されてはいるものの、戦闘狂のシャーリィをしてヤバそうと言わしめるなど、使徒に選抜されるに恥じない程に高い力量を持つ。
魔導杖を得物として、多くの秘術を繰り出すほか、結社加入後はローゼンベルク人形を使い魔に改造しており、それらも併せて多彩な攻撃を繰り出す。
碧の軌跡の戦闘では数少ないSクラフト2つ持ちで、固有のフィールドで戦わされるうえに、何度もお供のマイン・ガダを召喚、さらに強制的に場所を移動させられるなどかなりめんどくさい。


第四柱 エルロイ・ハーウッド

「皆まで言わせんなよ。――その方が、“面白そうだから”に決まってるだろうが?」

CV:黒田崇矢
登場作品:黎の軌跡
《千の破戒者》、又は《破戒》の名をもつ人物。47歳
ド派手な青いコートを着込み、常に葉巻を愛飲している。顔の左半分は火傷にでもあったかのように灰色に変色しており、無精髭を生やしたオッサン。
古今東西のあらゆる悪事を研究&実践してきた犯罪のスペシャリストであり、己の欲望のままに行動している。
元は暗殺組織《月光木馬團》の一員だが組織が結社に敗れた後に第四柱に加入した。
その戦法は国際的に禁止されている『BC兵器(biological and chemical weapons)』であり、生物兵器と化学兵器を用いての敵対者・敵対組織の自滅。
本人によればB(生物兵器)は扱いが面倒なので、基本はC(化学兵器)とのこと。*3
肉体はある程度鍛えて修羅場も潜っているものの、とりわけ戦闘力が高いわけでもなく異能を持たない彼が結社の最高幹部たる使徒に任命されているのも偏にこの凶悪さと「犯罪の天才」という異名が付けられるだけの頭脳にある。
若い男性のような軽い口調の持ち主。シルエットは凶悪げな笑みを浮かべた短髪の男性といった所。だが実際は使徒の中でも高齢のオッサン。
碧の軌跡での第一柱とアリアンロードのやり取りからプレイヤーからは帝国内に潜伏しているものと思われていた。
社長は閃の軌跡II発売前は「閃の軌跡に登場しているかどうかは秘密」とコメントしてたが、閃の軌跡II発売後は「帝国にはいない」とコメントしている。*4
閃の軌跡IIIでは教会からの介入を妨害すべくアルテリア法国方面で暗躍していた模様。

+ 黎の軌跡ネタバレ
一見すると話の通じるナイスミドルのおじさんだが、その本質は悪辣、悪趣味の極みで、ただ"面白いから"という理由で事態を引っ掻き回し
自身に関わった全てを破滅に導かんとする外道に属する人物、謂わば共和国側における白面のワイスマンポジションに当たる。*5
戦闘狂たるヴァルターをして「最悪にして猛毒のオヤジ」と言われており、《使徒》の中でもぶっちぎってイカれているとの評価。一応無差別の殺人狂というわけではなく、盟主の課した"一線"を守っているのがせめてもの救いだが、踏み越えるギリギリを愉しんでいるフシがあり、そのうち踏み越えるのでは?とも思われている。

前述通り、元は《月光木馬團》の一員であったが、組織が結社に吸収される際に余った團員をこともあろうか、裏側の勢力を含む全力の掃討作戦*6で壊滅しかかっていた最低最悪の宗教団体である《D∴G教団》の残党に合流させるというとんでもないことを仕出かした。
そして合流させて何か指示をするなどでもなく好きにやらせてみた(・・・・・・・・・)結果立ち上がったのが、他に類を見ない育成システムを編み出した《庭園(ガーデン)》と呼ばれる暗殺組織である。


更に言うとその内の元團員の一人が後のマフィア組織《アルマータ》の幹部『メルキオル』であった。
そこで彼は当時、教団で地位を得ていた『ジェラール・ダンテス』と出会い、ただでさえ力と狂気を秘めていた彼等が邂逅したことで凶悪な化学反応を起こしてしまった。

つまり本作で発生した悲劇はほぼこいつのせいと言っても過言ではない。
この悪辣極まる本性に触れたヴァン達からは出会って早々に軽蔑され、部下であるヴァルターや同じ月光木馬團の同僚であったルクレツィアからも全く信頼されていない。*7


第五柱

正体不明。古風な口調で話す男性。
ヴァルターを気に入り結社に勧誘した。
ギルドでも断片的しかつかめていない模様。

第六柱 F・ノバルティス

「うんうん、さぞかし面白い見世物になってくれそうだ。《白面》殿が生きていればさぞかし愉しんでくれただろうに。」

CV:真殿光昭
登場作品:碧の軌跡創の軌跡、界の軌跡
結社の技術ネットワーク「十三工房」を管理するマッドサイエンティストジジイ。周囲からは《博士》と呼ばれる。
自らの知的好奇心を満たすためなら、どんな犠牲も厭わない。
師であるヨルグの作成していたゴルディアス級人形兵器《パテル=マテル》を奪い取り、非道な人体実験のもと完成させた。
組織を抜け出したレンの高い適性を惜しんでおり、執行者への命令権がない事に不満を抱いている。
細かい上にみみっちく、自身の邪魔をされるとすぐに怒り出す狭量さ、加えてエプスタイン博士の弟子こと「三高弟」と比べられるといきなりキレ出すヒステリックさなどお世辞にも人望が高いとは言えず、同僚である使徒たちは愚か事実上の部下である執行者からも陰口を叩かれていたりする。
ただし、その技術力と知能自体は本物であり、能力面そのものは頼られている。アルティナ曰く「既存の技術をパクリつつ上回る天才」
少し褒められると照れるなど存外チョロかったり、ブツクサ文句を言いながらも身内からの注文に応えたりと、なんだかんだで面倒見のいい部分も持っているなど人間臭い一面も。
能力面の高さに反比例して人格面が残念な彼だが、意外にもその素性は謎に包まれておりギルドなどもノバルティスの正体を依然掴めないでいる。

