廣井きくり

登録日:2022/12/29 Thu 02:53:00
更新日:2025/06/03 Tue 20:14:56
所要時間:約 14 分で読めます





でも一応言っとくけど、今目の前にいる人は君の闘う相手じゃないからね。

敵を見誤るなよ。


出典:ぼっち・ざ・ろっく!、6話『#6 八景』、2022年10月9日~12月25日まで放送。
CloverWorks、アニプレックス、芳文社、©はまじあき/芳文社・アニプレックス


概要

廣井(ひろい)きくり』とは『ぼっち・ざ・ろっく!』の登場人物。

CV:千本木彩花

後藤ひとりがライブのチケットノルマに苦しんでいた際に出会った人物。
ライブハウス『新宿FOLT(フォルト)』を拠点に活動する人気インディーズバンド『SICK HACK(シク ハック)』のリーダーで、ベーシスト兼ボーカル。
伊地知星歌の大学時代の後輩でもある。本編開始時の年齢は25歳。ちなみに29歳の星歌はかつて大学時代に2回留年していた。

マイベースの名前は『スーパーウルトラ酒呑童子EX』でモデルはYAMAHA TRB1004J(YAMAHA社公式よりアナウンスあり)。
演奏の際は三味線のバチのようなものを使用しており、本人は「命より大事」と豪語するほど大事にしているが、よくベースを居酒屋やコンビニなどに置き忘れている。でも酒だけは決して手放さない。

女子高生である結束バンド視点では描写しにくい「大人のバンドマン」のポジションにいる人物であるが、下記の通りきららにあるまじきクズ要素や突飛なキャラ性の塊であり、奇人変人が多い本作でもトップクラスのダメ人間

容姿

普段は糸目だが、いざという時には開眼する。その際の目はグルグル目。
しかし高校時代の回想シーンや、運転役を任されたために強制的に断酒させられたシーンでは普通の目だったため、グルグル目はおそらく酒が入っているが故のもの。
アニメでも一応グルグル目だが、アイカラーの明度が低いためパッと見では普通の目にしか見えない。
右手の甲には曼荼羅のようなデザインのタトゥーがあるが、作画の都合かシーンによってあったりなかったりするので、シールの可能性が高い。
アニメではタトゥーの存在は消された代わりにタトゥーのモチーフがOPムービーに登場している。

ファッションセンスは独特で、普段はキャミワンピ+スカジャン+下駄。
スカジャンは元々、志麻の私物できくりが「やらかした」時にもらい受ける形になった。

大酒飲みな割には少食なので体型は細く(身長158cm/体重43kg)、BMI測定にかけると平均より10kg軽い状態。
そのためメンバーどころかゲイバーのママたちからも「見てると心配だからもっと食べなさい」と言われるほど。

人物

酒豪であり、酔っぱらっている時は飄々とした性格をしており、糸目もあって強者の風格を出しており、アニメのOPでは初見の視聴者にラスボスと勘違いされていた。敵を見誤るなよ
しかし、実は素面では陰キャな性格であり、同じく陰キャの後藤ひとりと偶然出会って以来、彼女を何かと気にかけている。
ひとりもきくりのことを「お姉さん」と呼び慕っている。他人のふりをすることも度々あるが。

常に酔っぱらっているのも気弱で思い詰め、何もしなくても常に不安に苛まれ緊張するのをごまかすためで本人はこれを幸せスパイラルと呼んでいる。*1
作中では常に酔っているので、廣井の素の状態が本人か星歌の証言からでしか分からなかった。

が、原作#67で遂に素面の状態で登場した。


酒癖の悪さ

天才ベーシスト」を自称するほどに実力は確か。初対面かつオリジナル曲であるひとりの演奏に完璧に合わせられるほど。
だが重度のアルコール依存症で、常時パック酒や一升瓶を携えて飲酒しており、ライブ中も常に酔っぱらっている。*2

酒が充填されている通常時・半分酒が抜けた禁断症状・完全に抜けきった素面と酔いに関しては3段階に分かれている。
悪酔いすると簡単な応答すらできないほど酔い潰れ、飲み続けて限界を迎えるとかんたん作画の幼児化する。

そのため住まいは築52年の風呂なし事故物件アパートの角部屋に住んでいる。アパートの裏が墓地で幽霊も完備。
風呂が無いため台所で体を洗い、台所→銭湯→志麻の家→イライザの家→後輩宅→伊地知家というシャワーローテーションを構築。
部屋の内装はごく普通の安い賃貸アパートそのものだが冷蔵庫やベースのケース、果ては雑誌をくり抜いてパック酒を入れるなどして差し入れなどで貰った酒を溜め込んでいる。

