シロナガス島への帰還

登録日:2022/06/24(金) 16:34:27
更新日:2025/01/09 Thu 11:45:43
所要時間:約 10 分で読めます





────私は帰還する

あの忌まわしきシロナガス島へ────




シロナガス島への帰還』(Return to Shironagasu Island)は、TABINOMICHIから発売された同人ソフトである。
Windows(Vista/7/8/10)用のソフトの他、Steamでも配信されている。
価格は500円。
また、フルボイス版がSwitchに移植されて2022年11月17日に発売された。


あらすじ


大富豪の遺書の中に残された『シロナガス島』への招待状。
ニューヨークで探偵業を営む男『池田戦』は
特殊な能力を持つ少女『出雲崎ねね子』と共に島へと向かう。
そこで起きる数々の奇怪な殺人事件。
果たしてシロナガス島に隠された真実とは……?
すべての謎を解き、呪われた島から脱出せよ!
(公式サイトより抜粋)


概要


「古き良きアドベンチャーゲーム」とある通り、古いPCゲームを思い起こさせるようなゲームシステム。
基本システムは選択肢を選ぶだけのアドベンチャーゲームだが、読むだけにならないように、捜査の場面で画面クリックで特定の箇所を調査、時間制限付きの選択肢、爆弾の解体、名簿リストから犯人を指摘等、それなりにシステムには凝っており飽きさせない作りになっている。
「絶海の孤島で繰り広げられるミステリーサスペンス」という謳い文句だが、正確なところは「ミステリーのちにサスペンス、おまけにホラー」といった内容で、純粋なミステリーと思ってプレイすると終盤の展開には唖然とすると思われる。
それらの展開も含めて人気のあるゲームではあるが、その点は気を付けた方が良い。
とはいえ、犯人当て等、ミステリー部分もしっかりとした出来ではある。



事件関係者達

  • 池田 戦(せん) CV:なし*1
本作の主人公で口髭を生やし目つきの鋭いスーツ姿の男。
ただ、昔のゲームらしく ゲーム中に一切ビジュアルが出てこない ので、公式サイトを見る等しないと見た目が分からない*2
というか、事前にPVやサイトを見ないままプレイした後に公式サイトを見に行くとびっくりするかもしれない。

ニューヨークで私立探偵を営んでおり、マフィアとも繋がりがある等の黒い噂の絶えない男。
島を訪れるのに依頼者の関係者でないとまずい事情もあるが、本名から警戒される事も恐れて物語開始当初は名前を偽ってシロナガス島を訪れた。
いかにも影の有る設定だが、本編の彼は基本的には良識とユーモアを備えた人物。
ねね子の事は便利な道具扱いする事も多いが、危険な事からは遠ざけようとする等、大事にもしている。
事件現場についても完全記憶能力を頼りにねね子に見せて覚えさせたりはしてるが、流石にグロすぎる物については覚えさせるのを躊躇って見せなかった。


本作のヒロイン。
二十数カ国語をネイティブレベルに話せる、ハッキングを可能とするレベルでPC技術に精通している、一度見た物は完全に記憶する完全記憶能力保持者とかなりのチート性能。
一方で初対面の人間とはまともに会話すらできないレベルの超絶コミュ障。
それでいて口も悪い。胸もない。腋毛は剃らない。とあまりに残念な女子スペック。
誰かを頼らないとまともに生活出来るかも怪しいレベルであり、置いて行かれて一人で生活するくらいなら危険の可能性があっても池田を頼った方がマシと判断して島へ同行する。


今回の事件の依頼者。
ニューヨークファイヴタウンズの盟主、ロイ・ヒギンズの一人娘。
父ロイの自殺の調査を池田に依頼し、その調査の手腕を買ってロイ宛のシロナガス島への招待状についても調査を依頼した。


  • アキラ・エッジワース CV:石原夏織
スコットランド人で名門エッジワース家の令嬢。
招待状を受け取った父の代理人として従者のジゼルを連れて島を訪れる。
お嬢様らしく気位の高いキツめの性格。