西ゼムリア大陸編完結作となる「創の軌跡」にて久々に登場。
後に「クロスベル再事変」と呼ばれる大事件を引き起こした黒幕にある程度協力しているものの、あくまで「観測者」の立場を取っており、自身の知的好奇心を満たすための実験や観測に重きを置いている。このためロイドらとは積極的に敵対する姿勢を取っていない。
ただしマッドサイエンティストぶりは相変わらずで嘗て利用されたレンからは相変わらず敵意を向けられている。
そればかりかマクバーン本人の許可を得ることなく、彼の怒りに触れるような「あること」をしでかしたため、後に冷たい目を向けられては縮こまっていたり
続け様にロイ・グラムハート共和国大統領がカンパネルラの導きなしでは入れない《星辰の間》に回線で侵入した際には激しく狼狽するなど、少々情けない姿を見せていた。
またこの介入はマルドゥック社(以下、MK社と呼称)のハッキングによるものであり、そのため彼の研究成果がお釈迦になってしまった。
このためMK社を非常に恨んでおり、使徒たちにMKの関係者に会えば「挨拶」(という名の意趣返し)をするように念押しするなど、一度受けた恨みは忘れないみみっちい部分を見せた。

共和国編である「黎の軌跡」には登場しなかったが、技術担当として度々名前が挙がる。
続編である「黎の軌跡Ⅱ」では姿こそ見せなかったが、なんと前作でアルマータに利用された最新型導力演算機《アウローラ》*8及び最悪の兵器こと「反応兵器」*9を興味本位で再現するなどとんでもないことをやらかした。
特に反応兵器はこれが原因で結社の面々が出張ることになってしまったほどの代物であるが、起爆に必要な古代遺物「聖魔剣アペイロン」を扱える人間がこの世に存在しないと踏んでいたため当時は特に気にすることもなく、再現したきり興味を失って放置していたらしい。
ところがこの二つが盗まれ、しかも盗んだのが同僚であるハーウッド及びそのアペイロンを扱える双子(=反応兵器を起爆できる唯一の存在)だと知り、慌ててヴァルターにハーウッド達と盗まれた開発物の捜索を依頼している。*10

そして更にその続編である「界の軌跡」にて遂に再登場。
今作ではMK社がサービス提供を進めていた導力ネット上に構築された仮想空間「御伽の庭城」をハッキングして乗っ取り、「黒の庭城」として占拠している。
ただこれは単なる仕返しというワケでもなく、その目的はこの仮想空間の奥に存在する「深淵エリアの解析」らしい。
ノバルティスは表の全てを放り出してまでこの解析に躍起になっており、かれこれ一ヵ月以上も休息も取らずに打ち込んでいたとのこと。
そのため少しでも邪魔が入って解析が遅れるとこれまで以上にヒステリックに喚き散らしたりしている。
そして遂に迎えた「スターテイカー計画」当日もやはり解析に勤しんでおり、「相手をしてやろう」と言いながらヴァン達の干渉を防ぐために絶対に破れない防壁を張るなどとことん大人げない一面を見せていた。
それでもその防壁がシメオンの手引きによって破られると激怒しつつも新開発したアイオーン新型を差し向けて最終領域の守護者としてヴァン達と戦うことになる。*11
激闘の末にアイオーンは倒されるものの、戦闘中も深淵エリアのデータ解析は進めていたことが功を奏して遂に自身が望んでいたデータのサルベージに成功する。

+ そんな彼が解析しようとしていた「何か」とは……


【19998期グランドアーカイヴ】における七耀暦1154年のパーソナルデータより抽出――

人物名、フリオ・ノバルティス。ゼムリア大陸中北部、レマン自治州出身。

導力工学創始者クロード・エプスタインの唯一の(・・・)直弟子だが、研究姿勢の問題で同年破門。

その後は師と袂を分かち、独自の研究開発に没頭して行く事となる――







あった……


あったぞおおっ!!

やっぱり間違っていなかった――私は、私は……

ちゃんといたんだ(・・・・・・・・)!!!