こんな経緯で『新宿FOLT』の店長・吉田銀次郎には目を付けられており、『未確認ライオット』ファイナルステージでは彼に「酒が飲める」と騙されてケバブの屋台でバイトさせられたりしている。

現在の素行からは信じられないが、高校生までは根暗な学生だったとのこと。
しかし「このまま普通の人生でいいのだろうか?」と絶望し、真逆の生き方をしようとロックを始めた。

金遣いに関して

彼女が属する『SICK HACK』はインディーズの中でも人気バンドであり、そのためチケットも物販も余裕で売り切れるため、収入自体は安定しているが酔っているため毎回のようにトラブルを起こしており、ライブで得た収入の殆どが壊した物の弁償に消えている。
おかげでしょっちゅう金欠で周りに金をたかる、生活基盤をSTARRY及び伊地知家に依存しているなどあちこちで迷惑をかけている。
そのせいで星歌はおろか虹夏からも冷たい目で見られている。

仲間である清水イライザとの違いは借金をしているかしていないかであり、イライザのように副業をしているわけでもないので家にはほぼ酒しかないという自体に。

ただし、家賃や税金の支払いを全くしないというわけではなく、払えるだけの収入が入れば支払ってはいるようだ*3

ベーシストとして

ライブ中における廣井のカリスマ性はひとりが魅入るほど絶大。
よくライブに行っていた山田リョウによると、
  • 客に酒を吹きかける
  • 歌詞を間違えて開き直る
  • 中指を立てながら客の顔を踏む
などをしたりしたようだ。

作中では観客に向かって上述の行為に加え、ダイブなどの過激なパフォーマンスから観客の反応は賛否両論*4

具体的には『未確認ライオット』にゲスト出演した際に、廣井のファンかそうでないかで反応が二分したほど。
彼女のバンドがコアなファンしかいないのはこの人のせい……というより超絶技巧を求め奇行といい加減極まる酔っぱらいに耐えられる人だけが残っているという節さえある。残念な美人である。

導き手として

また酒浸り故の奇行や絡み癖こそあるものの、根が真面目なので後輩相手には基本的には面倒見の良い性格。
ひとり以外にも同じ『新宿FOLT』をホームとするバンド『SIDEROS(シデロス)』の大槻ヨヨコからも「姐さん」と慕われている。

ひとりが初ライブのチケットの販売の際に出会って以降、『結束バンド』のライブには大抵来るようになるほどの常連客でファン1号・2号が来られなかった文化祭にまでやってきたほど。*5
実力も買っており、SICK HACKワンマンライブ前に酔った勢いで結束バンドをゲスト招待した際、ヨヨコから抗議されると「酔った勢いとは言え考えている」と前置きした上で「大槻ちゃんは私の目が節穴だって言いたいの?」と説き伏せている。*6

しかし、その一方で廣井は常時酔っぱらっているので、ぽいずん♡やみが書いた記事には「ファンの民度が低い」と書かれる原因になってしまった。そしてそれを見た虹夏は出禁にしようと企んだ。

ぼっち・ざ・ろっく!外伝 廣井きくりの深酒日記

2023年7月9日からCOMIC FUZにて連載が始まった『ぼっち・ざ・ろっく!』のスピンオフ作品。*7
作者はくみちょう。タイトル通り、廣井きくりが主役。
時系列は廣井と後藤が出会う直前の状態から始まり、本編の時間軸に合わせながら酒に溺れた彼女やSICK HACKの日常を描いている。
また結束バンド以外のサブキャラ達にも焦点を当てている為、本編では見られない絡みもある。
詳しくは項目参照。

人間関係

  • 岩下志麻
  • 清水イライザ
バンド『SICK HACK』のメンバー。志麻はドラム、イライザはギターをそれぞれ担当している。
普段のきくりが起こした騒動のカバーをしたり、時には見捨てたりもしているが何だかんだで人間関係的にもバンドとしても上手く収まっている形になっている。
深酒日記第32話にて「どうしようもないけど全部さらけ出しているのが廣井の魅力」と志麻が語っており、結成までの経緯やきくりのカリスマ性があるからこそ口うるさく注意してもバンド活動を3人で続けているのだと思われる。ただし、「信頼はしていません」とバッサリ切られているが。
SICK HACKは元々はきくりと志麻の2人だけのバンドだったがイライザの加入により知名度を上げている。

大学の先輩。STARRYの女性店長。
適度にあしらわれてはいるが悪くは思われてはいないようで、素面きくりに対して「こういう心配性な部分が可愛いんだよな」と述べている。
「深酒日記」ではきくりと2人または下記のPAさん含めて3人で出かけたりしていることもある。

直接的な絡みは多くないが、星歌を介して3人で行動する場面は割と多い。
結束バンドの面々からは3人揃ってダメな大人の代表として扱われており、虹歌からは「やさぐれ三銃士」と称された。