  • ジゼル・リード CV:伊藤静
アキラの従者で女性。
表情を表に出さずにアキラに付き従っている。


  • リール・ベクスター CV:田中理恵
ワシントンに住む内科医の女性で、叔父の代理でシロナガス島を訪れる。
島で起きた事件について他に医者がいなかった為、リールが検死を行う。


  • アウロラ・ラヴィーリャ CV:茅野愛衣
島で出会う招待客の一人。
気さくな性格の少女で、池田もつい本名を明かしてしまう。
身につけているリボンにはあまりいい思い出がない様子。


  • ジェイコブ・ラトランド CV:東地宏樹
招待客の一人。
マフィアか何かのような雰囲気の男性で、行きの船の中で目的が血か肉かと池田に聞く等、島の秘密についても知っている様子。
酒好きで島の酒蔵にある酒を良く飲んでいる。


  • トマス・ハリントン CV:石住昭彦
招待客の一人で七三分けに眼鏡をかけた太った男性。
公式サイトでは「かなりの肥満体の男。」と書かれているが、中年太りくらいにしか見えない。
島の秘密については何かを知っている様子だが、聞いても教えてはくれない。


  • アレックス・ウェルナー CV:小林ゆう
アキラやリールと同じく代理で島を訪れた少年。
島の秘密を探っており、池田の悪評を知っている事もあって調査については対立している。


  • アビゲイル・エリスン CV:小原好美
島にあるホテル「ルイ・アソシエ」で客をもてなす寡黙なメイド


島にあるホテル「ルイ・アソシエ」の執事で、レイモンド卿に仕えている。
滅多に顔を出さないというダンの代わりに主人の言葉を代弁して皆に伝えている。


  • ダン・レイモンド CV:藤野裕規
シロナガス島の当主で「ルイ・アソシエ」の主人。
気まぐれな変わり者で夕食の際にも声のみで姿は現さなかった。


  • 運転手の男性 CV:
島に到着後、池田達を「ルイ・アソシエ」まで運んでくれた男性。



キーワード

  • シロナガス島
アリューシャンに存在する孤島。
島内には「ルイ・アソシエ」以外に建物はなく、それ以外は荒地ばかりになっている。
島の周りの海流は小型船で乗り出すのは無茶な程に荒れている。

  • ルイ・アソシエ
シロナガス島に唯一存在するホテル。
客室棟と本棟に分かれており、その間は吹きさらしの通路が存在するのみ。
2棟を繋ぐ通路を重厚な扉が塞いでおり、レバーを回して扉を上げなければ通る事が出来ない奇妙な構造になっている。


  • シロナガス島の悪魔
半魚人のような悪魔。


以下、ネタバレにご注意ください。



余談

  • 作者のこぼれ話
ゲームシステムや展開の緩急の付け方など、スナッチャー、ポリスノーツ等の影響を受けているらしい。
また、妙に肉付きの悪いヒロイン達は性癖であるとのこと。

  • BGMについて
当初はフリー音源を使用していたが、アップデートにより全てBGMが差し替えられた。
合わせてサントラもSteamで販売されている。
本編と合わせての購入も可能で、セールの際にはサントラも合わせて安く買える。

  • クラウドファンディング
Steamでの販売で売り上げ7万本、好評97%という圧倒的な高評価を受け、声優によるフルボイス化とSwitchへの移植を目指して目標金額200万のクラウドファンディングが行われた。
それに対し2か月で2647万の金額が集まり、見事に移植が決定された。
製品は2022年11月17日に発売されるも、オリジナル版の作者が発売直前に不具合に関して苦言、移植担当元が声明を発表する事態に。
現在はアップデートパッチにてそれらの不具合は解消され、今後もUI改善を行っていく予定とのこと。

私は追記・修正する。あの忌まわしきシロナガス島のページを。

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最終更新:2025年01月09日 11:45

*1 ボイスドラマ版では大塚明夫氏がCVを担当している。

*2 とあるシーンで自身のライセンスを取り出した際に、映っている顔写真から辛うじてイメージが判別できる程度