彼がこれまで寝食すら惜しみ、身を削りつつ解析していたデータの内容はなんと「自分自身の正体」であった。
実はこのゼムリア大陸はとある存在によってこれまで19999回も1200年前の七耀歴0年「大崩壊」直後と巻き戻された世界であり、前回の世界線においてクロード・エプスタイン博士の唯一の直弟子だった人物。
彼がこれまで三高弟をやたら憎悪をしていたのも、自身こそがエプスタイン博士の直弟子でもあったからである。
ただしその前回の世界線においてもやはり人格面に難ありだったのは変わらなかった模様。
その前回の世界線の人物であるノバルティスが何故今回の世界線に存在するのかまでは不明であるが、それ故にこの世界線ではエプスタイン博士の直弟子が自分以外の三人に取って代わられているなど本人曰く「歴史から否定され続けるような絶対的な孤独感」を味わい続けていた。
自分の存在を確かめるため、ノバルティスはそのデータが眠る深淵エリア及びそれを擁するMK社の仮想空間を乗っ取ったというのが今回の事件の顛末である。
この答えを得たことでノバルティスは自身を長年苛ませ続けていた疑問を解消し、一気に有頂天。
同時に共和国で進められているオルフェウス計画の第三段階「永劫回帰計画」の全容を掴んだらしく、グラムハート大統領の手助けをしようとするがそこに盟主が現れて諫められてしまう。*12
如何に仮想空間とは言え一ヶ月の無理がたたってノバルティスの体も限界を迎えており、盟主からの労いの言葉に感銘を受けたことで一気に疲労が舞い込んで倒れこむ。
最終的に自身の敗北を認めつつも深淵エリアの解放継続を告げた後、ようやく疲労で寝込み、その後ウルリカの手引きで仮想空間からログアウトしていった。
こうして「界の軌跡」におけるノバルティスの出番は終了となったが、彼の存在が新たな謎を呼ぶことにもなった……。



第七柱 アリアンロード


「果たしてそなた達に終末を止める力がありしか……全身全霊で示してみなさい!!」

CV:久川綾
登場作品:碧の軌跡 閃の軌跡III 閃の軌跡Ⅳ
《鋼の聖女》又は《鋼》の名を持つ、ゴツい鎧と仮面を身にまとう金髪ロングの女性。

仁義に厚く、非道な行いを強く嫌悪する高潔な性格。
そのため結社内では鉄機隊を筆頭に多くの人望をあつめているほか、結社外の人物からも一目置かれている。
一方で、力なき正義は空しいだけとの考えをもち、敵対する者には容赦なくその圧倒的な力をふるう。

あらゆる武器を扱える達人で、その中でも大型の騎兵槍を得意とする。
数多の達人が所属する結社の中でもマクバーンと並び立つ最強の使い手と評され、
「人の身では勝てない事が決まっているかのよう」とまでに極めた武芸から「至高」と称される。
詳細は項目参照。



執行者《レギオン》

結社の実行部隊。心に闇を抱えていることを条件に選ばれた精鋭達。それぞれが様々な分野のスペシャリストであり、単純な戦闘能力も非常に高い。結社の命令に縛られない行動の自由を盟主から与えられている。

No.0   《道化師》 カンパネルラ
No.Ⅰ   《劫炎》  マクバーン
No.Ⅱ   《剣帝》  レオンハルト
No.Ⅲ  《黄金蝶》 ルクレツィア・イスレ
No.Ⅵ  《幻惑の鈴》 ルシオラ
No.Ⅶ  《幻想使い》 シメオン
No.Ⅷ  《痩せ狼》  ヴァルター・クロン
No.Ⅸ  《告死線域》シャロン・クルーガー
No.Ⅹ  《怪盗紳士》ブルブラン
No.ⅩⅢ 《漆黒の牙》ヨシュア・アストレイ
No.ⅩⅤ 《殲滅天使》レン
No.ⅩⅤⅡ《紅の戦鬼》シャーリィ・オルランド
No.ⅩⅤⅢ《言霊使い》ウルリカ
No.ⅩⅠⅩ       セドリック・ライゼ・アルノール
No.ⅩⅩ-a《洸弾》  イクス・エルダリオン
No.ⅩⅩ-b《影喰》  ヨルダ・エルダリオン

詳細は各項目及び執行者を参照。



鉄機隊

アリアンロード直属の3人の戦乙女の総称であり、結社最強の戦闘部隊。
見所がある少女達を引き抜いてアリアンロードが鍛えあげた部下達。
全員が主であるアリアンロードに絶対の忠誠を示し、アリアンロードもまた彼女達に娘のような深い親愛を注いでいる。

その実力は、執行者に迫る、もしくは匹敵するともいわれる。
人数は少ないが鉄機隊専用モデルの強力な人形兵器を戦力として使用している。また三人揃った状態(もしくは同等の力量の持ち主を交えて三人になった状態)では「星洸陣」という技で能力をブーストできる。
リアンヌ・サンドロットが率いた鉄騎隊をモチーフにしている。


デュバリィ

「剣士としての格の違い、存分に思い知らせてくれますわ!」

CV:大空直美
登場作品:碧の軌跡 閃の軌跡II 閃の軌跡III 閃の軌跡Ⅳ
《神速》の異名を持つ少女。鉄機隊の筆頭騎士。剣を得物とする。
星見の塔では3番手として立ち塞がる。
感情的になりやすい性格。ランディ曰わく筆頭騎士という肩書きの割には意外と可愛らしいな~との事。
しかし、筆頭の名は伊達でなく、アリアンロード直伝の剣の腕は本物。
特に速度に優れ、そのスピードは執行者随一の達人《剣帝》レーヴェにも迫ると称される。
リアンヌの副官の流れを汲むアルゼイド家に対抗心を抱き、剣の腕で劣るラウラライバル視する。
詳細は項目を参照。

