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いたわりロボット(ドラえもん)

登録日:2023/02/26 Sun 18:47:00
更新日:2026/08/16 Sun 18:13:44
所要時間:約 15 分で読めます





「いたわりロボット」は、漫画ドラえもん』に登場するひみつ道具


【概要】

声優は高島雅羅(大山版)、川村万梨阿(わさドラ版)。

人間の女性型ロボット。青いロングストレートが特徴でのび太のママに近い年齢の雰囲気を感じさせる。

普段は手に乗るほどの大きさだが、背中のスイッチを押すと等身大にまで大きくなり機動する。
口下手なせいで人を元気づけるのが下手なドラえもんが、落ち込んでいるのび太を代わりに励ましてくれるよう出した。

心を傷つけた人や落ち込んでいる人をやさしく励ましたり元気づけてくれる。
これだけなら22世紀ならではのカウンセラーロボットという好印象を与える道具なのだが…。


【問題点】

いたわりロボットの欠点は、対象者にどれだけ落ち度があろうと無条件で肯定し褒め称え自信を付けさせようとする点である。

対象者を立ち直らせるためなら、時に破綻した肯定や単に相手にとって聴こえの良い言葉を絶えず並べるため、本人が向き合うべき自己の問題を見失ってしまう危険性を孕んでいる。

常に甘い言葉で強引に自己肯定感を与えるという性質上かなり依存性が強く、使用し過ぎると当人の反省や成長を妨げるリスクもある。

このロボットに頼りきった世界線ののび太は、努力を放棄した結果、浮浪者の乞食(わさドラ版では「乞食」描写が21世紀では違法かつ差別的なのでホームレス)に成り果てていた。
しかもここまでのび太を落ちぶれさせても尚、「もう泥棒や火事の心配は無いんだからのびちゃんは幸せ」などと現状を肯定している始末。
まさに「人をダメにする道具」である。

のび太が大人になってからも動き続けていたため、かなり長持ちするようだ。他の有用な道具は壊れやすいのになぜこれに限って無駄に丈夫なのか…。

【しごきロボット】

声優は玄田哲章(大山版)、町田政則(わさドラ版)。

いたわりロボットの恐怖、そして人が成長するためには厳しさも必要である事を知ったのび太。そこでドラえもんが出したのがこちらのロボットである。

人間の男性型ロボットで、いかにもスパルタ教師風といった外見をしている。
いたわりロボットとは対照的に非常に厳格な性格で、厳しくしごくことで人を鍛えさせる。作中ではのび太に大量の勉強をさせた。

だが、その間夕食をとることすら許さないなど厳しい上に融通が利かない。「ドラえもん」に出てくるロボットってほとんどそんな気質のような気が……。

ぶっちゃけベクトルが真逆なだけで、いたわりロボットと同様一方的な押し付けをしているに過ぎず、相手を鑑みていない事に変わりはない。実際にのび太からも「こんな極端なのしかないの!?」と抗議された。

これでは『SLAM DUNK』の谷沢のように、甘やかされるよりも悲惨な末路になってしまう可能性もある。


【原作】

「小学五年生」1975年10月号に掲載され、カラーコミックス4巻、藤子不二雄ランド4巻、『ドラえもん プラス』5巻、藤子・F・不二雄大全集4巻に収録されている。

雑誌掲載時は無題だったが、カラーコミックス収録時に項目名のタイトルが付けられた。

【アニメ版】

◇大山版「いたわりロボット」
1981年12月18日に放送された。

いたわりロボットの外見が原作より大きく変更されており、金髪のショートヘアとなっている。

DVD「TV版ドラえもんVol.50」に収録。


◇わさドラ版「いたわりロボット」
2015年4月24日に放送された。

こちらのいたわりロボットは原作準拠のデザインに戻っている。
また、しごきロボットの気性が原作以上に荒くなっており、のび太を呼びに来たママにも「邪魔するな!」と怒鳴り散らしている。


【余談】

  • 本作で描かれるテーマは、同じく快楽のみを与えてくれる存在によってのび太が堕落の危機に瀕する『森は生きている』と共通する。

  • 『自信ヘルメット』も人に自信を付けさせるためのひみつ道具だが、こちらは周囲のマイナスな言葉をプラスの表現に変換させるという機能であるため性質的には異なる。

  • 何気に「しずかと結ばれた幸せな未来」でもなければ「ジャイ子と結ばれた不幸な未来」でもない「誰とも結ばれなかったもう一つののび太の未来」が描かれたという意味では貴重な回である。
    乞食となったのび太がこの先どのような生涯を辿ったのかは不明だが、結婚は絶望的だろう。この時点でののび太の年齢は不明だが、ドラえもんがいないこと*1や実家・両親や親戚などを当てにできていないことなどからある程度歳を取っていると思われる。この世界線のドラえもんは、堕落しきったのび太について匙を投げてしまったのだろうか。*2仮にそうであればセワシには一体どう説明したのだろうか。そもそも(かの有名な『東京・大阪理論』で自身の誕生を保証していた)セワシも消滅する可能性もあるが…。*3

  • 日進月歩の勢いで発展を遂げるロボット産業だが、心のケアを目的としたロボットの開発も進められている。アザラシ型ロボットの「パロ」で有名な「セラピーロボット」もこれらの一種であり、躁鬱病や精神疾患の改善やストレス軽減などの効果があるとされている。「いたわりロボット」のようなセラピーどころか人をダメにさせるロボットが実現されては問題だが、人の心に癒しを与えるという役割をロボットが中心になって担う時代はそう遠くないかも知れない。





気にしないの。
だれがなんといおうと、のびちゃんのつい記・しゅう正にまちがいはないのよ。




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最終更新:2026年08月16日 18:13

*1 少なくとものび太が高校生の頃までドラえもんは一緒にいたようだが、『雪山のロマンス』で成人した頃には既に別れている。

*2 もっとも「無人島へ家出」「ぼくを、ぼくの先生に」等のように、のび太成人後どころか「状況的にのび太と一緒にいてもおかしくない」ドラえもんが特別な理由も無く不自然なほど登場しない事は珍しくない。今回の話がそれに該当するかは分からないが…。

*3 「タイムテレビ」で映し出される未来は、作品によって「確定した正史」を映し出す場合と「別の世界線の未来」を映し出す場合が混在しているのだが、今回の話は描写的に後者だろうか。