残り1枚のチケットが捌けない中で慌てるひとりに救いの手を差し伸べており、それ以降は結束バンド含めて応援している。
なお、未確認ライオットの投票期間中は一度も結束バンドに投票できなかった模様。

星歌の妹。結束バンドのドラム担当。
出会った当初は多少粗雑な扱いを受けながらも丁寧に応対されていたが「~深酒日記」にて(ひとりに)「餌付けしちゃダメだからね」と言われるなど姉に負けず劣らずあしらわれている。

結束バンドのベース担当。
きくりとは「深酒日記」にて「クズ協定」を結び、セキュリティが厳しくなった伊地知家でカレーとサラダをご馳走になった。
深酒日記第33話では互いに洗っていない野草を食べ比べし、「自分たちが彼ら(動物や虫)の領域にお邪魔しているからこそ経緯を持とう」「何でも買える世の中だからこそ自分の足で得ることこそが最大の贅沢」と説くも迎えに来た山田母により思わぬ現実を突きつけられることに。
リョウ自身は同じベーシストとして議論を交わせることに感動している模様。

  • 吉田銀次郎
新宿のライブハウス「FOLT」の男性店長。オネエで主夫。
食えない若手やきくりを溢れる母性で助けており、特にきくり絡みの出来事に関してはSICK HACK結成時を知っているからか文句を言いながらも何だかんだ手厚くサポートしている。
きくりたちは優勝資金100万円というきっかけこそあったものの、彼から今まで助けてもらってきたその恩に報いるために「未確認ライオット」のオーバーエイジ枠で出場することになる。

  • ぽいずん♡やみ
音楽ライターの女性。本名は「佐藤愛子」。
先輩ライターたちが「何故か」取材を避けているSICK HACKへのインタビューを決行するために企画を通すが…

余談

名前の由来は『八十八ヶ所巡礼』のマーガレット廣井氏から。なお、『SICK HACK』の他メンバーも同バンドのメンバーにちなんだネーミングである。
そして、ライブ前に酒を飲んで酔っ払った状態でライブをやるのもマーガレット廣井氏が元ネタだったりする。

ちなみに初登場回ではひとりのことを「ひとりちゃん」と呼んでいるが、ライブ回で再登場した時は何故か開口一番「ぼっちちゃん」と呼んでいる。
ストーリー上、きくりにひとりのあだ名を知る機会は無いはずだが、アニメでもこの点は修正されていない。*8
描写されていないタイミングでひとりが教えていたか、たまたまリョウと同じセンスのあだ名を(勝手に)つけていたか……といったところだろうか。



今晩は追記・修正スパイラルで

嫌なこと全部忘れるんだあ~。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 廣井きくり
  • 幸せスパイラル
  • ぼっち・ざ・ろっく!
  • 千本木彩花
  • SICK HACK
  • ベーシスト
  • ボーカル
  • ベース
  • アル中
  • 後輩
  • 糸目
  • 貧乏
  • 借金
  • マーガレット廣井
  • スーパーウルトラ酒呑童子EX
  • 下駄
  • 開眼
  • スピンオフ主役
  • 濃すぎるキャラクター性
  • ギザ歯
  • ダメ人間
  • 酒豪
  • 酒乱
  • 愛すべきクズ
  • 廣井きくりの深酒日記
  • アルコール依存症
  • 高尾駅
  • 高尾駅←厳密には高尾山口駅
  • 酔っ払い
  • リーダー
  • ぐるぐる目
  • スカジャン
  • やさぐれ三銃士
最終更新:2025年06月03日 20:14
添付ファイル

*1 なおアニメ版の当該シーンでは、よりによって「薬物依存の悪循環」のネットミーム画像をパロディした演出で紹介されている。

*2 普段は「おにころ」と書かれている安いパック酒を愛飲しており、何か良いことがあった時はカップ瓶のおにころを飲んでいる。

*3 新宿FOLTちゃんねるの雑談動画ではどれくらい支払いを引き伸ばせるか相談していたが。

*4 これを見たひとりは文化祭ライブで悲劇(ダイブした挙げ句、ダイブ地点にいた観客から避けられて顔から地面に落ちた)を起こしている。

*5 アニメでは1号2号も文化祭ライブにも見に来ていた。

*6 しかし、「深酒日記」にてあまり考えていなかったことが判明しているが「SIDEROSがいるからこそ結束バンドを呼んだんだよ」と互いの関係を見抜いているかのような発言をしている。

*7 目次の英題は「KIKURI THE“DRUNK HERO”ROCK STORY」。

*8 唯一の共通の知人である星歌は、この時点ではまだきくりがひとりに関心があることを聞かされていない。