アイネス

「鉄壁にして不動の“陣”、超えられるならば超えて見せよ!!」

CV:堂野真美(碧の軌跡) 伊瀬茉莉也(閃の軌跡III以降)
登場作品:碧の軌跡 閃の軌跡III 閃の軌跡Ⅳ
《剛毅》の異名を持つ少女。ハルバードの使い手。正々堂々を好む武人肌の人物。
星見の塔の試練の1番手を務める。
地裂斬というラウラと同様の技を使う他、秩序の盾という3回にも及ぶ完全防御とHP回復という高性能の技を使ってくる。
元は断絶した流派の出で遊撃士に励んでいたが、規約に縛られる遊撃士に限界を感じていた所でアリアンロードに会合。問答無用で悪人を成敗した彼女の在り方に惹かれ戦いを挑むも、圧倒的な実力差を見せつけられ、弟子入りしたという。

エンネア

「さあ、この魔弓から逃れられるかしら?」

CV:金沢明奈(碧の軌跡) 佐藤聡美(閃の軌跡III以降)
登場作品:碧の軌跡 閃の軌跡III 閃の軌跡Ⅳ
《魔弓》の異名を持つ少女。弓を操り、高台から狙撃してくる。
星見の試練では2番手を務める。
律儀な性格なのか、手下の魔獣を倒すと自分から降りて来る為に支援課のメンバーは誇り高い騎士道精神の持ち主と見ていた。
その狙撃は相当のモノでランディの見立てでは赤い星座の連隊長《閃撃》のガレスに匹敵する腕前との事。
元はある教団に洗脳された使い手だが、彼女もまたアリアンロードに魅了されてしまい配下についた。





下位の構成員

術によって強化された猟兵部隊やジェスター猟兵団といった手持ちの猟兵団などが存在する。


ギルバート・スタイン


「さて、始めるとしようか……。この帝国で再び花開く、僕のサクセスストーリーをねッ!」

CV:菅沼久義
登場作品:空の軌跡FC 空の軌跡SC 空の軌跡the3rd 閃の軌跡Ⅳ
市長秘書→囚人→結社の強化猟兵
と、転落人生まっしぐらなコメディリリーフ。
一応専用機持ちだったりとそこそこの地位にいるらしいが、その実態はカンパネルラのオモチャ。
同僚にすら「カンパネルラ様のお気に入り=ピンチだけど放っといた方が喜ばれるんじゃね?」という扱い。頑張れギル、超頑張れ。
空3rdでは中隊長だったが閃Ⅳでは連隊長まで昇進しており、以外と結果は出しているらしい。



十三工房

結社の研究・開発部門。ヨシュアによると古より存在する12の工房を合わせたものらしい。


ローゼンベルグ工房

クロスベルに存在するマニアの間では有名な人形工房。アルカンシェルの舞台装置なども手掛ける。
ゴルディアス級の開発を行った。


ヨルグ・ローゼンベルグ

登場作品:零の軌跡 碧の軌跡
「十三工房」のひとつローゼンベルグ工房の工房長。
ゴルディアス級の開発者で、レンが操るパテル=マテルを製作した人物(厳密にはノバルティスが途中で奪い去り、レンに与えた)。
彼が作る人形は前述の通り表の世界でも有名な存在で、まるで生きているかのように見えると評判。
ノバルティスとは師弟関係だが、パテル=マテルを強奪した上に非道な接続実験で何人もの人間を再起不能及び死亡させた事に激怒、更には《神機》アイオーンを勝手にゴルディアス級の最終型と名乗っているのを不愉快に感じており、かなり嫌っている。
閃Ⅳでは十三工房からの脱退を図っているとの噂が流れている。

黒の工房

十三工房の中でもずばぬけた技術力を持つ要の場所。
当初は鉄血宰相の協力者、内戦では貴族連合の協力者としてその存在が語られる。
しかしその実態は鉄血宰相によって実権が乗っ取られており、閃の軌跡Ⅱのラストでその事実が明るみに出たことにより十三工房から離脱したものと思われる。
百日戦役の頃より鉄血宰相と通じており、いつ頃かは不明だが宰相が事実上の主の様子。
詳細は項目を参照。


その他の関係者

結社は広く知られた存在ではないが、一部の権力者などはその実態を把握しており、協力関係を築く、戦闘支援や技術支援を受けるなどしている。


ギリアス・オズボーン


CV:中田譲治
登場作品:空の軌跡the3rd 碧の軌跡 閃の軌跡 閃の軌跡II 閃の軌跡III 閃の軌跡Ⅳ
《鉄血宰相》の異名をとるエレボニア帝国の宰相。
皇帝の信任篤い有能な人物で様々な改革を実行してきた。一方でその苛烈な行動から国の内外に敵が多い。
怪物とも称される凄まじい威圧感をもった人物。
空の軌跡SCにて結社と繋がりをもっていることが示唆された。彼がオリビエに語ったところによると、この時点で結社と彼の関係は、あくまでお互いに利用しあう関係の模様。
ヴィータとサラによれば、ハーメルの後始末とリベールの異変における蒸気戦車の一件で取引を行ったらしい。
閃の軌跡IIのラストでは十三工房の一角を手中におさめたことを明らかにし、さらには《幻焔計画》の乗っ取りを宣言。宣戦布告を叩き付けたことで、彼と結社は完全に敵対関係になったと思われる。
詳細は項目参照。


ディーター・クロイス


CV:竹本英史
登場作品:零の軌跡 碧の軌跡
クロスベル国際銀行の総裁を務める男性。後に政界に進出しクロスベル市長に就任する。
人当りのよい爽やかな人柄に加え、経営者としても優秀であり、クロスベルの人々からも慕われている。特務支援課を高く評価しており、幾度か彼らの窮地を救った。
その正体は《 幻の至宝 (デミウルゴス)》の再現を試みた1200年続くクロイス家の末裔。彼本人はクロイス家の使命にはさして興味がなく、その魔導の技術もほとんど受け継いでいない。また共和国の諜報員からは経営者としては優秀だが、夢想家すぎるという致命的な欠点を持つ為に政治家としては今一つだと評されている。
碧の軌跡中盤、愛国心と正義感から《零の至宝》の力を使いクロスベル独立を実行し、自ら大統領に就任した。
しかし実際に計画の中心だったのは娘マリアベルとその協力者たちであり、彼女たちに出し抜かれ、失意の中で逮捕された。
協力関係と思っていた結社や雇用しているつもりだった赤い星座も、真に連携していたのは後に第三使徒となるマリアベルであり、彼は利用されているにすぎなかった。


《C》

「静かなる怒りの焔をたたえ、度し難き独裁者に鉄槌を下す……。まあ、そう言った集団だ。」

CV:???
登場作品:閃の軌跡 閃の軌跡II
仮面とマントに身を包んだ、オズボーン宰相の首を狙うテロ組織《帝国解放戦線》のリーダー。
高い戦闘力と明晰な頭脳を併せ持った人物。
貴族派を通して結社に協力を仰いでおり、結社が作成した人形兵器などを調達して使用している。第二柱ヴィータ・クロチルダとは長く協力関係にあり仲も良好の模様。《幻焔計画》についてもその存在を知っていた。
閃の軌跡ではテロリストとして、度々Ⅶ組の前に立ちはだかる。
閃の軌跡IIではその仮面の下の正体を現し、貴族連合軍の切り札《蒼の騎士》として帝国中を駆け回っている。
詳細は項目参照。


クロワール・ド・カイエン


CV:島田敏
登場作品:閃の軌跡 閃の軌跡II
貴族連合軍の主宰を務めるエレボニア帝国の大貴族。
結社や帝国解放戦線、西風の旅団や黒の工房と協力し内戦をおこした。
彼の真の目的は革新派の駆逐や貴族派の隆盛でもなく、《偽帝》と称せられた自らの祖先、オルトロス・ライゼ・アルノールが操った《緋の騎神》の復活。
そのために表舞台をルーファスに任せクロチルダと共に暗躍する。
最終決戦にてクロウとクロチルダが予想に反し敗北したことに激昂、クロチルダの言いつけを破り無理矢理《緋の騎神》を復活させようとして《緋き終焉の魔王》を顕現させる。
しかし《緋き終焉の魔王》もリィンクロウによって敗北。セドリック皇太子を人質にとり悪あがきを続けるも、突然現れたオズボーン率いる《鉄血の子供たち》によって呆然とするなか拘束された。


装備

ゴルディアス級戦略人形兵器

ノバルティス博士が開発を主導する、巨大人形兵器。
ヨルグ・マイスターの開発したレンの《パテル=マテル》や、ノバルティス博士の開発した碧の軌跡に登場した《アイオーン》がこれに該当する。
古の機械人形を参考に最新技術を駆使して製作されており、その複雑さ故にバックアップを取る事も出来ない。

パテル=マテル

シリーズに初めて登場したゴルディアス級戦略人形兵器。
装甲、パワー共にトロイメロイを超える性能を持つ。
詳細は項目参照。

ゴルディアス零式

3rdにて、登場したゴルディアス級戦略人形兵器。
恐らく、パテル=マテルの旧型と思われる。ダブルバスターキャノン等同様の技を使う。
デザイン的にはまんま黄土色のパテマテ。

アイオーン

《神機》の名を冠するゴルディアス級戦略人形兵器の最終型。
α、β、γの三体がノバルティス博士の手によって作成され、クロスベルにおける《幻焔計画》にてお披露目された。
零の至宝と接続する事でその性能を存分に引き出しており、接続時は至宝の司る空属性の影響で空間を大きくえぐり抜く空間消滅能力を使う事が出来る。
至宝と接続時は文字通り次元違いの能力を誇り、帝国や共和国の軍隊を全く寄せ付けず戦車をゴミのように蹴散らした。この時の《神機》は例え帝国に眠る古代人形兵器《騎神》をもってしても及ばないと称される程。
終盤にて至宝の力を増大する鐘の共鳴振動を止められ、空間消滅能力を使えなくされ弱体化。

閃Ⅲでは後継機であるαⅡ、βⅡ、γⅡが製造される。
シュミット博士曰くゴルディアス級の集大成ともいえる性能となっており、2年前で性能は頭打ちになっていたという認識を改めることになった。






アイオーンTYPE-α

攻守に優れた万能型。謎の導力機関「エーテルリアクター」を動力源としており、半永久的な活動が可能。
操縦者の意識や“奇蹟の力”をフィードバックできる導力演算器「マーズ=アルテマ」を搭載している。 
劇中ではガレリア要塞を一瞬にして消滅せしめるなど圧倒的な力を誇った。
終盤に特務支援課と交戦。ディーター自らが操縦し支援課を窮地に追い込むも、結社の裏切りによって機能停止。ノバルティスとマリアベルの密約によりノバルティスと共に去って行った。

アイオーンTYPE-β

空域制圧用高速飛行型。高速戦闘形態ウイングキャリバーへの変形時には音速を超えた戦闘が遂行できる。
光学迷彩と電離チャフの拡散により、目視はおろか導力波レーダーですら捉えることは不可能。
劇中ではケビン率いる飛行艇メルカパと交戦。
怒涛の攻撃でメルカパを墜落寸前まで追いつめるも、聖痕を利用した聖痕砲メギデルス(3rdのラスボスのSクラフト)と主砲の撃ち合いに敗北し撃墜された。

アイオーンTYPE-γ

接近格闘戦をも視野に入れた、拠点防衛・鎮圧用超弩級オーバーマペット。パテル=マテルの純粋な後継機。
劇中ではエステル、ヨシュア、レン、パテル=マテルと交戦。
当初は拮抗した闘いを展開するも至宝の無尽蔵のバックアップによってエステル達を圧倒しはじめる。
強化されたパテル=マテルすらも叩き潰し、レンにトドメをさそうとするも彼女を守る為に自爆を決行したパテル=マテルに巻き込まれ共に爆散した。

アイオーン-TYPEε

「界の軌跡」にてお披露目となった、ノバルティス博士の新作にして最高傑作。
あの結社最強マクバーンを超えることをコンセプトに開発が進められており、そのために性能が本来の想定をも超えたために本来冠するはずだった「Δ」を通り越して「ε」と名付けられることとなった。

その他


人形兵器

シリーズではすっかりお馴染みとなった十三工房製の機械仕掛けの魔獣。
種類は多岐にわたり、制圧用から防衛用まで様々である。

トロイメロイ=ドラギオン

空の軌跡FCのラスボス《環の守護者》トロイメロイを結社が解析し、そのデータを基に作成した機体。
通称『ドラギオン』。トロイメロイに飛行機能を付加されている。
作中ではレーヴェが操作し、時速360kmで飛行するアルセイユに追い縋り翼を切り裂いて墜落させた。
カラーリングは複数有り、レーヴェ専用機である『黒のドラギオン』や赤色の機体が登場している。

《紅の方舟》グロリアス

結社の保有する巨大空中飛行戦艦。凡そ250セルジュに及ぶ巨大な戦艦。

《星辰の(アストラル)コード》

ノバルティス博士の開発したネットワークシステム。
導力ネットワークをはるかに上回るほど強力。
これらによって構成される《星辰の間》で使徒たちは情報交換等を行っている。
この《星辰の間》には『創』での盟主の発言から、使徒以外の者はカンパネルラの導きなしでは入ることさえ出来ないと思われる。
マクバーンが侵入した際は魔剣アングバールを用いて空間を強引にこじ開けて侵入していることから、物理的にも隔絶された場所である可能性が高い。


外の理

蛇に伝わるという特別な現象で盟主の手によって使徒や一部の執行者に武器という形で齎されている。
  • アリアンロードの騎兵槍
  • ワイスマンの魔導杖
  • レーヴェの黄金の魔剣《ケルンバイター》
  • マクバーンの漆黒の魔剣《アングバール》
  • ルクレツィアの《ダスクグレイブ》
これらの存在が確認されている。
また武装だけでなく、マクバーンの焔を生み出す異能の力も「外の理」に関わるものらしい。
高位次元とは別の存在であり、この世界に存在する筈がないモノと言われている。
異空間に収容が可能のようで使用者の意思で自在に出現させる事が可能。投擲などで手放して問題ないらしい。
《ケルンバイター》はあらゆるモノを切り裂くとされ、七至宝たる「輝く環」によって展開された「絶対障壁」という無敵の防御壁さえも破壊する力を見せたが、その際の衝撃に耐えられずに折れてしまっている。
《アングバール》はマクバーンの焔の異能と相性が良すぎる為に焔が黒く染まり、更に強化されるという特性を見せている。
なおこの二つの武器は対になっているらしい。

その正体は文字通り、ゼムリア大陸のある世界とは別の世界の存在である。
どうやらマクバーンは他の世界からやってきた「異界の王」とのことで、元居た世界は滅びてしまっているらしい。彼が本編の世界に来た経緯は不明だが、失っていた記憶を取り戻すとともに盟主やカンパネルラに問い詰めなければならないことがあると語っており、盟主が何らかの関わりを持っていることが示唆されている。

そもそも『組織』としては組織構成、性質が不気味なほど異質であり

  • 最高幹部の使徒は盟主に絶対的な忠誠を誓う。
  • 忠誠を誓う使徒の性質が清濁を合わせてとにかく多様。高潔な武人であるアリアンロードから非道下劣を極めたワイスマン、自分勝手な悪人だが芯の通った処もあるマリアベル、マッドサイエンティスト極まりのノバルティスと善悪聖邪問わなすぎる。
  • にも関わらず下位にあたる執行者の行動は自由。
  • その執行者に与えられる自由の権限はほぼ枷がないどころか明確な結社への敵対行動を取ろうが容認されるという普通の組織ならば絶対にありえないルール。
  • 脱退したメンバーに制裁を加えることすらない。*13

これについてミュゼは《身喰らう蛇》とは《盟主》の計画を遂行する組織ではあるが、同時に使徒や執行者たちも対象に何らかの“実験”をしているように思えると指摘している。

オルフェウス最終計画

この計画を達成するために動いているらしいが全容は不明。
計画には段階があるらしく、現在は3種類の計画が明らかになっている。
+ 星杯騎士団では七の至宝を回収する計画だと予想しているが……
実際はどうやら必ずしも回収に拘っている訳ではなく、消滅しても構わないとすら考えているらしい。*14
カンパネルラによれば「7つの至宝がこの可能世界において人の手で如何なる結末を迎えるのか。それを導き、見届けること自体に《盟主》の計画の意味はある。」とのこと。(なお「可能世界」という言葉を口にしたキャラクターは数名存在するが、何なのかは現時点では不明)
この言葉がそのままの意味ならば作中で計画が乗っ取られたり方針が変更されたりすることがあったが、人の手によるものなので結社からすれば何も問題ないということになる。

ちなみに現在(黎の軌跡Ⅱ)までに登場した至宝は空、幻、大地、焔の4つだが
精神支配によって独善の社会を築き上げていた空の至宝《輝く環》はエステルと協力者によって「絶対のシステムに全てを委ねなくても人は強くなれる」と
時空間操作で望んだ平行世界を接続する幻の至宝《虚ろなる神》はロイド率いる特務支援課によって「都合の良い力で結果だけ手に入れるのは間違っている」と
鋼の至宝として融合された大地の至宝《巨の黒槌》と焔の至宝《紅い聖櫃》はそれぞれ至宝の継承者となるフランツ・ラインフォルト、紅のローゼリアの両名が遺された力を未来ある若者達に分け与えることで手放す形になり、結果としてどの至宝もその場に居合わせた者達に必要ないと否定されている。

また第二段階である幻焔計画が完了した際に盟主の口からゼムリア大陸、すなわち軌跡シリーズの世界は残り3年で全ての無へと至る』という衝撃の事実が明かされている。*15
同時に《黄昏》の回避によって世界の命数が延びたとも言っているので閃の軌跡Ⅳでリィン達が敗北していた場合は更に短い時間でそうなっている可能性が高い。
ある程度の記憶を取り戻したマクバーンによれば「それに《身喰らう蛇》か……今更ながらに良く言ったもんだぜ」と、呆れると同時にその名前に納得もしていたので、組織の名称自体が真の目的に繋がっている模様。




福音計画


空の軌跡で明らかになった計画の第一段階。 
主にワイスマンが仕切っており彼の行動は「七の至宝(セプト=テリオン)」のひとつ空の至宝「輝く環(オーリオール)」を封印から解き放つためだった。
まずはアラン・リシャールを誘導しグランセル城の地下にある封印を解除させ、さらに環の端末である「ゴスペル」のレプリカを作成し、これを「四輪の塔」に使って封印の第二段階を解除。かつて環ごと封印された空中都市「リベル=アーク」を現実空間に引きずり出し至宝を手にする。
しかしワイスマン個人の目的のために暴走し最終的にはケビンに塩にされる。その後、空の至宝はカンパネルラにより回収され盟主に献上された。



幻焔計画


計画の第二段階。減塩ではない。 
名前だけは空の軌跡the3rdで出てきたが、詳細はお預け。その規模と完成度は福音計画とは比べ物にならないと語られ、零の軌跡から閃の軌跡Ⅳまで6作かけて行われた長丁場の計画である。

クロスベルと帝国に跨がる二段構えの計画であり、クロスベルの虚ろなる“幻”をもって帝国の“焔”を目覚めさせるのが目的と語られていた。
クロスベルはアリアンロードとノバルティス、帝国はヴィータ・クロチルダがそれぞれ担当していたが、計画の途中で使徒たちの間で方針の違いが生まれヴィータが離反。以後はアリアンロードとマリアベルが引き継いだ。

結論から言ってしまえば、かつて《焔の至宝(アークルージュ)》と《大地の至宝(ロストゼウム)》が融合することで生まれた《巨イナル一》を、七つに分割された《騎神》の状態から元の状態に再錬成することこそが目的である。
本来であればそのためには《巨イナル黄昏》を起こして世界を闘争のエネルギーで満たした上で、分かれた力を一つに戻す儀式である《七の相克》を行う必要があった。
しかし黄昏による世界の破滅を望まなかったヴィータにより代替方法が考案され、それを試していたのが計画の前半部。これが失敗したため、本来の方法が取られたのが後半部である。


クロスベル編では、その名称から幻の至宝を回収する計画かと思われたが至宝は既に失われており、幻の至宝を再現しようとしていたクロイス家に協力。結果として《零の至宝》として再現(どころかオリジナルの至宝を超えた存在の誕生)に成功したものの、あくまで目的は御子の潜在能力や実験の観察であり、零の至宝については人工の至宝であり結社の手からは離れた存在として獲得には執着していなかった。
最終的には至宝となったキーアから分離した力が倒されることで、零の至宝は消滅した。


帝国編では、クロスベルの騒乱と帝国の内戦による霊脈の活性化を利用して煌魔城を顕現させ、これらを本来相克に必要な「《黄昏》による闘争」と「霊場」の代替にした上で《蒼》と《灰》を激突させた。
しかし戦い自体は行われたものの、相克の代わりにすることは失敗。更には計画の要だった黒の工房を乗っ取られることで、復活したギリアス・オズボーンにより計画そのものを乗っ取られるという結果になってしまった。
またこの時には結果的に《緋き終焉の魔王》を呼び覚ますことになったが、これをこの次元に呼び出すことは想定外だったらしい。 

閃の軌跡IIIでは計画の奪還のため行動を再開。 
その前段階として神機アイオーンtype-Ⅱの起動実験を開始。本来、神機は至宝の力がなければ動かせないが、帝国各地の霊脈から引き出した霊力を利用する事で起動を可能にした様子。ただ、それを実現するためには色々と条件が必要だった様で、これらは計画に必要な闘争の程度を見極めるための物だったらしい。 
そして全ての実験を終えた結社は方針を転換し、オズボーンから幻焔計画を奪還するのではなく、彼が目論む《巨イナル黄昏》に協力する形で計画を無理矢理にでも進めることをヴィータを除く使徒の満場一致で決定。世界の終わりに手を貸した。 

更に閃の軌跡Ⅳでは、世界の「表」ではオズボーンらによって黄昏により広まった「帝国の呪い」を利用した帝国と共和国の全面戦争…ひいては周辺諸国をも巻き込んだ世界大戦の準備が進められ、世界を闘争で満たすことに成功。この「裏」では七騎の騎神による力の奪い合いである《七の相克》が進められた。
最終的には《灰》が勝ち残る形で相克は終了し、《巨イナル一》が錬成された。しかし不十分な錬成で本来の数十分の一程度の力しか発揮できない状態で顕現してしまい、そこに宿った呪いの本体たる《黒》の精神ごと討たれることでこの世界から消滅。人間には“ほぼ”利用不可能な状態になった。


前半部での計画の失敗とオズボーンによる乗っ取り、《巨イナル一》の消滅と色々なことが起こったが、これらは盟主にとっては折込み済みだったらしく、計画には些かの狂いも無いと語られている。
また、計画中でアリアンロードが散華し、更にヴィータ、ブルブラン、鉄機隊、シャロン、マクバーンと多くの離反者を出してしまったが、これも盟主にとっては意味のあることだったらしい。加えて完全にドロップアウトしたシャロンを除いたメンバーは、第三の計画の内容を知れば戻って来ると使徒たちは考えている模様。



永劫回帰計画

計画の第三段階。現時点では名前だけ登場している。







余談

  • イース7のボスキャラクターに、マクバーンの魔剣と同じ名をもつ「《焔竜》アング=バール」が登場する。
  • 東亰ザナドゥには「ネメシス」という結社が登場しており、そのエージェントが「執行者」と呼ばれているなどいろいろとこちらの結社を意識した設定が見られる。(ファンサービス以上の意味はないと思うが)


全ては追記修正のために。

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最終更新:2024年11月18日 23:30

*1 また、その死を聞いて喜んでいた対象はあの教授であることも考えれば、3rdでの「私も間近で見たかった」「ぞくぞくしちゃう」という発現も「外道が当然の最期を迎えた」という面に重きが向いている台詞となっている

*2 閃Ⅱでの暗躍はこれを目的にしていたが、黒のイシュメルガの齎す因果と呪いの強制力には抗えず、失敗してしまった。

*3 簡単に分けるとB兵器はウィルスや細菌、C兵器は毒ガスなどを指す。感染力の強いウィルスなどを使えばパンデミックが止まらなくなる可能性が高いため、「扱いが面倒」と言っているのである。

*4 碧の軌跡でのアリアンロードの「《破戒》にまかせてきた」というセリフは「(帝国外で)自身がやっていた任務をまかせてきた」という意味合いとのこと。

*5 後にワイスマンの行動は帝国を蝕む呪いの一つという設定が明かされている。

*6 遊撃士協会はもちろん各国の軍隊や警察、七耀教会なども協力し、あろうことか結社すらも密かに協力していた。この時にレーヴェとヨシュアがロッジの一つに居たレンを発見、保護している。

*7 彼が生物兵器を使用する際は一応転移で逃げる手筈になっているが万が一失敗すればとばっちりを受けてしまうため、この点においても執行者達から嫌われてしまっている。

*8 所謂スパコン

*9 所謂核兵器

*10 作中ではノバルティスの名前自体は出てこなかったが、こんな依頼をする使途と言えば彼以外にはいないだろう

*11 ノバルティス自身は安地から攻撃やバフを仕掛けてくるステージギミックのような扱い

*12 盟主の「相互不干渉協定」により邪魔も手助けもしないというどこまでもフェアな姿勢によるもの

*13 基本この手の組織は情報の秘匿によりイニシアチブを有しており、それが失われる可能性をわざわざ見逃している

*14 実際に幻の至宝はすでに消滅している

*15 創の軌跡にてノーマルエンドに進んだ未来を観ていたある人物が同じようなことを言いかけている